電 力総研 水 力あれこれ
と はずがたりな掲示板 ( 利 水スレ電 力スレ )
21.6.15運開
23.7.18独立
九頭竜川の水力発電
1・流域概要概説 貯水量 年平均取水量(2004年) 発電所一覧  福井県の年間降水量/降雪量分布
2.流域
九頭竜川本流(+45.6MW)中下流部支流
滝波川(+7.3MW)(→手取川)
日野川足 羽川
九頭竜川初期開 発・打波川(+3.2MW)
奥越綜合開発西勝原第三発電所(発電量増強)石徹白 電源開発(+8.9MW)(→長良川)]
真名川(真名川綜合開 発)(+11.8MW)(尖頭対応化+22MW)(→揖斐川)

九頭竜川は越前を代表する大河川である。最上流には九頭竜ダム・長野発電所を初めとする諸施設が建設されて流量安定化の上積極的に利水されている。一方足 羽川も県都福井をぶち抜く大河川だけに古い発電所が連檐しているが規模が小さくまた上流の開発もされておらず水害がたまに発生する。他の河川同様そろそろ 福井県は総力を挙げて北陸電力と全面協力しつつ電源開発・洪水対策していくべきだ。

九頭竜川水系概説   
中上流域河川図発電用水の利用系統図( 農業用水込系統図)・上流域貯留量年平均取水量(2004年)

出典:九 頭竜川水系  上流部ブロック 河川整備計画 2007年 福井県

中上流域河川図
     

3.上流部ブロックの現状と課題
3.2.2  取水による河川への影響
 九頭竜川や真名川上流域の発電取水は、導水路によるものであるため、取水地点の下流河川の流量が減少しています。特に、発電ガイドラインに基づいていな い取水については、河川維持流量が確保されていない場合があります。(図 3.1 参照)(とは註:(古い利水権など)発電ガイドラインに基づかない取水 があるということらしい)
 また、ダムによる貯留と導水路による大量取水は、下流河川の流況が平滑化し、河道内の砂州の発達や樹木の繁茂を招くなど、河川環境を変化させています。
 九頭竜ダムや真名川ダム等により貯留される洪水は、出水後、長 期間の発電放流に利用されますが、この放流による濁水が下流域にまで及び、藻の生育を妨 げ、その藻を食すアユ等の生育不良の原因として指摘されています。

図3.1 九頭竜川・真名川上流域における発電用水の利用系統        
常願寺川並(鳥瞰図)とは云わぬがそれでも可成りの輻輳ぶりである♪これでも残念な がら上打波や西勝原第一の細かい取水堰は載っていない略図である。
出典:福 井県(取水元が間違ってる様に見えた西勝原第二付近はとはずがたり修正・修正前はこれ)

農業用水込みの図        

6.6 奥越地方の発電および農業水利(発電のみは)
出典:国 交省

とはコメ:自然環境を考えると当然負荷は掛かっていると云えよう。。発電ガイドラインが何者かは不明だけどそれに適合する範囲で正常化しつつ利水も活発化 させたい。

上流域貯留量          
ダム名
河川
有効貯水量
流域面積
その他・備考
石徹白ダム 石徹白川
92万m3 104.6km2
九頭竜ダム 九頭竜川
2億2,300.0万m3 301.5km2
鷲ダム
610.0万m3  334.3km2
山原(やんばら)ダム 石徹白川
900万m3(総) 142.7km2+334.3km2
仏原ダム 九頭竜川
152.2万m3 437.9km2
小計:
約2億4,000万m3


笹生川ダム 笹生川
5,224.4万m3

雲川ダム 雲川
149.0万m3

真名川ダム 真名川
9,500.0万m3

小計:
約1億4.800万m3


合計:

約3億8,800万m3


他所と較べても相当たっぷり貯留量確保してる感じがある。

 


年平均取水量(2004年)       
https://www.jstage.jst.go.jp/article/jshwr/22/0/22_0_78/_pdf

※各導水管の取水量は2004 年の年間取水量を平均して一定量として与えた。

取水 平均取水量
(m3/s)
合計取水量
(m3/s)
最大取水量
(m3/s)
稼働率
(%)
放水 摘要
鷲ダム 29.3① 29.3 53 55.28 湯上発電所 長野発電所より受水・仏原ダムへ送水
石徹白川等からの流入も含むか?
下打波 1.4②


仏原ダム  本間川(本谷川)導水か?
仏原ダム 31.9③ 33.3(②+③=③') 56 59.46 西勝原第三発電所 湯上ダム・本間川(下打波)から受水・富田堰堤へ送水
流域から2.6m3/s(③-①)流入か
笹生川ダム 6.4④ 9.8(④+⑤=⑥) 16 61.25 中島発電所 五条方発電所へ送水
雲川ダム 3.4⑤
中島発電所 9.8⑥
16 61.25 五条方下 真奈川頭首工へ放水
富田堰堤 38.8⑦※1 54.8(⑦+⑧=⑨) 80 68.50 富田発電所 壁倉発電所へ送水
※1:打波川など流域からの水(+5.8=⑦-③')も含む?
※2:真奈川発電所からの水(+6.2=⑧-⑥)も含む?
真名川頭首工 16.0⑧※2
富田発電所 54.8⑨
80 68.50 壁倉発電所 下荒井堰堤へ送水
下荒井堰堤 63.4⑩
80 79.25 市荒川発電所 流域から8.6m3/s(⑩-⑨)流入か



九頭竜川水系発電所一覧       
初期の開発は川に取水堰を設けた水路式・流込式で戦後,九頭竜開発をした際には電発と北陸電力の間で綱引きがあって結果電発が主導を握ったようで ある。
とは言え九頭竜川の水流は九頭竜ダムの建設で安定化した筈であり,流込式も大いに九頭竜ダムの恩恵を受けており,電発の電力も北陸電力に一部(流域の発電 所からは半分ほど)供給されてい ることも含め,協力しあっているとは云えよう。実際の運用はどんなもんなのかな?
ダム名・取水川名
ダム湖名・取水川名
貯水量 有 効貯水量 流 域面積
その他・備考(ダム)
事業者:発電所名
最大出力
常時出力
形式
有効落差 使用水量 その他・備考(発電所)
【初 期九頭竜川開発など】


九 頭竜 川
市荒川



69m
80.0m3/s
下荒井堰堤

取水堰



壁倉 25.6MW 2.2MW 水路式・流込式 37.70m 80.0m3/s 1958年運開【真名川総合開発】[水 力.com]
富田
19.2MW 1.9MW 水路式・流込式 28.20m 80.0m3/s 1958年運開【真名川総合開発】[水 力.com]
富田堰堤






西勝原第一 10.9MW 1.1MW 水路式・流込式 117.60m 11.13m3/s 1923年運開
西勝原第二 7.2MW 0.8MW 水路式・流込式 37.24m 26.41m3/s 1919年運開
(取水堰)






















( 〃 )★★






( 〃 )★★






打 波川
(九 頭竜 川支流)

★3→6
東勝原 2.8MW 0.51MW 水路式・流込式 37.70m 8.60m3/s 1937年運開 2011年増強(+ 0.19MW)[水 力]
下打波 4.6MW 1.18MW 水路式・流込式 約81m 6.71m3/s 1939年運開 流域面積:93.9km2 [水 力.com]
上打波 10.4MW 1.7MW 水路式・流込式 150.70m 8.60m3/s 1958年運開 
2015年増強(+0.2MW),流域面積:67.0km2 [水 力]

亥向(びこう)谷




上打波発電所への取水堰

打波川




上打波発電所への取水堰

美 濃又川




打波発電所への取水堰
小  計①
80.8MW
9.39MW




【 九頭竜川総合開発事業】



仏 原ダム
410万立米 165万立米
421.92km2
1968年竣工
西勝原第三 49.5MW 18.2MW ダム水路式・貯水池式 99.0m 56.0m3/s 1.5MW出力増強(2017.4)・約 266.6GWh/y[水 力.com]
仏原ダム 0.22MW
河川維持放流水式


1.8GWh/y 2010年運開
小  計②
49.72MW
18.2MW




九 頭竜ダム 九頭竜湖・九頭竜川 3億5300万立米 1億9,000.0万m3
(発電容量)
301.5km2 (間接含む)

電発: 長野 220MW
中電分110MW
陸電分110MW

8MW ダム式・混合揚水式
・貯水池式
97.50m3/s
266.00m3/s
356GWh/y内、揚水発電分 165GWh/y
鷲(わし)ダム 九頭竜川 96.5万立米 61.0万立米
長野ダム下調整池・山原ダムへ送水
山原(やんば ら)ダム 石徹白川 90万立米

湯上発電所への取水堰
電発: 湯上(ゆがみ) 54MW
陸電分27MW
18MW ダム水路式・調整池式 120.10m 53.0m3/s 1968年運開
260GWh/y [経 産省資 料]
三面谷(さつ ら だに)取水堰 三面谷


九頭竜ダムへの取水堰
石徹白ダム 石徹白川


九頭竜ダムへの取水堰
智奈洞(ちなぼ ら)取水堰 智奈洞谷


九頭竜ダムへの取水堰
此 ノ木谷 注水口
電発: このき谷
0.199MW

水路式・流込式
7.4m 3.22m3/s 2016運開[水 力.com]
小  計③
274.2MW
26MW




【真名川総合開発事業】




大雲谷 県企業 局:中 島第二 2.4MW 0.32MW 水路式・流込式 214.82m 1.4m3/s 2010.北陸電力に譲渡  8.9GWh/年[水力]
雲川ダム 雲川(真名川上流) 149万m3 149万m3 55.8km2 1957年運開
笹生川ダム 笹生川(真名川上流) 5,880.6万m3 5224.4万m3 70.7km2 1957年運開[水 力.com][ダ ム書誌]

県企業 局:中 島 18.9MW 7.1MW ダム水路式・貯水池式 最大136.03m
常時115.98m
最大16.0m3/s
常時7.59m3/s
2010.北陸電力に譲渡 [ダ ム書誌]
2014.出力増加(+0.9MW) 約36GWh/年

県企業 局:五 条方 17.8MW 8.1MW 水路式・流込み式 129.95m 16.0m3/s 2010.北陸電力に譲渡
2013.出力増加(+0.3MW) [水 力.com][IT メディア]
真 名川ダム 真名川(九頭竜川支流) 1億1500万m3 [発電用]210万
~3,110 万m3
223.7m2 1977年運開
県企業 局:真 名川 14.2MW 0.68MW ダム水路式・貯水池式 109.8m 15m3/s 2010.北陸電力に譲渡 [水 力.com]
2014.出力増加(+0.2MW) 70.2GWh/年(改修後)
真名川頭首工







小   計④ 50.9MW 15.88MW



陸 電合合計⑤(=①+②)
130.52MW
27.59MW




総  計(③+④+⑤)
455.62MW
69.47MW





福井県の年間降水量/降雪量分布
出典:国 交省