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北陸電力発電施設 石油石炭老朽化火発
21.7.4大改訂
20.10.17完成
有峰・常願寺川の 利水と発電
常願寺 川概観(水利系統模式図流域鳥瞰図 有峰引水概 念図 農業用利水一般 図]・常願寺川・称名川立山付近・有峰開発[和 田川右岸(在来)第一 ルート[水量小]和田川右岸(新)第二ルート[水量中]和田川左岸(有峰) 第三ルート[水量大]有 峰引水]・小 口川・祐延ダム・神通川水系[熊野川跡津川熊野川

地図(マップル)に国 土地理院に描かれた水路や送電線(残念ながら発電所名は未載)や水 力ドットコムやネット地図(今回はグー グルマップが役立った)を動員して直接書き込んでいったらぐっちゃぐちゃになって訳解らんくなったので整理の為に検索掛けたら色々見つかった。

経産省も良い資料つくっとる。が,細かいミスっぽいものが散見する。。    
⓪一部の取水路が省略されている。 (これはミスでは無いと思うが)
・有峰引水路
ほんとは北の俣・中の俣でも取水して池の尾P/Sにも分水している。(高原川の項本頁有峰引水参照)
・称名川第二
雑 穀谷から取水が抜けてる
・称名川P/S 2.39
人 津谷からの取水が抜けてる

①称名川P/S・真川P/S8.35の導水路
図では水の行き場所がない(小見に流してる筈)・称名川からの取水は確認出来ない(水力小見の項でも地図上でも)

②小見P/S11.91
松ノ木へは送ってないように地 図上でも水 力.com上でも見える。
※但し,小見の放水が300.48mで松ノ木の取水が300.26mなので可能,出力増やせる筈!!=やるべきというかしかいと不自然。

こ の破線(下図の松ノ木P/S常願寺川取水口)は辿ると松ノ木発電所への導水路の筈で本宮砂防堰堤付近から 取水してるように見えるのだが現地でもよく判らなかった。
水力趣味初めて1年弱の若輩者の私では信頼性が足りないけど,ひろしさんも見付け られなかったと書いている[ひろしの見学記]のでこの破線は地理院のミスで実 際には無いのでは?(地下水路はしばしば地理院間違う。十津川第一の栗平と かあと未だあったが忘れた。)

更には概ね同じ様な標高なのに和 田川へ放水してしまう[地理院]ように描かれててる小見発電所であるが,こ の放水路も見当たらない[G空撮]様な。。

松ノ木発電所の取水口は常 願寺川からの2箇所で公的資料から確認取れているし,左に提示の模式図でも冒頭の鳥瞰図でも小見と中地山から取水してると描かれている。

実際,この中地山PSを出た水路橋上で水が合流しているのが判る。水路上で暫く併走してから合流するの は揖斐川と長良川の合流みたいになんか合流がスムーズになる為の工夫でもあるのかね?

ということで,松ノ木PSの本宮砂防堰堤付近の取水口も導水路も実際には無く亀谷PSも和田川には放水して無くて,亀谷の 水は松ノ木でそのまま使われていて,こ の池は実は亀谷発電所から中地山直下の導水橋上での合流を経て松ノ木へ直結させるための調整池ではないか。

③松ノ木P/S17.59
経産資料で小見から来てる様に描かれてる導水は常願寺川からの取水。
また中地山P/Sからの導水とは別々に小口川を渡ってるように書かれてるけど地図では同一地点。
岡田用水書き込んだ時に消えちゃったようだけど松ノ木から上滝へ放水している(模式図だと切れてる)。

これらを直した修正版はマウスオーバーで。

出典:経 産省

鳥瞰図    
経産省の電気回路みたいな図は訳解らんがこちらでなんとか解きほぐせた♪
出典:北陸電力





大まかに云って5つに分けられるようである。

●称名川・常願寺川本流ルート:称名川第二→称名川第一 ▲─(真川)→真川→(本宮砂防堰堤)→小見→[(有峰ダム →…中地山 →)有峰ダム右岸和田川第一ルートと合 流・小口川渡河] →松ノ木→(横江堰堤)

●和田川第一ルート(右岸在来ルート)[水量小]:有峰 ダム→和田川第一6.80●(和田川放水)→亀谷6.12→中地山 6.12●→ [(…→真川→小見11.91→)常願寺本流ルートと合流・小口川渡河] →松ノ木17.59→上滝17.59─(和田川第2ルートと合流)→常西用水

●和田川第二ルート(右岸新ルート)[水量中]:有峰ダム→和 田 川第 二32.20→新中地山 ダム→新中地山33.00→(有峰ダム左岸ルートと合流)小俣ダム▲58.7 万m3→小俣30.00─ (和田川第1ルートと合流)→常西用水

●有峰ルート・第三ルート・(左岸ルート)[水量大]: 有峰ダム→有峰第一 74.00→有峰第二74.00→ 小口川ダム146.9万m3▲→有峰第三26.00→(有峰ダム右岸和田第二 ルートと合流)小俣ダム▲58.7万m3→ 小俣ダム30.00→小俣30.00─(和田川第1ルートと合流)→常西用水

祐延ダム・小口川ルート:祐延ダム→小口川第三→小口川 第二→小口川第一→小俣ダム▲(和田川第二ルート・有峰ルートと合流)

鳥瞰図の内,ここで取り扱ってのは概ね以下の範囲の流域。小口川と称名川は切れてしまったけど。特に水色線で描いたところが主力である♪
真川と和田川第一にも有峰ダムから送水しているのでこれら全部を調整しているとも云える。すげえな有峰!


有峰ダムは和田川の上流にあるが,真川や和田川の支流のみならず,神通川水系の方迄水を集水している。
総延長483.0m総延長483.0m

有峰引水概念図    
支流側の双六川は国 土地理院地図では金木戸川と成ってゐる。双六川こと金木戸川から有峰湖迄高低差

80m位あるようだが発電する程ではな いのか?
出典:kabupro.jp

上の模式図だと金木戸川側から20m3/sも取水しているそうだが,上 の地図と現実の地図に一寸乖離 があるようにも見える。
また地図と水力.comの記述にも乖離がありそうだ。

水力.com
有 峰発電所 取水:神通川水系金木戸川+折立、折立増設発電所+和田川[有峰ダム]
池の尾発電所  最大使用水量5.50m3/s 取水:金木戸川→中ノ俣川→北ノ俣川

地 図だと
有峰発電所 取水:金木戸川(双六川)→中の俣川→北の俣川→和田川[有峰ダム]
池の尾発電所 取水:北の俣→池の尾発電所
に見える。


結局,有峰引水模式図には(事件とは無関係の?)北陸電力池の尾 発電所での発電が書いて無く て,池の尾発電所直下で取水して神岡鉱山金木戸発電所で発電し,更にその直下の双六ダムと高原川方面で取水して発電する富山共同自家発電(株)見座発電所 も書いてないから可怪しいくて,国土地理院からは分水槽が読み取れないから分離してるように見えてしまっていて,水力.comは有峰引水の北の俣と中の俣 と分水槽を無視してるから一寸混乱しているようだ。


また下流は常願寺川の扇状地を農業用水が網の目のように張り巡らされているようである。

常願寺川農業水利事業一般図    

出典:富 山県『あばれ川との戦い 常願寺川沿岸用水【常東用水・常西用水】』

常願寺川沿岸用水土地改良区連合:中滝0.47MW(灌漑期)0MW(非灌漑期)小水力2210MWh/年
上滝10.1MW1.4MW水路式・流込式常願寺川第一発電所、常西合口用水に放水/増強前は9.6MW
常西合口用水
常願寺川第一11.7MW2.4MW水路式・流込式小俣・上滝からも受水
常願寺川第二5MW0.44MW水路式・流込式