水力あれこれ 北陸電力水発(抄)
2020.11.30運開
九頭竜川水系日野川

九頭竜川有数の支流が日野川である。福井市を代表する河川である足羽川(超絶に古いネタで恐縮だが福井大学のアスワヤマニサクラサクの足羽で すな♪)は 実は日野川の支流なのである。

広野ダムの方が流域面積広いが県営ダムであり有効貯水量も少なく,桝谷ダムの方が国営(農政局)ダムで流域面積が狭いが有効貯水量が多く,結果的に水が不 足する後から出来た大きな桝谷ダムが先に出来た小さな広野ダムの流域から取水ダムを設置して水を取って止めてゐる。機能的で佳い♪

お陰で流域面積42.3km2ある広野ダムが間接領域20.3km2とられて残る22.0km2から取れる3.2m3/s・1,400kWという少々物足 りない水量で発電 している。

いま,両ダムの直下で取水して5m3/sを集め,9m3/s利水する八乙女取水堰の手前で発電する今庄発電所の開発を構想す る。なかなかいい感じではないか!?

流域一般平面図
出典:福井県

二ツ屋分水堰[福 井県][場 所][遍 路
目的:引水
堤高/堤頂長:    24.7m/97.5m
ダム天端標高/ダム基礎標高:
流域面積/湛水面積:     20.3km2 /3ha
総貯水容量/有効貯水容量    どうやら設定無し[水 は貯まってそうなのにねぇ。。]
平常時最高貯水位: EL.349.7m
ダム事業者     北陸農政局
着手/竣工     1979/2005
導水路:3.1km・ 高低差7m

桝谷ダム[便覧][福 井県
目的:   FAWI
堤高/堤頂長:     100.4m/345.9m
ダム天端標高/ダム基礎標高:
流域面積/湛水面積:     30.5km2 ( 直接:10.2km2 間接:20.3km2 ) /89ha
総貯水容量/有効貯水容量     2,500.0万m3/2,310.0万m3
平常時最高貯水位:EL.334.4m
ダム事業者     北陸農政局
着手/竣工     1979/2005

広野ダム上流で取 水して引水している。

広野ダム[便覧][福 井県][水力
目的:    FNIP
堤高/堤頂長:     63m/162m
ダム天端標高/ダム基礎標高:
流域面積/湛水面積:     42.3km2 ( 全て直接流域・桝谷の取水を考慮に入れると直接:22.0km2・間接:20.3km2 ) /54ha
総貯水容量/有効貯水容量:     1,130.0万m3/960.0万m3
平常時最高貯水位:EL.313.8m
ダム事業者     福井県
着手/竣工     1967/1976

両ダム一帯で運用すれば流域面積52.5km2・有効貯水量1270万m3となる。
また広野ダムの南西側から導水することも可能っぽい。広野に水を寄せれば更に桝谷に水を多めに分ける事も出来る。
5.1kmの導水路で広 谷川滝ヶ 谷川宇 津尾谷川美 土呂川から取水出来る。宇津尾谷川から美土呂川は1.7kmと一寸離れているので宇津尾谷川で打ち止めにすれば僅か3.4kmで済む。まあ全部で 19.1km2とそれ程広くないので美土呂迄必要か。
桝谷に取られる分をほぼ補填出来る感じに♪




北陸電力(株) 広野発電所[水力
運開:1996.12[福井県企業局]/売却:2010年
ダム式・調整池式
認可最大出力:1400kW      常時出力: 380kW
    最大使用水量:3.20m3/s
    有効落差:54.40m
    水車: 出力1490kW×1台
    取水位標高:313.800m
    放水位標高:256.100m
  流域面積:42.30km2
    取水:日野川[広野ダム] 313.8m
    放水:日野川256.1m

貯水容量配分図



さてその桝谷ダムであるが,小水力発電が計画されたようである。

2013年5月27日月曜日
既設2ダム 小水力発電
http://j-water.blogspot.com/2013/05/blog-post_4649.html
・-----読売新聞、2013/05/26
------小水力発電ニュース------  南越前町と勝山市にある2か所の県営ダムで、県が小水力発電を導入する計画を進めている。ダムの建設後に発電設備を据え付ける事業は県内では初めてで、 2016年春の稼働を目指す。一方、砂防ダムでも同様の計画を地元市町などが検討したが、採算性に問題があり、見直しが相次いでいる。(酒本友紀子)
 7か所ある県営ダムのうち、「笹生川」(大野市本戸)、「広野」(南越前町広野)、「龍ヶ鼻」(坂井市丸岡町上竹田)の3か所は、建設時から発電機を備 えている。昨年7月、再生可能エネルギーで発電された電気を固定価格で買い取る制度が導入されたため、県は「桝谷」(南越前町宇津尾)と「浄土寺川」(勝 山市奥山)にも発電機能を持たせることを決めた。
 桝谷ダムは落差が約82メートルで、1秒あたり9~0・1立方 メートルの水が放流される。その水力を使い、341キロ・ワットの出力の発電機を設置する計画で、年間の発電量は一般家庭約400世帯分の151万 4000キロ・ワット時にのぼる・・・

(県単)桝谷ダム小水力発電施設整備工事 その2
(2015年01月23日公示)
https://www.njss.info/offers/view/5882784/


2015/11/29
福井県発注の建築工事、業者敬遠 入札結果の3割が不調、不落【福井新聞】
http://j-water.org/tag/%E7%A6%8F%E4%BA%95%E7%9C%8C/
(2015年11月29日午後5時00分)
 福井県が本年度上半期に入札結果を確認した建築工事のうち、1回で落札者が決まらない「不調」と「不落」の割合が30%に上っていたことが、県公共工事 入札監視委員会で明らかになった。前年同期の9%から大幅に上昇。民間の建築需要が堅調な一方、価格面で不利な公共工事が敬遠されている実態が浮き彫りと なっている。
 県の資料によると、建築工事件数は50件で、うち応札者がなかった「不調」は11件、応札者はいたが条件面で折り合わなかった「不落」が4件あった。前 年同期は工事43件中、不落4件のみだった。土木工事などを含めた全体では、本年度上半期の不調、不落率は6%で、前年同期比約2ポイント増。建築工事の 不調、不落が突出する結果となった。
 月別の不調、不落件数でみると、8月が10件中5件、9月は9件中8件と目立ち、敦賀市白木のモニタリングポスト建て替えや、県営住宅の耐震補強、桝谷ダム(南越前町)の小水力発電設置などがあった。水野家 住宅(越前町)の復元、福井城山里口御門(やまざとぐちごもん)といった県の目玉事業でも契約できない事態に陥った。
 県は業者への聞き取りの結果、「価格が割に合わない」「鉄工所が手いっぱいで、資材調達が不可能」との理由があったと説明。夏場に民間の工事が集中した ことも影響したという。条件を変更して再入札し、現状ではおおむね落札に至っているとした。
 また落札率は、本年度上半期の公共工事全体の平均92・9%に対し、建築工事は96・5%。業者の努力による値下げの余地が他の工事と比べて少ないこと も見て取れる。


その後完成したという話しは聞かないので計画が流れてしまってないが心配である。。

福井県 桝谷発電所
入札:2015…不調
ダム式・調整池式?
出力:340kW
最大使用水量:?立方メートル毎秒
有効落差:82m?
取水:桝谷川[桝谷ダム]
放水:桝谷川

で見る様に, 八乙女頭首工迄大きな取水は無いようだしもう一発発電できそう。

二ツ屋取水堰: EL.349.7m
 桝谷ダム:EL.334.4m
桝谷発電所放水位:? 桝谷ダム基礎標高はEL.243.0m
広野ダム:EL.313.8m
広野発電所放水位:256.1m
<>
八乙女頭首工:102m程度?


勿論,問題点は農業用水(潅漑)の从属発電にならざる得ないと云う点で,独自水源も開発したい。こんな感じで田倉川の上流から水が取れそう。


 途中の高倉谷のどん詰まりは高 倉峠(林道塚線が通ってるらしい・こうくらと読むようだ・標高の割には勾配が緩く裏道として使われたとの伝承も     [wiki]) でその向こうは徳山ダムを擁する揖斐川である。揖斐川上流は3000mm級の年間降雨量であり,この辺も等降雨線の 或程度の連続性を期待すれば2500mm以上の降雨がある地域の筈である。

また此処に(純)揚水発電の計画があったようだ。再生可能エネの大量導入時代を睨んで今こそ純揚水が必要 である。計画を再開すべき。

高倉揚水発電所計画の凍結について
https://www.jpower.co.jp/news_release/news142.html

2001(H13)年3月9日
電源開発株式会社
北陸電力(株)、電源開発(株)は、高倉揚水発電所建設に向けた調査を実施してまいりましたが、この度、この計画を凍結せざるを得ないとの決定にいたりま した。

[これまでの経緯]

(1984(S59)年までの調査)
1972~73(S47〜48)年     「昭和47年度総合開発に伴う発電計画調査及び発電水力調査」実施
(通産省からの協力依頼により北陸・電発が共同で調査)
1974~1984(S49〜59)年     国の調査終了を受け,引き続き北陸・電発による共同調査実施
1984(S59)年     将来の需要動向を見極めるため,一時調査を中断
(1992(H4)年調査工事再開の申入れ以降の経緯)
1992(H4)年12月     地元へ調査工事再開の申入れ
平成05年06月     福井県側 調査工事再開に対する地元同意を取得
平成06年01月     岐阜県側 調査工事再開に対する地元同意を取得
平成06年04月     地形・地質調査工事の再開
平成06年11月     地元へ環境調査の申入れ
平成06年12月     環境調査の開始
平成07年08月     猛禽類調査の開始
1998(H10)年03月     猛禽類調査の実施により,使用開始時期を2年繰り延べ
1999(H11)年03月     環境影響評価法の適用により,使用開始時期を4年繰り延べ

[高倉揚水発電所計画の概要]
発電所所在地     福井県南条郡今庄町瀬戸
水系および河川名     上池 木曽川水系揖斐川支流赤谷
下池 九頭竜川水系日野川支流高倉谷川
発電方式     純揚水式
最大出力     210万kW(35万kW×6 台) 北陸70万kW,電発140万kW
運転開始時期     平成23年度(先行機 各社1台),平成24年度以降(後続機)
開発体制     北陸電力(株)と電源開発(株)の共同開発
ダム所在地     上池 岐阜県揖斐郡藤橋村大字塚
下池 福井県南条郡今庄町瀬戸
形 式     ロックフィルダム
有効貯水量     約 1,600 万m3
ダム高(堤高)×長さ(堤高長)     上池 約100m×約300m 下池 約140m×約450m


まだ見えない高倉揚水発電所
http://www.anc-d.u-fukui.ac.jp/~uyo/koukura.html

 1965年に廃村となった高倉集落は瀬戸で南に分岐した支流高倉谷川を遡ったところにあった。計画されている下池ダムは伊藤氏庭園から1.2キロメート ルばかり入った高倉谷川の中程に築き、かつての高倉分校のあたりが湛水線となる模様である。堤高140メートル、堤長450メートルで堤頂は標高347 メートルとされる。(→EL.210m強の場所に建設と思われる。)
 上池ダムは堤高100メートル、堤長300メートルで堤頂は標高800メートル余である。これらふたつのダムをパイプラインで結んで水を上下 させようというのである。導水路、水圧管、放水路の延長は2キロメートル強。地下400メートルの所に発電所は造られる。導水路の内径は3.2メートル、 水圧管は3.2~1.3メートル、発電所から下池ダムまでの放水路は内径3.8メートルである。上池下池とも有効貯水容量 は1,600万立方メートル、最大出力は210万キロワットであるという。
 導水路の上には高倉峠がある。現在の高倉峠は高倉の旧集落跡からは行けず、瀬戸から芋ヶ平川から南に大きく迂回して藤倉谷川を遡り、林道塚線は山肌を縫 いながら登っていく。


ダムの位置は高倉側はこ の辺(此処の狭窄部が怪しい♪・伊藤氏宅から1.2kmとするとこ の辺か?),揖斐川側はこ こらの様だ。揖斐川の水量安定・発電量強化にも日野川の水量安定・発電量強化にも使えそう。素晴らしいっす。
高倉ダムが満水位340m位だとすると高倉谷川以遠の取水位は其処迄上げて高倉ダムに貯水できた方が良いかも。。併しその場合,高倉谷川と茅ヶ平川の間の 無名の川の取水面積とか激減して茅ヶ平川の面積も可成り狭くなってしまいそう。
高倉谷川はサイフォンで越えるなどしてダムをスルーするなど高度が必要ない形にしれ利水した方がトータルでは良さそう。
また高倉ダムにもその辺の容量を入れる分堤高高くして貯水量確保出来れば。尚良い(揚水が無関係な水の混入を嫌いのはなんか相当なものだけど。。)

EL.340mで湛水面積を出すと56.1ha(56.1万m2)。大した流域面積ではないので大して土砂が溜まらないとしてEL.250mで面積を勘定 すると3.65ha。推定貯水量は2,000万m3となる。一寸過大か??利用水深をEL.260mとして64.4haとなってやっぱり2,000万m3 となる。まあ私の計算方法が怪しいけど,まあ規模感としてはそこそこではないか。


[構想]今庄発電所
出力:8,800kW[+8.8MW]
水量:8.0m3/s
落差:134m
流域:広野・桝谷ダム52.5km2・田倉川25.9km2・大鶴目谷川4.4km2
取水:日 野川[広野発 電所直下]242.6m(この辺)桝 谷川[桝谷ダム直下]241m(この辺)大 鶴目谷川(調整池)・田倉川導水(L=9.7km)[多 留未川高 倉谷川(名 称不明)川茅ヶ 平川
放水:日野川[八乙女取水堰付近]102m
導水距離:9.5km



八乙女頭首工[水土里
場所:福 井県南条郡南越前町八乙女地内
日野川用水
堤高     1.9m
堤長     72.4m(可動堰長)
取水設備     最大取水量     8.981m3/s

冒頭の一般利水平面図の南条利水地基準点(桝谷)とは此 処のことか?

出典:北 陸農政局


??頭首工[場 所
聖橋 治水・利水基準点(広野)は此処か?


日野川用水発電所
最大出力: 141kW
最大使用水量:0.642m3/s
有効落差: 37.10m
年間発電電力量:1,021.0MWh (82%)
水車 : 定格出力 154kW
発電機 定格出力: 141kW
発電機定格電圧: 440V


松ヶ鼻頭首工[水 土里
場所:福 井県越前市向新保町地内
堤高     1.35m
堤長     205.20m
最大取水量     3.701m3/s
潅漑面積:1,654ha