水力いろいろ(関 東) 奥只見 鬼怒川 渡良瀬川

2020.12.04運開

利根川の水力発電 上流部篇 ①矢木沢ダム~水上発電所

中流は②参照

利根川:(源流)──矢木沢ダム(1億7,580.0万m3・167.4km2・ EL.833.03m)─矢木沢発電所(240.0MW・300m3/s)──[楢俣川:奈良俣ダ ム須田貝ダム須田貝発電所水上取水口──藤原ダム藤原発電所───小森ダム───水上発電所[湯桧曽川]──上牧 発電所・小松発電所・上牧堰堤──<中流部篇>
上流部開 発(案)[新設案]利根川発電所[20MW][増強案]水上発電所[+ 1.4MW][湯桧曽川導 水][増強案]小松発電所[湯桧曽川導水][新設案]新 上牧発電所[9.6MW]

藤原発電所(運開:1956年)は玉原発電所(純揚水)の下部調整池である藤原ダムを水源 として最大水量28m3/sで発電(22.2MW)している発電 所である。
水上発電所(運開:1953年)は藤原ダムより上流の須田貝発電所(65m3/s)放流口付 近で最大使用水量は16.70m3/sを取水(勝手に須田貝堰堤と呼ぶ)して発電 (18.6MW)している発電所である。
藤原発電所の放水(28.0m3/s)は利根川557m地点。ここの下流には上牧発電所取水口(小森ダム)(25m3/s) があって下流に送られる。(3m3/s逸 失)
水上発電所の放水(16.7m3/s)は利根川528.22m地点。この下流の湯桧曽川合流直前には小松発電所取水口 (14m3/s)(勝手に湯桧曽堰堤と呼ぶ)があって下流に送られる。(2.7m3/s 逸失)
上牧発電所[→②](403m 放水・31.5MW・25m3/s・1958 運開)と小松発電所[→②](400m放水・13.3MW・14m3/s・ 1922運開)は仲良 くほぼ同じ地点にある。
互い違いになっていてややこしいが,結局,上牧が取り損ねてる3m3/s,小松が取り損ねてる2.7m3/sと湯桧曽川・阿熊川辺りが未使用の水量となっ ている。此処らから取水(下牧ダムと呼ばれている様だ[→②])して岩本 発電所[→②] の取水堰(400m)辺りで発電したい。

土地勘がないとなにがなんだかさっぱりなので流域概要図を先ずは載せておく。奈良俣ダムの向こう側に群馬県内なのに利根川流域ではない箇所があるが尾瀬で ある。
奥只見開発に絡んでこちら側に水を引っ張ったりダムに沈めたりの可能性もあったが尾瀬の湿原が 無事でなによ りである。そのしたには矢木沢ダム・矢木沢発電所・奈良俣ダム・奈良俣発電所・須田貝ダム等が建設 されて首都圏の水瓶と成ってゐる。

流域面積明示の地図が判りやすい。しっかり貯められる面積はそんなに多くなくて,降雨が偏ると直ぐに渇水になって しまうのである。四国(香川・徳島)も早明浦に頼り切ってしまっているのと似た構図。[→以前の地図
出典:水 源池ネット

降水量
先ずは流域のおさらい。榛名山の北側でかなり水量が少ない地域(中山付近は1200mm)で利根川から枝分かれして上流へ行くほど雨量は増えていく感じで ある。
榛名山の南正面が一番雨が降るのか。その次が藤原ダム・相俣ダム[→②]・四万川ダム[→吾妻]のラインより北側と云う事の様だ。

2000mmも書かれている等雨量図発見。以前の資料とちょっ と印象変わってくる。
出典:国交省
出典:気象庁アメダス観測所雨量より作成(S53年~H12年の平均値から作成)

小雨の関東平野で八木沢ダムは此処しかないという場所に造られているのが判る。


~沿川風景~

(利根川源流・大水上(おおみなかみ)山(標高1,831m))

矢木沢(やぎさわ)ダム[(独) 水資源機構[水 力]  
目的/型式     FNAWP/ アーチ
河川:利根川水系利根川
送水:矢木沢発電所(混合揚水・最大300m3/s取水位:833.03m)
堤高/堤頂長/堤体巾     131m/352m/7.90m
総貯水容量:2億430.0万m3  有効貯水容量:1億7,580.0万m3(→容量配分)
流域面積/湛水面積     167.4km2 (全て直接流域)/570ha
常時満水位:EL.850.0m/洪水時満水位:EL.854.50m/最低水位:EL.796.5m
ダム事業者     関東地建→水公団一工
着手/竣工     1959/1967

矢木沢合流点直上に建設されたから矢木沢ダムである(と思われる)。須田貝ダムが当初楢俣ダムだったのも,黒部ダム(鬼怒川ではなく黒四の方)が建設時の書類に御前沢貯水池と書かれてたのもそういう発想である。

有効貯水量1億7,580万トンの頼もしい奴である。丁寧に諸元を確認して見る。
上流部にあって川全体の水流を安定させて治水・利水に大いに役立つ,木曽川の三浦ダム・牧尾ダム,飛騨川の高根第一,朝日,秋神ダム,揖斐川の徳山ダム, 信濃川の奈川渡ダム,大井川の井川ダム・長島ダム,黒部川の黒部ダム,常願寺川の有峰ダム,神通川の下小鳥ダムと云ったダム達と役割を共有している様だ
矢作川の上矢作ダムが,更には伊南川上流,片貝川上流,なんかにもダムが欲しい所である。ちゃんと効果が絶大なやつはちゃんと造るのが政治の責任であろ う。

あと,まだ低いし広いしもう一発ぐらい発電咬ませそう♪→調べて見たけど意外に難しそうだった。

容量配分図      

正面図      
アーチダムにウイングダムに脇ダム迄咬ませている。どこが352m?


遠景      

こんな形の洪水吐きなのか~。

都県別用水供給表      
都県\用水
水道(W)
(最大)
農業(A)
(平均)
合計
東京都
4.0m3/s

4.00m3/s
群馬県
2.918m3/s
7.65m3/s
10.568m3/s
合計
6.918m3/s
7.65m3/s
14.568m3/s

防災操作図      


この最大放流量300m3/sってのは八木沢発電所の最大使用水量300m3/sとピッタリ同じだ けど発電用に使うって理解で良いのかな?

東京電力RP(株) 矢木沢発電所[水 力]  
運開:1965.10/可変速揚水運転開始:1990
ダム式・混合揚水式
認可最大出力:240,000kW   常時出力:     0kW
最大使用水量:300.0m3/s
有効落差:93.50メートル(最大) 通常有効落差:82.70m
喞筒水車:3台 総出力261800kW
放水路:総延長554.9m
流域面積:167.4km2
上部貯水池:利根川[矢木沢ダム](833.03m)
下部貯水池:利根川[須田貝ダム](737.63m)

日本で最初(1990年発電機3台の内1台を改造)に可変速揚水を行った水力発電所とのこと。
定速と異なり周波数の調整が可能となり火力発電に拠る調整運転を減らせることになる。

~楢俣川~  


奈良俣ダム[水力] [便覧]   
河川     利根川水系楢俣川
目的     FNAWIP
堤高    158m
流域面積/湛水面積     95.4km2 ( 直接:60.1km2 間接:35km2 ) /200ha
総貯水容量/有効貯水容量     9,000.0万m3/8,500.0万m3
ダム事業者     水資源開発公団一工
着手     1973/1990
調査開始:1974/着工:1978 /竣工1990
堤高:158m
 総貯水容量:9,000.0万m3
有効貯水容量:8,500.0万m3
     内   利水容量:6,950.0 万m3
       洪水調節容量:1,300.0万m3
 洪水期河川流量調節容量: 250.0万
非洪水期河川流量調節容量:1,550.0万m3
     堤頂標高:896m
 洪水時満水位標高:不明(サーチャージ)
    満水位標高:888m
洪水期制限水位標高:881m
 表層取水最低標高:860m
   最低水位標高:800m
面積
集水面積:95.4平方キロメートル(11.5%)
 直接流域:60.1平方キロメートル(集水面積の内)
 間接流域:35.3平方キロメートル(集水面積の内)[木 の根沢
湛水面積: 2.0平方キロメートル
放水:奈良俣発電所(11.00m3/s)

群馬県企業局 奈良俣発電所[水 力]
平成1(1989)年8月:運用開始
ダム式・貯水池式
認可最大出力:12,800kW 常時出力: 0kW
最大使用水量:11.00m3/s
有効落差:133.30m
水車:出力12800kW×1台
流域面積:95.4km2
取水:(楢俣川+湯ノ小屋沢川)[奈良俣ダム]875.00m
放水:楢俣川[須田貝ダム]740.00m

奈良俣発電所の発電量が公表されている♪[→水機 構](エ クセルファイル)
春先と晩秋は余り発電してない様だ。



須田貝(すだがい)ダム 旧名:楢俣(ならまた)ダム[水力] [便覧][DB]   
堤高:72m 堤頂長:194.4m
総貯水容量:2,850.0万m3  有効貯水容量:2,200.0万m3
満水位標高:741.82m 低水位標高:717.0 m
流域面積:310.1平方キロメートル 湛水面積: 1.3平方キロメートル
放水位:737.63m[矢木沢発電所300m3/s(混合揚水)]
取水位:743.00m[須田貝発電所65m3/s]
目的/型式     P/重力式コンクリート
流域面積/湛水面積     310.1km2 ( 全て直接流域 ) /130ha
ダム事業者     東京電力(株)
着手/竣工     1952/1955
須田貝発電所取水:制水門      2門   (制水門) 径間(口径)     (m)       4.56  (制水門) 高さ     (m)       5.58
洪水吐:  ラジアル・ゲート 3門 径間×高さ: 10.30m×8.50m (クレスト)

八木沢や奈良俣や藤原の仲間みたいな顔をしてるけどここ(須田貝ダム)だけ東電の発電ダムである。
発電所は元から須田貝発電所で,電力会社はダムを発電所の付随物と看做して発電所の名前を付けがちなのでてっきり公的所有の多目的ダムかと思って居た。
確かに貯水量は余り多くない。
最近藤原ダムの夏季の利水容量が減らされてしまい[→藤原ダム→藤原問題]藤原ダムの夏季の発電の運用に勝手に心を痛めているのだが,無理矢理藤原ダムの容量減らすなら須田貝ダムの堤体を強化して2m嵩上げすれば湛水面積130ha(=130万m2)なので260万m3位軽くひねり出せる筈である。藤原ダムから更に須田貝ダムに治水容量を建て替えられそうである。将来の課題としたい♪

東京電力RP(株) 須田貝発電所[水力] [DB]   
運開:1955.9 (着工:1952.10)
ダム式・調整池式
認可最大出力:46,200kW  常時出力:4,000kW[0.86%]   ←最大時の水出力効率0.71,常時は0.4。可成り違うな。。
最大使用水量:65.00m3/s  常時使用水量:10m3/s
最大有効落差:82.82m 基準有効落差:77.0m
水車:立軸単輪単流渦巻フランシス水車 最大出力23900kW×2台
  最大有効落差:82.82m 出力23900kW、水量32.5立方メートル毎秒
  基準有効落差:77.0 m、出力22100kW、水量32.5立方メートル毎秒
  最低有効落差:58.0 m、出力13800kW、水量27.5立方メートル毎秒
流域面積:310.1平方キロメートル
放水路: 総延長 1,734.7m 横×高さ:5.75m×5.74m
取水:利根川[須田貝ダム]743.00m
放水:利根川[水上発電所取水堰付近(→水上発電所16.7m3/s)→藤原ダム(→藤原発電所28m3/s→小森ダム23万m3→上牧発電所25m3/s)]657.75m

日本初の地下式水力発電所とのこと。1952(S27)運開,46.2MW。地下式というと木 曽(1968・116MW)とか読書4G(1960・70MW)と かデカい高度成長期のイケイケの奴を思い出すが,昭和20年代後半着工で既に高度成長的な雰囲気醸し出しておりますなぁ。
また楢俣出合に作られた楢俣ダムであったが,発電所は最初から須田貝発電所だったようである。

須田貝発電所を解き放たれた最大65m3/sの水は水上発電所と藤原ダムに吸い込まれていく(全量は吸収し切れず以下で無効放流となってしまう)。両者は岩本発電所(上牧堰堤)で合流す る。

発電所名
運開年
出力
有効落差
最大水量
水量効率
摘要
水上
小松
ルート
水上発電所 1953
18.6MW 127.41m 16.07m3/s 1.16

小松発電所
1922
13.3MW
113.55m 14.00m3/s 0.95

合計

31.9MW 240.96m
2.11

藤原
上牧
ルート
藤原発電所
1956
22.2MW
(18.8MW)
92.07m
(77.97)
28.0m3/s 0.79
(0.67)
(洪水期)
上牧発電所
1958
31.5MW  144.13m 25.0m3/s 1.26

合計

53.7MW
(50.3)  
236.20m
(222.1) 

2.05
(1.93)
(洪水期)
須田貝の直下で取水する水上小松ルートの方がより古く規模は小さいが水効率(単位水量で発電出来る電力量)は良いようだ。
洪水期(7-9月)は更にその差は開く。この差は藤原ダムの再開発に伴う水位低下措置で更に開いた。

水上発電所 利根川取水堰(須田貝堰堤(仮 称))[DB
取水:利根川[須 田貝発電所(65.0m3/s)(668m)]65m3/s
送水:水上発電所[16.7m3/s以下・取水位665.00m]
高さ/堤頂長 :  11.80m/ 56.25m
制水門   ローラ・ゲート4門 径間×高さ:4.50m×2.30m
貯水量:なし?

~発知川~  

玉原(たんばら)ダム[水力][場 所]
昭和48(1973)年:着手 / 昭和56(1981)年:竣工
堤高:116m、堤頂長:570.1m、
 総貯水容量:14,800,000立方メートル 有効貯水容量:1,300.0万m3
標高
 天端標高:1177m 満水位標高:1173m 低水位標高:1141m
流域面積:6.5 平方キロメートル 湛水面積:0.57平方キロメートル


東京電力RP(株) 玉原発電所(場 所)水力]
運開:1982.12(一部)・1986.7
ダム式・純揚水式
認可最大出力:1,200,000kW 揚水最大入力:1,240,000kW
最大使用水量:276.00m3/s/最大揚水水量:210m3/s
有効落差:518.00m  総落差:543.1m 実揚程:549 m  全揚程:559.2m
水車:喞筒水車×4台   基準有効落差518.00m、基準有効揚程559.2m
   最大使用水量69立方メートル毎秒、最大揚水量52.5立方メートル毎秒
   水車出力309000kW、ポンプ入力310000kW
発電機:4台 発電機時出力容量335000kVA、電動機時入力容量332000kVA
流域面積:407.5平方キロメートル
上部貯水池:発知川[玉原ダム]1169.50m
下部貯水池:利根川[藤原ダム]626.40m




~宝川~

水上発電所 宝川取水堰
場所:宝 川
流域:27.27km2


藤原(ふじわら)ダム[水力] [便覧(元)] [便覧(再)] [関東 地方整備局][DB]  
河川     利根川水系利根川
目的/型式     FNP/重力式コンクリート
堤高/堤頂長     95m/230m
流域面積/湛水面積     400.2km2 ( 直接:138.2km2 間接:262km2 ) /169ha
総貯水容量:5,249.0万m3 有効貯水容量:3,589.0万m3
(利水容量3101.0万m3内揚水分1,300.0万m3→洪水期利水容量1,469万m3→1,230.0万m3)
満水位標高:651m 低水位標高:624m
ダム事業者     関東地方建設局(建設時)→関東地方整備局(再開発時)
放水位:626.40m[玉原発電所(揚水276m3/s)]/取水位:651.00m[藤原発電所(28.0m3/s)]
制水門:ローラ・ゲート1門  (制水門) 径間3.50m 高さ5.46m
着手/着工/竣工:1951/1953.10/1957.12

容量配分図→洪水期には揚水の容量も満額ではなくなるのか!
>藤原・奈良俣再編ダム再生事業(令和4年度完成)により奈良俣ダムの洪水調節容量の一部(239万m3)を藤原ダムの利水容量と振り替え、治水機 能の向上※を図っています。
>※藤原ダムは奈良俣ダムより下流に位置することから、藤原ダムの洪水調節容量を増大させることにより、様々な洪水パターンに対して洪水調節効果を 発揮することができます。[関東地方整 備局
奈良俣ダムの流域は利根川本流を含まない95.4km2で藤原ダムならそれらを含む400.2km2が流域面積ということらしい。諸元の藤原ダムの間接流域262km2とは治水機能のある奈良俣ダムと矢木沢ダム167.4km2の流域ということのようだ。

再開発後
出典:関東地方整 備局

旧容量配分…クレストゲート水位で調整してた様だ。3m下げて239万m3確保した形。
出典:国 交省(審議会資料)

利 根川水系上流ダムで最も古いダムだそうな[みなかみ町観光協会

【藤原問題・課題①】  

須田貝発電所の水最大65m3/sが 此処 (放水位668m)で放水されて取水されるのは水上の16.7m3/s(取 水位665m)で残りの48.3m3/sは 藤原ダム(満水位?藤原発電所取水位651m)迄無為に流れていく。
15m程なら何かをするほどの事もなさそうだけど,藤原ダムは混合揚水[玉原発電所] の下池であって放水位が626.40mとのこと。
40m程落差があるなら見過ごせない感じではある。

更にダム再開発事業で藤原ダムの特に洪水期(7-9)の貯水量がほぼなくなってしまった様だ[藤原 ダム容量配分図]。

48.2m3/sの水を受けて藤原ダムは藤原発電所28m3/s使えるが20.3m3/sは 放流するしかなさそう。更に藤原発電所は小森ダム(満水位559.6m)に落とすが容量が23.9万m3しかないので上牧発電所(25m3/s)で使っても残る3.0m3/sと藤 原ダムの放流分20.3m3/sで23.3m3/sが貯まって行くと2.8h(3時間弱)で満水である。20.3m3/s×尖頭時間分の水は668mから559m迄約110mを無 為に流れ落ちることを余儀なくされていることになる。

更に水上発電所で16.7m3/s使っても小松発電所の使用水量が14.0m3/sなので2.7m3/sずつ 余らせることになる。ピーク用水源が合計26.0m3/s程余る事 になる。

ということで太陽光が夏ピークを抑えてくれる昨今だと日没後のピーク時に向けて夕方から発電増やして行きたい時に水がダダ洩れしそうである。水上発電所利根川取水堰(仮称)以 下で26m3/s程取水してどっかに送って発電するか貯めときたい所である。
細かい運用は知らないので飽く迄想定だが色々課題はありそう。

色々案は出てくるが流域全体を踏まえる必要があるので保留とし ておく:

  • 差し当たって藤原ダムの上にダムを建設して水を放り込んでおくのも見識♪

    [仮称]宝川ダム
    満水位:668m程度 有効貯水量:200万m3 利用水深:10m


    これがあると一旦須田貝発電所の水を一旦貯めて平準化して水上発電所→小松発電所→岩本発電所,藤原発電所→小森ダム→上牧発電所→岩本発電所に送れるの でほぼ解決♪
    発電所は藤原ダムに向けての20m3/sで良いけど水位差大きいので使いづらく,小森ダム直送でも良い。その場合は藤原発電所の設備が少々遊んでしまうこ とにはなる。
    藤原ダムの貯水位[→容量配分図]に応じて636m~661mのどの辺にするか考え所。 661mだと殆ど落差なしw
    水量10m3/sとすると水位に併せて出力が2,400~940kW程度で変動しそう。
    240万トン確保した様なのでこのダムを治水ダムと割り切って藤原ダムの水位を上げて運用した方が良いのかも。その場合藤原ダムの水位を639m前後で安 定させられる。

    もっと大胆に行けるかも。
    藤原ダムをスルーして下流で発電してしまえば良くてもう一気に云ってしまうケース。
    水上救済パターン
     
    上牧救済パターン


    [私案]奥利根発電所
    出力:47,400kW[+47.4MW]
    水量:20m3/s
    落差:278m
    導水:18.1km
    取水:利根川[水上発電所利根川堰堤]668m
    放水:利根川[岩本発電所利根川堰堤]400m

    うほっ♪て感じだけど,これの問題点は水上救済パターンは藤原・上牧ルートががら空きに,上牧救済パターンは水上・小松ルートががら空きになってしまうこ とである。

    じつは後で湯桧曽問題[→こちら]を提起・検討するがそれらも踏まえた方が良さそうである。一旦保留としたい。



  • 東京電力RP(株) 藤原発電所[水 力][DB]    
    運開:1956.12
    ダム式・調整池式
    認可最大出力:22,200kW  常時出力: 4,100kW[19.7%]
    最大使用水量:28.00m3/s
    有効落差:92.07m
    主要導水路:総延長5,714.4m 無圧トンネル ←ダム式なのになにこれ?→Googleに訊いて見たら水の勢いを保つ為に須田貝放流点から藤原ダム迄水路があるのだそうな。本当か?水量とか間違えてるのに堂々 と回答するからなぁw
    流域面積:401.0km2
    水圧鉄管:110.90m  1条
    放水路:無圧トンネル 232.6m 横×高さ:3.60m× 3.60m
    水車 立軸フランシス1台  総出力(定格) : 23,000kW
    取水:利根川[藤原ダム]・651.00m
    放水:利根川[小森ダム(→上牧発電所14m3/s)]557.00m

    小森(こもり)ダム[水力] [便覧][DB]    
    河 川     利根川水系利根川 [場 所(EL.555m)
    目的/堤高/堤頂長   発電/ 33m/107.4m
    流域面積/湛水面積     406km2 ( 全て直接流域 ) /10ha
    ダム事業者     東京電力(株)
    着手/竣工     1956/1958
    総貯水容量:85.5万m3  有効貯水容量:23.9万m3
    流域面積:406km2 湛水面積: 0.10平方キロメートル
    取水:利根川[藤原発電所28.00m3/s
    放水:上牧発電所(取水位559m・取水量:25m3/s・H= 144.13m)
    制水門:ローラー・ゲート 1門 径間5.75m 高さ5.75m

    藤原ダム・発電所(28.0m3/s)の逆調ダムであろう。
    貯留量は少ない小さなダムで上牧P/Sと藤原P/Sの間の最大使用水量の差14m3/sを貯めると4.7hで満水になる様だ。
    日周期の尖頭時間としてはそれっぽい時間である。

    東京電力RP(株) 水上発電所[水力] [DB]    
    運開:1953.8
    水路式・調整池式
    認可最大出力:18,600kW  常時出力:9,000kW
    最大使用水量:16.70m3/s
    有効落差:127.41m
    導水路:無圧トンネル 総延長7,852.9m   (主要導水路:   無圧トンネル7,627.7m 幅×高さ 3.44m× 3.44m)
    放水路: 無圧トンネル、暗渠 639.2m 横×高さ:3.44m
    水圧鉄管:1条 223.37m
    水車: 立軸フランシス×1台 総出力(定格) 20,100kW
    流域面積:350.5km2(内: 宝川27.27km2 )
    取水:利 根川須田貝発電所65m3/s]、宝 川665.00m
    放水:利 根川小松発電所521m/14m3/s]528.22m

    須田貝発電所の大量の水を藤原ダムと分担して取水する水上発電所。

    利根川取水堰 (湯桧曽堰堤)[DB]    
    目的:P(小松発電所 I.W.L.:521m  水量:14m3/s)
    高さ/堤頂長: 8.50m/21.21m
    制水門:スライド・ゲート 3門 径間1.98m 高さ3.60m
    事業者:東京電力(株)


    須田貝発電所65m3/sは藤原発電所放水分28m3/s及び水上発電所発電所放水分16.70m3/sで44.7m3/sになり,その後 は小松発電所14m3/s・上牧発電所14m3/sで28m3/sに減っている。
    須田貝の下には藤原ダムがあるが7-9月の洪水期にはほぼ貯水量がなくなりダダ漏れなのではないか?
    更には小松発電所も上牧発電所も湯桧曽川をスルーしている様に見える。特に小松発電所はあと数mなのに。。大清水越え[例えば山行が(群馬側のレポート化はされてないよう だけど)]のあの険路を思うと水質が悪い(土砂混じり)とかあるのかね?

    【湯 桧曽問題・課題②】        

    検討篇

  • 今,藤原ダム・小松ダムから上牧発電所経由,水上発電所から小松発電所経由で岩本発電所へ至るルートが次の発電所にタッチをする湯桧曽川出合上流側の利根 川の様子を掲げる。
    こんなに近接している。特に小松は数mの落差しかない。導水するにしても200m以下で行ける。

    湯桧曽川
    取水位:518.8m
    流域:69.6km2→7.0m3/s程

    69.7km2あるので標準で7m3/s程,雨の少ない関東でもこの辺は1800mmなので7.0m3/s程度は見込めそうである。但し小松発電所は水上 発電所と基本的に連檐している。どれだけ新たな水を入れられるのか不明である。
    導管の新設は結局必要になりそうである。左岸経由だとかの沢・小日向沢9.8km2辺りでも補水可能。8.0m3/s程度となろうか。

    水道管の容量を無視して増強するだけなら

    [増強(案)]小松発電
    水路式・流込式
    認可最大出力:13,300kW  常時出力: 8,100kW
    最大使用水量:14.00m3/s
    有効落差:113.55m
    水車:3台 総出力14800kW
    発電機:3台
    導水路:総延長   無圧トンネル 11,329.6m (主要導水路:9,180.0m) +2.4km2(阿能川・谷川)+0.2km(湯桧曽 川)
    流域面積:460.2km2(小森以下:54.2km/ 須田貝以下:150.1km2)+34.9km (阿能川・谷川)+湯桧曽川69.7km2+14.15km2[かの谷・小日向谷・奈女沢][通常時流域:172.95km2]
    取水:利根川(湯桧曽川合流直前部)水上発電所(Q=16.7m3/s・H=350km2/P=18.6MW)] 521.20m
    放水:利根川[岩本取水堰]400.36m

    小森ダムへも湯桧曽川の勾配がキツくてそれ程遠く迄水を取りに行く必要は無く3kmちょいの導水で取水可能である。


    この場合,上牧発電所の水源は藤原ダムからの藤原発電所の最大25m3/sに加えて以下の途中の沢(地名より粟沢と暫定的に呼んでおく)からも取水できて 合計61.1km2は見込める。
    小松発電所による湯桧曽出合での取水との差は8.5km2程となる。


    いずれにしても上牧発電所もしくは小松発電所の増強(導水管布設)が必要となってくる。いっそのこと新設を前提に検討してみる。

  • 上記二案以外 にも計4案比較検討してみた:

  • 【低位 ケース】
    小松発電所4号機となると左岸に並行して導水管となりそうだが,右岸に新発電所を建設すると谷川や阿能川からも取水出来る。約104km2,10m3/s 程度取れそ う。
    湯桧曽出合付近で利根川・湯桧曽川のジャンクションを形成することで水の融通もしやすくなる。

    母谷沢・栗生沢4.89kmからも補水可能。

    [構想]新上牧発電所/小松発電所4号機
    出力:8,800kW[+8.8MW]
    水量:9m3/s[0.84]
    落差:120m
    流域:104.2km2 母谷沢・栗生沢4.89km (かの沢・小日向沢9.8km2→小松発電所)
    導水:11.2km
    取水:利根川・湯桧曽川(70km2・7m3/s)・谷 川阿 能川・母谷沢・栗生沢 522m
    放水:利根川[岩本発電所取水堰]400m

    湯桧曽合 流点に拘る必要はない

    【低低位ケース】470mと落差を抑えて流域面積を稼ぐケース
    流域:117.2km2→11.7m3/s


    なお湯桧曽川から谷川・阿熊川(除く:かの沢・代わりに母谷沢など)を経て小松・上牧辺りに注ぐ水発を建設出来そう。
    この辺は1,800mmなのでまあほぼ満額(100km2で10m3/sを個人的な経験則から勝手に基準にしてるので満額)取水出来るのではないか?

    [構想]新上牧発電所
    出力:8,800kW[+8.8MW]
    水量:9.0m3/s[0.84]
    落差:60m
    流域:117.2km2 母谷沢・栗生沢4.89km (かの沢・小日向沢9.8km2→小松発電所)
    導水:5.8km
    取水:利根川・湯桧曽川(70km2・7m3/s)・谷川・阿能川・母谷沢・栗生沢 470m
    放水:利根川[岩本発電所取水堰]400m

    【高位ケース】…小森ダムと繋げて藤原ダムからの水を活用するケース


    [私案]新上牧発電所
    出力:11,500kW[+11.5MW]
    水量:9.0m3/s[0.92]
    落差:150m
    導水:12.4km+3.2km
    流域:98.0km2
    取水:利根川・湯桧曽川(70km2・7m3/s)・保 登野沢谷 川阿 能川・母谷沢・栗生沢 558m
    放水:利根川[岩本発電所取水堰]400m

    【高高位ケース】
    湯桧曽川赤沢出合586m取水・新上牧まで15km。


    [私案]新上牧発電所
    出力:11,800kW
    水量:8.0m3/s
    落差:173km
    導水:14.13km
    流域:78.54km2
    取水:湯 桧曽川保 登野沢谷 川・阿熊川[本 谷沢瀬 入沢]・母 谷沢栗 生沢 585m
    放水:利根川[岩本発電所取水堰]400m


  • 効率性検討結果

    取水位
    導水
    流域
    発電量
    効率
    摘要
    低低落差
    470m
    5.8km
    122.1km2
    854.7
    147.4
    沼田付近で取水発電
    低落差
    522m
    11.2km
    109.1km2
    1,331.0
    118.8
    湯桧曽付近で取水発電◎
    高落差
    557m
    15.6km
    98.0km2
    1,470.0
    94.2
    小森ダムレベルで取水
    高高落差
    585m
    14.13km
    78.5km2
    1,358.7
    96.2
    土合レベルで取水

    湯桧曽川から取水するだけなら,湯桧曽付近で取水できする低落差が発電量と効率のバランスが取れてて良さそうであった。


    【結論】   

    藤原問題湯桧曽問題とそれ らの思考実験(→藤原湯桧曽) を踏まえて,ダムの貯水量も少なく藤原発電所はピーク時の小落差用の発電所として利用するのが良さそうである。
    ピーク時用と割り切る事にして,上牧と水上と小松を活用して行くことにする。特に効率一覧表より藤原の悪さが目立 つ。小落差で建設コストを抑えて尖頭用に動かす秋葉第二や藪神第二,新坂上なんかと共通の性質を持っていると云える,
    ということでより須田貝と上牧の間の落差を完全利用できるバイパスルートを形成してみる。

    先ず,藤原ダムをスルーして須田貝堰堤(水上発電所利根川堰堤)から小森ダム即ち上牧発電所をを直結する。20m3/s。利根川発電所と呼んでおく。
    通常時は須田貝→利根川→上牧と奥利根方面からの水を下流に流しつつ発電。
    通常時は利根川・上牧・藤原をフルで運転して小森に貯める。

    [私案]利根川発電所
    出力:17,300kW[+17.3MW]
    水量:20m3/s
    落差:102m
    導水:6.33km
    取水:利根川[須田貝堰堤(水上発電所利根川堰堤)]668m
    放水:利根川[上牧発電所小森ダム]560m

    水上に通常時は水が来なくなるので粟沢に堰堤を設け,赤沢・湯桧曽川から導水する。宝川27.2km2,湯桧曽36.3km2,粟沢・赤沢6.5km2, 合計で64.0km2分となる。

    諸元はこんな感じとなる。

    [増強案]水上発電所
    水路式・調整池式
    認可最大出力:20,000kW[+1.4MW]
    最大使用水量:18.00m3/s[+1.3m3/s]
    有効落差:127.41m
    水車:出力20100kW×1台
    導水路:総延長7.8km+7.8km(湯 桧曽川)+0.6km(粟沢)
    水車: 立軸フランシス×1台 総出力(定格) 20,100kW
    流域面積:350.5km2(内:宝川27.27km2・利根川(須田貝以下)3.2km2)+36.3km2(湯桧曽川)+6.51km2(赤 沢,粟 沢)[73.2km2]
    取水:利 根川須田貝発電所65m3/s]、宝 川,粟沢,湯 桧曽川赤 沢,665.00m
    放水:利 根川小松発電所521m/14m3/s]528.22m

    その下は既存の左岸経由の小松に加えて右岸経由で新設の新上牧の間で分担。+1.3m3/s分は主に湯桧曽川を念頭に置いてるので総延長全てを増強する必 要は無い。ただ湯桧曽川では3.5~4.0m3/s程度は取水して水量確保はして置きたい。

    利根川発電所の建設に伴い,利根川・上牧ルートの導水量を増やす方向性なので,水上発電所としては積極的に独自水源を確保して行きたい。
    合計で64.0km2分となる水上発電所からの水と水上取水以下の湯桧曽川の10.2km2の合計74.2km2が共通の水源。
    取水状況によって振り分け。
    通常時は小松の独自水源は14.15km2,新上 牧は39.9km2。74.2+14.2+39.9 =128.3km2分の水を小松と新上牧で14:10で分ければ良い。12.6m3/sの水が流れてきたら7.0m3/sと5.6m3/s程度に分ければ 良いか。
    フル稼働時は須田貝の65m3/sを利根川20・藤原27・水上18合計65m3/sで受け止めて,その後は上牧24,小松14,新上牧10と合計 48m3/sで受け止めて余る17m3/sは小森23.9万m3で貯留,4時間弱持つ。
    ピークが4時間以上続くと厳しいねぇ。。夕方4時から夜の8時ぐらいまで持てば十分かな?
    因みにこの際,18m3/sで水上が供給するのに対して小松・新上牧が24m3/s必要なので小森から6m3/s程発電無しで湯桧曽堰堤に向けて38m放 流する必要がある。

    更にGoogleによると
    1953年(昭和28年)頃の設計・建設期 は、まだ戦後の物資不足と「人力」が中心の時代でした。
     ・ コンクリートの質: セメントの質が不安定で、混ぜ方も現場の職人の勘に頼る部分が多く、表面が粗い(ザラザラしている)のが普通でした。
     ・ トンネル掘削: 現代のような巨大な掘削機(TBM)はなく、ダイナマイトで爆破して手作業で掘り進めるため、断面が歪で、内壁のコンクリートも厚みが一定ではありませ ん。
     ・伸び代: この時代の導水路は、現代の滑らかな樹脂ライニングなどを施すと、劇的に摩擦が減り、通水量が5〜10%以上向上するケースが多くあります
    とのことで,+1.3m3/s程度の通水量増は導水路トンネルを掘り直さずとも可能かもしれない。この場合,20.0MW丸々調整力に計上出来る。

    また別途湯桧曽側の水を4.0m3/s程度計上して水車も増設すると4.3MW程度増やせる。

    [増強(案)]小松発電
    水路式・流込式
    認可最大出力:13,300kW
    最大使用水量:14.00m3/s
    有効落差:113.55m
    水車:3台 総出力14800kW
    発電機:3台
    導水路:総延長   無圧トンネル 11,329.6m (主要導水路:9,180.0m) +0.2km(湯桧曽 川)
    流域面積:460.2km2(小森以下:54.2km/ 須田貝以下:150.1km2)+湯 桧曽川69.7km2+14.15km2[かの谷・小日向谷・奈女沢][通常時流域:14.2km2]
    取水:利根川(湯桧曽川合流直前部)水上発電所(Q=16.7m3/s・H=350km2/P=18.6MW)] 521.20m
    放水:利根川[岩本取水堰]400.36m

    [私案]新上牧発電所
    出力:9,600kW[+9.6MW]
    水量:10m3/s[+10.0m3/s]
    落差:113km
    導水:14.13km
    流域:78.54km2(保 登野沢・谷川・阿能川34.9km・母谷沢・栗生沢4.89km)[通常時流域:39.8km2]
    取水:湯 桧曽川谷 川・阿能川・母 谷沢栗 生沢 521m
    放水:利根川[岩本発電所取水堰]400m

    阿能川・谷川
     


    かの谷・小日向谷・奈女沢


    この(案)は須田貝の65m3/sを藤原ダムが受け止め切れないと云う問題意識から来ている。須田貝ダムを嵩上げして260万m3をひねり出す(案)[→これ]が実現すると一定の規模縮小は避けられないかも。
    夏場の電力需要ピークは太陽光発電(+最近は蓄電池)のお陰でかなりサポート出来ている。冬場は冷房需要と違ってベース電源的な需要となるのでより一定の量を通水できるようにする発想が必要っぽい。
    そちらは新型の地熱(熱源があれば上記は不要の閉鎖型)発電に期待したいところではある。水発的には今は未利用の湯桧曽川・谷川・阿能川辺りの活用を頑張るべきか。