只見川の流域は約三千八百平
方キロメートルもあり,春の雪どけ期にはこ
こからどっと只見川に水が落ちる。雨量になおして年間二千五百ミリから三千ミリだが,春四,五,六月の三ヶ月で一年の60%が流れ出す(※1)。 田子倉付近で一年間に只見川を流れる水は二十五億トンにもなるという(※2)。 |
~袖沢・白戸川~ 800mから取水。奥只見ダムの導水とかち合いはするけどこちらは発電用で導水用では無い。 [私案]袖沢発電所 出力:12,800kW[+12.8MW] 水量:6.4m3/s 落差:235m 流域:40.9km2 導水: 取水:袖沢[袖 沢(ダイコロシ沢)・下 ダイコロシ沢・滝 沢・不 動沢]・北 沢・白 戸川(中沢出合)・小沢・芦安沢・洗戸沢 800m 放水:只見川[奥只見発電所放水路※]560m ※奥只見発電所の使用水量は400m3/s近いので6.4m3/s程度を入れ込む事は流石に可能であろう。 白戸川流域18.2km2分の水は新規に大鳥で発電可能となる。 |
【奥只見西部開発】 ▲ 大津岐が東側を罔羅しているのに対してがら空きの西側を開発してみる。まず,流域を総嘗めしてから更に上流から取水(橙線)してみた。 合計で20.7MWと満足である。 [私案]西奥只見発電所or奥只見第二発電所or中ノ岐川発電所 出力:14,900kW[+14.9MW] 水量:10.0m3/s 落差:175m 流域:82.0km2 導水:本導水路:9.3km・北ノ又支水路:5.7km 計15.7km 取水:恋 の岐川・二 岐沢・中 ノ岐川・北 ノ又川・大 ビラヤス沢・灰 ノ又沢 930m 放水:只見川[奥只見ダム]745m 西奥只見発電所へ上流から発電してみる。南奥只見開発案を前提とすると赤線(B案)でも良さそう。理論的に発電量は変わらな い筈だが,調べていると近そうに思えた赤線の方がやや距離があるし不利か。 やたら導水路が長い西奥只見発電所(中ノ岐川発電所)を保留にするなら(B)案もありかも。奥只見ダムへ到達する距離は明らかに長いのでその分の損失落差 迄計算するとB案の方が有利となるかも知れない。 今はそこら辺無視というか割とアバウトである。 [私案]西奥只見第二発電所or二岐沢発電所((A)の時のみ) 出力:(A) 5,800kW[+5.8MW] / (B) 6,800kW 水量:3.0m3/s 落差:230m/270m 流域:17.8km2 導水:(A)本導水路6.56km・恋ノ岐支水路1.39km 合計7.95km /(B)合計 8.5km 取水;中 ノ岐沢・平ヶ 岳先ノ沢・ジョ ウ沢・恋 ノ岐川1170m 放水:(A)二岐沢[西奥只見発電所] 930m / (B)南奥只見発電所 890m |
~桧枝岐川[→伊南川]~ 大津岐発電所は山を越えて伊南川流域からも取水している。伊南川は最上流(檜枝岐村村域?)では桧枝岐川と呼び名を変える様だ。 檜枝岐取水ダム(23.3 訪問)[→伊南川] 舟岐取水ダム[→伊南川] 奥只見は檜枝岐(ひのえまた)村(西半分は魚沼市)であった。 奥只見開発が計画された時に,新潟県が強硬に魚沼への導水を主張したのも自分の県のものってこともあったのか(吉野川の高知側への分水,仁淀川(面河川)の松山への分水なども同様である。)。新潟が鳩山系,福島が吉田系(東北 電力社長の白洲も吉田系)と色々とっちらかった様である。黒又川の開発に絡んで黒又第四まで計画され奥只見から導水する計画も有ったらしい。最終的には黒 又第二に巨大なダムが建設されて潅漑用水も確保されることで取り止めになったらしい。[wiki] 詳しくはこちら(黒又川開発)の頁参照。アツい! 勿論,発電的にはぐるっと喜多方近く迄回って水を増やしてこまめに大量に発電してった方が良かったのかも知れないが(多分より低い標高までずっと開発され てる),導水も一寸見て見たかった。計画が合理的か否かは奥只見ダムの放流量(発電に用いずにそのまま川に流す量)がどれ位あるかに拠りそうである。 また檜枝岐の読みは「ひのえまた」であるが,大津岐も亦「おおつまた」であった。なる程,この辺では「また」に岐を宛てるらしい。大津岐ダムの取水先の伊 南川の支流舟岐川は「ふなまた」とでも読むのであろう。 もう一寸延ばせそうな感じもしなくもないが,まあ面積狭小,投資効率悪いか。 |
【奥只見南部開発】 ▲ 大津岐が東側を,奥只見西部開発(弊案)が西側を罔羅しているのに対してがら空きの南側を開発してみる。尾瀬が近い ので慎重に行く。 適当に計算したら偶然にも西奥只見PS(当初案)と同量の出力となった。 [私案]南奥只見第一発電所or奥只見川第一発電所or奥只見大白沢発電所 出力:(A)14,900kW[+14.9MW] / (B)18,300kW[+18.3MW] 水量:(A)13.0m3/s( (B)+3.0m3/s=16.0m3/s) 落差:135m 流域:152.3km2(尾瀬沼から片品川への東電の取水あり・年間2万トンという記述は見かけたがm3/sは解らなかった。) 導水:6.4km 取水:只 見川(大白沢出合)[南奥只見第二発電所]・上台倉沢・下台倉沢(+西奥只見第二発電所(B)) 890m 放水:只見川[奥只見ダム]745m >戦後を迎え、この水利権[とは註:尾瀬ヶ原分水]の一部として、尾瀬沼(尾瀬ヶ原の上流)から片品川(利根川支川)に年間2万トンを分水し て発電することが許可され、昭和24年(1949)に実現した。工事が容易で、工作物は小さく、分水量も少ない。尾瀬沼の水深が3メートルの幅で調節され るが、自然への影響は軽微と判断されたのであろう。また、背景には戦後復興の必要(たとえば電力不足のため停電が珍しくなかった)もあったと推測される。 [便覧] その南側(上流側)でも未だ未だ行ける。この辺は小細工無しですいすいである。 [私案]南奥只見第二発電所or奥只見川第二発電所 出力:13,100kW[+13.1MW] 水量:7.0m3/s 落差;220m 流域:92.2km2 導水:4.9km 取水:只 見川[奥只見第三発電所]・ド ロ沢・松 岩沢 1120m 放水:只 見川(大白沢出合)[南奥只見第一発電所] 890m その下(南・上流側)には滝2連発で高度が取れる。 [私案]南奥只見第三発電所or奥只見川第三発電所 出力:11,200kW~13,100kW[+13.1MW] 水量:6.0m3/s~7.0m3/s 落差;220m 流域:80~90km2程度 導水:km 取水:只見川(尾瀬原) 1344m 放水:只 見川[南奥只見第二発電所] 1120m 落差も水量も変わらないので同じ発電機を2機発注するとコストを下げられる。滝の景観などがあると休日は取水量減らしたりが必要となろう。そんな例が庄川の支流大白川での開発なんかでも実際にある様だ。 以下は尾瀬原に入って行くので開発はなし。以上3連発は川沿いに建設すれば良いので山の中をうねうね導水路這わすよりも効率的な投資になりそう。 |