渡良瀬遊水地へ流入する渡良瀬川は、群馬・栃木の県境にある皇海山 (2,143m)に源を発し、いくつもの渓流を合わせながら、大間々地先で山峡の地を離 れ、以後桐生市、足利市の中心から南東に流下し栃木市を通り、茨城県古河市地先で利根川本流へと注いでいる。流域面積2,602km²、流路延長 107.6kmの利根川水系最大の支川である。[水資源] |
1000年前の渡良瀬川は、桐生川、秋山川などの支川を合わせ藤岡地先
で台地に沿って板倉町との境を流れ、海老瀬の七曲がりを過ぎ、谷田川、思川を合流し
茨城県五霞町の中央を流れて、かつての庄内古川筋(現中川)を通り、金杉、松戸、市川を過ぎ、現在の江戸川の河道を流れて江戸湾に注いでいた。 徳川家康が江戸に入り、政治経済の中心となり、関東平野の開発が始まり、利根川も江戸湾に流れていたものを銚子の太平洋に流れるように付け替えた。これを 利根川の東遷と言うが、これにより渡良瀬川は元和7年(1621)利根川を渡良瀬川に流す新河道が開削され、これにより渡良瀬川は利根川最大の支川となっ た。さらに栗橋から常陸川の間の台地も新たに開削し、現在の利根川がつくられたのである。 ![]() |
渡良瀬遊水地は、栃木県の南端に位置し、栃木・群馬・埼玉・茨城の4県
にまたがる面積
33km²、総貯水容量2億m³の我が国最大の遊水地である。 明治23年、29年の洪水を契機に、渡良瀬川下流部の洪水被害とともに、足尾銅山から渡良瀬川に流れ出した鉱毒による被害は明確になった。これに対し、渡 良瀬川の改修や最下流部に遊水地計画が打ち出され、当時、渡良瀬川は栃木県管理であり、明治37年県議会可決後、明治38年から明治40年までの間に 930町歩余りが買収された。その間、明治39年(1906)には谷中村は藤岡町に合併廃村となった。明治43年には、内務省による改修事業が始まり、昭 和5年には渡良瀬遊水地が完成した。 その後、昭和10年、13年、22年と相次ぐ大洪水を契機に渡良瀬遊水地を、より効果的に活用するために、渡良瀬川、思川、巴波川に沿って、新しく囲繞堤 や越流堤を設け、調節池化を図り、大きな洪水の時だけ調節池の中に川の水が入るようにし、従来より洪水調節機能を増大させる事業(調節池化事業)を実施し た。[水資源] |
~思川~ [廃止]下野麻 紡織会社 発電所[水 力] 竣工:1890.3 運開1890.4[下野麻紡織は後の帝国繊維・鹿 沼工場は此処] 水路式・流込式 合計最大水車出力:155馬力(116.25kW) 水車:最大出力90馬力×1台(英国製) 最大出力65馬力×1台(米国製) 取水:行川、大谷川 放水:黒川(思川支流) |
~巴波
(うずま)川~ |
~桐生川~ 群馬県企業局 桐生川発電所[水力] 群馬県桐生市梅田 運開:1964.6 ダム式・貯水池式 認可最大出力:470kW 常時出力: 60kW→小せえ 年間発生電力量:1784MWH(178万4千キロワット時) 最大使用水量:1.80m3/s →小せえ 最大有効落差:39.00m 水車:横軸クロスフロー水車 出力510kW×1台 流域面積:42.0km2 取水:桐生川[桐生川ダム]253.70m 放水:桐生川213.20m 桐生川ダム[便覧][群馬県] 河川 利根川水系桐生川 目的/型式 FNWP/重力式コンクリート 堤高/堤頂長/堤体積 60.5m/264m/293千m3 流域面積/湛水面積 42km2 ( 全て直接流域 ) /62ha 総貯水容量/有効貯水容量 12200千m3/11300千m3 ダム事業者 群馬県 着手/竣工 1972/1982 ダム天端標高 EL262.0m 非越流部標高 EL261.5m 設計洪水位 EL260.5m サーチャージ水位 EL258.7m 常時満水位 EL253.7m 洪水期制限水位 EL242.8m 最低水位 EL226.5m 基礎岩盤標高 EL201.5m |
高津戸ダム底を歩く 5年ぶりに抜水、普段は見られない光景広がる https://www.jomo-news.co.jp/articles/-/72454 2022/2/15 09:00 群馬県みどり市大間々町の渡良瀬川に築造された高津戸ダムは14日まで、補修とメ ンテナンス工事のため5年ぶりに抜水していた。管理する渡良瀬発電事務 所の許可を得て、9日にダム底部を歩き、水面下に沈んでいた旧大間々発電所跡な どを撮影した。普段は見ることのできない風景を紹介する。 高津戸ダムは堤頂長92メートル、高さ29メートルの重力式コンクリートダム。上 流の草木ダム・東発電所と小平発電所で利用した水の調整池(とは註:正確には逆調整池)として設置された。高津戸ダムでも水力発電が行われている。 今回の工事は3月下旬まで続く。このうち抜水中に行われたのは4門ある洪水吐(こうずいばき)ゲート下部の補修、ゲートを上下させるワイヤへのグリス塗 り、巻き上げ機の動作確認などだ。 ダム底に下りて上流からダムのコンクリート柱を見ると、金属の爪でひっかいたような生々しい跡があった。利水ゲートには丸太が引っかかり、右岸側には落 ち葉がうずたかく積もり、腐葉土になっていた。 ダム底から上流へ約200メートルほど歩くと発電所跡がある。1938年に営業運転を開始したが、戦後に相次いだ台風で発電機や変電所が冠水する被害を 受けたことがあったという。高津戸ダム完成に伴い、取り壊された。 さらに上流、高津戸調整池のほぼ中央辺りの河川敷まで歩いた。右岸側に白化した木々が見えた。カワウの営巣地だ。人が近づけない位置にあるが、水が引い たことで間近で撮影することができた。 高津戸ダム抜水 発電所跡姿現す https://www.jomo-news.co.jp/articles/-/58858 2022/1/19 12:00 渡良瀬川水系の高津戸ダム(群馬県みどり市大間々町)は18日、約3年ぶりに抜水を行い、ダム上流にあった大間々発電所跡の基礎部分が姿を現した=写真。 同発電所は1938 年、営業運転を開始。草木ダム設置に伴い、同発電所に隣接する場所に高津戸ダム・発電所の建設が計画され、工事が完了した1973年、大間々発電所は役割 を終え、撤去された。 県渡良瀬発電事務所によると、ダムはメンテナンス工事のため発電休止中で、抜水は2月14日までの予定。今回、堆積土砂のしゅんせつはしない。 |
~小平川~ 群馬県企業局 小平発電所[水力] 群馬県みどり市大間々町小平 運開:1976.5 水路式・流込み式 認可最大出力:36,200kW 常時出力: 0kW 最大使用水量:24.29m3/s 最大有効落差:171.79m 水車:立軸フランシス水車 出力37100kW×1台 導水路:総延長10650.2m、主要導水路 口径4.50m、延長10650.2m 流域面積:264.1平方キロメートル 取水:東発電所(渡良瀬川)、柱戸川、樋之入川 351.42m 放水:渡 良瀬川(小平川合流部)[高津戸ダム] 168.15m 群馬県企業局 東発電所[水力] 運開:1976.5 ダム式・貯水池式 認可最大出力:20,300kW 常時出力:0kW 最大使用水量:24.00m3/s 最大有効落差:100.48m 水車:立軸フランシス水車 出力20900kW×1台 流域面積:254.0平方キロメートル 取水:渡良瀬川[草木ダム]454.00m 放水:小平発電所351.42m |
【開発】 草木ダム(満水位454m)に向けて取水位670m付近から取水して見ると22.1km2程取れる。 面積がやや狭いが草木ダムより下流で渡良瀬川に合流する川の水を草木ダムに導水出来るメリットがある。但し福岡発電所の水量は減ってしまう。まあトータル で発電量は多くなる筈ではある。 3.9MWとイマイチの出力だったので草木ダム側でも取水する事にしたら5.0MWになった(赤線)。 ![]() [試案]草木発電所 出力:5,100kW[+5.0MW](3.9MW) 水量:2.8m3/s (2.2m3/s) 落差:210m 流域:22.1km2+5.96km2=28.1km2 導水:7.1km 取水:平 仁手川・小 中川・白 倉沢+沢・沢 670m 放水:渡良瀬川[草木ダム]454m |
【上流部開発構想】 足尾発電所の庚申川・餅ヶ瀬川上流で27.6km2取れる。 ![]() [試案]庚申川発電所 出力:5,700kW[+5.7MW] 水量:2.6m3/s 落差:260m 流域:27.6km2 導水: 取水:庚申川・餅ヶ瀬川 915m 放水:庚申川[庚申ダム]645m 神子内川・渡良瀬川上流で52.9km2 ![]() [試案]間藤発電所 出力:9,300kW[+9.3MW] 水量:5.2m3/s 落差:210m 流域:52.9km2 導水: 取水:松 木川・安 蘇沢・久 蔵川・深 沢・黒 沢・神 子内川865m 放水:神子内[足尾発電所]645m |