水力あれこ れ 利根川・吾妻川・那珂川伊南川大谷川 
と はずがたりな掲示板 ( 利 水スレ電 力スレ )
22.1.27

鬼怒川上流の利水と発電(22.8訪問)[→下流篇]

発電系統 川治ダム濁水問題 4ダム諸元等一覧 地域図 沿川風景(鬼 怒川発電所より上流・開発はこちら下流はこちら大谷川はこちら)

現状発電はこんな水流系統となっている。    
鬼怒川系統: 川俣ダム(D)(7,310万m3)導水(案)20.95km2】─30.0m3/s─川俣発電所(P/S)(27.0MW)─?m3─土呂部D(13 万m3)─30m3/s→栗山P/S(42.0MW)・黒 部D (116万m3・267.3km2)─45m3/s→鬼怒川P/S(127.0MW)→鬼怒川 EL344.20m
男鹿川系統: 湯西川D五十里D(1億1,180万m3・271.2km2)─16.60m3/s→川治第一P/S(15.3MW)・小網D(26万m3) ─12.52m3/s→川治第二P/S(2.6MW)─12.52m3/s→竹之沢P/S(8.6MW)→鬼怒川EL348.6m

男鹿川系統(五十里ダム地点で流域面積(CA271.2km2)は最大16.6m3/sで総容量26.5MW,鬼怒川系統(鬼怒川発電所のCA= 277.0km2)で45m3/sで総容量196MWである。なかなかアツい。


川治ダムにおける濁水長期化軽減対策について   
https://www.mlit.go.jp/chosahokoku/h17giken/program/kadai/pdf/ippan/kan1-01.pdf


関東地方整備局 鬼怒川ダム統合管理事務所 管理課 管理第二係長 高橋 剛
【1.はじめに】
川治ダムは鬼怒川上流部の利根川総合開発の一環として計画されたもので、洪水調節、灌漑および都市用水の供給などを目的とした多目的ダムであり、総貯水容 量 万 8,300 m3、有効貯水量 万 の貯水池を有し、さらに上流の川俣ダムおよび鬼怒川の支川男 7,600 m3鹿川にある五十里ダムとともに鬼怒川上流ダム群として運用を図っている。
なお、川治ダムは日光国立公園内に位置し、ダム下流には川治温泉、鬼怒川温泉、龍王峡などの観光地が立地しているが、管理開始直後から湖岸の裸地化や湖水 の白濁化が長期化する濁水現象により景観が悪化し、沿川住民からこの地域の重要な産業である観光産業へ与える影響が懸念されている。

とあり,注目はこの原因の一つに水の回転率が挙げられている

>③貯水池の清水回転率(年間清水流入量/総貯水容量)が 0.79 回/ 年と小さく希釈効果が期待できない。[参考:五十里ダム… 4.47回/年、川俣ダム… 1.66回/年]


ダム一覧        
川治ダム・五十里ダム・川俣ダム・湯西川ダム4姉妹(ダ ム は女性名詞なのか?まあこういう萌えキャラや何でも美少女化みたいなのに批判的(特に公的機関がやるのは)な私でも可愛いことは可愛いとは思うからしっか り撮ってたけどなw他の風景写真 がぶれぶれ写真の山を築いてる癖にこれは割とちゃんと写ってて悔しいww) )の諸元と位置関係はこんな感じである。
ダム名
運開
河川
目的
流域 有効貯水量 洪 水期(6/15~9/30)
非 洪水期(10/1~6/14)
摘要
利水容量 満水位 利水容量 満水位
川俣ダム 1966 鬼怒川
FNP
179.4km2 7,310.0万m3 4,860万m3
EL.967.7-965.5m
7,310万m3
EL.976.0m
川俣発電所(30m3/s)
湯西川ダム 2012
湯西川 FNAWI 102.0km2 7,200.0万m3 4,200万m3
EL.666.5m
7,200万m3 EL.684.0m

川治ダム 1983
鬼怒川
FNAWI
323.2km2
7,600.0万m3
4,000万m3
EL.594.0m
7,600万m3
EL.616.0m

五十里ダム 1956 男鹿川 FNP 271.2km2
4,600.0万m3 1,120万m3
EL.578-575m
3,200万m3
EL.586.0m
川治第一発電所(16m3/s)












地域図            

下の地図には書き込んでいないが栗山ダムと今市ダムは純揚水の今市発電所(P=1,050MW)を構成もしている。

川治ダム・川俣ダム・五十里ダム・湯西川ダムの貯水量はそれぞれ76,000 千m3,73,100千m3,46,000千m3,72,000千m3の通り。濁水が問題になっている川治が特別に大きい訳でも小さい訳でも無い。
目的はそれぞれ, FNAWI,FNP,FNP,FNAWIで回転率の記載がない湯西川は不明だけど,川治の水質が悪いのは,詰まり川治の回転率が悪いのは,結局は水をいっ ぱい使う発電を目的に入れてないから ちゃうん!?ってことで川治を使った発電を検討してみるのが本項の課題である(維持水量の小さな奴はあるようだ)。も そのために標高の高い順で書いてある。

湯西川はなんとダム建設をきっかけに発電所を廃止するという愚挙を犯しておりいやはやなんとも102km2 である。
調べて行くと,鬼怒川上流の発電用水は川治ダムをスルーして黒部ダムから鬼怒川温泉付近の鬼怒川発電所へ牧尾ダムと御岳発電所張りにスルーされてる様子なのである。これか~。湯西川上流から川治ダムに 入れて,川治ダムから鬼怒川方面へ流す発電所でも構想してやる事にする。



利根川水系に於いては利根川上流,吾妻川と並んで注目の川であった。息子が頭文字Dの聖地巡礼で塩那道路[塩那道 路は山行がでも好きなコンテンツの一つで 私に 取っても聖地]と八方ヶ原へ行きたがったのを機会に22.8 に先ずは現地訪問をしてみた。川治第二PSや鬼怒川発電 所の山中の取水は見損ねたが,こ こ(G)こ こ(地理院)]からもっと近接撮影行けたかも!?(G はここ[地理院だとこ の辺]で伐採中関係者以外立入禁止日光森林管理署の看板に阻まれてるけど・・)また那珂 川方面も全く見なかった上に峠を越えれば会津,伊南川等も 気になっている。再訪が必要である。(伊南川・会津は23.3に訪問した。)


~鬼怒川~          

→下流篇

東京電力RP(株) 鬼怒川発電所[水 力]           
運開:1912[鬼怒川水力電気(株)・下滝発電所]/更新運開:1963.11[東京電力(株)・鬼怒川発電所]
水路式・調整池式
認可最大出力:127,000kW    常時出力: 11,200kW[8.8%]
最大使用水量:45.00m3/s(黒部ダム取水分13.0m3/s・栗山発電所放流分30.0m3/s)    常時使用水量: 5.06m3/s
有効落差:330.4m
水車:立軸フランシス水車×2台 総出力138000kW
導水路: 総延長:14,638.2m / 放水路: 636.9m
流域面積:277.0km2
取水:鬼怒川[黒部ダム](→蜂ヶ沢?→カブト沢?→田茂沢川→)→逆川[調整池]→恋路沢 687.6m
放水:鬼怒川[放水口(こ こ)→中岩ダム→中岩発電所/西古屋ダム→塩谷発電所] 344.2m

取水ルートが二つあるのはどちらかが旧下滝発電所以来の経路なのであろう。日高川の新高津尾発電所と尾曾谷(おそだに)ダムを思い出す。

とっぱじめの写真(25.12現在で竹之沢発電所は未見)が早くも薄暗くなってる(8月の18時過ぎ。東日本夜早いわ。。)けど,朝,掛川を出て4ダム含 め川俣や湯西川の奥迄駆けずり回って最終目的地だったのである。

構内(と正門)
22.8

東京電力(株) 竹之沢発電所[DB]            
運開:1922.12
水路式・流込式
出力:8,600kW   常時:63kW[DB]←流石に630kWの誤りでは?その場合[7.33%]である。但し直結の川治第二は0kWなので 63kWもあり得るのかも,,
水量:12.52m3/s
落差:83.33m
水車:立軸フランシス×2台 9,800kW
導水:6,834.3m[無圧トンネル・水路橋など]
流域:350.6km2
取水:川治第二発電所(直結) 441.43m
放水:鬼怒川348.59m

水圧鉄管のみ撮って建屋には寄らずに帰った。同じく最後に通りがかって写真を撮っただけで,この日は今から掛川迄帰る必要があって良い加減つかれていたの である(笑
勿論,骨格は見て回って整理も終わりつつあって(3年半も放置してたw),再訪時は精密に全てを接写してから帰りたい。


栃木県企業局 川治第二発電所[DB]            
運開:1958.6
ダム水路式・調整池式
出力:2,600kW   常時:0kW
水量:12.52m3/s
落差:23.75m
導水: (主要導水路) 1,218.7m
流域:606.1km2
取水:鬼怒川[小網ダム]468.0m
放水:竹之沢発電所441.65m

小網ダム[便覧][DB] [地 理院]            
河川     利根川水系鬼怒川(川治第一発電所16.0m3/s)
目的/型式     P(川治第二発電所12.52m3/s)/重力 式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     23.5m/128m/20千m3
流域面積/湛水面積     606.5km2 ( 全て直接流域 ) /10ha
総貯水容量/有効貯水容量     62.7万m3/26.0万m3
ダム事業者     栃木県
本体施工者     鹿島建設
着手/竣工     1953/1958
(貯水池) 最高水位     (m)       468.00 /  (貯水池) 最低水位     (m)       465.00 /  (貯水池) 利用水深     (m)       3.00


栃木県企業局 川治第一発電所[水力]            
栃木県日光市川治温泉川治
着工:1954.5 /  運開:1956.5
ダム水路式・貯水池式
    認可最大出力:15,300kW    常時出力: 0kW
    最大使用水量:16.00m3/s
    有効落差:113.30m
    水車:立軸フランシス水車×2台 総出力15300kW
    導水路:総延長924.0m
    流域面積:271.2平方キロメートル
    取水:男鹿川[五十里ダム]586.00m
    放水:鬼怒川[小網ダム] 469.40m

(逆川分流)
~逆川~

逆川ダム[場 所][地 理院]      
目的:発電(鬼怒川発電所)


(男鹿川分流)
~男鹿川~

栃木県企業局 五十里発電所[kiss.f5] [栃 木県
出力(kW):1200
取水:1.5~2.0m3/s
有効落差:約72m
運開年月:2020年5月
横軸フランシス水車1台
取水:男鹿川[五十里ダム]
放水:男鹿川

五十里ダム[便覧][国交省]             
河川     利根川水系男鹿川
目的     FNP[発電:川治第一発電所16.00m3/s・五十里発電所2m3/s]
堤高/堤頂長     112m/267m
流域面積/湛水面積     271.2km2 ( 全て直接流域 ) /310ha
総貯水容量/有効貯水容量     5,500.0万m3/4,600.0万m3
ダム事業者     関東地方建設局
着手/竣工     1941/1956



銘板と慰霊碑

堤体裏 

堤体表。なんか混凝土が新しい部分がある。何か機能追加したりしたのかも。

ダム湖面

副ダム?


五十里発電所と思われる。

(湯西川分流)

~湯西川~

湯西川ダム新水力発電所[国交省]            
湯西川みらい水力共同体※
ダム式・調整池式?
出力:2,300kW
水量:
落差:
流域:
取水:湯西川[湯西川ダム]666m?(洪水貯留準備水位)
放水:湯西川(男鹿川)[五十里ダム]586m?(常時満水位)

※:代表:東京電力リニューアブルパワー株式会社・ 構成員:株式会社建設技術研究所、鹿島建設株式会社、NTTアノードエナジー株式会社,飛島建設株式 会社

湯西川ダム[便覧][国交省][kiss.f5]            
河川     利根川水系湯西川
目的/型式     FNAWI/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     119m/320m/1060千m3
流域面積/湛水面積     102km2 ( 全て直接流域 ) /198ha
総貯水容量/有効貯水容量     75000千m3/72000千m3
ダム事業者     関東地方整備局
本体施工者     鹿島建設・清水建設
着手/竣工     1982/2012
湯西川ダム管理用発電施設:
事業者名:国土交通省関東地方整備局
出力(kW):350
開始年月:2016(H28)年7月

>湯西川ダムの洪水調節計画は、ダムサイトにおける計画高水流量850m3/sを治水容量3,000万m3を利用して810m3/sの洪水調節を行 い、40m3/sに低減(3000万トンは770m3/sの水が11h弱で満水になる・11時間も雨が降り続くことはないという想定と云う訳か?)して放 流します。
>これにより、鬼怒川の基準点栃木県宇都宮市石井における基本高水流量8,800m3/sを五十里ダム、川俣、川治ダムの鬼怒川上流ダム群によっ て、3,400m3/sを調節し、5,400m3/sとします。

>宇都宮市、茨城県、千葉県の都市用水(上水道、工業用水)へ2.218m3/sの補給を行います。




[廃止]栃木県企業局 湯西川発電所[水力]            
栃木県日光市西川
運開:1960.12 / 廃止 2006.10
水路式・調整池式?
    認可最大出力:3,400kW
    最大使用水量:4.5m3/s     常時使用水量:1.02m3/s
    取水:湯西川[仲内(湯西川)ダム]、長沢、竹沢、赤下沢
    放水:湯西川

仲内(湯西川)ダム[マニア][便覧][G 空撮][地 理院EL692m]           
河川:利根川水系湯西川
型式:重力式コンクリート
堤高:12.5m
堤頂長:52.5m
管理者:栃木県企業局
完成:1960年
有効貯水容量:8.0万m3(建設当時)→6.39万m3

川治ダム資料館の地図に湯西川発電所の跡っぽい線が?


仲内ダムを目指して遡上開始!

これかな?[場 所

ダム湖に沈む道路跡


堰堤跡より下流,ダムのバックウォーター部にある妙に新しいけど誰も立ち入ってないようなアンバランスな道路(こ れ(gsi))で川の方へ降りてみる。

ゲートが現れゲートの先は未整備。

ヘアピンカーブで橋を渡る。橋は古めでゆにっしー建設に伴い付け替えられた現道の立派な橋が目の前を渡っていく。
昔はこいつの旧道からさっきのゲートで閉鎖された林道へのアクセス橋だったと思われる。

川の様子(長沢出合)とカーナビの様子

どうも清水バイパストンネルが建設されたようだった。




国土交通省関東地方整備局 川治ダム発電所[水力]            
栃木県日光市川治温泉川治
ダム式・河川維持流量式
認可最大出力:410kW      常時出力:290kW
    最大使用水量:0.50立方メートル毎秒
    有効落差:103.68m
    水車:横軸単輪単流渦巻フランシス水車 出力440kW×1台
    取水:鬼怒川[川治ダム]
    放水:鬼怒川

川治ダム[便覧][国交省]            
河川     利根川水系鬼怒川
目的     FNAWI
堤高/堤頂長    140m/320m
流域面積/湛水面積     323.2km2 ( 直接:144.2km2 間接:179km2) /220ha
総貯水容量/有効貯水容量     8,300.0万m3/7,600.0万m3
ダム事業者     関東地方建設局
着手/竣工     1968/1983

※:流域の謎と答え:   
今,川治ダムには179km2の間接流域がある様だ。上流の黒部ダムの流域は267.3km2であるので鬼怒川発電所に控除される分を間接扱いにしてる訳でもなさそうだ。
一方で五十里ダムからのポンプアップで揚水しているが五十里ダムの流域271.2km2でもないようだ。五十里ダムの一次水域(他に取水されない水域・ここでは湯西川ダム以下)は168.8km2で大部近くはある。
今,川治ダムの一次流域(黒部ダム以下の流域)を測ってみると56.7km2であった。黒部ダムの流域267,3km2と併せて324km2になる。これは川治ダムの諸元と(ほぼ)一致するので黒部ダム以外の上流のどこかの流域が間接扱いされてると見て良い。
もうその上は川俣ダムしか無いので見てみると179.4km2と四捨五入の関係でこの間接流域は川俣ダムのものと見て良さそう。
なんで川俣ダムが間接なのか理解に苦しむが,川治ダムは治水ダムなので上流の治水機能を持った川俣ダムの流域を除いた144.2km2の治水を担当ということなのであろう(黒部ダムに治水機能はない)
詰まり間接か直接かは目的に合わせて設定される訳か。発電マニアとしては川治ダムの流域面積は以下の様になる。

川治ダム
流域面積/湛水面積     323.2km2 ( 直接:56.9km2 間接:267.3km2) /220ha

堤体(裏側?)…行きに撮ったので明るい。
22.8
堤体(表側?)…帰りに撮ったので薄暗い。。

クレストゲート?の裏側。水位は余裕ありのようである。


>川治ダムの洪水調節計画は、ダムサイトにおける計画高水流量1,800m3/sを、治水容量3,600万m3を利用して1,400m3/s の洪水調節を行い、400m3/sに低減して放流します。これにより鬼怒川の基準地点栃木県宇都宮市石井における基本高水流量8,800m3/sを五十 里、川俣ダム等の鬼怒川上流ダム群によって3,400m3/sを調節し、5,400m3/sとします。



>かんがい用水の補給計画としては、栃木県および千葉県下における土地改良事業の対象とあわせて、7,149haの地域に対し、補給を行います。ま た、新たに7.12m3/sの都市用水(上水道・工業用水道)の供給を行います。

鬼怒川上流ダム群連携施設[国交省]            



五十里ダムと川治ダムの特徴
鬼怒川上流ダム群のうち、五 十里ダムは、規模が小さく貯水容量が少ないため、雪解けの季節や梅 雨・台風の時期には、貯めきれない水が下流へと使われないま ま放流されてしまっています。
一方、五十里ダムの近くにある川治ダムは、貯水容量が大きく、いった ん貯水位が下がるとなかなか回復しないといった特徴があります。

連携施設とは
鬼怒川上流ダム郡連携施設は、五十里ダム下流の男鹿川・鬼怒川の流況 改善を目的として、水のやりとりを行うため、五十里ダムと川治ダムをネットワークする 施設です。


竣工
流域面積
年間流入量(1km2辺り流入量) 有効貯水容量
川治ダム 1983 323.2km2
1億3,800.0万m3(42.7万m3/km2) 7,600.0万m3
五十里ダム 1956
271.2km2
3億6,200.0万m3(133.6万m3/km2)
4,600万m3

流域面積当たりの流入量が異様に少ない川治ダムであるが,これは鬼怒川発電所で多くの水が下流に直送されているからである。冒頭で述べた川治ダムの濁水もこれが原因の一つであろう。
牧尾ダムと御岳発電所の関係なんかと良く似ている

雨が多い季節の川治ダムと五十里ダム

雨が少ない季節の川治ダムと五十里ダム


川治ダム側の取水口



川治ダム竹ノ上進入路[場 所国交省 (八汐湖水面利用ルール)



黒部ダム[便覧]            
河川     利根川水系鬼怒川
目的/型式     P/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     28.7m/150m/78千m3
流域面積/湛水面積     267.3km2 ( 全て直接流域 ) /13ha
総貯水容量/有効貯水容量     2366千m3/1160千m3
ダム事業者     東京電力(株)
本体施工者     早川組
着手/竣工     1911/1912

日本最古の重力式コンクリートとの触れ込みで,しかも名前的に間違えられそうだが富山には無い黒部ダム。

1912年竣工当時は発電用ダムとして日本最大との説明書き。大きな歯車は洪水吐ゲートのラック式巻上機の一部だそう。

黒部ダム堤体直下にある逆サイフォン。

利水標(鬼怒川第二取水口)[→鬼怒川発電所] 鬼怒川の水をここで13m3/s取水する様だ

取水口


利水標(鬼怒川第一取水口・鬼怒川予備取水口)[→鬼怒川発電所

この取水口は鬼怒川第一で30m3/s,予備取水口で30m3/sとよく判らないが,30m3/sは直上にある栗山発電所の水量であるので,通常は栗山発 電所からそのまま取水する(斜面の中を地下水路で直結されている) が,栗山発電所が発電を停止した時はここから30m3/sを取り入れるぞという感じ?


拡大と第一・第二取水口の位置関係


東京電力RP(株) 栗山発電所[水 力][国 交省][DB] [土木下野]            
栃木県日光市黒部
水利権取得:1934[鬼怒川水力電気(株)]
運開:1944.3[日本発送電(株)]
水路式・調整池式(運開当時は流込み式)
    認可最大出力:42,000kW      常時出力: 5,100kW
    最大使用水量:30.00m3/s   常時使用水量: 3.99m3/s
    有効落差:165.20m
    水車:立軸フランシス水車×2台 総出力46100kW
    導水路:総延長8255.3m・延長6186.7m(川俣発電所→土呂部ダム)
    流域面積:199.0km2
    取水:川俣発電所(鬼怒川)[川俣ダム]・土呂部川[土呂部ダム]866.18m 他1(不明) 合計3箇所[国 交省(巨大pdf注意)][DB](→ 後1箇所要確認・この辺か?) 
    放水:鬼怒川[黒部ダム]687.60m

土木下野] に寄ると1934年に
>鬼怒川水力電気㈱は、上流川俣にダム式発電所を新設し、その下流に栗山発 電所を新設する計画を立てました
とある。1934年に川俣ダム・川俣発電所・栗山発電所の計画を元に水利権を確保したということらしい。
その後,
>未着工のまま経過し、昭和14年(1939) 日本発送電㈱の創立によって栗山発電所のみ建設することに
とのことで,まあ5年程度の放置は良くあることではあるが,戦時下の1939年に日本発送電が事業主体となって,資材難と電力不足の時局に鑑みダムはひと まず先送りして栗山発電所だけ着手することにしたようだ。
>昭和15年(1940)建設工事に着手しましたが、取水方法は川俣ダム予 定地点に仮取水口を設備し、流れ込み方式とし、隧道で土呂部注水口まで導水し、土呂部調整池のダム建設も延期し、土呂部川の水は仮取水設備で導水しまし た。当時は戦時であり、セメント・鉄筋などは極度に不足し、水圧鉄管についても南向発電所(中部電力24,000kw)より流用するなど、資材・労務者・ 食料が極めて難航したため、国家総動員法により昭和19年(1944)に完成しました。
極度の資材難は御岳発電所(44.6完成)や上松発電所(戦後完成)等でも共通するが,1944.3に完成したようである。

>その後、昭和41年(1966)川俣ダムの完成と並び、鬼怒川電源増強工事の一環として、栗山発電所の増設工事が行われ、現在に至ってい[る]
現在,立軸フランシス水車×2台 総出力46100kWの様だが,嘗ては1台21,000kW程度だった??使用水量は恰度30.0m3/sである。

水圧鉄管

建屋背面

なんかよく見ると赤い部分が分岐してるがひょっとしてこれが増強時の後補の水車用?となると1号機と2号機で発電量が違っている可能性が高い。

県道上からの全景


黒部ダムとの位置感


~土呂部川~            

土呂部(どろぶ)ダム[便覧]            
河川     利根川水系土呂部川
目的/型式     P/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     21.6m/56m/8千m3
流域面積/湛水面積     199km2 ( 直接:19.6km2 間接:179km2 ) /3ha
総貯水容量/有効貯水容量     225千m3/130千m3
ダム事業者     東京電力(株)
本体施工者     大成建設
着手/竣工     1962/1963

堰堤付近。画面右手の施設が川俣発電所からの送水のダムへの放水口の様である。栗山発電所への取水口は画面手前の道路沿いにあったらしいが気付かず。。

こ の辺にあった囲い。栗山発電所横坑々口敷外とあった。この辺から横坑を掘ったのかな?敷外ってのは何だ??
   
ナビによると小径が延びてゐるやう(地理院には無し・こ の辺)で堰堤施設に近づこうとしたら立入禁止だった

が,そのフェンス越しに利水標も無事ゲト♪土呂部ダムから30m3/s導水していることが解る。上流の川俣発電所も30m3/sであるから基本はサージタ ンク的な機能を果たす感じか?
川俣ダムの上流では雨が降らず,土呂部川上流だけ出水するような状況だとここのダムに貯まった水量だけで発電したりもある?確かに川俣発電所の常時出力が 0kWなのに対して,こちら栗山発電所の常時出力は5,100kWもあって常時使用水量は3.99m3/sとなっている。




東京電力RP(株) 川俣発電所[水 力]            
栃木県日光市川俣
運開:1963.11
ダム式・調整池式
    認可最大出力:27,000kW      常時出力: 0.0kW[0.0%]
    最大使用水量:30.00m3/s
    有効落差:107.00m
    水車:立軸フランシス水車 出力29700kW×1台
   流域面積:179.4平方キロメートル
    取水:鬼怒川[川俣ダム]976.00m
    放水:土呂部ダム→栗山発電所866.18m


川俣ダム[便覧][国交省]            
河川     利根川水系鬼怒川
目的/型式     FNP/アーチ→ダム便覧に拠ると潅漑(A)はないが用 水補給を行っている様子。不特定利水(N)としての補給とかあるのか??
堤高/堤頂長/堤体積     117m/131m/147千m3
流域面積/湛水面積     179.4km2 ( 全て直接流域 ) /259ha
総貯水容量/有効貯水容量     87600千m3/73100千m3
ダム事業者     関東地方建設局
着手/竣工     1957/1966

利水容量図


洪水調節           
>川俣ダムの洪水調節計画は、ダムサイトにおける計画高水流量 1,350m3/sを、治水容量2,450万m3を利用して1,000m3/s の洪水調節を行い、350m3/sに低減して放流します。これにより鬼怒川の基準地点栃木県宇都宮市石井における基本高水流量8,800m3/sを五十 里、川治ダム等の鬼怒川上流ダム群によって3,400m3/sを調節し、5,400m3/sとします。
治水容量2,450万m3を利用して1,000m3/s の洪水調節を行いということで1,000m3/sで流れ込むと40分程度で2,450万m3は満杯になってしまう?1,000m3/s以上の流入はそんな 長時間持続する想定ではないようである。

利水          
>かんがい用水の補給計画としては、下流佐貫頭首工において五十里ダムと併 せて最大42.0m3/sの用水補給を行っています。これによる補給対象面積は約8,941haとなっています

【開発】     
導水出来そう。

川毎に面積測り直して効率性を再検討。川俣ダム湖へはこ の辺で放水するとちかい。川俣発電所だけではなく栗山発電所でも新たに発電出来るので効率性は良さそうだった。

導水
流域
発電量[効率]
摘要
大 事沢
1.83km
10.88km2
295.9[160.83]

野 門沢
1.29km
5.39km2
146.6[132.90]

深沢(上 タケ下 タケ)
1.28km
4.68km2
127.3[123.61]

全体
4.61km
20.95km2
569.8




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