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とはずがたりな掲示板(電 力スレ利 水スレ)
22.6.14独立
[開発妄想]矢作川の利水上 矢作・上村・飯田洞課題

【上村川上流開発案検討】           
可能性があるのは飯田洞川上流である。まだほんの入り口付近で極小の飯田洞発電 所が稼働しているに過ぎない。飯田洞川上流から取水して見た(→開発案)らそ こそこ良い案が出来たが,飯田洞や阿岳は山深い。
平谷発電所やその下で開発が検討されている上矢作ダムを活用する案も検討してみる

利水模式図           
根羽川(矢作川本流)ではなく上村川(更に上流では平谷川・柳川)が発電上の本流であることが解る。
出典:国 交省

★★
~上村川~           

下村堰堤[水力] [訪 問記]           
岐阜県恵那市上矢作町漆原
水系:矢作川水系上村川
目的:P
堤高/堤頂長: 4.3m/54,3m
事業者:中部電力(株)
竣工/改修: 1920年/2003年
流域面積:187.5km2

上流で計 画されている上矢作ダムを発電もその主要な目的に入れて開発再開してみる。
それを前提とするとこのような発電所が構想できる。

[想像]上矢作発電所
出力;29,800kW[+29.8MW]
水量:20m3/s
落差:175m
導水:6.0km
取水:上村川[上矢作ダム(凍結中)]580m
放水:上村川[上村堰堤]398m


~飯田洞 川~           

中部電力(株) 飯田洞発電所[水力] [wiki]            
水路式・流込式
認可最大出力:630kW 常時出力:220kW[34.9%]
最大使用水量:1.95m3/s 常時水量:1.11m3/s[56.9%]
有効落差:41.89m
水車:出力821kW×1台
導水路:総延長1525.7m
流域面積:50.9km2 (3.83%)
取水:飯 田洞川496.33m
放水:飯田洞川448.06m

【飯田洞 川開発検討】           

飯田洞川・阿岳本谷上流から取水,発電を試みる。800m付近から取水。約24.4km2になる。
飯田洞発電所を無視しても良いけど,導水の観点からは飯田洞川と阿岳本谷の合流点で放流すると良さそうなので即ち飯田洞発電所の取水堰堤へ向けて一旦発電 してみる。上村発電所(高落差)と島発電所(低落 差)の上村発電所みたいな感じとなる。

[私案]阿岳発電所
水路式・流込式
出力:8,900kW~10,700kW
水量:3.5m3/s[1.43]~4.2[1.79]
落差:300m
流域:24.5m3/s
導水:5.13+0.54=5.67km (0.51→1.30)
取水:飯 田洞川阿 岳本谷800m
放水:飯田洞川[飯田洞発電所取水堰]496m

300mだし近所には最新の(とは言え20年前の)平谷の様な流域面積辺り に高取水量(なんと67.2km2で8.5m3/sも取れている)の発電所もある。
降水量であるが山向こうの天竜川中流のデータだと2,400~2,600mmの間の様で ある。 2,200mmよりは高いと云って良いだろう。300mの高落差に恃んでここは最大10.7MWで楽しめるかもしれない♪穏当には3.5m3/s・ 8.9MW程度か。


実は直ぐ南側の上村川の上村発電所の上部調整池がこの辺にあって[地 理院(EL.767m)・], そこへ流し込むのも良いかも知れない。
上村平谷を使う開発 (案)もあり得る。平谷の取水(取水位は更に高い900m)もあり得 る。比較検討してみる。


中部電力(株) 上村発電所[水力] [wiki]      
運開:1925.11[矢作水力(株)・水利権:第三水力]
水路式・流込式
認可最大出力:9,800kW    常時出力:3,800kW
最大使用水量:4.09m3/s[0.52]
有効落差:306.23m
水車:2台 総出力11190kW
導水路:総延長7975.8m
流域面積:78.7km2
取水:上村川[上村堰堤]773.81m
放水:島発電所(上村川) 458.29m

平谷発電所からの放流水量などを考慮すると今の2倍増,更に飯田洞川流域からの導水平谷発電所取水口以下の流域面積からの取水も考えると3倍増 は行ける。12.3m3/sに すると29,400kW[+19.6MW]と なる♪


【上矢作ダム】       

現在凍結されている上矢作ダム。

[早期着工!]上矢作ダム[国 交省][堤 体場所477.8m
堤高:150m/堤頂長:470m
満水位:?
総貯水容量: 5,400万m3
有効貯水容量: 4,800万m3・洪水調整容量:1,600万m3
計画高水流量(ダムへ流入する最大の洪水流量): 1,020 m³/s
流域面積:102km2/湛水面積:1.44km2

貯水池容量配分図
出典:国交省

完全从属発電だと。自民党政権的な税金の無駄遣い公共事業である。こんな計画廃棄して発電をメインに据えて計画練り直しである。
民主党政権の脱ダムは正しかったといえよう♪
問題は原発事故で水力もやっぱ必要となる勢力が現れなかったということである。
湛水面積1.44km2で洪水調整容量が1,600万m3とのこで,15m位は洪水用という感じである。堤高150mから満水位を600m程度とすると常 時満水位580m程度と推定。




上村ダム(堰堤)[水力] [訪 問記]           
取水位:773.81m
流域面積:78.8km2

その向こう側に上村ダム堰堤部が現れる。道路に沿って長細く立地してる小さな堰堤である。


<相川出合>             
ここに平谷発電所が建設された。

中部電力(株) 平谷発電所[水力] [DB] [中 電]     
所在地:長野県下伊那郡平谷村五軒小屋
運開:1996.4
水路式・流込式
  認可最大出力:8,100kW    常時出力:790kW[9.75%]
    最大使用水量:8.50m3/s[1.26]←流域水量比率高い♪
    有効落差:113.50m
    水車: 出力8380kW×1台
    導水路:総延長4,275.8m[無圧トンネル]・主導水路4,048.6m[無圧トンネル・巾3.00m×高さ6.05m] ※
    流域面積:67.2km2 (=18.4+48.8) 
    取水:平谷川[平谷堰堤]、合川[合川堰堤897.00m
    放水:平谷川[上村堰堤]777.10m

※:主導水路の高さ,高すぎやろ。。後,地図で計測してみると2.55(上部水槽~平谷堰堤)+1.74(合流部~合川堰堤)=4.29kmと,ほぼL= 4.3kmは確認出来たけど,逆に主導水路以外の導水路227.2mがどこの区間を指すのか判らん。。

平谷発電所の流域面積:67.2km2で最大使用水量:8.50m3/s。 (流域水量比:126%)
平谷堰堤の 流域:48.8km2で取水量:6.0m3/s (流域水量比:123%)
合川堰堤の流域:18.4km2で合算だと仮定すると取水量:2.5m3/s(流域水量比:136%)となる。
まあ割りとそれっぽい。これ以上大きいとすると流域水量比が大きくなりすぎ駄科。勿論3.0m3/sとって平谷川と合川の補完性を狙い,取り過ぎた時は余 水を捨てると云う運用もありではあるけど,,



~合川~
県境の橋の上から上流を望む

この川の上流に取水堰堤がある。

合川堰堤[場 所][国 交省][中 電]           
流域:18.4km2(地図計測)
堤高:6.50m ゲート高:1.6m ゲート長:17.28m
取水量:2.5m3/s?(とは推計・理由は下記)

【合川堰堤導水】
先ずは合川堰堤の直ぐ脇の沢から取水して見る。導水距離0.1kmで1.1km2程取れる。
面積は小さいが兎に角近いので効率は悪くないようだ[1]。これはこれでやれば良さそ う。


これ以上は飯田洞との絡みで検討する必要がある。項を改める。



~ 平谷川~
一寸行くと堰堤が現れる。

平谷堰堤[場 所][国 交省][中 電]           
流域:48.8km2(とは推計)
堤高:5.0m ゲート高:2.0m ゲート長:26.93m
取水量:6.0m3/s (流域水量比: 123%)
取水位:

さて,後はこの平谷堰堤(EL.897.00m程度・地 図(EL896m))に向けて開発の余地があるかどうか,である。残り最大でも50km2弱。一つの目安であるH=200mとなると1,100m 級となる。
平谷発電所を気に入ってはいるけど中途半端な落差でしかも水量を厚めに取ってしまってるのでそれ以上ここに新設は(上に被せるにしても並行するにしても) 難しい様だ。



【上流増強案検討】           
可能性があるのは飯田洞川上流である。まだほんの入り口付近で極小の飯田洞発電所が稼働しているに過ぎない

更に飯田洞川上流から平谷発電所に導水も可能。合川堰堤から飯田洞川(gsi)迄3.0km延ばすと 10.9km2程取れる。

更に,飯田洞川から阿岳本谷迄2.3km延ばすと8.0km2程取れる。

それぞれの効率は以下。上で考案した阿岳発電所よりは導水して平谷発電所の方が発電量も効率も高い。
但しこの導水に,特に飯田洞川と阿岳本谷併せて18.81km2からの取水が2.0~3.0m3/s程度上乗せされるとすると現行の施設で導水出来るか不 明(2.0m3/s程度行けそうな感じもする,特に平谷の主導水路の高さが異様に高い(H=6.0m),けど拡張の可能性?飯田洞流域の将来の取水拡大も 視野に入ってたら胸熱♪)。
もし増強が必要になると大いに効率が低下して阿岳発電所の方が良いとなる。

平谷発電所導水(案)比較


流域km2
導水km
発電量
効率
摘要
[1] 合川堰堤脇の沢
1.1
0.1
12.5
124.9

飯田洞川(gsi)
10.85
3.01
463.3
153.9

阿岳本谷(gsi)
7.96
2.26
339.9
150.4

合計
19.91
5.37
815.7
151.9

[2]
[1]+平谷P導水増強

2.4
815.7
105.0

[3]
阿岳発電所[→私案
24.5
5.67
735.0
129.6


暗 井沢飯 田洞川阿 岳本谷辺りから取水して上村川側に流しても良いかも。上流では平谷発電所に取水出来そうなので飯田洞川を抜くと16,6km2程ある。(狭い暗井 沢 は 省略。)更に阿岳本谷も抜くと8.9km2程度迄激減する。
導水距離に引き合わなくなりそう。。


寧ろ,上矢作ダム[凍結中]へ導水した方が良さそう。3km程の導水で飯田洞川(gsi)へ 至る。

更に1.6kmで阿寺本谷へ。13.16km2

その先の白井谷へは0.83kmで9.37km2。阿岳発電所から取水位を約200m下げると白井谷から取水が可能となる。


上で構想した阿岳発電所を上矢作導水へ併せてみる。

[修正私案]阿岳発電所
出力:5,800kW[+5.8MW]
水量:3.7m3/s[1.51]
落差:185m
流域:24.5km2
導水:2.7+1.2=3.9km
取水:飯 田洞川阿 岳本谷800m
放水:飯田洞川[飯田洞発電所取水堰]610m

修正私案の第二案として取水位を900m[つまり平谷導水の時の面積]でやってみたが導水距離が5.5kmと延びた割には出力上がらずボツ。

平谷発電所への導水を差し当たって無視して上矢作ダムへ導水して発電するとこんな感じ。


流域km2
導水km
発電量指数
効率
摘要
[4]
飯田洞川
20.9
3.0
365.7
124.2

阿寺本谷
13.2
1.6
230.3
144.3

白井谷
9.4
0.8
164.0
198.8

合計
43.4
5.4
758.0
141.6

[5]
[4]+[1]

10.8
1,234.5
115.2
上矢作導水+平谷導水
[6]
[4]+[2]

10.8
1,234.5
94.1
平谷導水路要増強
[7]
阿寺[修正①]
24.5
3.9
453.2
116.2

[8]
[7]+[4]

9.3
1,213.2
130.9

[9]
[8]-飯田洞廃






上矢作ダムの建設が前提となるが,飯田洞流域からは平谷よりは上矢作ダムへの導水を建設しつつ,その取水口に向けて上流から発電所を建設するのが良さそ う。
これによって上流43.4km2を失う飯田洞発電所に残る一次流域は僅か7.5km2程になってしまう。

[飯田洞流域を利用した上村平谷両PSの増強後] 飯田洞発電所
 水路式・流込式
認可最大出力:630kW[η=78.7%]
最大使用水量:1.95m3/s[2.6]
有効落差:41.89m(旧データ43.27m)
水車:出力821kW×1台
 導水路:総延長1525.7m
 流域面積:50.9km2 (0.38)
平谷導水後直接:23.4km2 (0.84) →上流を開発すれば結構イイ感じの使 用水量・流域面積比になるw
→上矢作導水後の直接:7.5km2[2.6]→ちょい存続厳しいレベル(廃止へ)。
    取水:飯田洞川496.33m
    放水:飯田洞川448.06m

やはり上流で取水して流域が減ってしまう中房第五の所で,最大使用水量1.81m3/sの水車の稼働の加減の目安はどんなものかグーグルに尋ねて見たところ「あくまで一般的な目安としては運転可能下限(推定): 約 0.9 m³/s 〜 1.1 m³/s 程度」が多いとのこと。ここも同様に減ってしまいそうで存続は厳しそう。10.1km2残る向こうより狭い上に必要な水量多いしな。