電力総研 水 力あれこれ(四 国) 吉野川本流
剣 山
祖谷川名頃
貞光川穴吹川 那賀川坂州木頭川 物部川上韮生川
とはずがたりな掲示板(利 水スレ電 力スレ)
21.7.13全面改稿
祖谷谷の水力発電と開発[開発篇][→現況篇はこちら]


繰り返すけど,四国で先ず,全国でも大井川,十津川や揖保川,木曽川なんかとならんで可成り早い段階で,目を着けたのがここ吉野川の祖谷谷であった。

これ以上,改良しようとすると僅かの増強の為に無駄に発電所の総取っ替え迫られたりして効率的では無いなってのがその時の結論だったけど,多雨地帯★★である(最多雨地帯の那賀川流域の山ひとつ北側)。
ダムも欲しいし発電量の増強もしたいお年頃なのである。

ただダムも環境負荷はあるし,新規発電所の押し込みもなかなかすっきりくるのもなく,古い計画はボツネタ篇に押し込んで仕切り直してみる。

【貯水池検討】
大きめのダムは2(案),それぞれ2パターン
・東祖谷ダム(小)と祖谷渓ダムである。



貯水量[諸元]
発電所[容量] 摘要
東祖谷ダム
(大) 1,830万m3[諸元] 諸元[2.55MW]

(小)
730万m3諸元
諸元][4.5~6.0MW]

祖谷渓ダム











【東祖谷ダム構想①】
湛水域

流域図(マウスオーバーで間接流域を含む総流域を表示)

[私案]東祖谷ダム
場所:祖谷川496m
堤頂長:122m
満水位:530m
湛水面積:80.9ha/流域面積:132.0km2(直接:45.5km2(一部推定) 間接:86.5km[祖谷発電所・松尾川第一発電所])※
利用水深:30m
有効貯水量:1,830万m3
要立退:東祖谷京上

※:松一は一旦松尾川ダムに貯めるのでごっそり取っていくタイプであるが,祖谷発電所は発電に使える分だけ取っていくスタイルである。祖谷の分は直接流域 に入れても良いかも知れぬ。
流域図(マウスオーバーで祖谷の間接流域を含む流域を表示。68.2km2)


[私案]東祖谷発電所
出力:2,550kW[+2.55MW]
水量:7.5m3/s
落差:45m
流域:45.5km2
導水:0.6km
取水:祖谷川[東祖谷ダム]530m
放水:祖谷川[祖谷発電所放水477.15m・高野発電所取水(若林堰堤)]478.00m

規模は小さいが,早明浦のサブとして機能する上に,東祖谷・高野・一宇・出合・三縄(と影響は小さいが池田)の各発電所の出力増強にも繋がろう。
既設のダム・発電所群と併せて東祖谷ダム(V=1,830万m3)からの 7.5m3/s[28D2h53mもつ]と若宮谷ダム(V=5.8万m2)からの1.96m3/s[8hはもつ]と三縄ダム(V=18.3 万m3)からの5.14m3/s[9.8hもつ]でぞれぞれ東祖谷2.55MW+高野4.4MW程度+一宇8.7MW+出合9.3MW+三縄7.4MW= 32.35MWは計算出来る電源となる。

夏は潅漑・水道等の早明浦のバックアップ(サブ),冬は発電がメインとなる感じでは無いか。例えば4.0m3/sで供給すると52日半供給出来る。一日8 時間なら157日半である。11月から3月まで持つ。15MW位は一日供給して5月と一冬持ちそう。

水量は申し分ないが,発電容量は小さく立ち退きも一定規模必要なのが弱点。



【東祖谷ダム構想②】
もうちょっと上流にしてみる。

[私案]東祖谷ダム
場所:蔓 原EL537m
堤頂長:140m
湛水面積:32.1ha
満水位:600m 利用水深:30m
推定有効貯水楼:730万m3
流域面積:最大53+3.9+34.4=91.4km2(松尾川ダム取水域を除いて祖谷発電所(3.7m3/s)集水域(48.2km2)を含む・一次流 域は44.9km2)

北回り案①…流域:53.1+3.9=57.0km2
南回り案②…流域:53.1+34.4=87.5km2

谷道川の水も確保出来る南回り案が良さそう。

[私案]東祖谷発電所
出力:4,500①~6,000②kW
水量:4.5①~6.0②m3/s
落差:118m
導水:7.2①~10.2②km
取水:祖谷川・落合川・鎖谷川①・谷道川② 600m
放水:祖谷川 478m


東豊永太田口の増強私案と基本的には同じ手法である。



【高野ダム(案)】
高野発電所の取水用のダムだから高野になくても高野ダムである。
今は所在地の地名から若林堰堤と云うらしいので所在地の名前をつけても良いようなきもするけど。。
さて,何処が良いかと考えるにこ こEL,450mが良さそう。仕様水深20m程度のダムを建設出来そうである。ただ貯水量は198万トン程度。東祖谷ダム(案)の1/10程度とやや心許ない結果となった。





【谷道川・熊谷川開発】
新開発は谷道川の南側で行く。祖谷発電所は恐らく松一に流域を取られた為に高野~三縄の4発電所よりも流域面積当たりの水量が多めとなっていて[→一覧],高野以下で並行して建設するのは,投資効率的にどうかという面はあるものの,可 能ではあるだろう。

善 徳辺りに一旦落として繋ぐことも考えたが,常時出力が低くて一宇の稼働率が悪そうな ので高野付近に落として水は一宇に送るのが良さそうである。(それ云ったら高野の方がもっと悪いんだけど。。一応谷道川から高野発電所への導水等も下図に は書き込んである,,→
えっ,もう高野発電所でやってるのか!?)


[私案]新高野発電所
出力:5,600kW[+5.6MW]
水量:3.2m3/s
落差:180m
流域:20.6km2
導水:8.3km
取水:谷 道川樫 尾元 井熊 谷川釣 井・586m
放水:祖谷川[一宇発電所栗寄堰堤]399.58m

東祖谷発電所(案)の②があればこちらは不要であるな~。




【松尾川導水】
高野・一宇・出合辺りへの可能性がありそうだが,一宇へ持って行くのは遠いし流域も殆ど増えないし意味が無いようである。
導水先 取水位(場所) 落差 追加流域 導水距離 摘要
高野発電所[諸元]
480m(EL.514m) 70.2+111.25+124.6=360.1m 27.27km2 3.97km
183.7km2・8.8m3/s・5.2MW
一宇発電所[諸元] 400m(EL.424) 111.25+124.6=235.85m 29.95km2
5.3km
212.1km2・9.51m3/s[0.46]・8.8MW
出合発電所[諸元] 288m 124.6m 47.02km2








一宇取水ケース


出合取水ケース



四国電力(株) 一宇発電所[→現況篇] [水力] [DB]      
認可最大出力:8,800kW     常時出力: 840kW (9.6%・増強前)
最大使用水量:9.51m3/s[0.46]
落差:
流域面積:212.1km2
取水:祖谷川[高野発電所]→栗寄谷川(仮称)→若宮谷川[若宮谷ダム]399.92m
放水:祖谷川[出合発電所]286.42m

発電所は遥か谷底にある。。

水圧鉄管を見上げる写真も撮ったが偉いブレてた。。

松尾川の場所で比較検討した結果,松尾川からの導水は一宇がよさそう♪


【祖谷渓ダム構想】

現状は一宇発電所(Q=9.51m3/s・放水位286.42m)を受けて直ぐに出合発電所取水堰(取水位(286.238m)があって出合発電所(P =10.6MW・Q=10.53m3/s・H=124.75m →124.53m?・151.0m[三縄ダム])へ送水している。
出合は使用水量を上げることで出力増強が図られたばかりではあるが,設備はいじらず増強したケースである。また導水路付近で地滑りもみつかったとのこと。
祖谷渓を使って一宇以下出合以上にダムを建設して貯水してみる。

出合発電所祖谷川取水堰(仮称)
さてほぼ同位置の直下にこの下の出合発電所の取水堰が存在する。
(286.238m

出合発電所[→現況篇][水 力][DB] [四電(web)] [四 電(pdf)]
水路式・調整池式
認可最大出力:10,600kW  ※   常時出力:1,600kW? ※のNLに拠ると水車を交換せずに最大取水量を増やした様である。
最大使用水量:10.53m3/s→11.63m3/s程度?
有効落差:124.75m [DB] or 124.53m [四 電(pdf)]
水車:3台 総出力12094kW 立軸フランシス
導水路:総延長7758.4m[導水路に地滑りがあったらしい[ソー ス]。]
流域面積:29.8km2(案内板[水 力]) 241.9km2[DB]  ←この差は大きすぎる。29.8km2ってのは直ぐ上の発電所である一宇より上流の流域面積を除いたものと思われる(詰まり一宇の放流水に加えて追加で 取水出来る面積)。241.9km2は主に松尾川に送られると思われる名頃発電所の28km2も恐らく含んでゐるから実際の出合の流域面積は 213km2って所か(一宇の諸元の流域面積はまさにそれくらいになっている)。
取水:祖谷川[出合取水ダム・一宇発電所直下]、眠 谷川大 宮谷川(286.238m)
放水:祖谷川[三縄ダム湖直上](151.00m)


[私案]祖谷溪ダム①
場所:EL.217m
堤頂長:130m 堤高:100m程度
満水位:300m
湛水面積:551,427m2   利用水深:40m
有効貯水量:1,550万m3→思ったほどでかく取れないな。。
立ち退き…祖谷溪温泉ホテル

[私案]祖谷溪ダム②
場所:EL.211m
堤頂長:180m 堤高:110m程度
満水位:300m
湛水面積:721,289m2   利用水深:40m
有効貯水量:2,100万m3
立ち退き…祖谷溪温泉ホテル



祖谷渓ダムへの松尾川からの導水。37.7km2程行ける。


[改造]出合発電所
ダム水路式・調整池式
認可最大出力:10,600kW
最大使用水量:11.63m3/s程度?
有効落差:124.6mぐらい
水車:3台 総出力12094kW 立軸フランシス 発電機・同期式
導水路:松尾川→発電所:4km程
流域面積:
取水:祖谷川[祖谷渓ダム]・大 宮谷川(286.238m)
放水:祖谷川[三縄ダム(→三縄発電所14.6m3/s)](151.00m)