電 力総研 水力あれこれ(四国) 四国 水 力
とはずがたりな掲示板(利 水スレ電 力スレ)
21.7.11 更新
吉野川の分水状況
流域概況綜 合開発計画史分水状況下流部開 発潅漑用水早明浦ダム上流部

1.分水図系統図現 状・問題点 2.香川用水・池田ダム 3.銅山川・愛媛分水(未) 4.穴内川・ 穴内川分水(別頁) 5.鏡ダム・高知分水(別頁) 6.土佐吉野川電力・仁淀川分水(上八八川)

■吉野川水系のダム・堰・用水・分水図   
出典:四国地方整 備局

系統図
出典:国交省資 料


吉野川水系の水問題に係わる現状
出典:国交省資 料

~香川用水~

池田発電所[水力
所在地:徳島県三好市池田町ウヱノ
    昭和50(1975)年5月:運用開始
ダム式・流込式
    認可最大出力:5000kW      常時出力:1900kW
    平均年間発生電力量:約30000MWH(3千万キロワット時)
    最大使用水量:62.00立方メートル毎秒
    有効落差:10.02m
    水車:横軸円筒(チューブラー)カプラン水車 最大出力5200kW×1台
    流域面積:1904.0平方キロメートル(水力発電所データベース)
    流域面積:1291.5平方キロメートル(水力.comさん調べ案内板)
    取水:吉野川[池田ダム]87.8m
    放水:吉野川77.3m

流域面積の違いは分水第一118.8km2・天神72.9km2・平山102.3km2・銅山川第三251.9km2・辺りを抜くかどうかの差かな? 1904km2から引くと1,355,1km2。だいぶ近づくが未だ63.6km2程の差がある。名頃28.0km2や松尾川第一103.7km2を引く と引きすぎになる,,

池田ダム[水 力][便覧] [wiki
河川     吉野川水系吉野川
目的/型式     FNAWIP/重力式コンクリート
流域面積/湛水面積     1904km2 ( 全て直接流域 ) /144ha
総貯水容量/有効貯水容量     12650千m3/4400千m3
ダム事業者     四国地建→水資源公団→[独立行政法人水資源機構管轄]
着手/竣工/完工     1968/1974/1975.3
堤高:24m(基礎岩盤~天端標高でこんな感じか~。)
     総貯水容量:1,265.0万m3
    有効貯水容量: 440.0万m3
    洪水調節容量:440.0万m3(有効貯水容量の内)
      発電容量: 80.0万m3(有効貯水容量の内)
        天端標高: 94.50m       洪水時満水位標高: 90.7 m(サーチャージ)
     常時満水位標高: 88.1 m     低水位標高: 87.5 m
      下流河床標高: 73.50m    基礎岩盤標高: 70.50m
    流域面積:1,904km2  湛水面積:  144ha (1.44km2)
受水:三縄発電所14.6m3/s・伊予川発電所9.0m3/s・
送水:香川用水15.8m3/s・吉野川北岸用水14m3/s・池田発電所62.0m3/s 合計:91.8m3/s

wikiに拠ると
>ダムは船明ダム(天竜川)と同じく巨大な水門によって川を堰き止めているが、この水門の大きさは左岸にある吉野川ダム統合管理事務所(3階立て) の建物がスッポリ入る巨大なものである。
とのこと。堤高24mでもこんな感じで出来るんやな。巨大な堤体造るより安上がりで早く出来そう。船 明ダムの様子はこんな感じ

で,事前知識を全て忘れて訪問した池田ダムはこんな感じであった。遠景。

鳥瞰。デカかった。
22.2

吉野川北岸用水や香川用水の取水施設は造り直す必要が出てくるかも知れないが人家などはなさそうである。5m程満水位を上げて,池田ダムの放水位を下流に 移すと池田発電所の出力を倍増出来る。

あと落差少ない(池田発電所の有効落差が10m程度)ので舐めてたけど池田ダムでかかった。流石四国 三郎。誰にも迷惑掛からないのでもう5mぐらい満水位上げてもいいんじゃないか?併せて放水地点をR32の四国中央橋付近まで延ばせば水力発電の出力倍増 が出来る。 pic.twitter.com/UGOotRyGfo

— とはずがたり (@tohazugatali1) February 11, 2022

後程,頁を改めて検討してみる。

吉野川北岸用水[水 土里
出典:四国地方整 備局
取水量:最大14m3/s

吉野川北岸用水取水工


B 事業の規模
受益市町
徳島県三好市・東みよし町
美馬市・つるぎ町・阿波市・吉野川市・上板町・板野町

受益面積
水田     4,719 ha
畑     1,543 ha
農地造成     37.2 ha
計     6,300 ha

組合員数12,790 名

幹線水路 総延長   69.2km

C 工事期間 1971年4月~1990年3月

D 総事業費 612.5億円

国営かんがい排水事業吉野川北岸二期地区概要図
出 典:中国四国農政局


香川用水[水 機構
取水工:最大15.8m3/秒
東西分水工
調整池:宝山湖 V=300万m3

池田ダム・香川用水取水工
22.2
近づいて利水標確認したり,5m嵩上げした時の影響とか確認するのを怠ってしまった。

池田ダム・香川用水取水工→(トンネル水路)→東西分水工→調整池→東 部幹線水路

出典:水 機構


用水供給一覧
区  分  供給対象  供給水量
農業用水  8市6町
 水  田  19,762ha
 樹園地   3,908ha
   計    23,670ha
 最大通水量 11.3m3/秒
 年間 1億500万m3
水道用水  8市5町  最大通水量 3.87m3/秒
 年間 1億2.210万m3
工業用水 坂出市・宇多津町・丸 亀市  最大通水量0.63m3/秒
 年間 1990万m3




出典:水資 源機構
河 川 名      財田川水系神田川支川
流域面積      約0.63km2
湛水面積      約24ha
有効貯水量      約3,050,000m3
常時満水位      E.L=72.70m
最低水位      E.L=55.20m
堤   高 約 25.0m
天端標高 E.L=76.00m
取得面積      約81ha

満濃池で有名なまんのう町だけ対象に入ってないのはまんのう町だけは満濃池で事足りているということか?


~~

伊予川発電所[水力] [DB
水利権獲得:1938[美馬水力(株)] /着工:1942[伊予川開発(株)1941設立]/運開:1947.8[日本発送電(株)]/増強:2021[四電(+300kW)…高効率水車ランナ 導入による]
 認可最大出力:3,400kW      常時出力:0kW
    最大使用水量: 9.00立方メートル毎秒(水力発電所データベース)
    有効落差:44.20メートル(水力発電所データベース)
   水車:立軸単輪単流渦巻フランシス水車 最大出力3200kW×1台
    導水路:総延長1577.6m
    流域面積:114.3平方キロメートル(案内板)・329.2平方キロメートル(水力発電所データベース)
    取水:銅山川[銅山川ダム]140.00m
    放水:吉野川93.80m

水力.comによると案内板によれば最大使用水量17.35m3/s・出力6,000kW・有効落差41.78mとのことでだいぶズレているが嘗てそんな 時代があったのかもしれない。
銅山川は水不足に悩む宇摩・新居浜地区の水甕として開発されて水量が激減した筈だしな。
また案内板とDBの誤差は直接流域と間接流域の差であろう。案内板は古そうなので銅山川第三251.9km2の運開より前で,その時代はどういう算出ベー スか214.9km2を愛媛に取られる時代があったのであろう(銅山川第一170.7km2・1953運開だけでは足りない)。

~銅山川~→全体はこちら参照

伊予川発電所相川取水堰[場 所][DB
此処に取水堰があるのはDBに取水堰数2とあり,また四電の資料にも取水堰っぽい記述があるから判明する。

岩戸ダム(計画①③案吉野川 綜合開発参 照)
堤高:
総貯水容量:

伊予川発電所銅山川取水堰[水力] [DB
堤高:14.00m 堤長:75.40m

現在は岩戸地区(の一寸北側)に伊予川発電所の取水堰がある。岩戸ダムの後継者なのかもしれない。
と思ったが建設はこちらが先である。良くあるダム好適地に先に発電所が出来てたったやつか。

大野ダム(計画④⑤案吉野 川綜合開発参 照)


新宮ダム



~白川谷川~
白川発電所は地滑りの危険で廃止されてしまったが,復活を検討してみた。


(小歩危)
ダム 河川 現行規模 吉野川改訂
改修計画⓪
経済安定本部
原案①
経済安定本部
修正第一案②
経済安定本部
修正第二案③
電源開発B案

電源開発A案

早明浦ダム 吉野川 106.0
316,000,000
72.0?
147,000,000?
72.0
147,000,000
72.0
147,000,000
80.0
165,000,000
92.0
255,000,000
92.0
255,000,000
小歩危ダム 吉野川 126.0
307,500,000
106.0
165,000,000
90.0
106,000,000
38.0
10,000,000
池田ダム 吉野川 24.0
12,650,000
17.0
14,800,000
10.0
5,700,000
17.0
14,800,000
17.0
14,800,000
17.0
14,800,000

(大歩危)

赤 野ダム(計画⑤案=吉野川綜合計画参 照)
場所(場 所):
堤高(計画):28.0m
総貯水量(計画):480.0万m3


~南小川~
東豊永発電所など
南小川は永渕ダム(予定)より上流に流れ込むが,下流に導水して発電する計画を構想したので此処に置く。

永渕ダム(計画⑤案
吉野 川綜合計画参 照)
場所(場所):高知県大豊町永 淵
堤高(計画):26.0m

総貯水量(計画):660.0万m3

永 淵付近はEL183m程である。天端205m・常時満水位200mぐらい?

さて,ダムが足りないのは明らかな のでこいつらの亡霊を現代に蘇らせたい。。

県 境付近の狭隘部(EL165m)に満水位200mでやったら108km2も取れた大田口発電所辺り迄湛水域が伸びるダムとなった。
ほぼ人家はなくてなかなかいい感じのロケーションかも。道路の上から張りだして家があるとことはあるが,ダム湖の上の家ということになろう。この辺で詳細検討

~奥太田川~
大田口発電所など


(穴内川合流→こちら参照)

敷 岩ダム(計画④⑤案小歩危参 照)
場所:高知県大豊町敷 岩はここら
堤高(計画):33.0m
総貯水量(計画):3,650.0万m3
推計するとこんな感じになった。地理院だと地名が式岩になっている。
湛水面積:67.4ha 常時満水位:220m ダム地点標高:206.5m

早明浦の放水位が240mなのでここに造るのは貯水上適切なら兎も角ちょっと高低差が物足りない感じはある。画像左下には既に山崎ダムがある。

山崎ダム[Gmap] [地 理院
電源開発(株)
早明浦ダム逆調整池
標高:224m


早明浦発電所

因みに早明浦ダムに付随する早明浦発電所42MWの最大使用水量は65.00m3/sであるからその位は最大使えると云う事になる。
とは云え恒常的にそんなばんばん垂れ流してゐる訳でもなさそうで,まあ常時放流水量は常時発電量4.8MWから判断するに7.4m3/s(= 4.8/42)程度であらう。

早明浦発電所[水力
四国電力(株)
最大出力:42,000kW 常時:4,800kW 年間発電量:約129,000MWh(設備利用率35.0%)
最大使用水量:65.00m3/s →最大出力と常時出力の差から常時放流量は7.4m3/s程度?(水車の効率考えるともう一寸多いのかも)。
有効落差:76m
水車:立軸斜流水車
取水:早明浦ダム(331.0m)
放水:吉野川(240.3m)

早明浦ダムと汗見川

治水も目的に這入る早明浦ダム。洪水期は7/1~10/10と一寸後ろにズレ気味だけどその間は発電容量は抑えられるようだ。10月の雨は,今も恰度台風 来てるけど越冬用の水として貴重なんじゃないのかな??

早明浦ダム[水力] [便覧
河川     吉野川水系吉野川
目的/型式     FNAWIP/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     106m/400m/1200千m3→1187千m3
流域面積/湛水面積     472km2 ( 直接:417km2 間接:55km2 →汗見ダム(流域51km2とのこと)以外にも間接領域あるのか?!) /750ha
ダム事業者     水資源機構ダム事業部
着手/竣工     1965/1978
再開発着手/竣工     2018/
総貯水容量:3億1,600万m3
有効貯水容量:2億8,900万m3
   利水容量:1億7,300万m3(有効貯水容量の内)
    洪水調節容量: 8,000万m3(有効貯水容量の内、非洪水期10月11日~6月30日)
    発電単独容量: 3,600万m3(有効貯水容量の内、非洪水期10月11日~6月30日)
    洪水調節容量: 9,000万m3(有効貯水容量の内、洪水期7月1日~10月10日)
    発電単独容量: 2,600万m3(有効貯水容量の内、洪水期7月1日~10月10日)
無効貯水容量:2,700万m3 (死水容量: 1,000万m3・堆砂容量: 1,700万m3)

標高
ゲート頂標高:367.00m
天端標高:345.00m
洪水時満水位標高:343.0 m(サーチャージ)
常時満水位標高:331.0 m
洪水吐越流頂標高:325.00m(クレストゲート)
洪水期制限水位標高:329.5 m
最低水位標高:275.0 m
堆砂標高:268.0 m
低水位放流管呑口中心標高:262.00m
基礎岩盤標高:239.0 m

たまに渇水になって香川県民を困り果てさせる早明浦ダムである。嘗ては,早明浦ダム(堤高72.0m・総貯水容量1億4,700万m3)・小歩危ダム (126.0m・3億750万m3)・岩戸ダム(136.0m・2億8,900万m3)等の巨大ダムに分散させる予定が徳島県の分水への不信感や小歩危の 景勝への自然保護等で早明浦(106.0m・3億1,600万m3)に集約されてしまって早明浦に負担が掛かってる面は否めない(岩戸ダムに関しては愛媛 に送る分は銅山川沿いに新宮・柳瀬・富郷・別子と4ダム体制になってぬかりはない)。

問題点としては上に貼り付けてお いたように,
・早明浦ダムの治水機能の限界
(計画1/80,管理開始以降33年間で計画流入量を4回オーバー)
・低い早明浦ダムの計画安全度(計画1/5,実際1/3程度)
(管理開始以降33年間で22回の取水制限を実施)
・早明浦ダムの濁水の長期化
がある。

頁を改めて大増強を検討する。

少しでも早明浦の水量を確保する為に導水を考える。

早明浦ダムの常時満水位は331.0 mだそうであるが,地理院の湖面は326m程度で,これは洪水吐越流頂標高が近い。洪水吐越流頂標高も一寸よく判らないけど330m迄は貯めておく感じで いざとなると326m程度で吐き出す様だ。

さしあたって対象とする汗見川(凄い名前だw)の標高は結構低いので渇水期に真価を発揮すると考えて取水面は325m程度とする。満水の時は取水しない感 じになろう。
そう考えて見て見ると323m 地点にお誂(あつら)え向きの堰があるような。まあこの地点で取水することにしよう。水位が足りないとかあったら堰の嵩上げで対応。
そもそもなんか農業用水でも取水してるのかと念の為,調べたらなんと早明浦用の導水ダム,しかも電発所有だから発電用!,だった様だw

汗見ダム[便覧]
電源開発(株)
目的:発電
堤高/堤頂長:18.5m/63.5m
流域面積/湛水面積     51km2 ( 全て直接流域 ) /2ha
総貯水容量/有効貯水容量     79千m3/29千m3
竣工:1972

便覧にはダムの立地が「吉野ツバキノ」となってるけど吉野は早明浦ダム本体の立地地名なので誤りであろう。 汗見ダムの立地は南岸が大田羅,北岸は嵯峨野と云うらしい。

なにはともあれ俺如きの考える事はとうに当事者は考えており実現してると云う事だなw まあ前向きに考えれば私の発想は正しいということだろう♪

もう一箇所地蔵寺川もあるぞ,と調べてみるが,上流へ辿っていくと平石川になり,なんと331.7m 地点に既に取水口があってしかも今度は太平洋側に送水されている,おいw
此処から高知分水として天神発電所・鏡川・鏡ダム経由で送水されてるそうな。また別途どこかで纏めなくては。。→纏めた