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21.7.11運開
吉野川の電源開発:早明浦ダム篇
流域概況綜 合開発計画史分水状況下流部開発潅漑用水
吉野川綜合開発祖谷川早明浦ダム開発検討吉野川中流域開発検討上流部

概要検討
嘗て,吉野川綜合開発(吉野川本流の頁参照)に於いて早明浦→小歩危→池田と連檐しての発電が考えられていた。
色々あって結局小歩危にダム及び発電所が造られず分断されたまま小歩危は40年代後半には断念,昭和50年代になり,時代は火主水从から更にオイルショッ クによる石油から石炭とずんずん進み結局そのまま本流は手つかずの侭現代に至り,吉野川総合計画は銅山川の富郷ダムの完成とともに完結してしまっている。
出典:四国地方整 備局
ここでは中途半端なまま実現しなかった早明浦ダムから池田発電所への発電の連檐化(シリーズ化)に絞って増強を検討する。
基本的に発電所のシリーズ化を目指すことになるが各河川での増強計画との整合性も持たせたい。

渇水が起きる夏には概ね早明浦ダムからの期待される給水量は池田ダム地点に於いて3億3,400万m3である(=43m3/s*90日)。利水の容量は1億7,300万m3なので概ね水は1年に5回転程度する計算にな る。

この利水量が足りなくなる分をなんとかしたい。
21.7現在22m3/sを流して11m3/sしか流入して無くて貯水量がガンガン減っている状態である。翌日は上流の雨量は相変わらず0mmだけど流入 量は13.7m3/sとかになっていた(放流量は21m3/s。)。変動するもんなんですなあ。大森や長沢の放流量が変動してる?

まあいずれにせよ少なくとも11m3/s*90日=8,500万m3程貯留量を確保したい所である。こ の辺で中流域は検討。


■早明浦ダム

早明浦ダムの機能[国 交省

●洪水調節
早明浦ダム地点において、計画流入量4,700㎥/sのうち、2,700㎥/sの洪水調節を行う。
●流水の正常な機能の維持
流水の正常な機能を維持するために必要な流量として池田ダム地点において、潅漑期最 大43.0m3/s、非潅漑期15.0m3/sを確保する。
(因みに香川用水に最大15.8m3/s・吉野川北岸用水に最大14m3/s供給。池田発電所の最大使用水量は 62m3/s)
●新規用水の供給
ダムにより年間8億 6,300万m3の用水を開発して四県に供給する。
(因みにダムの利水容量が1億7,300万m3だからダムの水は年間約5回入れ替わる事になる。)
●貯水池容量配分図

●洪水調節計画図



早明浦ダム[便覧
河川     吉野川水系吉野川
目的/型式     FNAWIP/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     106m/400m/1200千m3
流域面積/湛水面積     472km2 ( 直接:417km2 間接:55km2[汗見川] ) /750ha
総貯水容量/有効貯水容量     316000千m3/289000千m3
ダム事業者     四国地建→水公団一工
着手/竣工     1965/1978

汗見ダム[便覧] [国交省
河川     吉野川水系汗見川
目的/型式     P/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     18.5m/63.5m/6千m3
流域面積/湛水面積     55km2※ ( 全て直接流域 ) /2ha ※:便覧は51km2
総貯水容量/有効貯水容量     79千m3/29千m3
ダム事業者     電源開発(株)
着手/竣工     /1972

西谷取水堰[田 村谷][DB
データベースだと3箇所となっている早明浦発電所の取水箇所。早明浦ダムと早明浦ダムへ導水される汗見ダムと後一箇所不明だったが田村谷さんに拠ると西谷 (にしだに)取水堰堤があるらしい。
こ こらか。汗見ダムの直ぐ近くで流域も狭そうだが,,G の空撮も妙にぶれてるけどそれらしい気配はあるかな?

便覧には立地が「吉野ツバキノ」となってるけど吉野は早明浦ダム本体の立地地名なので誤りであろう。 汗見ダムの立地は南岸が大田羅,北岸は嵯峨野と云うらしい。

また今の所吉野川上流と汗見川上流のみなのでもう一寸増やしたい。

恰度というかなんというか現在(21.7)早明浦ダムは早くもピンチの様である。
雨が降らず貯水率70%である。この時の貯水位EL.318.91[m]とのこと。翌日には68%になっていた。一日に2%も減るようではこのまま日照り で一ヶ月経てば0%である。
7/13には24h雨量が黒丸と大北でプラス(12.0と19.0)になって流入量が14m3/s程になっていた。放流量は19.6m3/s・貯水量は 66.9%であった。
はらはらしながら日参して見つめてると雨乞いの一つもしたくもなるねw
出典:高 知県水防観測情報

直ぐ南側の地蔵寺川は鏡川へ導水されている。更に足掻いてみる。

行川(なめかわ・350m)から汗見ダムへ導水路建設。5.24km
行川の流域面積:11.505km2。なんとか1.1m3/sぐらいひねり出せないかな??

更に5.8km延ばせば立川上流に至る(合計11.0km)。立川から汗見ダムへ直送するなら9.6km。
因みにこの川,名前は立川川(たちかわかわ?)というようで頭痛痛(ずつういた)or危険が危ない(byドラえもん)みたいな滑稽さが ある。読み方が「たちかわ」ではないの だろうか?(→答えは下参照。)どっかに横川川もあったような。。→ここに大量にあった!

とまれ45.4km2程有るので仮に4.5m3/s取れるとするとそのまま吉野川200m(吉野川と穴打川の合流地点)に向かって降ろすだけで有効落差 120m程は取れるので4.6MW程は発電出来る。
もっと云うと大田口発電所が取水し残した奥 大田川の330m付近で取水して更に下流(例えば186.4m) に西豊永発電所でも造れば水量4.8m3/s,有効格差140mで5.5MWは行けそう。
早明浦経由だと今の所早明浦発電所の有効落差76mしか使えないことに はなる。
敢えて立川の早明浦導水 を決めるなら早明浦発電所放流水を使って「早明浦下流での発電」が必須である。
割りと長距離の導水は一寸しっくりこないのも事実。
また敷岩ダムを建設する なら早明浦に送らずとも式岩ダムに貯めれば良いであろう。その場合は立川発電所を検討す べき,となる。こっちの方が自然かな。。

南側は結構標高が低いのが悩みである。制限水位329mとしても少々遠くなる割りには面積が少なかったりが悩みである。

なんだかんだ云って北側56.9km2・南側36.2km2,合計93.1km2程早明浦ダムへの導水で間接領域を増やすことが出来る。
このくらいの大きさで増えると流石に早明浦ダムの取水力も目に見えてプラスになる?本質的には早明浦地域の渇水なので集水域を分散させた方が良いというの はある。。

今,早明浦ダムの湛水面積は750haある。750,000m2である。1m嵩上げすると(湛水面積が増える部分を無視しても)75万m3増やせる。2m で150万m3である。10mぐらい嵩上げしないとなかなか増えた感じはしないけど出来る範囲で対処したい。
堰堤の強化等で150万m3程余分に貯められる様にもしたい。



早明浦発電所

常時放流水量は常時発電量4.8MWから判断するに7.4m3/s(= 4.8/42)程度であらうか。

早明浦発電所[水力
四国電力(株)
最大出力:42,000kW 常時:4,800kW 年間発電量:約129,000MWh(設備利用率35.0%)
最大使用水量:65.00m3/s →最大出力と常時出力の差から常時出力は7.4m3/s程度?(水車の効率考えるともう一寸多いのかも)。
有効落差:76m
水車:
取水:早明浦ダム(331.0m)
放水:吉野川[山崎ダム224m](放水位240.3m)

上で検討した導水による常時発電量の増加や下で検討するピーク電源での水利用節約で稼働率は劇的に上げられるのでは無いか?!
行川1.1m3/sに立川4.5m3/sの計5.6m3/sを常時出力に回すとすると,ピーク発電してる時間帯が殆ど無いと云う前提で24h365日 5.6m3/sで追加的に発電出来ると仮定すると8.6%稼働率を上乗せできる。まあ実際にはそんな計算通りには行かないだろうけど。。一応汗見・早明浦 で貯めて均せはする筈である。立川取水部にも堰堤欲しいかも。。


さて,早明浦発電所を出た水はEL240mになっており,長岡郡本川町の中心部をゆっくりと流れる。12km弱川を 下った所に山崎ダムEL223mがあっ てこれが逆調整池である。
随分のんびりと先迄あらあらしい放流の侭ほっとくもんだとは思うんだけど早明浦の巨大さ故なのか,吉野川の川巾の広さ故なのか,早く見に行きたい。どうい うことなのかねえ。。

本山町中心部も240m程水位あげても大丈夫そうなので街外れに堰を設けて下流に設置予定の敷岩ダムに低落差・大水量で流し込む発電所を想定する。併せて 立川(マップルの地名から判断するにどうも"たじかわ"と云うらしい)からの水もこっちで発電する。

[私案]本山ダム[場 所]←広いので洪水時のバッファ容量も多いし,水没するのはヘリポートぐらいなのでここが良いだろう。2,3mの堤防の嵩上げなど必要な箇所は対 策 が必要。
満水位:240m
河川[放水]:吉野川[早明浦発電所]・地蔵寺川

[私案]山崎発電所
出力:7,500kW[+7.5MW]
水量:60m3/s
落差:15m
導水:3.7km
取水:吉野川[本山ダム(私案)]・栗 の木川行 川 240m
放水:吉野川[式岩ダム(計画復活)]225m

[私案]立川(たじかわ)発電所
出力:6,700kW[+6.7MW]
水量:6.5m3/s
落差:124m
流域:65.1km2
導水:12.2km
取水:井 出川立 川成 川行 川 352m
放水:吉野川[式岩ダム]225m



敷 岩ダム(計画④⑤案小歩危参 照)
場所:高知県大豊町敷 岩はここら
堤高(計画):33.0m
総貯水量(計画):3,650.0万m3


湛水面積:67.4ha 常時満水位:220m ダム地点標高:206.5m

早明浦の放水位が240mなのでここに造るのは貯水上適切なら兎も角ちょっと高低差が物足りない感じはある。画像左下には既に山崎ダムがある。
ということで私案では本山ダムと山崎発電所と立川発電所を建設して此処敷岩ダムに送水する形で有機的に結んでみた。
更に穴内川から導水路で結んで水量を 増やしても良い。繁藤堰堤を結節点として穴内川流域の内 100km2程は取水され て高知県側に送られてしまうのだけど。。調べて見ると35.9km2程である。