電力総研 水力あ れこれ(山陽)
と はずがたりな掲示板(利 水スレ電 力スレ)
23.8.15運開
高梁川水系の水発─成羽川・帝釈川篇─[25.3訪問]

高梁川は吉井川旭川と 並ぶ 岡山三大河川の一つ。雨の少ない山陽地方であるが小水力も含め特に支流の成羽川にそこそこ発電所は立地している。
嘗ては帝釈川発電所→成羽川発電所,笠神発電所→井川発電所の2系統の発電所群があった様だが,現在は新帝釈川発電所→新成羽川発電所→田原発電所→黒鳥 発電所となっており黒鳥発電所は井川・成羽川より下流にあるし,新帝釈川発電所も落差を有効活用しているので昔よりしっかり水利用はされているとはいえそ うだ。

高梁川篇千 屋ダム千屋発電所・西川(高瀬川ダム三 室川ダム河本ダム)・新 見発電所小坂部川(大佐ダ ム小 阪部川ダム小阪部川発電所)・中流部開発(+26.8MW)】]・小田 川(山野発電所)
成 羽川篇 (帝釈川ダム新帝釈川発電所帝釈川発電所・<新成羽新成羽川ダム新成羽川発電所[廃]笠神発電所・<田原田原ダム田原発電所[廃]井川発電所[廃]成羽川発電所・<黒鳥黒鳥ダム黒鳥発電所島木川篇:羽 山発電所【現況開発】)

【成羽川沿川風景】
さて,高梁川を備中高梁迄下ってくると,高梁川はその市街地の南端部で成羽川と合流する。
最上流部には中国山地特有の小水力が点在している様だ。中下流は中国地方随一の水力発電地帯と成ってゐる。
ここでは成羽川の最上流からこの高梁川の合流点へと川を下りつつ現状を報告する。
現地には25.3に初訪問して,島木川の羽山発電所及び成羽川の黒鳥発電所~新成羽川ダム迄踏破している。

■成羽川     

<道後川>
西側は落合(江 の川水系支流西城川

庄原農業協同組合 永金発電所
出力:140kW
水量:0.43m3/s

<持丸川>

庄原農業協同組合 小奴可発電所
出力:165kW
水量:0.70m3/s

~成羽川~

庄原農業協同組合 竹森発電所
出力:200kW
水量:1.15m3/s

中国電力株式会社 川西発電所
出力:75kW



~粟田川~

庄原農業協同組合 田森発電所
100kW


(東城市街)


~帝釈川~    

西側は西城(江の川水系支流西城川)


帝釈川ダム[便覧(再)] [便覧(元)] [wiki]    
河川     高梁川水系帝釈川
目的/型式     P/重力式コンクリート
堤高/堤頂長    62.4m/39.5m (再) ← 62.1m/35.2m (元)
流域面積/湛水面積     120km2 ( 全て直接流域 ) /66ha
総貯水容量/有効貯水容量     14278千m3/7490千m3(再) ←  12995千m3(元)
ダム事業者     中国電力(株)
再開発着手/再開発竣工    2002 /2006
着手/竣工    1920? /1923or1924?

>完成後約80年を経過し老朽化が進んでいること、最大で約35mの未利用落差があることなどから、発電所の再開発と合わせて、ダムに堤体越流式の洪水吐を増設して洪水処理能 力の向上を図るとともに、既設堤体の下流面にコンクリートを打ち増して安 定性の向上を図る。
>1911年(明治44年)には電気事業法が制定され、全国各地に電力会社が誕生。こうした中で…高梁川水系で開発を行っていた山陽中央水電は、水 量が豊富で急流である帝釈川が水力発電の適地であることに着目し、1920年(大正9年)に下帝釈峡付近に発電用ダムを建設する計画を立てた。
>当初計画では高さ60メートルのものを現在位置より下流2キロの位置に建設する予定だったが、諸事情により現在位置に建設することとなった。とこ ろが、帝釈峡の観光や信仰の対象となっていた雄橋や、その下流にある雌橋が水没することが判明した。そのため地元を中心にダム建設反対運動が繰り広げられ た。そのため、ダムの高さを56.9mへ縮小し、雄橋や雌橋の水没を回避することでようやく地元からの着工の許可を得ることができた。そして4年の歳月を 掛けて完成したのが帝釈川ダムである。
[wiki]

山行がも勿論訪問している[山行が・r25旧道
その過程で1924年(T13)に完成した帝釈川ダムが1931年(S6)に早くも嵩上げされて発電力増強(発電用ダムである)されたことによる廃道を探 索している。

~福桝川~

~阿下川~

(神石高原北部・南は小田川) 


帝釈川発電所福桝川取水堰堤    


中国電力株式会社 新帝釈川発電所[水 力] [wiki]    
運開:2006.6.30
ダム水路式・調整池式
    認可最大出力:11,000kW    常時出力: 0kW
    最大使用水量:10.00m3/s
    有効落差:129.00m
    水車:立軸フランシス水車 出力11400kW×1台
    導水路:総延長4485.421m
    流域面積:120.00km2
    取水:帝釈川[新帝釈川ダム]369.94m
    放水:帝釈川233.90m

中国電力株式会社 帝釈川発電所[水 力][wiki]    
運開:1924.3[山陽中央水電]
  (元)ダム水路式・調整池式→(再)水路式・流込式
認可最大出力:(元)4,400kW→(再) 2,400kW      常時出力:   0kW
最大使用水量:(元)6.20m3/s?→3.10m3/s
    有効落差:95.17m
    水車:横軸フランシス水車 出力2610kW×(再)1台(←(元)2台)
    導水路:総延長6335.5m(再?)←一部導水路廃止
    流域面積:213.20平方キロメートル
    取水:(再)福枡川←(元)帝釈川[帝釈川ダム]・福桝川 333.50m ※
    放水:帝釈川 232.35m

>(建設に際し)ダム直下には発電所を設置するスペースが存在しないため、下流部の成羽川合流点に帝釈川発電所を建設。ダムか らトンネルを通じて発 電所まで導水し、認可出力4,400キロワットを発電するダム水路式発電所として1924年より稼働を開始した。
>帝釈川ダムは完成以後80年を経過し老朽化していた。ダム建設時、地震に対する耐震設計が 行われていなかったこともあって耐震性に不安があったこ と、1966年に完成した洪水吐きトンネルは径が小さく洪水処理能力の確実性に問題があったこと、貯水池と発電所までの落差に未使用 の部分が最大で35 メートルあり、これを有効に活用することで発電能力を増強可能なことが判明し、これを一挙に解決するためダム再開発が計画された。
>帝釈川発電所横に新帝釈川発電所を建設し、従来に比べ約3倍の認可出力(11,000キロワット)を有する発電能力を備えた。なお帝釈川発電所は 取水元を帝釈川ダムから福桝川に変更し、出力を2,400キロワットに縮小した。 [wiki]

※:wikiの記述だと取水先を入れ換えたように読めるけど水力さんの記述だと元から福 桝川の取水もあった模様(そっちの方が自然に感じる)・ただその場合,未利用の落差 30mは帝釈川ダムから発電所に導水中に減損してたとして,福枡川の高度は当時から30mの未利用分なしで設置されたとなると帝釈川ダムの水が福枡川の取 水堰堤から噴出しそうである。となると矢張り取水先を変更した形(wikiの記述が正しい)か。そのようなケースとして竜島発電所と竜島第二発電所がある [→梓川]。



(帝 釈川合流232.5m)

~仁呉川~    

神石高原町 仁呉川発電所(豊松発電所)[水 プロ][水 力][場 所
昭和3年1月発電開始(昭和32年改造)
出力:24kW
水量:0.11m3/S
落差:33.0m
流域:18.8km2


<新成羽>    
新成羽川ダム諸元新成羽川発電所諸元

1960年代末,高度成長真っ只中の中,中電が開発したのが新成羽・田原・黒鳥の一連の発電システム群である。1968.11運開。ここ新成羽川発電所は1969.11に増強された。

新成羽川ダム(しんなりわがわ) [便覧][wiki]     
目的/型式     IP/重力式アーチ ←多目的ダムか!?
堤高/堤頂長/堤体積     103m/289m/430千m3
流域面積/湛水面積     625.2km2 ( 直接:615.7km2 間接:9.5km2 ) /360ha
総貯水容量/有効貯水容量     127500千m3/80500千m3
ダム事業者     中国電力(株)
着手/竣工     /1968
満水:237.0m

中国電力株式会社 新成羽川発電所[水 力]    
着工:1954./8/11 / 運開:1968.11(1・2号機)・1969.11(3・4号機)
混合揚水式
認可最大出力:303,000kW      常時出力: 0kW
 年間発生可能電力量:約398152MWH(3億9815.2万キロワット時)
 最大使用水量:424.00m3/s ←すげえ水量w(混合揚水式故ではある)
 有効落差:84.70m
水車及びポンプ水車:立軸フランシス水車×1台、立軸フランシスポンプ水車×3台 総出力312500kW
導水路(下郷川→新成羽川ダム):総延長808.4m
流域面積:新成羽川ダム(上池)625.20km2/田原ダム(下池)631.40km2
上部貯水池:下郷川→成羽川[新成羽川ダム]237.00m
下部貯水池:成羽川[田原ダム]151.10m

>高梁川水系では成羽川の右支川である帝釈川に1924年(大正13年)帝釈川ダム(重力式コンクリートダム・62.1m)が完成していた他は水力 発電は特記するものが無かった。このため中国電力は新規電源開発地点として成羽川中流部を選定し、1963年(昭和38年)より「新成羽川発電所建設計 画」として3ヶ所の発電専用ダムを建設する計画を立てた。その根幹施設が新成羽川ダムである。 [wiki]
>1961年(昭和36年)岡山県企業局は、水島臨海工業地域への工業用水供給を図るべく「水島工業用水道事業」に着手した。そして河本ダムの他当 時計画段階にあった新成羽川ダムに事業参加し、水源として活用することとした。両ダムより供給された水は高梁川潮止堰(建設省管理)地点より取水し西之浦 浄水場を経て水島地域に送水する。これにより日量で708,000トンの工業用水供給を可能にするものである。更に1990年(平成2年)からは水島地域 に加え児島地域にも供給区域を拡大し、かつ老朽化した施設整備事業を展開することで日量20,000トンの供給を行う。水源については新成羽川・河本両ダ ムの他、1998年(平成10年)には高梁川本川最上流部に千屋ダム(重力式コンクリートダム・97.5m)が完 成して更なる補給を行えるようになった。 [wiki]

ダムと其処から見える発電所を確認。これ以上近づくことは出来そうにない。

受験生を連れての息抜きである。未だ見たい箇所も下流に残している。
この辺が潮時と湖面を一瞥し天端の向こう迄記念に渡るだけして(トンネルがあった)この奥の帝釈川ダムは割愛して帰路に就いた。
この先,下郷川沿いに道が延びてた様だがどうやらその川からも新成羽川ダムに導水していたようである。見に行くべきであった。。


[廃止]吉岡鉱山第一発電所(笠神発電所)wiki][吉備ダム
運開:1902.10.9
出力:?
取水:成羽川(現・田原ダム湖付近)
放水:成羽川(井川発電所?)

吹屋銅山(吉岡鉱山)[→wiki]へ送電する為に設置。現在は田原ダムの底に沈む。吹屋は島木川の上流,宇治の更に上流にある。

<田原>    
田原ダム諸元 田原発電所諸元
25.3の初訪問時,田原ダム・発電所を目指してr33新見川上線をずいずい上がっていくと急に川がしょぼくなった。見ると阪本川となっている。r33は 成羽川から直進して阪本川に沿うように指定されていた。成羽川は,と思って引き返すと川の分岐点というか合流点の直ぐ目の前の谷の直ぐ入り口ににでーんと ダムが建っていた。この感じは河本ダム(→諸元)や千屋ダム(→諸元)にも共通しているものがある。
そしてダム堤体の直下に発電所が設けられていた。

田原ダム(たばら) [便覧]    
目的/型式     P/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     41m/206m/112千m3
流域面積/湛水面積     631.4km2 ( 全て直接流域 ) /40ha
総貯水容量/有効貯水容量     7620千m3/574.0万m3
ダム事業者     中国電力(株)
着手/竣工     /1968



利水票


天端…どこも割と塞がれてない感じ。


天端からの眺め。えらい丸っこい発電所である。


湖面…混合揚水の新成羽川発電所の424m3/sを受け止める570万トンの水である♪


中国電力株式会社 田原発電所[水力]     
運開:1968.11
ダム式・調整池式
認可最大出力:22,000kW     常時出力: 3,500kW
最大使用水量:60.00m3/s
有効落差:43.20m
水車:立軸カプラン水車 出力22900kW×1台
流域面積:631.40平方キロメートル
放水路:総延長1387.5m
取水:成羽川[田原ダム]156.0m
放水:成羽川110.6m

ここも新見と同じカプラン水車であり,低落差の43.2mである。
川の脇の道を入っていく。

近影


導水路ではなく放水路を長くして落差を稼ぐ形式である。放水口はちょい下流のここ[地 理院・G]にあった。
25.3

ストビュウに井川発電所跡との記載が。詳細不明。余りに成羽川発電所と近いが…?
塩の発電所(大久保発電所)黒見発電所(米川発電所)合川ダム(殿山ダム)の様な成羽川発電所の地元の愛称(別称)の可能性もある。
→調べて見たら吉備の国のダム巡りさんが引っかかった。本当に別にあったようだ。

[廃止]吉岡鉱山第二発電所(井川発電所)ストビュウ][吉備ダム
運開:1917  廃止:?
出力:?
落差:?
使用水量:
取水:成羽川[笠神発電所?
放水:成羽川

>「吉岡鉱山は電力の需要増大にかんがみ、さらに水力発電所の新設を計画した。・・(中略)・・笠神発電所放水口付近に取水口をつくり、隧道で平川村井川の二又瀬に水を引き・・(以下略)」
>以上、昭和47年発行の『備中町史』より[吉備

[廃止]中国電力(株) 成羽川発電所水力][廃部屋][吉備ダム
運開:1928(両備水力電気(株)→山陽中央水電(株)) 廃止:?
水路式・流込式
出力:?
落差:?
使用水量:?
導水:13km以上
取水:成羽川[この辺/約EL.230m・(旧)帝釈川発電所]
放水:成羽川[この辺/約EL.120m.・この建物らしい

>「当初の計画では法谷であったものが大正14年8月には笠神付近となり、のち大正15年3月には工事進行中に井川発電所に接して建築することになった」
>以上、昭和47年発行の『備中町史』より[吉備

<黒鳥>    
本頁は上流から下ってるが,25.3の現地訪問時には(羽山の奥か ら)長屋(富家)付近に出て下流側から遡った。
富家からr33を成羽川沿いにしばし上がると程なく堤体が現れた。
堤高15.5mとギリギリハイダムの超低落差な堰堤である。
田原発電所の最大使用水量60.0m3/sに対して逆調整池の黒鳥ダムの貯水量は僅か96万m3しかなくて,44hで満杯になってしまう。まあ日周期で運用してるし そんな問題ではないのであろう。
黒鳥発電所は最大24.0m3/sであるから36.0m3/sで貯まるとすると満杯ま で4日程掛かる。少ないかなと思ったけどまあ十分な水量か。

黒鳥ダム(くろどり) [便覧]    
河川     高梁川水系成羽川
目的/型式     P/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     15.5m/122m/12千m3
流域面積/湛水面積     710km2 ( 全て直接流域 ) /29ha
総貯水容量/有効貯水容量     1280千m3/960千m3
ダム事業者     中国電力(株)
着手/竣工     /1968



中国電力株式会社 黒鳥発電所[水 力]    
 運開:1968/11
ダム式・調整池式
    認可最大出力:2,200kW   常時出力: 850kW[38.6%]
    最大使用水量:26.0m3/s
    有効落差:10.21m
    水車:横軸プロペラ水車 出力2310kW×1台
    流域面積:710.00平方キロメートル
    取水:成羽川[黒鳥ダム]112.00m
    放水:成羽川101.64m

よくある三連発電所の最後尾である。貯水池・混合揚水→下池・調整力電源→逆調整池というあちこちで見る印象の構成である。
まあ実際出せと言われてもパットは梓川の奈川渡・水殿・稲核ぐらい?稲核→新竜島はこんな低落差ではない。佐久間・秋葉・船明も似てるが,佐久間は揚水式 ではない。

さて,有効落差は10mちょい。此処迄低落差だと出力も余り出ない,,

ダムの直ぐ脇に建屋があった。

水利標は迷惑なNOTEに邪魔されてこんな感じ(怒)


制水門と取水口付近


~領家川(右)~    

大竹ダム[便覧
河川     高梁川水系本谷川
目的/型式     A/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     26.9m/96.8m/26千m3
流域面積/湛水面積     3.8km2 ( 全て直接流域 ) /6ha
総貯水容量/有効貯水容量     360千m3/299千m3
ダム事業者     岡山県
本体施工者     森本組・佐野組
着手/竣工     1974/1980




~島木川(宇治川)(左)~[→別頁]    

びほく農業協同組合 羽山発電所[水力] [山行が
運開:1964.9[成羽町農業協同組合]
出力:495kW
水量:0.42m3/s
有効落差:175m
流域:29.1km2
取水:島 木川(宇治川)285m梶 谷川(羽根不動滝)[山行が]
放水:島 木川123.4m

30km2近い流域と200m近い落差がありながら500kW弱は小さすぎる。こちらで検討した。

併せて黒鳥発電所の下流,成羽川本流に追加で発電所を新設できそうである(→この案)。




(成 羽川合流50.3m)


(倉敷市街)

(河口・水島・玉島)