電力総研 水力あ れこれ(山陽)
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23.8.15運開
高梁川水系の水発─羽山篇─[25.3訪問]

高梁川は吉井川旭川と 並ぶ 岡山三大河川の一つ。雨の少ない山陽地方であるが小水力も含め特に支流の成羽川にそこそこ発電所は立地している。本稿は成羽川支流の島木川にある羽山発電 所を取り上げる。

高梁川篇(開発篇)千 屋ダム千屋発電所・西川(高瀬川ダム三 室川ダム河本ダム)・新 見発電所小坂部川(大佐ダ ム小 阪部川ダム小阪部川発電所)・中流部開発(+26.8MW)】]・小田 川(山野発電所)
成羽川篇 (帝釈川ダム新帝釈川発電所帝釈川発電所新成羽川ダム新成羽川発電所田原ダム田原発電所黒鳥ダム黒鳥発電所島木川篇r300天龍ダム梶谷川羽山発電所(現況)【開発】)

島木川は成羽付近で成羽川へ注ぎ込むが,上流は羽山,その上流は宇治町となっている。こんな所に宇治があるとは。なかなか謂れもありそうであるが全く知ら なかった。
のんびりしててなかなか良さそうな場所ではあった。まあ過疎化とかは御多分に漏れず深刻なのであろうけど。
この日は上流から攻め下り,千屋・河本・新見・小阪部の各ダム・発電所を見学の後,倉町飯部付近でR180分岐するr85高梁坂本線で宇治入りを試み た。
入って直ぐr301落合高倉線を 岐ける。どっかで見たと思ったらyoutubeだ!



そちらの狭隘県道も心惹かれるものがある(→こんなHPもあった)が今の目的 地は羽 山であり,r301で松原に 抜けてしまうとちょい遠回りであり,時間も限られているので割愛した。じっくり見直してみると農道(かぐら街道)を経由すると羽山の取水源付 近には同じようなみちのりで辿りつけそうな他,そっちの方が悪路で面白そうではあったが,宇治は経由できなかった様である。宇治への興味が結果的に勝った という感じである。
まあその宇治そのものはなんのことはない農村であったが。とはいえ,宇治はその立派な名に相応しく交通の結節点になっているようであり,先程のr85(主要地方道である)を軸として今から 下る予定のr300宇治下原線の他,高梁の中心地 へ行くr302宇治鉄砲町線, 旧備中町(僭称地名だっ。富家が周辺に勝ちきれなかった様だ。)中心部へ至るr435宇治長屋線(路線名も富家ではなく対岸の長屋を冠してい るし…)等も放射状に伸びて いる。

成羽の取水地から直接(発電所の羽山ではなく)黒鳥を目指したらr436を経て上述のr435に 入って,最後ヘアピンを連ねて凄い急勾配で一気に崖を駆け 下りるルートであった[地 理院]。
宇治はEL.300m超,成羽川は成羽付近でEL70mとかなりの標高差がある。開発適地である♪

【現況篇】        


〜島木川(左)〜

宇治から取水口を目指す。r300の ヘキサと大型車通行不能の注記付きの行き先板。我がナビはどうしても行かせたくないらしくr435経 由を指定し続け た。まあ普通の"険道"程度で大した悪路ではなかった。
25.3

農道(かぐら街道)を越えると遂にナビも諦めてr300上 をルートとして指定し始める。道幅は相変わらずだが。。

もう一走りすると取水口付近に到達する。

羽山発電所島木川取水口(仮称)[うたかた]    
堰名:天龍ダム(砂防ダム)
取水量:0.42m3/s?
流域:?

この辺一帯はなかなかの魔境であった。


先ずは凄い片同門のせり出しがお出迎え。吹屋というのは宇治の更に上流の聚落である様だ。(調べている内に水力発電にも絡んで来た!吹屋には銅山があって水力発電も成羽川の二箇所で行っていたようだ(→第一第二))


歩道化された廃橋

向こうに見える東屋の脇には中国自然歩道の説明とこの辺がカルスト地形である旨の説明板があった。

こんなところでドリーネ,ウバーレ,ポリエを見かけるとは!(ポリエはないらしく説明板に載ってない。もっと盆地レベルにデカくないとポリエにはならない らしい)
ここで来て開発に急ブ レーキである。。カルスト地形は一般に保水力に乏しくてガンガン水が滲み込んでしまうのである。水量確保が心配ではあるが,まあ気にせず行 くw

うたかた]さん に情報が。砂防ダムが橋の下にあったらしい。気付かんかったw
>小さな川ですが水量は意外と多いです。
>その休憩所に渡る橋の直下の砂防ダム(天龍ダム)が発電所の水源です。
まあ,水量は多いなってのは私の印象でもあるけどn=2ではなんとも言えないw

そしてトンネル(羽山第一隧道)と横穴。中はヨッキのレポ参照[山 行が

取水口はほぼ見えなかった。網場(流木止め)が見えるのであそこだろうと予想できる程度。


羽山発電所梶谷川取水口(仮称)    
目的:発電
取水量:?
流域面積:

そんな訳で 梶谷川の取水口には近づけなかった。。大回りして川の上流部に向かう。

ここら[地理院]の風景。羽根,小泉辺りの盆地の水を集めて島木川に流れ込んでゐる。
山側。のどかな風景。


谷側
橋の直下には老朽化して水が通る部分を後から広げられてしまったような砂防ダムの跡っぽい混凝土の構造物(の残骸?)らしきものがあった。

補助線を引いてみたけどよく解らないなw


さてここから発電所はちょいと下った場所にある。小水力にしては大きめの約500kWを叩き出すだけの規模感ではある♪

羽山第二隧道(未踏)

この間に凄いの(→こ んな感じ)があったらしいが,梶谷川の取水施設を見に行ってそのまま成羽川へ抜けてしまい,帰り,成羽側から発電所迄行ったもののピストンしてし まって通らず…orz
まあまたの再訪を期したい。帝釈発電所は今回敢えて見なかったしな,纏めて片付ければ良かろう♪
カルスト地形っ て看 板もこの伏線だった!?

びほく農業協同組合 羽山発電所[水力] [山行が]   
運開:1964.9[成羽町農業協同組合]
出力:495kW
水量:0.42m3/s
有効落差:175m
水車効率68%←低い
流域:29.1km2
取水:島 木川(宇治川)285m梶 谷川(羽根不動滝)[山行が]
放水:島 木川123.4m

30km2近い流域と200m近い落差がありながら500kW弱は小さすぎる。後で増強を検討する(→こちら)

ここも近づけなかった。。ワルニャンの先達あり♪[→うたかた
>小さな川ですが水量は意外と多いです。
>その休憩所に渡る橋の直下の砂防ダム(天龍ダム)が発電所の水源です。


冬枯れでもこの見通しの悪さw
でも水圧鉄管はシュッと伸びている♪


山行がの記述にある古い発電所の情報。   

[廃止]羽 山水力発電所[山行が
成羽町大字羽 山字下り95番地
運開:1914.8.15起工/1915.3.9竣工[北備電気(株)]
出力:60kW
運開時:毎秒6立方尺(0.167m3/s)
取水:島木川(羽山字向山)→小字位置不明


【開発篇】          
さて,開発篇である。カルスト地形の低保水力に水量の不安は尽きないが,川の水も僅少と云う事もなさそうで,めげずに開発してみたい。深い谷底の成羽川に 向かって発電してみる。
現行の取水施設を活かすより,もう一寸上流で取水して距離を稼ぎたいところ。黒鳥ダムに送水して発電,その後黒鳥発電所の設備を使うのもありかも。黒鳥発電所は26.0m3/sの2.2MWの発電所で,黒鳥ダムは有効貯水量96万m3と今市の規模ではあるけど,,


<最小案>    
ということで最小案である。とはいえ水量を確保しさえすればしっかり8MW程度は出ている。良い感じである☆

 [更新私案]新羽山発電所
出力:4,600kW[+4.6MW]〜8,400kW[+7.9MW]
水量:2.5m3/s〜4.5m3/s
落差:220m
流域:29.1km2弱
導水:4.26km
取水:島 木川(宇治川)塩田川合 流部付近]・梶 谷川306m
放水:成 羽川75m

水量を4.5m3/s程度にすると8,400kW程に出来る。こんなに大量の水を取水するとなると 現羽山発電所は廃止する必要があるかも。備北農協と応相談となろう。

因みに成羽川の発電所想定地付近風景:


<意欲案>    
上の最小案で満足ではあったのだがやり出すと色々浮かんでくるのが私の悪い性分である。
更に開発検討の冒頭部で出た黒鳥導水案であるが最小案の導水距離が4.26km程度なのに対して意外に遠くて梶谷を割愛して最短で結んでも4.8km程になる。しかもその下が中途半端で開発しにくい。
この際,最短で成羽川と結んで,そこで(若干の未利用落差は残るが)黒鳥の放流水を併せて更に下流で発電してみる。この辺の成羽川に持って行くと導水距離3.5kmである。また放水位EL.93m程度。
20m程落差は縮むがそれでも200mは確保出来る。


 [更新私案]新羽山発電所
出力:7,600kW[+7.1MW]
水量:4.5m3/s
落差:200m
流域:29.1km2弱
導水:3.5km
取水:島 木川(宇治川)塩田川合 流部付近]・梶 谷川306m
放水:成羽川95m

ここから成羽川本流(黒鳥発電所の最大使用水量は26m3/s)の水を併せて発電。この辺[ストビュウ/地理院89m]で取水,5km程導水してここで発電すると62m程度で放水出来そうである。

放水路を1.1km程度伸ばしてここらで放水すると落差を約30mに出来る。水量30m3/sに落差30mとくれば,これはもうこの高梁川中部開発計画と合わせて水車の量産効果を狙うしかない!

[新設私案]成羽発電所
出力:7,400kW[+7.4MW]
水量:30m3/s
落差:29m
導水:5.0km/放水:1.1km
取水:成羽川(領家川川合)[黒鳥発電所(26m3/s・EL.101.64m)]93m
放水:成羽川[玉川堰堤(私案)EL.53m]60m

これによって逆調整池を黒鳥から下に移せる。黒鳥発電所の増強も可能かもしれない。ただあんま落差を取れないのが残念。特に導水路で距離を稼いだ りせず出力倍増程度でも良いかも。水車をもう1台増設して2.2MW程度増強するか,やっても一寸だけ放水路を延ばして落差を稼ぐぐらいであろう。まあ一 旦保留しておく。

いずれにせよ梶谷川の取水位は恰度,上で見た砂防ダ ム崩れ?のある橋付近である。 塩田川と宇治川の合流部は農道(冒頭で触れた狭隘なr301の 松原からの道)沿いにあるらしい。色々繋がっている。羽山第二隧道含めて再訪を期したい。