とはずがたり電力総研
北日本再生エネ開発 離島発電(九州沖縄) 原発廃止再処理
とはずがたりな掲示板 電 力・原子力スレ 新 エネルギースレ
2018.11.26最終更新
火力発電=石炭火力篇=
石炭火力発電・廃止とリプレース
1.主力級石炭火発と石油火発 2.技術革新 3.中規模機の新設と老朽火発の廃止 4.石炭火力発電新設  5.巨大石炭火発開発中止・凍結

CO2排出量が多い石炭はどうしようもないが,一旦事故が起きれば広範囲に人権侵害を引き起こしサイクル等迄考えると莫大な費用が垂れ流した挙げ句の果て に核のゴミを残すなんにせよ非人道的な原子力よりはマシ(半径30キロ圏の基礎自治体の同意があれば積極的に再稼働すれば良いが。。)という事で当座の安価なベース電源として期待されるのが石炭である。但し米インディアナでは石炭火発を廃止して太陽光発電と蓄電池という動きもある(>>5226 >>5274-5275)ようなので今後はマジで脱石炭が経済効率的にも実現していきそうな流れに悦びを禁じ得ないが,(特に風力開発が遅れ気味の)日本では未だ其処迄云ってないようである。。需要追从型のLNG火発水素をベース電源の石炭火力がバイオマスを 併燃・混焼する形で排出係数を下げていく流れとなるだろうがその先には風力と太陽光で先ず大量に発電して足りない分を揚水や蓄電池やLNG火発で追从的に 補う形となろう。詰まり需要追从が苦手なベース電源の石炭(及び原子力)の活躍の場が狭まって行くのである。ということで現在石炭火発への反対運動が発生 しているが,低廉な電気・・と思ってる俺としては苦々しく思ってはいるが将来を見越した先見性のある方々でもあると云えよう。

本来はバイオマス発電は電熱併給の小規模が最適だそうであるが,今後は此処で挙げた規模の石炭火発もバイオマス混焼且つコージェネで電熱併給をやって欲しい。紋別とかで実証実験はどうであろう?
なお熱供給は勿論冬しか要らないが,幸いに夏は太陽光がガンガン供給してくれるのでそれを除くと容量を確保が必要で対策コストがかかるピークが冬になりつつあり,冬季メインのピーク電源として役立つで あろう。春・秋は休んでゆっくりメンテでもして貰っていれば良い。いずれにせよ24時間が前提で燃やしまくってるバイオマスや石炭だが曲がり角は必ずや来 るであろう。幸いバイオマス燃料の逼迫が現実の物となりつつあるので24時間が非現実的になることを祈る。土日ぐらい休ませろよなあ。。まあ先ずは花粉しか生産してない公害の元兇たる杉や桧を皆伐してその跡に元々日本に生えてた照葉樹林を復活させて燃料にするサイクルを形成させるべし。

■老朽化石炭火発の廃止
北海道電力は老朽化した小規模国内炭向け石炭火発を抱えている。また泊に拘泥して投資を怠った為,ベース電源として機能する海外炭大規模石炭火発は苫東厚真の みとなり,LNG火発の新設も遅れた。
石狩湾新港LNG火発・京極揚水発電・北本連系増強は日本の食糧生産基地たる北海道に相応しい再生可能エネルギー開発に対応した新しい時代のインフラとし て機能するであろう。

今,北海道に残る国内炭用小規模老朽火発は以下の4基(この他にも既に前時代の遺物である石油火力も残存。この辺参照)。
ユニット名
運開年
定格出力
燃料
備考
奈井江1 1968年 175MW 国内炭 2019.3休予
奈井江2 1970年 175MW 国内炭 2019.3休予
小計

350MW


砂川3 1975年 125MW 国内炭
砂川4 1980年 125MW 国内炭
小計

250MW


合計

600WM


北電管内の最大電力需要は秋には4000MW弱,1年を通じた冬のピークは5250MW程になる。
今後は水力などのサポートを受けながら苫東厚真1650MW,石狩湾新港1708.2MW(27年着工30年完成予定),京極600MW(28年以降完成)の計 3958.2MW,約4Gが主力となっていく
(但し冬の需要は終日一定の傾向であるので揚水の機能は限定的らしい。京極を計算から抜いたとして約3400MW。)のであろうが,この4基をまとめて国内炭用火発をリプレース,資源の多様化を確保する為にも国内炭火発を存続させた方が良さそうな気もする。

豊かな自然エネルギーの間歇性に対応するには从来型石炭火力は難有り(需要追从性に難・バイオマス混焼は簡単)であるからIGCC(需要追从性があり,将来的な CO2回収も大崎で実験予定,バイオマス混焼はガス化伴うし無理か?)等検討しても良さそうである。加圧流動床複合発電(PFBC)が巧くいけばこれでも良かったんだがねえ。。
いずれにせよ先ずは風力開発の推進で,その次に紋別や苫小牧・釧路・砂川・石狩市など火発がある周辺地域には廃熱を利用した暖房用温水を供給して暖房用電力を抑えたりして行きたい。

<北陸電力>
ここも老朽化火力が鎮座している。全体はこちらを水力はこちらを参照されたし。

発電所名
ユニット名
出力
運開
燃料
効率
その他備考
富山新港火力 石炭1号機
250MW
1971.9 石炭重油 Sub-C 休止予定が度々延期さてている。
富山新港火力 石炭2号機 250MW 1972.6
石炭重油 Sub-C

<中国電力>
Webサイトによると中 国電力の老朽化石炭火発は以下の2箇所。中国電力はそうでなくても石炭が多いので直ぐにでも廃止したい。
発 電所名 ユニットNo
単機容量
(MW)
運転開始
年月
燃 料
発電
様式
そ の他・備考
大 崎発電所 1 -1号 250
2000.11-2011.12休
石炭
PFBC 稼働率上がらず休止。
下 関発電所 1号機
175
1967.3
石炭
Sub-C
2009年に高硫黄石油燃料に対応出来る2号機運開>>410

詳しくはこちら参照

■中規模火発の新設
電力自由化に伴ってアセス基準以下の中規模石炭火力の新設が相次いだ。
脱炭素社会に逆行する面も否めずアセスの強化などが行われ一部は構想が撤廃されるなどした。判明しているのも亜臨界圧と熱効率も最新型にはほど遠く,悪い。
ここに纏めてみる。大規模程計画廃止はされてない様だ。殆どがバイオマス混焼となっているのは時代の流れか。
発電所名
場所
設置者
出力(MW)
燃料
運開予
その他
釧路火力発電所  釧路市
IDI,釧路コールマイン他
112
石炭→バイオマス混焼(30%)
2019年
釜石製鉄所 釜石市
新日鐵住金
149
バイオマス混焼(熱比25%・重比33%)
2010.10運開・2015.6利用拡大
細粒木質チップを使用。
年7000トンから4.8万トンに利用拡大。
(仮称)大船渡港バイオマス石炭火力発電所
大船渡市 前田建設工業 112
石炭→バイオマス専焼 2021年度

秋田工場
秋田市 日本製紙 112
石炭・バイオマス混焼
2018.11

仙台パワーステーション
仙台市 仙台パワーステーション(関西電力・伊藤忠エネクス) 112
石炭(専焼)
2017.10
差し止め訴訟を起こされる。
仙台高松 発電所
仙台市 ●四国電力・ 住友商事 112
石炭(30%)・木質バイオマス(ペレット)バイオマス専焼
2021上期→2023
●四国電力は18年4月に仙台市の新設計画からの撤退を発表した。住 商単独で推進
約7割を首都圏で売電予定だった(>>4298)。
18年度下期予定の着工は遅れる見込(>>5093)
バイオマス専焼・東北電へ売電に変更
石巻雲雀野発電所
石巻市 日本製紙石巻エネルギーセンター(株)[日本製紙70%・三菱商事 30%] 149(発電端)
石炭・木質バイオマス(最大30%)
着工2015.12
稼働2018.3
2015.11 整備着手。木質ペレットはカナダやベトナム、石炭はオーストラリア産,県内の未利用材・亜臨界圧[6]
発 電所で使用する水は、石巻工場の水を再利用

いわき市 エア・ウォーター 75
石炭



いわき市 エイブル 112
石炭・バイオマス混焼


相馬市 相馬共同自家発開発(合) 112
石炭



相馬市 オリックス(←石原エンジニアリングパートナーズ) 112
石炭


──
神栖市
大ガス・丸紅 100級 石炭

14.10 検討, ●15.12 断念
名古屋第二発電所
武豊 中山名古屋共同発電[大ガス] 110
石炭・木質バイオマス 2014.11着工
2017.8稼働
>>2258>>2192・亜臨界圧

富士市・日本製紙
鈴川エネルギーセンター(中部電力10%×日本製紙20%×三菱商事 70%) 112[6] ①石炭専焼 ②石炭・木質バイオマス混焼 ③石炭・重油混焼
2014.6着工
2016.9稼働
ダイヤモンドパワー(首都圏・中電・三菱商事)へ売電>> 1778-1779>>1781>>2345・亜臨界圧[6]

三菱化学 四日市事業所(川尻地区) MC川尻エネルギーサービス(株)[三菱商事100%] 112
石炭(コージェネ)

>>1490

三菱化学 四日市事業所(塩浜地区) MC塩浜エネルギーサービス(株)[三菱商事100%] 97
天然ガス、石炭
事業開始時期:2007年11月、2008年12月
水島MZ発電所
三菱化学水島事業所 水島エネルギーセンター[関電エネルギーソリューション×三菱商事] 112 石炭

>>2867
海田発電所
広島ガス(株)海田基地 海田バイオマスパワー(株)[中国電力50%,広島ガス50%] 112 石炭・バイオマス・天然ガス(助燃) 2021.3
建設開始2018.12予(中電 2017.10)>>1624
燃料の国内材は広島県内から調達)

北九州市若松区響町
響灘エネルギーパーク(合)(オリックス・ホクザイ運輸)
112
石炭・バイオマス 2018.7
石炭発電所ウオッチ
響灘火力発電所 北九州市若松区響町 (株)響灘火力発電所(IDIインフラストラクチャーズが運営・都ファ ンドも出資) 112
石炭(微粉炭:21~36万t)・バイオマス(木質ペレット:3~15万t・熱M30%・重M37%) 2019.2
発 電量の2割を、北九州市が出資する新電力会社を通じて市施設や地元企業へ供給。石 炭灰の有効利用石炭発電所ウオッチ環境評価準備書要約書
延岡発電所

旭化成NSエネルギー(株)
110.24
石炭・重油
2016.7着工
2018.3稼働
[6]



参考文献
[1] とはずがたりな掲示板 電力スレ
[2] 最近の火力発電所設置事業における手続状況等(恐らく環境省・日付なし)
[3] 北 新報 2017.5.11

[4] 産経新聞 2015/5/21
現行では出力11万2500キロワット以上の火力発電所がアセスの対象だが、この要件をわずかに下回る石炭火力の新設計画が目立つ。環境省によると、現行 ではアセス対象外になる計画中の石炭火力は5月1日現在で10件ある。

[5]2016.7 IEEJ 日本:国内で石炭と木質バイオマスの混焼発電の導入が拡大

[6]環境金融研究機構 2016-07-15 環境アセスメント逃れの7件の小規模石炭火力発電所計画