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火力発電=石炭火力篇=

目次
0.イントロ
1.天然ガス 1-1.LNG 1-2.シェールガス
2.石炭火力発電 2-1.技術革新 2-2.IGCC(石炭ガス化・コンバインドサイクル統合発電)など
3.日本の火力発電 
 3-1.東京電力の火力発電一覧 3-2.関西電力の火力発電一覧 3-3.中部電力の火力発電一覧 3-4.共同火力発電 3-5.電発の火力発電
 3-6.地方電力会社(3-6-1.北海道電力 3-6-2.東北電力 3-6-3.北陸電力 3-6-4.中国電力 3-6-5.四国電力 3-6-6.九州電力 3-6-7.沖縄電力)
 3-7.新電力など



2-1.石炭火力の技術進歩

2015年06月19日 09時00分 更新
進化を続ける火力発電、燃料電池を内蔵して発電効率60%超に
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1506/19/news030.html


図1 技術開発ロードマップの対象範囲。出典:資源エネルギー庁

 石炭火力では現時点で最先端の「超々臨界圧(USC:Ultra Super Critical)」を高温・高圧にした「先進超々臨界圧(A-USC:Advanced-USC)」が今後の主流になる。その次に石炭をガス化してから 燃料に使う「石炭ガス化複合発電(IGCC:Integrated coal Gasification Combined Cycle)」を2020年をめどに実用化する方向だ。

 IGCCはLNG火力で使われる複合発電の仕組みを石炭火力にも応用した新しい技術である。ガスタービンで発電した後に、燃焼時の排熱を利用して蒸気 タービンでも発電する2段階方式によって効率を高める。すでに東京電力が福島県内の2カ所にIGCCの発電設備を2020年の夏までに運転開始する計画を 進めている。

 さらに2020年代の半ばには、IGCCに燃料電池を組み合わせた「石炭ガス化燃料電池複合発電(IGFC:Integrated coal Gasification Fuel Cell combined cycle)」の実用化が見込まれる。IGFCになると発電効率(熱エネルギーを電力に変換できる割合)は55%程度に達して、現在の石炭火力で最高レベ ルのUSC(40%程度)を大きく上回る(図3)。

図3 石炭火力発電の高効率化。出典:J-POWER

 当初のIGFCでは燃焼温度が1500度級だが、2030年代には1700度級に引き上げる。この時点で発電効率は60%を超えて、現在のLNG火力で 最高水準の「ガスタービン複合発電(GTCC:Gas Turbine Combined Cycle)」よりも高くなる。CO2の排出量もLNG火力と同等のレベルまで下がる。

 IGFCを採用した発電設備では、中国電力とJ-POWER(電源開発)の共同プロジェクトによる「大崎クールジェン」が最初の実用例になる見通しだ。 大崎クールジェンは広島県にある中国電力の「大崎発電所」の構内にIGCCとIGFCの実証機を建設する予定で、IGCCを2017年度、IGFCを 2021年度に運転開始する計画になっている。

 燃料電池を組み合わせて石炭火力とLNG火力の発電効率を向上させながら、2030年に向けてCO2排出量を削減することが可能になる。石炭火力では現 時点で最先端のUSCと比べても、2020年にIGCCで約2割、2030年にはIGFCで約3割を削減できる見通しだ(図5)。

図5 次世代の火力発電によるCO2削減効果。出典:資源エネルギー庁


2-2.IGCC(石炭ガス化・コンバインドサイクル統合発電)など

■超臨界圧(SC:Super Critical)
通常、主蒸気圧力246kg/cm2、主蒸気温度538℃、再熱蒸気温度566℃までをSC、これを超える蒸気条件をUSCとしている。

■超々臨界圧(USC:Ultra Super Critical)
国内のUSCプラント
プラント名称 出力
(MW)
主蒸気圧力
(kg/cm2)
主蒸気温度
(℃)
再熱蒸気
温度(℃)
運開年度
その他・備考
中部電力 碧南3号 700 246 538 593 1993
北陸電力 七尾太田1号 500
246
566
593
1993

東北電力 能代2号 600
246
566
593
1994

相馬共火 新地1号 1000
246
538
566
1994

九州電力 苓北1号 700
246
566
566
1995

相馬共火 新地2号 1000
246
538
566
1995

電源開発 松浦2号 1000
246
593
593
1997

中国電力 三隅1号 1000
250
600
600
1998

東北電力 原町2号 1000
250
600
600
1998

電源開発 橘湾1号 1050 255
600
610
2000

東京電力 常陸那珂1号 1000
250
600
600
2002










■PFBC
最近、加圧流動床複合発電(PFBC:Pressurized Fluidized Bed Combustion)が建設され始めている。複合発電を採用することによって小型の割には高効率が達成できているが、原理的にガスタービン温度が 800℃程度に抑えられるため、さらなる効率向上は難しい。IGCCが完成するまでのつなぎの技術と位置付けられている。下表にPFBCプラントの実績を 示す。

最高効率41.5%程度で小型の割には高効率
発電原価は微粉炭火力より数割高い。
高灰融点炭に適する(微粉炭火力と同様)
炉内脱硫が出来るためコンパクトだが、脱硫率が低く環境規制の厳しい地点には適用難
なお,日本に於いては北海道電力苫東厚真発電所3号機に導入されたが不具合が頻発して遂に廃止されてしまった。
九電苅田発電所や中国電力大崎発電所で採用されている。

PFBC(加 圧流動床複合発電)模式図


■A-USC(700℃級超々臨界圧発電)
出典:東芝
A-USCとは、Advanced Ultra-Supercriticalの略で700℃超臨界圧発電システムの意味。最新の通常火力発電では、蒸気温度は約600℃のところ、A-USC は、蒸気条件を700℃以上にすることで、大幅な効率向上を可能にするもの。主蒸気圧力35MPa、主蒸気温度700℃、再熱蒸気温度720℃/720℃ の二段再熱蒸気条件のA-USCプラントでは、46%以上の送電端効率[HHV基準]が期待できる。


A-USCの開発課題
A-USCの実用化のためには、700℃以上の蒸気に耐えられる材料の開発と、信頼性、経済性を同時に達成するためのシステムと構造上の工夫が必要にな る。現在、蒸気タービンの材料として使用されている耐熱鋼では、630℃程度が適用限界と考えられており,700℃以上の蒸気に直接晒される部分に対して はNi(ニッケル)基合金等の耐熱材料の開発・適用が不可欠と考えられている。


2008年から、A-USCプラントの要素技術開発が、国家プロジェクト「先進超々臨界圧火力発電技術実用化要素技術開発」として開始された。東芝もこのプロジェクトに参画し、A-USCの早期実用化のために貢献しているそうな。

■ICGG
設置
場所
定格出力
(MW)
ユニット
No.
単機
容量
運転開始
年月日
熱効率
燃料

クリーンコールパワー研究所
福島県いわき市
常磐共同火力発電所内
250


2013.4.1

石炭
電力各社によって設立。
実証実験終了後は,実証設備は商用化され,同研究所も常磐共同火力に合併された。
大崎クールジェン
広島県
166



50%目標

13年3月に中国電力の大崎発電所(広島県)に石炭と酸素を使い水素などのガスを作る、石炭ガス化複合発電(IGCC)設備を建設する計画で、発電効率50%を目指す。>>478
電開は27日、中国電力と共同開発を進める石炭ガス化複合発電(IGCC)で、生成したガスの用途を発電以外に広げるため、鉄鋼、化学、ガス、石油業界と共同で研究を始めることを明らかにした。>>574
石 炭火力発電から排出されるCO2を大幅に削減させるべく、究極の高効率発電技術であるIGFCとCO2分離・回収を組み合わせたゼロエミッション石炭火力 発電の実現を目指す目的で経済産業省の補助事業である「石炭ガス化燃料電池複合発電実証事業」として実施されるプロジェクト>>HP
東電
広野発電所内・予
500予


48%[LHV]

世界最新鋭の石炭火力発電所プロジェクト>>2244
東電
勿来発電所内・予
500予



48%[LHV]

世界最新鋭の石炭火力発電所プロジェクト>>2244

出典:2001.7石炭ガス化複合発電(IGCC)実証プラント開発の動向
http://www.joban-power.co.jp/igccdata/research/pdf/doc/gijutu.pdf

2012年12月06日 15時15分 更新
電力供給サービス:
火力発電のコストは下げられる、石炭で高効率な設備が商用運転へ
http://www.itmedia.co.jp/smartjapan/articles/1212/06/news080.html
[石田雅也,スマートジャパン]

 福島県いわき市で2007年から実証実験が続けられていた「IGCC(石炭ガス化複合発電)」の実用化にメドがつき、発電能力25万kWの設備が2013年4月から商用運転に移行する。火力発電事業を運営する卸供給事業者の「常磐共同火力」が実証設備を受け継いで商用化することになった。

 IGCCは価格が安い石炭を使って高効率な発電を可能にする方式で、火力発電のコストを大幅に引き下げることができるため注目を集めている。東京電力に よれば、火力発電で1kWhの電力を作るのに必要な燃料費は石油が最も高くて15.95円で、次にガスが10.67円、そして石炭は4.39円である。

 現在の火力発電で最も多く使われているガスと比べて石炭のコストは4割程度で済む。このところ電力会社が火力発電による燃料費の増加を理由に電気料金を値上げする動きが相次いでいるが、コストが安く済む石炭による火力発電を増やせば、燃料費の問題は解消できる。

コンバインドサイクル発電で効率向上

 これまで石炭を使った火力発電には大きな問題点があった。ガスや石油と比べて発電効率が低く、CO2の排出量が多いために、環境に対する悪影響が指摘されてきた。この問題を解決する新しい発電方式がIGCCである。

 IGCC(Integrated coal Gasification Combined Cycle)は2つの技術を組み合わせて発電効率を向上させる。石炭を「ガス化」してから発電する技術に加えて、火力発電の最新技術である「コンバインド サイクル発電」を併用する。

図2 石炭を使った火力発電の効率向上。出典:クリーンコールパワー研究所

 従来の石炭による火力発電では、ボイラーで石炭を燃焼して蒸気を発生させて、発電用の蒸気タービンを回していた。この方法では熱エネルギーを電気エネルギーに変換する効率は40%以下にとどまる(東電の石炭火力である広野と常陸那珂のLHVはそれぞれ45.2%となっているが新鋭微粉炭火力?)。

 IGCCでは最初に石炭をガス化して、まずガスを燃焼した熱でガスタービンを回して発電する。さらに燃焼した後の高温の排熱で蒸気を発生させて2回目の 発電を可能にする。この2段階の発電方式は、天然ガスを使った最新の火力発電設備でも使われているコンバインドサイクルと呼ばれるもので、発電効率を大幅 に向上させることができる有望な技術だ。

 コンバインドサイクル発電はガスタービン内の温度が高いほど発電効率も高くなる特性がある。現在のIGCCの実証設備はガスタービンの温度を1200度 で運転させて、発電効率を42.9%まで改善した。さらに商用運転の段階では1400~1500度に高める予定で、発電効率は48~50%まで向上する見 込みだ(図2)。

古い火力発電設備をIGCCで刷新へ

 いわき市のIGCCは国の補助金を受けたプロジェクトで、9つの電力会社とJ-POWERの共同出資による「クリーンコールパワー研究所」が約5年間にわたって長期耐久運転試験などを続けてきた。IGCCの実証設備は東京電力と東北電力が設立した常磐共同火力の勿来発電所の敷地内に建設されており、2013年4月からの商用運転は常磐共同火力が実施する。

 勿来発電所では(IGCC機を除いて)石炭を主体に4基の火力発電設備が運転中で、合計162万5000kWの発電能力が ある。このうち2基(6,7号機計425MW)は運転開始から40年以上が経過している。火力発電設備の耐用年数は通常40年程度とされていることから、 今後はIGCCによる新しい発電設備へ順次移行していくことが予想される。(東電の新鋭火力プロジェクトで建設予定の500MWのIGCC2機の内の1機 が勿来に構想されているが6,7号機のリプレース的位置づけとなるのか?)

あと兵庫県知事が電発の高砂火力発電所のリプレースに関するアセスに際してIGCCの導入を検討すべきとのコメントを出したそうな(>>3330-3334)。
その後,リプレース計画の続報が全く聞こえてこなくなったが,電発内部で真剣に検討されてる結果だと信じたい所。