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北陸電力 発電設備

北陸電力の苦境 老朽化する火力発電設備 水力発電設備 管内バイオマス発電 再生可能エネルギー接続(風力発電)
北陸電力系統罔(154kV以上) 北電石川県北部系統罔(77kV以下) 北陸の関電送電罔

電力系統図
出典:北陸電力


下で見るようにもう殆どの火発が古い北陸電力。どないすんねん。。以下の2000MWを廃止したい。北海道電力同様原発依存のツケが回ってきてるんちゃう か。中国電力も 四国電力も同様の傾向がなきにしもあらず。
こんな暢気なこと書いてたら事態は結構深刻らしい。
2018.2.13
「日本一電気料金が安い」北陸電力の苦境
https://diamond.jp/articles/-/159034
週刊ダイヤモンド編集部

 北陸電力が苦しんでいる。

 1月31日、電力10社の第3四半期決算と今期決算予想が出そろったのだが、同社の2018年3月期第3四半期累計は、連結で1億円、個別では過去最大 の24億円の最終赤字に陥ったのだ。

 18年3月期通期決算は、過去最大となる30億円の連結最終赤字の見通し。他の電力各社が黒字を確保するなか、北陸電力は唯一、2期連続最終赤字とな り、“一人負け”となっている。

 主な要因は同社の主力石炭火力発電所2機が同時期に定期点検によって稼働停止し、落ち込ん だ発電量を補うため石油火力発電所等を稼働させなければなら ず、その燃料費がかさんだことだ。

 火力発電所は定期検査が義務づけられており、電力会社は点検を実施する際、急激な発電量の減少とコスト増を避けるため、検査時期が重ならないようにす る。

 今回、北陸電力はやりくりがうまくいかず、2機合計140万キロワット(とは註:旧一電の主 力級ベース電源はこちら。陸電に関しては下で抜粋再掲。これらに拠ると詰まりは敦賀2号機と七尾大田2 号機ということになる。残るは小さい方の敦 賀1号機・七尾大田1号機各500MWに老朽化した石炭1・2号機各250MWということで確かに半減である。なんで定期検査みたいな予定のベントの調整 が回避出来ないんだ?これは2017年の話のようだがなんと2018年も七尾2号機が9/22に停止 作業中にタービン付近で発火した様である。更に復帰がなる前の11/11,今度は敦賀2号 機のボイラーから蒸気が漏洩して停止したと二年連続で1400MWが穴が空く事態が発生したようだ。)、同社の石炭火力発電所の能力の約半分を止 めなければならない状況に陥ったのだ。

 しかし、同社の厳しい収益環境は過渡的なものではなく、今後も続く。来期以降、今度は老朽化した送電設備等の修繕費が押し寄せ、加えて今年11月に運転 開始するLNG(液化天然ガス)火力発電所の償却負担ものしかかるからだ。


どうやら北陸電力の問題点は発電能力の不足である。
また下で見るように折角の豊富な水力保蔵量を生かし切れていない様な気もする。

志賀が活断層で廃炉しなければならないのに見苦しくしがみついてるのも債務超過が見えてるからである。投資余力はないのか。

とはいえそもそも予備の余裕施設を抱えておく事は不効率である。
関電・中電・ 陸電・電発で共同して1箇所余分持っといて分担して定期検査と夏冬のピークに活用できるようにしとけば十分である。中電の老朽化LNG火発(知多第二1・2や川越1・2辺り)でも活用すればええんちゃうか。詳しくは下で検 討。


<火力発電所>
発電所名
所在地

最大出力
(MW)
ユニット
No.
単機容量
(MW)
運転開始
年月
使用
燃料
発電
効率
発電
種別
その他・備考
【老 朽化電源】
富山火力 富山県富山市 250
4号機 250 1971.1
原油・重油



富山新港火力
富山県射水市
1,000

1号機
500
1974.10
原油・重油

LNG1号機を建設,LNG2号機は計画中。
2号機にはLNG対応工 事がなされた。
石炭1号機の廃止は延期された。
電力と蒸気は近隣の食品コンビナートの工場に供給され、余剰電力は売電される。
石炭1号機
250
1971.9 石炭重油
Sub-C
石炭2号機 250 1972.6
石炭重油
Sub-C
福井火力 福井県坂井市 250
三国1号機 250 1978. 9
重油・原油



電発・高砂
兵庫県高砂市
50※
1,2号機
50
1968,69
石炭
Sub-C リプレース計画に失敗・※陸電受電分
合  計
1,550







【ベー ス電源=石炭】
敦賀火力 敦賀市泉 1,200 1号機 500 1991.10 石炭 42%[L] SC 2号機の木質バイオマスは2007年9月よ り。

2号機 700 2000. 9 石炭木質バイオマス 44%[L] USC
七尾大田火力 石川県七尾市

1,200

1号機
500
1995.3
石炭木質バイオマ
USC
木質バイオマス混焼開始。
元々石油焚きの計画でLPG焚きに変更の後,結局石炭焚きになったとのこと>>wiki> >石川県
LPG焚きになったのは七尾のLPG備蓄基地の立地となんか関係あったのかな?

2号機 700 1998.7 石炭木質バイオマ
USC
合  計 2,400







【LNG 火力=需要追从電源】






富山新港火力 富山県射水市 1349.4?
2号機
500
1981.11
原油・重油LNG
汽力
LNG2号機は1号機の隣に用地が準備されて るとのこと(日経産 業新聞18.9.28)。
LNG1号機
424.7
2018.11
LNG
59%
CC
LNG2号機
424.7
構想中
LNG

CC
上越火力
=参考




中電:1号系列
1190

LNG 58%
ACC
当初案:上越共同火力(中電・東北)1号 1265MW 2号1265MW 3号1440MW

直ぐ近くなので活用したい・・
中電:2号系列
1190

LNG 58%
ACC
東北:1号系列
(600)
2019着工予
LNG
CC
【巨大水力=需要追从電源】






最大出力
(MW)
常時出力
(MW)
最大使用
水量(m3/s)
常時使用
水量
(m3/s)
形式稼働率
有峰第一

265
0


ダム水路式・貯水池式


有峰第二

123
0


水路式・流込式


流込式とは云え有峰第一と一体運用。
和田川第二

122
48.2


ダム水路式・貯水池式



新中地山

73.5







小俣

33.6







神通川第一

82







庵谷

50







神通川第二

44







東町

32.2









40.5







新猪谷

35.4







朝日小川第一

42.8







電発:手取川第一

250







手取川第二

87







合計

1281.0







廃止したい老朽化火発が一応主力扱いの石炭でもSCの敦賀1号機なんかもあり全て合計で3,500MWあって,なんとかせねばらない。
これに対して次世代エースのLNG火発はLNG1 号機424.7MWしかなく,計画中のやつ早急に立ち上げて,古い2号機もフル稼働させても1349.4MWし かない。
兎に角電力需要から積み上げてみる。概ね夏のピーク時の電力需要が5200~5300MWのようだ。
石炭ベース(除敦賀1)+LNG(2号機迄建設)で3,250MW程。巨大な水力(概ね30MW以上)を含めて1,281MWあるのでこれで4,500MWである。
中小水力や風力など積み上げて行けばまあピーク電力に到達はしそう。問題は巨大火力が1箇所でも離脱すると忽ち苦しくなる構造である。

と云う事でもう500MW程積み増しを検討して見る。

バ イオマス発電(詳細はこちら参照)
今の所目立ったバイオマス発電は以下の51.5MWのみである。敦賀にも出来たが新電力が全量買電するので関西向けと思われる。

事業者:エクイスバイオエネルギー株式会社(アジア最大の独立系再生可能エネルギー発電事業者アジア最大の独立系再生可能エネルギー発電事業者>>3794)
立地:高岡市の伏木万葉ふ頭
発電規模:51.5MW
発電方式:木質バイオマス専焼・再熱方式(蒸気タービンにて仕事をした蒸気をボイラーにて再加熱し、再度蒸気タービンへ通気させることにより高い発電効率を実現する方式)
運開予定:2021年秋
燃料:輸入木質ペレット
売電先:北陸電力(24円/kWh)

水力発電開発1

【関電北陸方面系統図】(→陸電系統罔)
行われた が新鳩谷発電所(126MW)のみ実現しなかった。新鳩谷発電所 を建設すれば割と大きな126MWの電源を確保出来る。
凍 結された高倉揚水発電所や縮小された徳山ダムは経済情勢であったがここは(2)の空き容量がないと云うのも理由の一つだったかも知れない。因みに荘川水系 が関電のもとに置かれる事になって北陸経済界から不満が噴出して東町と猪谷・牧等の発電所が関電から北陸電電力に移管されたが,関電の成出発電所の出力の 半分も北陸電力に供給される事になった。
黒部から関西への潮流が空き容量無いものと思われるが逆だから容量緩和になる筈である。それでも混むなら託送量を相殺する形で黒部から関西へは加賀幹線 (500kVで志賀から関西へ向かうルート)経由を用いれば良い。(実際黒部からもっと定期的に電気受電すれば良いのにと思ったが黒部の電気の2/3は中電や陸電に売電されているようだ。わざわざ遠く迄送ってジュール熱発散させることないもんな。。)


水力発電開発2<調整力水力>
ダムを作る必要があるからか?一般水力発電の建設費は65万/kWと高額だそうだから燃料費が要らないとしても蓄電池に比べて高コストである。
中止になった高倉揚水とか徳山揚水発電の復活はダムの新設を伴うので難しいであろう。。

しかし豊富な水力賦存は北 陸電力のポテンシャルである。つまる北電の稀少性の発露は日本のノルウェー(ドイツ風力の蓄電池としての)を目指すのである。即ち余った間歇性電源を豊かな包蔵水力で蓄電するのである。
FITが卒業すると安価で,時にはタダ同然で,大量の電力が供給されることになる。今は投入電力の6~7割しか発電出来ない高コスト電源の揚水であるが投 入電力がタダ同然であれば無限の富を生むインフラとなるのである。
ダム建設に伴う自然破壊は風力や太陽光とは比較にならず,原発程広範囲とは行かないとはいえそれなりの規模である。嘗てのような貯水池型のダムは最早造れ ないので竹 村公太郎氏の指摘の様な運用や追加的な工事による効率経営が今後の焦点でもある。

<中電上越火発からの受電>
四日市辺りの停電で上越火発から長野が停電するという事故が発生したことがある。効率的で調整力にも優れてる印象の中電であるけど未だ送電罔には弱い部分もあるらしい。
(個人的には志賀発電所の廃止に拠る過程で北陸電力を破綻処理して中電と関電の折半出資※に出来ないかと過激なことを考えていないこともないのであるけど,上越火発~新愛本変電所に送電線を引いて北陸電力に供給しつつ送電ルートを複線化して系統の安定化を期したい。)

※:破綻処理とまではしなくとも,中電(今はJERA)上越火発や関電黒部を初めとする水力発電所群などを北陸電力の発電部門と統合して一体的に運用するのはどうであろう?送電部門も関西⇔北陸,中部⇔北陸のものは北陸配送電の傘下に置いても良いのではないか?

<羽越方面風力からの受電>
村 上・遊佐方面では中電も含めて洋上風力が企図されているが系統不足で再エネ海域法の指定には至ってない模様。ここは中電が主導で上越迄送電線を引っ張って 来るべきであるが,引っ張って来た電力は中電の長野のみならず北陸電力でも利用できると良い。西日本系統の60Hz罔に羽越地方の風力賦存が大量に接続す るのは悪くないことである。北陸地方と直結することで水力発電の調整力を用いて調整も出来ることに成る。

<揚水発電開発>
新ダムを建設せずに済む,既存ダムを利用した揚水水力開発を検討してみた。
有峰・祐延揚水発電御母衣大白川揚水発電・境川赤尾揚水発電ぐらいはいけるん ちゃうか。近隣のダムで高低差稼ぐのが思いの外難しいな。。
発電所名
電力
会社
認可
出力
揚水
動力

容量
上部調整池 有効貯
水容量
(万立米)
有効落差
距離
備考
下部調整池
■有峰ダム←(○標高差325m・○距離4km)→祐 延(すけのべ)ダム

■有峰ダム←(○標高差280m・○距離1.5km)→●新折立ダム

祐延(すけのべ)ダム[陸電]標高:1401m
●新折立ダム 標高:1356m

○325m

・280m
○4km

・1.5km
膨大な保蔵水量を有す有峰ダムから季節単位で汲み上げて夏冬の電力需要期に備えたい。
有峰ダム[陸電] 標高:1075m
境川発電所 関電 24.2MW 常時5.7MW
ダム水路式・調整池式
境川ダム・桂湖[富山県・多目的※1]標高:555m
5610
最大:216.7m
最小:
158.6
4~5km程
境川ダムで取水して赤尾湖畔で発電する発 電所として境川発電所が存在する。
地図上で適当に確認した落差と有効落差は大体一致している♪
境川ダム←(標高差220~160m・●距離4~5km程 度)→赤尾ダム湖
赤尾ダム[関電]
2340
第二御母衣発電所 電発 52.9MW 常時1.8MW
ダム水路式・貯水池式
大白川ダム・白水湖[電発] 標高:1234m

最大出力時:460.1m
常時:476.9m
△7km
大白川ダムで取水して御母衣湖畔で発電する発 電所に第二御母衣発電所が存在する。
地図上で適当に確認した落差と大体一致している♪[水 力.com]
■御母衣ダム←(○標高差470m・7km)→大白川 ダム

御母衣ダム・御母衣湖[電発] 標高:768m 1100

なんとか九州当たりから太陽光の余剰電力を引っ張って来て,また北陸地方の風力発電を増強してこいつらに貯めて置いてピーク時の余力としたい所。600MW位は余裕で確保出来るのでは無いか。

と云う事で纏めると

廃止…合計1550MW
<石炭>富山新港石炭1・2号500MW・電発高砂50MW 合計550MW
<石油>福井250MW・富山250MW・富山新港1号機500MW 合計1000MW

建設…1250MW程度
<LNG>富山新港LNG2号機500MW程度
<水力>新鳩谷126MW
<バイオマス>エクイオス他約60MW
<揚水開発>600MW

となる。
そして残る300MW程度の減少分は風力と太陽光の増加で十分賄えるだろう。

その次の段階としては500MWの石炭火力の敦賀1・七尾大田1を廃止していきたい。これに関してはIGCC辺りも視野に這入る筈である。







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