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天竜川中流域 ( 佐久間発電所[周 辺構想周辺逍遙] 秋 葉発電所 船明発電所  新豊根発電所 水窪発電所 )
23.6.4独立
  古真立川(新豊根ダム北側)開発と 県道古真立佐久間線(r429)(23.6 ダム接近)
大千瀬川新 豊根ダム(r428)漆 島川(r426)・古真立川(r429)・小田川(r74)・坂宇場川(R151)津具方面(r428/r427)

佐久間ダム・佐久間発電所に付随するサブシステムとして水窪発電所・水窪ダムに注目してきたが新豊根ダム・新豊根発電所も秋葉と並んで水窪以上に重要なサブシステムである。
愛知県って事もあって本総研としても一寸等閑にする所があったかもしれないけど,豊川用水との絡みもあるし,きちんと纏める必要は感じていた。22.2に 作成を開始。23.6に更にこの辺を彷徨き独立させた。おいおい中身を書いていきたい。
大入川・古真立川・奥山川・間黒川
~佐久間川合から新野峠まで~

佐久間川合
地名から示唆されてるけど天竜川に大千瀬川が出合する場所が佐久間川合である。広い川原に我が貯留心(?)が掻き立てられる。
今では天竜川の水は佐久間ダム経由が殆どになり,大千瀬川の水は振草で豊川用水に取られて減っては居るが,三遠南信道のインターが建設されるなど重要な場 所であることは変わりない。
数年前は合流地点直上にある原田橋が落橋してニュースになった。
上の写真はまさにその復旧した原田橋の上からの眺めである。

浦川
佐久間川合から何かすると程なく大千瀬川と相川の出合



<大入川・大千瀬口>→新豊根側はこちら
その先大入川沿いに通行止めのr427がある(上の写真の奥の青の鉄橋である)。なんとここで初めての同好の士との邂逅!?停めようとした大入渓谷へ向か う県道の橋に軽自動車が入って停車した。しかも降り立ったのは女性である。(廃道趣味 か水道趣味か実際の所は不明w)
まあ向こうはカタギの素人の可能性もあるので刺戟しないようにさりげなく距離をとって停車する。
ほんとは上の軽みたいに橋に乗り付けたかったが一寸先に止めると,下の写真のような看板があって,この辺が大千瀬川の起点だそうでこの辺迄は天竜川が大千 瀬川を思われる部分に凹んで進入している部分扱いなのか?!京滋バイパスの一部(久御山淀IC迄名神大山崎支線扱いらしい)や神戸淡路鳴門道の一部(神戸 西 IC迄)が高速道路扱いされてたり,ニュータウン新線の補助金がニュータウン出た一駅先迄補助金が出る(その為橋本迄補助金入れて建設する為に多摩境駅の 開通はわざと遅 らされた)ようなものか!?

さて,その辺の写真など撮ったりクルマを転回させたりして異常者でない事を暗にお伝えしつつ時間を潰し,先行者が用事を済ませて?去って から橋に近づく。

そしてもう橋の向こうのトンネルの前には通行止めの看板が!第三トンネルと云うらしい

トンネルは素掘りっぽい。

此処は対岸なので標識にある浜松市天竜区佐久間町浦川ではなく既に愛知県東栄町の筈なのに静岡県道293号の標識!しかも愛知県道としては429号。色々 突っ込み所あり。

トンネルを潜ると軽トラが一台止まっていてその先はバリケードが設置してあった。まあガチの柵では無いにせよ拒否感は十分か。

22.3
此処が開かずの道路の為に新豊根ダムがとんでもない僻地となっており未だ到達出来ていない。ダムの管理の方も苦労しているようだ[ソース]。

川の流れはこんな感じ。新豊根でほぼミスは遮断されるものの大入渓谷を経てそこそこの量の清冽な水が流れているようではあった。

この先はこちら参照

橋の右側には以下の様な石碑が。愛知縣(県)大入林道開設記念之碑とある様だ。R774さんレ ポに寄ると1954年に開通とのこと・

元々林道として開通し県道に昇格した(そして今では万年閉鎖中の)様だ。
因みに静岡県道としてはr293だけど愛知県道としてはr429である。このブログに云われる迄気 付かなかったが,大島ダム近傍で議論したけど静岡と愛知の一般地方道のナ ンバー は統一出来てない様である。。

まとめてみた:

静岡県西部付近一般地方道
愛知
静岡
路線名
その他・備考
424

振草三河川合停車場線
未成区間有・宇連ダム
(425)

外貝津先林線 現在は大部分がR473に組込済
426
287
津具大嵐停車場線
r288に接続

288
大嵐佐久間線
r287に接続・廃道区間有・[→こちら
427

坂宇場津具設楽線

428

古真立津具線
未成区間有(分地峠)
429
293
古真立佐久間線
不通区間有・旧大入林道
430

足込上黒川線
愛知の県道]未成区間有・足込川
431

八橋中設楽線
振草渓谷(振草ってこんな所にあるのか)
442
390
鳳来佐久間線

504
294
御園浦川停車場線
東薗目川・未成区間有
505
298
渋川鳳来線
r299に接続

299
渋川都田停車場線
r298に接続
519

七郷一色名号線
大島ダム

★★




~天竜川~
発電所そのものは大入川より可成り北。佐久間ダム湖畔西側地下にある。r1を だいぶ遡って行くと漸く着く。

地下80mにある新豊根発電所への入口である地下トンネルの坑口。[地 理院→G だとこの日シャッター空いてた!?・地理院だと直ぐ近くに発電諸施設がある事が判る。地下80m迄こんな至近でどうやって降りてくんだ?道路ではなくエレ ベーターみたいなのしかない?それだと巨大な発電機とかはどうやって搬入したんだ?まあ地下に関しては結構弱い(大入トンネル位置十津川の支水路位置など)]
またトンネルの狭さは開発時期の古さを物語っていると云えよう。

トンネル脇の看板の一部拡大。
22.3

諸元

電源開発(株) 新豊根発電所[水力
運開:1972.10
ダム水路式・混合揚水式
認可最大出力:1,125,000kW  常時出力:0.0kW
年間総発電電力量:874GWh(8億7,400万kWh)(内、自流分127GWh[14.5%]←混合揚水の比率としては他所と較べてどうなん だ??)
設備使用率:8.86%←低い。。
最大使用水量:646.00m3/s    最大揚水水量:600m3/s
有効落差:203.00m
    最大有効落差241.00m、最小有効落差166.00m
    最大全揚程247.40m、最小全揚程184.30m
流域面積:136.3km2
取水・上部貯水池:大入川[新豊根ダム]474.00m
放水・下部貯水池:天竜川[佐久間ダム]260.00m

流域面積は136.3km2あるが,大入頭首工から豊川用水方面への取水もあるし,混合揚水として馬鹿でかい規模を持ってるしで自流分は14.5%しかな い。
意味のない比例計算にはなるが,最大使用水量に対して14.5%とすると93.47m3/sとなって流域の標準的な使用水量より遙かにデカい。
最大と最小の有効落差の差から利用水深は80m程ありそうで,有効貯水量:4,040.0万m3 はフルに活用していると云って良さそう♪その割りには設 備利用率は低めの8.9%程度である。毎日揚げ下げしているとは云へ水量的には大した事ないのかも知れない。

<分地峠>
この先で,県道古真立佐久間線が分岐するがまともな写真がなかった…roz


<大入渓谷>
大入林道改め県道某号は不通になって久しいようである。。(→入口のみ訪問記w)
22.3

この際,分地峠の県道を開通させて管理支所を佐久間ダム周辺に置けば新豊 根発電所経由でもう一寸早く行けるじゃないだ?→23.6現在,新豊根ダムにも行けなくなってたww

新豊根(しんとよね)ダム[→大入川
河川     天竜川水系大入川
目的/堤高/堤頂長   PF / 116.5m/311m
流域面積/湛水面積     136.3km2 [全て直接流域・内,一次流域60.73km・二次流域75.57m3/s] /156ha
総貯水量:5,350.0万m3     有効貯水量:4,040.0万m3    洪水調節容量:1,050万m3
標高  常時満水位標高:474.00m
     洪水期制限水位標高:470.00m
         低水位標高:435.00m
着工/竣工:1969/1973

一次流域・二次流域っての はこちらの勝手な用語であり,1次 流域は新豊根ダムによってのみ使用される流域であり,二次流域は大入頭首工で一旦水を取られてその残りを利用する流域である。

■貯水池配分計画図
発電容量:6/1~10/10…3.430万m3 10/11~5/31…4.040万m3 洪水貯水量と発電容量には多少の被りが洪水期にはあるよう だ。
出 典:国 交省



基本資料:中部地方ダム等管理フォローアップ委員会 新豊根ダム 定期報告書(案)2016年12月 [出典:国 交省
■天竜川流域の年間降水量は中流山間部で地域差が著しいが、大入川流域近傍は概ね2,200mm~2,600mmとなっている 。
■ ダム地点の至近10か年の平均年降水量は2,589mm(平成18年~27年(2006年~2015年)の平均)であり、全国の平均年降水量 1,690mm※1の約1.5倍となっている。

治水
■大千瀬川の想定氾濫区域を含む市町村は浜松市(旧佐久間町)である。←愛知の為の印象が強いが静岡県の為のダムであった。。

■新豊根ダム管理支所から操作室まで約1時間の移動時間を要する←もうちょっとなんとかならんのか!? しっかしダムを見学に行くだけで大変そうである。。

東栄の別所(本郷)から新野峠迄R151がだらだら山の中を走破してるが,もっと直線で(と 見えるw)r74が結んでいるように見える。
かねがねそう思ってたが23.6に走破を試みてみると 早速(忘れてたが)新豊根ダム管理支所の前を通りがかった。看板ははっきり判ったが建物はどれだったんだ??
23.6
官舎っぽい古い建物の向こうの一寸新しめの建物かな?


利水(発電)
■新豊根ダム貯水池への年平均流入量は約2.7億m3、揚水量は約5.7億m3となっ ており、流入量に対して約2.1倍の量の揚水を行っている。

新豊根ダムの流入量、発電取水量、揚水量、ダム放 流量の概要


新豊根ダムの利水(発電取水)実績

なんと,ほぼ毎日の様に揚 水をしているようである。年間250日程度揚水してて年平均8.2億m3ということは平均で328.0万m3/日程度の揚水量 となる。最大揚水量は600m3/sであるから全 力で揚げて5,466.6秒=1.5h/D程度であ る。
また湛水面積が156ha=1.56km2=1,560,000m2=156万m3であるから2.1m 位しか変動しない??


さてなかなか近づけない秘境新豊根ダムであるが,豊根大橋の手前から取水門がちら見出来た♪[こ れ
(現地で遠くから見たら取水塔っぽかったが写真でみると取水門っぽい)

写真右端に凄い角度で登っていく道が見えるがこ れの様だ。分地峠の新道の着手案件だったりしないかなあ・・(多分砂防ダム建設時の工事用道路)

豊根大橋
ダム湖によくある風景である。

ダム方向はこの様に通行止めであった。


豊根村観光協会に拠るとこんな感じ↓だそうである。岩が でらい┐('~`;)┌
2023/04/08
県道429号線通行止めのお知らせ
http://www.toyonemura-kanko.jp/?p=7229



派手にいっとりますなぁ。。4月に崩れて6月になっても目途は立ってない感じかな?

古真立川沿いに遡ると平岡と富山に至る。


此処からr429は古真立川を遡って行く。ダム湖の古真立川方面。



【漆島川導水】
今は下流の熊打橋(r1の橋)の写真ぐらいしか無い。。。
22.3
この日は晴れた3月末てこの水量。。


さて,以上(新豊根ダムでの利水に関する議論で直ぐ上の漆島川のちょろちょろの流れの写真では無い)を 踏まえて新豊根ダムの増強であるが,自流分が2.7億トンに対して揚水分が5.7億トンとは自流分が少ない 訳だけど,北側から導水して佐久間の側面支 援を出来はするであろう。

10km程で 19.1km2程流域を増やせる。4~5000万トン/年程新豊根の水量を増やすことができて,5000万トンあれば824GWh(内自流分 127GWh)の年間発電量を24GWh(2万4千MWh)程増やせる計算になる(自流分が20%も増える!?また稼働率も0.25ポイント増えて9.1% 程度になりそう)。ホントにそんな増やせるのかいな。   
河川名 取水位
導水距離 流域面積 効率
霧石沢・漆島川 470m
4.5km 8.8km2 1.96
井戸川・虫川 470m
5.5km(10.0km) 10.3km2(19.1km2) 1.87(1.91)
漆島川
680m
1.6km
4.1km2
2.56



[私案]奥豊根発電所
出力:6,800kW[+6.8MW]
水量:4.0m3/s
落差:200m
流域:22.4km2/3.0km2/4.1km2 合計:29.5km2
導水:7.5km/0.8km/1.6km 合計:9.9km
取水:奥 山川古 真立川間 黒川小 田川漆 島川680m
放水:大入川[新豊根ダム]470m

これが実現すればそもそも狭い範囲の導水(漆島川とその支流霧石川の8.8km2)の導水流域が更に狭くなる。