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馬瀬川上流開発構想史

飛騨川水系電源開発: 飛騨川 益田川 益田川(源流) 馬瀬川(1.水路図・2.現況・ 3.馬瀬川上流(3-1.上流・弓掛川・瀬戸発電所 3-2.開発構想史) 4.上流開発(4-1.和良川開 発 4-2.馬瀬川上流開発)

(第一次調査 地点第二次調査 地点・日本電力及東邦電力・第四次調査地点・飛騨川開発計画・飛騨川筋開発最終1979年)

[第一次水力 調査地点(1910~1913)]
14~19が馬瀬川関連である。14と18が連携していない。。
出典:『飛騨川』
=作成中
No.
発電所(推定)
取水堰(推定)
水量(立方尺/秒)[m3/s]
落差(尺)[m]
理論馬力(HP)
発電力(kW)
その他・備考
14







15







16







17







18







19









[第二次水力 調査地点(1918(T7)~1923(T12)]
19~21が馬瀬川上流関連である。
出典:『飛騨川』

既許可地点の内,11の馬瀬川はその後放水先を益田川に変えての現在の瀬戸(第二)発電所である。
No.
発電所
取水堰
水量(立方尺/秒)[m3/s]
落差(尺)[m]
馬力(HP)[kW]
その他・備考
11
馬瀬川
西村ダム・弓掛堰堤
300[8.35]
496[150.3]
16,517[12,150]
瀬戸第二:水量15.5m3/s・落差156.6m・容量 21,000kW







19
黒石付近?[EL.600m]
川上(かおれ)付近?[EL668m]
144[4.01]
278[84.2]
4,444[3,270]

20
堀之内付近?[EL.547m]
黒石付近?[EL.586m]
183[5.09]
192[58.2]
3,900[2,870]

21
惣島付近?[EL.470m]
萩原付近?[EL.532m]
216[6.01]
86[26.1]
2,062[1,517]
発電所はもっと上流か?西村ダム相当の位置がもっと高そうでもある。







22
広瀬(祖師野)付近
馬瀬川




23
広瀬(祖師野)付近
和良川




24
金山付近
広瀬(祖師野)付近






[第4次水力 調査地点(1956~1959)]

地図が荒っぽくてよく解らない。特に梅ヶ平は発電所名の様に思えるのだが,これだと三ツ渕ダム(仮称)のダム湖畔(例 えばこの辺)に馬瀬川・土京川・和良川からの水を使って発電しそうな感じがあるけど発電所を示す○がない上に,地名としての梅ヶ 平は実際はもっと北の方にある。
更に

どうやら西村ダムと東上田ダムから梅ヶ平付近への開発構想があってそれが梅ヶ平の様だ。
更に下原ダムにある△は新七宗の取水口ではないか?実際は一つ下の大船渡ダムからの取水で実現した。


発電所名
発電所(推定)
取水堰(推定)
水量(立方尺/秒)[m3/s]
落差(尺)[m]
理論馬力(HP)
発電力(kW)
その他・備考
小原
黒 石付近
小原ダム?(笈 谷付近?)





矢形
西村ダム付近
矢形ダム?(黒 石付近?)





瀬戸(第二)=既設
瀬戸(第一)
西村ダム・弓掛堰堤





梅ヶ平?
三ツ渕ダム?付近
馬瀬川堰堤(岩屋ダム付近)・土京川・和良川





三ツ渕
下原ダム付近?
三ツ渕ダム?・佐見川導水?





下原=既設
下 原町
下原ダム・馬瀬川堰堤(祖師野堰堤)







これをそれっぽく書くと以下の如し:

[構想]矢形発電所
発電力:
水量:
落差:
流域:
取水:馬瀬川[黒石ダム(仮)・小原発電所]
放水:馬瀬川(EL.462m) [西村ダム(EL.450m)・瀬戸第二PS]

[構想]小原発電所
発電力:
水量:
落差:
流域:
取水:馬瀬川[小原ダム(仮)]
放水:馬瀬川[黒石ダム(仮)・矢形発電所]

佐見川の項で纏めたが,1962年


[飛騨 川筋開発一覧図](1965年→佐見川の項も参照)

ダム計画こそなくなっている様に見えるけど黒谷付近で一旦発電してまた取水する形は健在である。p.502の図を見るとダム計画は存続しているようにも見 える。
発電所名
最大使用水量
有効落差
発電力
ダム高
有効容量
備考
新七宗
[新七宗]
150.0m3/s
[95.0m3/s]
28.8m
[24.57m]
36,800kW
[20,000kW]
既設大船渡ダム利用
新七宗として実現([ ] 内数値)
新名倉
[新上麻生]
150.0m3/s
[80.0m3/s]
84.8m
[88.5m]
108,500kW
[61,400kW]
23.5m
45.0万m3
新上麻生として実現([ ] 内数値)

[既設名倉ダム(容量38.2万m3)利用]
佐見川
100.0m3/s
175.0m
150,000kW
98.0m
3,500.0万m3

小原第一
16.5m3/s
154.5m
21,900kW
32.6m
24.0万m3

小原第二
16.1m3/s
192.1m
28,900kW
20.0m
39.0万m3
下流なのに減水?!










そして最後迄候補に残った最 新(1979)の?最後の?発電計画。
出 典:『飛騨川』
この1979年(S54)の『飛騨川』執筆時点での計画と思われる計画に以下の様に載っている。
発電所名
最大使用水量
有効落差
発電力
とは記入備考
新七宗
(実現値)
95.0m3/s
(95.0m3/s)
25.4m
(24.57m)
19.7MW
(20.0MW)
1982.6運開
新上麻生
(実現値)
80.0m3/s
(80.00m3/s)
87.17m
(88.5m)
60.2MW
(61.4MW)
1987.6運開
小坂川
(実現値)
6.0m3/s
(6.0m3/s)
432.7m
(423.9m)
21.0MW
(21.3MW)
1983.11運開(こ ちら参照)
西村
18.0m3/s
79.5m
12.0MW

佐見川
9.5m3/s
194.7m
15.7MW
水車効率87%
小坂川迄は実際にそれも可成り近い値で実現している。西村ダムは清流馬瀬川に沮まれた形か?佐見川はダム建設が付随しておりやはり水没人家の多さが原因 か?
いずれにせよ西村発電所は実現しなかった。最大使用水量18m3/sは結構大きい。また弓掛川からは取水せず馬瀬川の岩屋ダム湖畔から80m程上がった馬 瀬惣島(地 理院G 空撮)辺りでの取水を考えて居たようである。
偶々旧橋と平行してた(こ こ)ので撮った写真。この橋も記憶に残ってるが撮っておけば良かった(ちょっと迷った記憶はある)
23.2

その下流の坂本橋付近。降雪后数日と云った感じで雪解け水で割と冬期にしては水量豊富な感じであった。冬場の戦力としても期待出来そう。
23.2

上流の計画を立てるに当たって,水を何処に落とすのか(西村堰堤か岩屋ダムか)は一つの大きな争点であったが,『飛騨川』のこの計画図及び西村ダムでの運用(割と全部水を取ってく感じでも無い)の二点で岩屋ダム湖畔 で発電案で確定でいいだらう。


過去の経緯を見ると,馬瀬川上流と最上流にダム構想があって2箇所程発電所を建設する形になりそう。現代的には環境を考えると最上流に一個あれば十分な感 じである。

第1候補(最上流)はこの辺http://maps.gsi.go.jp/#15/35.961560/137.129889/&base= std&ls=std&disp=1&vs=c1g1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1が良さそう。EL= 684m。老谷ささやき自然公園https://oitaninomori.com/oitani.htmlとあるがキャンプ場らしい。
>老谷の森は、2019年4月より、川上地区旧地域おこし協力隊を中心として、引き続き同地区の活性化と移住交流を目指し活動する組織です。… 2018年に閉園となりました、下呂市馬瀬老谷ささやき自然公園キャンプ場は川上地区にて借り受け、老谷の森を運営責任組織として新たに出発いたします。 [老谷の森
となってるらしい。

西村ダム~黒石ダム(推定値・EL.568m付近)+床鍋谷+若佐 谷(3.1km2)=43.5km2
弓掛堰堤~弓掛川流域EL586m以下=20.1km2
弓掛川流域EL.586m以上 39.1km2
厚谷(馬瀬側)・楢山(益田側) 5.1km2
⑤黒石ダム~小原ダム
⑥小原ダム~源流
⑦土京川導水 16.0km2


現状=①+②+③+⑤+⑥=219.3km2→15.5m3/s

昭和40年案=①43.5+②20.1+③39.1+①からの放流分?=102.7km2→15.5m3/s(多分減水はしない計画だっただろう。。)

とは案=①43.5+②20.1+④5.1=⑧68.7km2→15.5m3/s

土京川付    とは案=⑧68.7+⑦16.0=84.7km2→15.5m3/s

102km2で行けるなら84.7km2でも行けるのではないかなあと思っては居る所w

ただ黒岩ダムから弓掛川でも取る場合,一寸遠距離だし導水地点が複数出てしまう。