1.AAP(有峰跡津計画) ご覧の様な巨大兄弟ダム計画が嘗て在った様だ。堤高を欲張りすぎて可成り大きいダムをそこそこ無理矢理建設する必要があったようだ。 有峰ダムとの連繋しての建設も計画(有峰跡津計画)されていたが結局実現しなかったようだ。 地質調査総合センターで 見 付けた論文を元に纏めて見る。 出典:地質調査総合センター 計画 >公益事業委員会の計画案によれば,貯水池はその堰堤高80mを有する重力式コンクリ一ト堰堤としているに対し,同会北陸支局ならびに北陸電力株式 会祉案によれぱ,跡津第一堰堤高を120mとし,跡津第二堰堤高を80mとする2貯水池を設けて,跡津川および伊西川を利用すると共に,金木戸川の水量を も隧道により導水し,発電せんとする熱烈なる希望を有するもの如くである。 公益事業委員会の計画案:貯水池はその堰堤高80mを有する重力式コンクリ一ト堰堤(第二堰堤はなし?) 公益事業委員会北陸支局ならびに北陸電力株式会社案:跡津第一堰堤高を120m・跡津第二堰堤高を80mとする2貯水池を設けて,跡津川および伊西川を利 用すると共に,金木戸川 の水量をも隧道により導水し発電 この論文の調査結果 >跡津川貯水池第 一堰堤予定地点の地質は…堰堤地点としての地形が余りよろしくないのみならず,…計画の120m高の堰堤にしても,また80m高の 堰堤にしても,概査だけでは決め難い点が多く,今後詳細な調査を必要とするであろう。 >跡津川貯水池第二堰堤予定地点の地質は花崗岩から成り,基礎岩盤は極めてよろしい。しかし80m高の堰堤とするには地形が良 好でない。特に左岸は 60m 高以上は谷が開けていて堰堤の中心線が非常に長くなるから,10m低くした70m高堰堤計画が妥当であろう。 >跡津川を開発するために金木戸川の水を誘導することは極めて有利であるが,金木戸川はその過半の水量を利用して発電実施が神岡鉱山秣式会赴の手に よつて既に行われているから,果してどの程度まで利用しうるかは將來の問題である。 >第一堰堤築造を実施すれぼ船津町字下之本,岩井谷,森茂の各町は浸水区域の中にはいる。さらに第二堰堤築造によつては伊西の町も同様となる。ごれ らをあわせた浸水家屋は相当な数となり,埋没の農耕地も多数におよぶ欠点がある 飛弾市神岡町(2015年国勢調査データ) 下 之本 15 世帯40人 (瀬 戸 1 世帯2人) 打 保 2世帯3人 岩 井谷 3 世帯8人 森 茂 30世帯 59人 小計 111人(113人) 伊 西 4世帯7人 合計 118人(120人) 意外に沢山の(失敬!)方々が未だ住んでいる。。 貯水池 >計画地は神岡鉱山下之本鉱業所と隣接することとなり貯水池の水が地下深い坑道内に浸入する恐れがないとはいえない。現に鉱山側においては本地の水 力開発には相当反対意見をもらしているとの噂もあり, 第一堰堤地点[→推 定地点EL.821m・堤体の尖端はこ の辺かEL.812m](概ね此処・打保谷川に森茂川(論文には明記されているのに川名地図には名称不明とある。サボりすぎやろ。。)が合流する 地点のようだ) 第二堰堤地点[→推 定地点EL.822.7m](第一堰堤と同じ標高点) 堤高120m→満水位930m[こ こでギリギリ第一と第二が繋がらないのでもう10mぐらい低い?]・堤高80m→満水位900m |
~高原川~ 新猪谷(しんいのたに)ダム[→高原川] 有効貯水容量:125.5万m3 堤頂標高:279.00m 常時満水位標高:278.00m 最低水位標高:272.20m 越流頂標高:265.80m 集水面積:762.00平方キロメートル 送水:猪谷発電所・新猪谷発電所・猪谷ダム発電所 |
さて,半年以上経った24.4。再び跡津川に手を入れようとして色々調べて見ると全容が判明。さっきの謎の高架も含めて市道跡津川線で,しかもこれはスーパーカミオカンデへの入口ということで予算が付 いたらしい。 出典:岐 阜県 過疎地域に於ける基幹的な市長村道扱いだそうな。こんなのにカネばら撒いている余裕は無いと思うんだけど。水力発電に被せた投資に変えて行くべし。 因みにカミオカンデ建設に際するエピソードも発見。なかなか熱い! 神岡鉱山からカミオカンデを見ると https://umdb.um.u-tokyo.ac.jp/DKankoub/Publish_db/2003neutrino/04/040100.html 東京大学総合研究博物館 田賀井 篤平 |
出典:(一 社)環境パートナー会議 |
跡津川上流砂防堰堤の現地調査を行いました。 掲載日:2023/07/27 https://www.hrr.mlit.go.jp/jintsu/sabodb/news/2023/230727.html 7月25日に跡津川上流砂防堰堤の現地調査を行いました。 本工事は跡津川下流域を土砂災害から保全するために平成27年6月に工事着手し、約9年の工事期間を経て、今年中に完成する予定です。 今年の7月20日に最後のコンクリート打設を完了しております。 |
~打保谷川~ 跡津発電所取水堰(跡津取水口)[G] 場所:伊西川合流点 水量:4.5m3/s 道路も近く迄は通じて無くもうどうやって造ったのか解らない。 1924.2運開(大正時代)である。 戦後日本の命運を懸けた大事業の佐久間ダム(1956竣工)は,実は重機を日本で本格的に使った初めて成功例だったのである(詰まり堤高50mの平岡ダム 1935年竣工も堤高62.5mの平岡ダム1951年竣工も重機は少なくとも本格的には使われなかったのである。俄には信じがたい。。全面採用された初は 木曽川の丸山ダムだそうであるがダンプの稼働率はは半分程度であったそうである。)。 閑話休題,それらより30年程前に建設され,巨大な堰堤もない跡津の取水堰は人夫(死語?)がセメントや鶴嘴を担いで山道を現場迄向かったのであろう。 空 撮[G]だとこ こら[地理院]に空き地があって山道が通じてそうである。四国は貞光川の切越発電所の取水口があると思われる内山谷の入口の光景を思い出 す。 |
昨今の社会状況から多くの立ち退きを必要とする計画は不可能であろう。その制約の下での先ずは最大を考え ると,跡津発電所取水堰付近(EL.741m)で満水位860mでダム建設してみる。堤 高120m超 である。 湛水面積1.41km2=141万m2=141haとれる。 但し堤頂長450m程。巨大なロックフィルダムかな~♪最低利用水位760mでV=5,400万m3となる。そこそこデカい☆ 水量15~20m3/sで出力50~60MWの巨大発電所が造れそうである♪ まあまあ♪ 気持ちよくなっている所をセルフツッコミ入れて見るが,壮大なロックフィルの御母衣ダム(V=3億3000万トン)ですら堤頂長 405m,揖斐川の徳山ダム(V=6億6000万m3)で堤頂長 427.1mである。 同じ神通川の下小鳥ダムはV=9,495.8万m3で堤頂長 289.2mである。 V=5,400万m3は魅力的だが正直投資効率的に厳しそう。やはり(人の住んでいる)盆地を水没させないと大きな容量は取れないものと思われる。 一寸ずつ小さくして(満水位はそのままにダム堤体の建設地点を上流にずらして)最適値を探っていくことにする。 先ずは伊西川(仮称)を諦める。青木峠の東側の支流,青木谷(仮称)の水も使えるようなこ こEL.779mにダムを建設してみる。堤頂80m超である。堤頂は310m程度(まあだあい長すぎる。。) 最低利用水位を800mとすると容量はV=1600万m3程度に激減する。。これでは物足りない。。。(けど金木戸方面からの導水が現実的では無い現状で は十分な感じも強い) もっと小さくすることも考えてたけど流石に萎えたw 寧ろ満水位を下げる事で立ち退き件数・堤体積・堤高・堤頂長を減らす事で効率的なダムにできるのではないか? 満水位をEL.840mにするとV=3,000万m3,堤頂長230m程にダウンサイジング出来る。こ ちらの方が現 実的か? (後から仕切り直しをする。) |
上の巨大ダムを前提に,有峰引水Gが出来た以上完全に妄想ベースだけ
ど,金木戸川からの給水を考えると以下の様な取水・導水が良さそうだという結果を得た: 池の尾発電所直下の金木戸発電所及び下佐谷の下流での葛山発電所の取水への悪影響を最小限にへらしつつ,跡津川でも高低差を活かして発電が出来そうであ る。 [私案]打保谷川発電所 出力:8,600kW[+8.6MW] 水量:7.9m3/s 落差:128m 流域:61.2km2(跡津流域24.2km2・金木戸流域37.0km2) 導水:8.5km 取水:金木戸川[金木戸取水ダム・最大8m3/s程度想定]・打 保谷川・名 称不明・名 称不明・名 称不明972m 放水:打保谷川[跡津川ダム]840m ここで似たような立ち位置の下小鳥ダムと比較してみる。神通川上流の宮川(こちらは高原川)の支流小鳥川(こちらは支流跡津川(の打保谷))で貯水して発 電,下流に尖頭需要用発電用水を供給している。
下小鳥の堤頂長が300m・堤高120m近くに対してダウンサイジング版だと堤頂長230m程・堤高100mとなる。堤体積は353万トンに対して230 万トン(65%)ぐらいで行けるのではないか。 明らかに効率は悪いがそこはCO2フリーの水力発電の価値というのを上乗せしていく社会的コンセンサスを得ていくしか無い。 さて跡津川ダムの使用水量だけど貯水量が1/3以下なのでまあ最大使用水量も控えめに20m3/s程度に抑える。 [私案]跡津川ダム発電所 ダム式・調整池式 出力:16,500kW[+16.5MW] 水量:20m3/s 落差:97m 取水:打保谷川[跡津川ダム]840m 放水:打保谷川[跡津発電所]740m [増強私案]跡津発電所 出力:55,650kW[+43.8MW] 水量:20.0m3/s[+15.5m3/s] 落差:331.77m 流域:87.5km2 取水:打 保谷川[跡津川ダム発電所]741.24m 放水:跡津川[土第一発電所(既設)・新跡津発電所(私案)・土調整池(新設)]399.30m [私案]土調整池 逆調整池があると良いかも。これがないと新猪谷ダムを逆調整池に使う事になる。それはそれで良いかも知れないけど。 32万m3程の池が欲しい。 [新設案]新跡津発電所 出力:7,800kW[+7.8MW] 水量:8.0m3/s 落差:115m 流域:98.8km2(直接流域:26.1km2 間接流域:72.7km2) 取水:跡津川[土第一発電所(既設)・新跡津発電所(私案)・土調整池(新設)]399.30m 放水:高原川[新猪谷ダム]278m |
河川 |
打保谷川 |
伊西川 |
備考 |
堤高 |
65m程度? |
50m程度? |
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ダム地点(標高) |
EL.793m |
EL.849m |
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満水位(利用水深) |
850m(20m) |
890m(20m) |
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堤頂長 |
130m |
100m |
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湛水面積 |
300,241m2 |
241,303km2 |
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有効貯水量 |
370万m3程度 |
250万m3程度 |
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人家立ち退き |
僅少 |
不要 |
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流域面積(直接) |
58.7km2 (間接流域1支流含む) |
10.5km2(直接) ・12.1km2(間接・森茂川) |