電力 総研 水力あれこれ(天竜川(信州)天竜川(遠州))
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 とは掲(発 電スレ 利 水スレ)
25.4.30運開

天竜川水系遠山川関連水力発電所開発ボツネタ

現状篇はこちら ( 飯島発電所 梨本堰堤 北又渡発電所 易老沢発電所 ) 易老沢 導水 北又渡導水 木沢発電所新規開発 池口・梶谷導水 飯島2号機 その他

開発篇で色々検討した中で,ボツネタ(比較検討案)を集めて置いた。開発案(私案)の変化がある中でボツネタが復活することもあるかもしれない。。
目次: 遠山川最奥部 / 上村川利用策 / 易老沢増強策 / 梨元堰堤増強策 / 池 口川・梶谷川利用策 /  飯島発電所増強案  



開発篇で色々検討した中で,ボツネタを集めて置いた。開発案(私案)の変化がある中でボツネタが復活することもあるかもしれない。。
0.遠山川最奥部          

先ず大風呂敷を拡げてみる。
岩本沢・中俣沢・深ヶ沢・大沢・裏立俣沢・兎洞・西沢・東沢・燕沢の1150mで取水,兎洞930mの北又渡発電所の取水口に向けて放水し発電。落差 200m以上に拘ったら取水口が激増してしまった。。

それでも電力は出る。

[私案]聖岳発電所      
出力:14,300kW[+14.3MW]         
水量:8.0m3/s[1.48]
落差:210m
流域53.9km2
導水13.0km[1.1]
取水:岩本沢・中俣沢・深ヶ沢・大沢・裏立俣沢・兎洞・西沢・東沢・燕沢9箇所 1150m
放水:兎洞[北 又渡発電所取水口付近]930m

取水箇所が流石に多過ぎる感じが,,
取水位を1100mに下げると取水地点を岩 本沢北 又川大 沢(裏立俣沢)兎 洞西 沢東 沢(燕沢・奥燕沢)の5箇所に集約出来るけど落差が小さくなり出力は水量を据え置くと11.5MWに減ってしまう。導水距離は8.7+1.5= 10.2km[1.12]
実際は大沢渡ダム(EL.1057m) で岩本沢・中俣沢・深ヶ沢・大沢・裏立俣沢を一纏めに,西沢渡ダム(El.1077m) で西沢・東沢・燕沢を一纏めに出来るともしゃれなんだけど,まあそんな時代でもないよね。。


気を取り直して次に遠山川の最上流に絞ってかましてみる♪
取水位1264mで西 沢東 沢(青薙の直下で土砂流入に悩まされるかも…)・奥 燕沢燕 沢二 の股沢から取水。
流域20.9km2落差270m取れて8.0MW程。
早速イイ感じ。
 

[私案]便ヶ島発電所         
出力:8,000kW[+8.0MW]
水量:3.5m3/s
落差:270m
流域:20.9km2
導水:4.4km[1.8]
取水:西 沢東 沢(青薙の直下で土砂流入に悩まされるかも…)・奥 燕沢燕 沢二 の股沢1,264m
放水:遠山川(便ヶ島)990m

3.2km延伸すると兎洞。9.35km2追加出来る。
水量5.0m3/sとすると出力は11.4MWになる。合計の導水は7.6kmだから導水効率(MW/km)は1.8から1.5に低下。
また兎洞の水を便ヶ島に持ってきてしまうので北又渡の導水路の強化が必要になってしまう可能性がある。
単独だと1.5m3/sで落差270mなので3.4MW。単独でやるにはやや小さめ。
  

こんな山奥に発電所作ろうと思いついたきっかけは北又渡Pに上村川から水を引っ張ると北又沢側の導水路の容量が逼迫するのではないかということがきっかけ であった。
上の2案ではそこには全く役に立たない。
更に北又沢の上流から取水しようとすると,こちらの標高がやや低く(便ヶ島の標高930mに対して北又沢の大 沢渡が1054mだから標高が低いと云うより沢が分裂し出す標高が低い)集水に苦労した。
北又沢と兎洞でより低い標高で取水して兎洞で発電してみる。


[私案]兎洞発電所    
出力:7,500kW[+7.5MW]
落差:180m
水量:4.9m3/s[1.4]
流域:35.5km2
導水:6.3km
取水:北 又沢(岩本沢)大 沢兎 洞1,100m
放水:兎洞[北又渡P取水堰]930m

ここから3.9kmのばして西沢渡の直上で西沢と東沢から取水して合同で発電しても良さそう。20,1km2追加出来る。合計55.5km2。水量を 8.3m3/sでとると12.7MW,導水10.2km。
ほぼ面積を減らさず東沢の燕沢渡(?)迄詰まり1120m迄嵩上げも可能。岩本沢は取水堰新設の必要あり。


[私案(改良案)]遠山第一発電所    
出力:13,800kW[+13.8MW]
水量:8.3m3/s[1.5]
落差:185m
流域55.5km2
導水10.4km[1.32]
取水:北又沢・岩本沢・大沢・兎洞・西沢・東沢 6箇所 1120m
放水:兎洞[北 又渡発電所取水口付近]930m

1箇所落差210m案は14.3MWで取水10箇所で導水13km。2箇所(案)は合計15.5MWで取水合計8箇所,導水合計10.7km [1.44]。1箇所落差170m案は12.7MWで取水5箇所で導水10.2km[1.24]。
落差は取った方が良さそうで,更に1箇所か2箇所かの選択だけど,水車二個作って2箇所の発電所を建設・運営するコストは導水路延長の建設費と発電量で長 期的にはペイする感じもあるけどどうであろう?
取り敢えずは最終案を成案としておく。



1. 北又渡拡張(諸河内導水・尾高沢導水)    


1-1.易老沢導水   
で先走って記入していた様に,先ずは最奥部の易老沢である が,似たように隣の諸河内から導水込みで引 水して序でに発電してみる。

[私案]諸河内発電所       
水路式・流込式
最大出力:470kW[+0.47MW]
最大使用水量:0.45m3/s (流域水量比:136%)
有効落差:125m
流域面積:3.3km2
導水:1.56km程度
取水:諸 河内沢(しょがちざわ)(1105m)
放水:易老沢[北又渡発電所取水堰堤](975.0m)

面積も出力も小さいので導水に徹してみる。導水距離1.78kmで取水位EL984m。流域面積は4.0km2。まあこんなもんかなあ。。
事業の可否とし ては易老沢の導水管 がどの程度余裕あるかであるが,(後から増強するのはコストが掛かるので?)割とどこも余裕を持って作ってある 様子ではある。

流域面積は小さいが有効落差はでかく取れる。導水距離は同程度である。規模的に本コンテンツの対象外だけど,北又渡の増強と思えば対象内である。
やってもいいじゃないかやぁ。

ただ水量も小さくて効果が小さそうとなると諸河内沢取水位を易老沢と同レベルにして水量を増やしても良い。980m 程度で取水すると約1.7km3.97km2
北又渡Pの新規取水には繋がらないけど更に東側の二 の股沢だと320m 程度の導水で2.95km2とれ る。
現行の易老沢発電所の流域面積が8.8km2の所 を8.8(易老沢)+4.0(諸河内)+3.0(二の股)=15.8km2と倍増近く出来るけどまあコスト掛ける程でもない様である。。


1-2 尾高沢導水[場 所]    
200m程で北又沢堰堤から尾高沢へ至る。
面積は2.05km2程と 僅少。
態々建設する程の事はないし,態々落差を下げて尾高沢出合に堰堤を設ける程のこともないと中電は判断したのだらう。
下の2.北又渡開発で上村川からの導水を検討するが,それをやるならその 序でにこ こに取水堰を作れば良さそう。
こみちこのみち] に寄れば工事用導路が荒れ放題だけど所々残っては居るようだ。



2-3. 上村川利用策

開発篇で検討・提案した木沢発電所新設や北又渡発電所増強。問題は木沢発電所や北又 渡発電所に北村川をどう絡めるか,である。

【北村川の利用の比較検討】
導水名 追加導水距離 流域 導水
効率
取水位
想定水量 総落差 推定発電力 発電量指数
(km2*0.1*落差)
導水
効率
摘要
(1) 北又渡発電所導水(開発篇2-2)[地図★★] 6.6km
21.6km2 1.6
937m
2.8m3/s
446m
10.6MW
963.4
141.6
北又渡の出力を上げる必要がある。
(2) 木沢発電所導水(開発篇2-3(単独実施))[地図★★] 5.7km
46.4km2
1.7
666m
6.0m3/s
190m
9.7MW
881.6
154.6
僅かにこっちか?
(3) 木沢発電所導水(開発篇2-3(重複実施))[地図★★] 5.7+6.6=12.3km
24.8km2
0.9

3.2m3/s

5.2MW
471.2+963.4=1434.6
115.8

(4) 上村川発電所単独(独立)
10.3km
37.0km2
1.3
820m
4.8m3/s
320m
13.0MW
1,184
114.9


ここまで考えるなら発電所という固定費用が掛かるけど上村川単独で発電するのも良いかもと調べて見たのが上図一番下の欄の(4)上村川単独。13MW級。

発電所を造るなら上村川沿いだけでは無く,この プランでは梨本or木沢発電所が取水出来なかった遠山川北岸からも補給すると15.7km2程増やせる(→地図)。2.0増やして 16.2MW 級。
なかなか大きくなるが,導水距離は伸びて16.3km。発電量はなかなかだけど効率は悪い。

もう一寸標高を下げて距離と面積を効率化してみる。720mで64.1km2(小川沢や馬老沢の名称不明の川の名称のソースは飯田市のハザードマッ プ「中郷」よ り)。
水量は8.3m3/s程期待出来そう。15.7MW程いける。少しは効率は良いが発電量は減るのはまあしゃーない。更には取水口も多めに取る必要も ある。


[私案・改]上村川発電所
出力:15,700kW[+15.7MW]
水量:8.3m3/s
落差;220m
流域:64.1km2
導水距離:8.3(上村川本導水路)+0.5(小川沢支水路)+5.4(北又沢支水路)=14.2km2
取水:上村川・北又沢・他720m
放水:遠山川[梨本堰堤]490m

結局,梨本導水(単独)(詰まり北又渡の上村導水はせず,上村川単独の発電もしない上表(2)が一番効 率的な様だ。





2-4. 飯島発電所増強・飯島~平岡間利用策[→開発篇]

飯島発電所増強であるが,まず梨元堰堤のダム化,その次に飯島発電所の下,平岡発電所の上で発電出来無いか検討。

【梨元堰堤強化】(→開発篇)
梨元堰堤。利水標から 判断するに貯水量は設定されて無さそうであるが道路から見てだいぶ下 の方に湖面はあって堰堤をちゃんとすれば水は数mは貯められそうである。

利水標もこんな感じで上から見下ろす形になる。

梨元堰堤ダム湖面。割と土砂が中洲のようになってて,物足りなさはある。もう一寸真剣に堰を造って水貯めても良さそう。
雨量を確認し てみるとここで画面左手から合流する上村川方面の降水は比較的少ない。

現状,取水位は490mだが10m堰堤で嵩上げしてもこんなもんである。142,898m2。77万m3程の調整池が形成出来る。現行の 9.8m3/sで22時間弱程持つ。







池 口川・梶谷川利用策       
木沢発電所利用案 単独発電所案(木沢) 梨元堰堤導水案・飯島増強発電所取水案 単独発 電所案(飯島) 
 
【木沢発電所利用案】    
北又渡と飯島の間の未利用落差を利用する木沢発電所[→開発篇]を構想す るに,北側上村川からの取水を考 えたが,南側の池口川・梶谷川からも取水は出来そう。
どっかで聞いた事がある響きだったが,寸又川開発で最奥部に柴沢 発電所を構想した時に左岸林道のドン詰まりで林道は柴沢へ折れ,寸又川沿いには何も無くなるのだが,その寸又川が最後にリンチョウ沢とダルマ沢に 岐れる。
そのリンチョウ沢が湧き出るのが光岳,ダルマ沢が出ずるのが池口岳であった。池口とは寸又の誰も住んでない場所からみた名前ではなく,遠山郷から見た名前 だったということか。
光岳の北西側には易老岳もあって発電所もある易老沢もそこから流れ出ている

上村川を抜いて池口川と梶谷川を併せるとなかなか広い192.1km2,取水量は25m3/s程行ける♪
更に上村川も加えると宏大な216.8km2となる。

[新規構想拡大版(B案)]木沢発電所  
出力:40,500kW[+40.5MW(A案+5.0MW)]
水量:28m3/s
落差:170m
流域:216.8km2
導水:13.3km+4.8km=18.1km[2.23]
取水:遠山川[北又渡PS]他 667m
放水:遠山川[梨元堰堤]490m

もっと高所から取水する可能性もあるのではないか?木沢発電所を東豊永(や中島(=未確認)や瀬戸)の様な高落差と 低落差のある発電所とし,更には東豊永のように同期して発電する発電所とするのである。
まあ別発電所でも良いけど(余り見ないと云う事は技術的にこなれてない可能性もあるし…)。


[私案]南信濃発電所
出力:7,600kW
落差:255m
水量:3.5m3/s
流域:24.6km2
導水:4.9km2
取水:池 口川梶 谷川755m
放水:遠山川[梨元堰堤]495m

中途半端に梨元に導水してどうせ飯島を増強するならば,池口川・梶谷川はで 見る様に飯島発電所 の並行発電所建設用に使えば良いかもしれぬ。

[私案]清水発電所(→開発篇)     
出力:28,200kW[+28.2MW]…③
水量:19.5m3/s(←28.7*1.0-9.3=19.4)
落差:170m
流域:46.1(独自)+241.0(飯島共通)=287.1km2
導水:12.7(小嵐川サイフォン)+1.2(小嵐川支水路)=13.9km
取水:遠山川[梨元ダム]・池口川・梶谷川・小嵐川490m
放水:遠山川(清水地先・小河内川)[平岡ダム(嵩上げ [私案]後)]315m


おまけ;池口川・梶谷川を単独で整備するケース。EL.530mで47.3km2 ある。

藁野ダム・藁野発電所を建設する場合は放水位がEL.326mとなって有効落差は194mとなる。

[増強私案]清水発電所   
認可最大出力:10,900kW[+10.9MW]…④/10,300kW[+10.3MW]…④’
最大使用水量:6.3m3/s
有効落差:204m/194m
導水:10.5km←ぎりぎりw
取水:梶谷川他530m
放水:遠山川[平岡ダム](316m・ この辺)/[藁野ダム・飯島発電所放水位]326m


梨元堰堤は現状維持,平岡ダムは10m嵩上げで計算
導水名
取水
面積
導水距離(効率)
取水位
落差
発電量指数(効率)
摘要
[0]飯島発電所2号機


10.1km2
490m
170m


[1]木沢発電所導水(単独)
池口川・梶谷川
27.7km2
4.8+10.1[0]=14.9km
667m 170+170=340m
941.8(63.2)

[2]南信濃発電所(単独)
池口川・梶谷川
24.6km2
4.9+10.1[0]=15.0km
755m
170+255=425m
1,045.5(69.7)

[3]飯島発電所2号機導水
池口川・梶谷川
36.5km2
5.6+10.1[0]=15.7km
495m
170.0m
620.5(39.5)

[4]遠山川発電所導水(単独)
池口川・梶谷川・小嵐川他
36.5+9.6=46.1km2
12.6km
490m
170.0m
783.7(62.2)

[5]遠山川発電所導水([1][4]併用)
池口川・梶谷川・小嵐川他 27.7+18.4(=8.8+9.6)=46.1km2
4.8[1]+12.6[4]=17.4km
667/490m
170+170m
312.8+941.8=1,254.6(72.1)

[5]遠山川発電所導水([2][4]併用) 池口川・梶谷川・小嵐川他 24.6+21.5(=11.9+9.6)=46.1km2
4.9[2]+12.6[4]=17.5km
755/490m
170+255=425m
418.2+1045.5=1,463.7(83.64)

[7]池口川発電所単独
池口川・梶谷川・小嵐川他 (47.3km2)
10.5km(+10.1km[0]※)
530m
204m
964.9(46.8)
※飯島増設は別途必要となる
高所取水の南信濃発電所と低所で取水して南岸経由で発電の遠山川発電所の採択が良さそうとの結論となった。



【藁島ダ ムor飯島ダム】

大河の遠山川であるのでここまで水量が大きく取れるとなると現行飯島発電所の放流水と平岡ダム迄の20m弱残す落差での発電の可否を検討する。
因みに梨元以下に51.0km2程の流域がある。5.0m3/s程足せる。飯島の1号機(現行機)と足して15m3/sであるが20m弱では大した事は出 来ない。
梨元での241.0km2に加えると292km2となり,30m3/s程期待持てたりするかも。

藁野辺りに満水位326m程度のダムを建設して平岡ダム取水位308.0m程度に向けて発電。

[私案]藁野発電所   
出力:4,300kW[+4.3MW]…②
水量:30m3/s
落差:17m
取水:藁野ダム326m
放水:平岡ダム306m

と,こんな感じとなる。変に取水路延ばすよりは良いのかもしれないけど…今の所,新2号機の放流地点を下流に寄せれば十分であろう。  現飯島発電所(現行1号機)はピーク用と割り切るのである。

更には平岡ダムに拘ることは無いかもしれない。
平岡発電所の放水位は259.6m,早木戸発電所の放水位は262.00m,佐久間ダムの満水位は260m。
早木戸は満水位より上だが平岡は下である。水量的に早木戸では負けてしまう?

260m程度に放水するとなると3.3km程で途中小河内川(9.3km2程取れる)で取水してこ の辺(満島地先?)で発電できる。
同じ30m3/sでも落差を60m程に出来るので15.0MW程の発電所に出来る。
平岡ダムを10m程嵩上げを検討前 向きの結論を 得ているのでそちらを第一案としてるけど,それが無理ならこちらかな?