電 力総研 水 力あれこれ
と はずがたりな掲示板 ( 利 水スレ電 力スレ )
23.4改造
21.1暫定開業

只見川支流の水力発電(23.3逍遙)

阿賀野川(中下流) 阿賀野川(上流・大川) 只見川 (下流) 只見川(上流) 只見川(支流):滝谷川伊南川(逍遙開発[+95.4MW])

現状,大きな発電所として北部に本名ダムに流れ込む伊 南川発電所と支流黒谷黒谷発電所があ り,南部・最上流の檜枝岐には大津岐発電所の取水堰がある。
原典:『福島県史14巻 近代資料4』(出典:仁 昌寺正一(1993)よりとは加筆)

~只見川~

本名(ほんな)ダム[水力] [wiki] [便覧][福島県][→只見川
目的/型式    P/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積    51.5m/200m/126千m3
流域面積/湛水面積    2,142km2 ( 全て直接流域 ) /179ha
ダム事業者    東北電力(株)
総貯水容量:2,576.9万m3    有効貯水容量:1,347.2万m3 (いずれも建設当時)
満水位標高:317.00m
取水:只見川[滝発電所(300m3/s)伊南川発電所 (20.6m3/s)
導水:本名発電所(260m3/s)

>「只見川筋水力開発計画概要」は、豪雪地帯で峡谷が多い急流 河川である只 見川に目をつけ、水力発電所を目的に1947年(昭和22年)に発表したものである。只見川に階段状のダム式発電所を建設する計画で、これにより只見川・ 阿賀野川・伊南川・大津岐川の計23箇所にダムが設置されることとなった。wiki
>上田ダム同様、太平洋戦争終戦後、GHQとの敗戦処理の折衝 を矢面に立って行った白洲次郎氏が東北電力初代会長時代、昭和29年に完成した、東北電力の発電専用のダムです。天端が旧国道252号線になっており、全 国でも数少ない天端旧国道のダム。福島県

23.3末に勿論見て来たが,まともな写真が撮れてなかった…orz

堤体と発電所建屋



伊南川発電所[水力] [→只見川
東北電力(株)
運開:1938.10[新潟電力(株)]
水路式・調整池式(こ れ?)
認可最大出力:19.400kW 常時出力:5,200kW
最大使用水量:20.60m3/s
有効落差:109.32m
    水車:出力25000kW×1台 
    導水路:総延長9671.9m、主要導水路 幅3.80m×高3.80m、延長9069.0m
    流域面積:826.7平方キロメートル
    取水:伊南川[取水 堰(この辺?)(432.30m)
    放水:只見川[本名ダム] (314.00m)

道路脇にある。
23.3


利水標


放水口

水圧鉄管と建屋。どうしてもう一寸右にずらして写真を撮らないのか我ながら理解に苦しむ。。

トンネル勾配は1000分の1(1‰)とのこと。大枝調整池に"旧"が付いているのは何故??今は使ってないの??


滝発電所[水力
 電源開発(株)
運開:1961.12
ダム式・調整池式
認可最大出力:92,000kW  常時出力:17,700kW
最大使用水量:300.00m3/s
有効落差:35.82m
水車:2台 総出力102000kW
取水:只見川[滝ダム]354.00m
放水:只見川[本名ダム]315.54m


滝(たき)ダム[水力
電源開発(株)  目的:発電
着手/竣工:1959/1961
堤高:46m、堤頂長:264m、
総貯水容量:2,700.0万m3   有効貯水容量:1,030.0万m3
満水位標高:354.00m
流域面積:1978.8km2   湛水面積:  230ha(2.30km2)


滝ダム

(伊南川・只見川合流点)
常盤橋付近から


~伊南川~



~黒谷~

伊南川との合流点近くの様子。
23.3

暫く走るとやっと見えてくる(伊南川合流部がEL397m 程で放水位がEL465m)。入口の看板


電源開発(株) 黒谷発電所[水 力][DB
運開:1994.4.28
水路式・流込式
認可最大出力:19,600kW 常時出力:1,500[7.65%]→最大使用水量厚めの分,常時出力の最大出力に対する比率は小さくなる傾向
最大使用水量:12.00m3/s[1.45]→北又渡や平 谷など新しい発電所の例に漏れず最大使用水量厚め
有効落差:194.30m
水車:立軸フランシス水車×2台 総出力40600kW
導水路:総延長8162.4m
    流域面積:83.0km2
    取水:黒谷川[黒谷ダム]・大幽沢・小幽沢(3箇所) 678.00m
    放水:黒谷川 465.50m →北又渡などと同様,下流との連携を考えていない(単独での効率を優先?)と云う共通点もある?


建屋


小幽沢[DB
高さ/堤頂長/堤長巾 11.0m/39.78m/6.70m

大幽沢[DB
高さ/堤頂長/堤長巾 12.0m/50.0m/7.30m


黒谷ダム[DBDB
高さ/堤頂長/堤長巾  9.00m/52.19m/4.28m
  (制水門) 型式             ローラ・ゲート
  (制水門) 門数     (門)       1
 (貯水池) 最高水位     (m)       678.00
  (貯水池) 最低水位     (m)       672.00
  (貯水池) 利用水深     (m)       6.00




大倉地先にある伊南川発電所取水堰堤である。正式名称は不明。地図で見ると,布沢川との合流点直下に建設さ れている様だが,変電所っぽい記号や日宮沢(上流でこうの沢と合流しているが,名前を調べる地図だと日宮沢以外は 名称不明となっていた。日宮沢がメインとみて合流後も日宮沢と看做す)に池っぽいものがあるけど川との繋がりが描かれてなかったり,そもそも堰堤が二叉に なってたりとなんだか錯綜しててよく解らない。。


伊南川取水堰(大倉堰堤・仮称)
堤高:?
堤頂長:?
取水位:?
取水量:20.6m3/s
流域面積:?

二股になっているのは川洲を上手に利用したからの様である。メイン側のみ見学して満足してしまった。

写真にうっすら写る限りでは自由越流っぽい感じである。下の写真の左手をご覧頂きたい。木々の後ろで見にくいけど。。


利水標。大倉での取水量=発電所の最大使用水量ということで途中の河川からの取水は無しって感じかな?


正式名称は伊南川発電所取水口かな?


雪解け水か割と迫力あった。20m3/sは伊達じゃないな♪
逆に言うともっと取水量増やせそう。


日宮沢・こうの沢
沢は工場の様な建物で塞がれていた。

覗いて見ると水路の様な日宮沢を占拠する施設が。沈砂池か。ここからトンネルに入る。


日宮沢(・こうの沢)からの取水はよく解らなかったが無さそうであった。沈砂池が沢を占領してる感じであった。


内川
舘岩川分岐

~舘岩川~




(会津滝ノ原へ)


内川には小さな発電所がある。現地では発電所の存在をすっかり失念していたが堰堤には反応してて写真 撮ってたw

東北電力(株) 内川発電所
運開:1927.12
水路式・流込式
認可最大出力:530kW      常時出力:300kW
最大使用水量:6.96m3/s
有効落差:10.00m
導水路:総延長591.1m
流域面積:243.5km2
取水:伊南川619.26m
放水:舘岩川608.28m

内川発電所取水堰


恐らく此処。無駄に対岸に渡って直ぐ戻ってきたりしてる箇所が何カ所かあったが内川ダムの建設を断念させた脆い地形がこれか。どうやら旧道が土砂で埋まっ てるっぽい。


大桃




標高が上がるにつれて雪深くなり雪覆いを延々と連ねた道を上がっていくとやっと檜枝岐に着く。
こんな所に冬に住むのは想像を絶するけど,付近の駒止峠のレポをよっきが連載していて郵便配達事情などに触れている[まいにちみちこ]。

さて,檜枝岐には小さな発電所がある。現地では発電所の存在を覚えてはいたが,

檜枝岐取水堰堤
取水河川:伊南川[間接:舟岐川]
取水量:16.0m3/s[送水先:大津岐ダム
流域面積:?(間接:舟岐川堰堤取水域)
維持流量:6/1~11/30 1.3(1.830) 12/1~5/31 0.213(0.300) [国 交省

此処も冬期通行止めであった。魚沼方面へ通り抜けは不可らしい。まあねぇ。。
23.3
地図だと堰堤は直ぐなのでクルマを置いて歩いてみる。遠目に見て目星を付けていた堰堤は砂防堰堤のようであった。。こ れか?

とその向こうに雪の壁が!あれかっ♪

工事関係者の姿も見えなくなったので道路を歩き始める。帰りに作業員さんとすれ違ったけど何も云われなかった。車輌は通行止めでも歩行者まで止めてはなさ そうである。
近づいて来た♪小屋はここから地下水路で大津岐ダムへ送る導水路の上にある様だった。

この時点では副ダムみたいな混凝土の構造物は堰堤の上から眺めると水路の蓋であった。地 理院でのこれである。

いよいよ白い壁,本堰堤によじ登る。

堰堤の上。小屋に利水標あり!

…。。結構新しい看板なんだけど文字をテープで書くという材質に問題があるかな(笑
とはいえ取水量は16.0m3/sで貯留量はなしと読める。冬の厳しい自然の中で頑張ったということか。お疲れ様。

脇の扉が開けっ放しというか雪が積もっていて特に立入禁止でもなさそうなのを良い事に更に近づいてみる。
取水設備。ここは立入禁止である。日当たりの良さなのか風の通り道なのか雪はない。

湖面。舟岐川からの導水の放水口から水が頼もしく排出されていた♪

しっかり大津岐へ送水しているようであった。

自由越流とゲート3門。奥只見システムの起点とも云うべきこの施設に相応しい頼もしい無骨さである♪

満足して帰路に就くとクルマの中でゲームやってた筈の息子が私の帰還が遅いので心配して途中迄歩いて見にきてた。約20分程の探索であった。

~舟岐川~

まだ沢山みたい所があって急いでいて見なかったが,こんな所そうなんども来る訳では無いので見ておくべきだったか。。
一度来ると見落としに気付いて何度も来ることになる傾向にあるけどw
ここの水は一旦檜枝岐取水堰堤の調整池に放流されてから同堰堤で取水されるので,同堰堤の取水量が判った以上,まあ良いかなってのはあった。

入口付近だけ撮って来た。こ の辺からの眺め。
24.3
近くにはUターンの家なるものが。尾瀬の福島側の入口として街は(スノーシェッドを延々とくぐって何とか辿り着けるような超絶山奥にしては結構)栄えてる 様にも見えたが,住民確保は切実なのであろう。



舟岐取水堰堤
取水河川:舟岐川
取水量:?[送水先:檜枝岐取水堰堤]
流域面積:42.1km2[とは推計]
維持流量:0.129(0.300) [国 交省
導水路:約1.27km(舟岐川→伊南川)[とは推計]

約1.3km程で40km2超の流域から水を引っ張ってこれる。
導水管はただやろといわんばっかりに各地でガシガシ導水路引く妄想してる俺だが,実際はこの位の規模感は欲しいのかも知れない。
勿論トータルの規模感の中で決まってくるんだろうけど。