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20.10.20運開
中津川(信濃川水系・新潟県)【調査篇】

調査篇
0.はじめに 1.調査[1−1.諸元 1−2.ネット調査 1−3. 国立公文書館] 2.大団円(結論) 2.結論
現況と開発篇
上流篇:野反ダム(2,675万m3)→渋沢ダム(7.5万m3)→切明 (20MW/11m3/s)中流篇:高野 山ダム(56万m3)→中津川第一 (12.6MW・36.44m3/s)→穴藤(けっとう)ダム(58万m3)下流篇:中津川第二(22.5MW/13.91m3/s)→下船渡 (6.1MW/13.91m3/s)→(信濃川)

0.はじめに
中津川は信濃川の中流部,新潟県の魚沼地方にある,信濃川の支流である。約100年前(1921年に軌道は着工,中津川第二発電所は早くも1922年に運 開している)に発電所の工事が行われて,その際の工事軌道のレポはヨッキの山行がに詳しい(→こちら)。
建機も重機も十分ではない100年前に奥地秋山郷に建設された発電所ではあるが,規模は壮大で,第一次大戦後のアメリカが早くも大衆消費社会・大量生産大 量消費社会を出現させて黄金の20年代を享受する一方で,惨めな後進帝国主義国ぶりを今後の第二次大戦で露呈することになる日本であるが,どうしてなかな か侮れないですやん,とアジアから唯一,列強の一角を占めた日本帝国主義の強勢の一端を垣間見ることが出来る。

後から諸元を確認するが,ぱっと見最大使用水量36.44m3/sで 流した中津川第一発電所の 水がその下の中津川第二 発電所では13.91m3/sと 激減するので使い切れるか心配になるが直ぐ脇にある小ぶりではあるが如何にも逆調整池な穴藤ダム(V= 58万m3)があるので受け止め きれるのであろう。
穴藤ダムは中津川第二に寄って11時間30分ちょいで空に出来て,中津川第一に寄って4時間半弱で満杯に出来る。
ピークが4時間半も続かなければ大丈夫ということである。なーんだ折角調べたけど俺の介入する余地無いな,,

こんな風に思って地 図を見たら吃驚仰天
なんと中津川第一が穴藤ダムの下に有るでは無いか!
これでは中津川第一の大量使用水は中津川第一でも更にその下の下船渡でも使われずに捨てられてしまうということ!?

解決策としては余水吐と思われる水管の湖面の部 分に中津川第三でも作って貯めと くことだな,,と思ったが,更に(小) ど んでん返しが!!
中津川第二の手前にはちゃんと沖 の原貯水池という調整池が存在していた!

しかもよく見ると中津川 第一の有効落差は400m程あってその出力は12.6MWではなく驚異の126MWで あった。すげえ〜(とはいえ原発の1/10の規模感である)。
とはいえ,こんな溜め池みたいな沖ノ原貯水池程度では中津川第一36.4m3/sの 水が可成り溢損するのは避けられないのでは ないか。

1.調査       
早速机上調査やっ。まずはスペック確認。その後ネット調査(現地は遠いねん。。)

1−1.下流域発電所群諸元

結節点は高野山ダムである。 日本に於ける初めての本格的なバットレスダムであった。耐震性に不安があり,地震の多い日本では余り拡がらなかった。
ここも1972年の中津川第一発電所増強に併せて旧ダムは撤去されロックフィル式のダムに更新されていまではバットレスダムでは無い。
地図でも解るようにはっきりとした川 が 無い谷に造られた様であり,削られた狭窄部と違って広めの谷を全面的に埋める為に使用混凝土が少なくて済み低コストなバットレスが採用されたもの と思われる。


高野山(こうのやま)ダム[水 力][地 理院][wiki] [便覧]       
河川     信濃川水系中津川
目的/型式     P/アスファルトフェイシングフィル
堤高/堤頂長     33m/380m
流域面積/湛水面積     218.8km2 ( 直接:0.6km2 間接:218.2km2 ) /7ha
総貯水容量/有効貯水容量     57.8万m3/56.0万m3
ダム事業者     東京電力(株)
取水:切明発電所+雑魚川+中津川→渓流等→高野山調整池[高野山ダム]
放水:中 津川第一発電所・穴 藤ダム・中 津川?
着工/竣工:1968/1971

遥かEL.830m程の高い場所から一気に中津川の深い河岸段丘の底に水を落として発電する。放水位が不明のようであるが。

東京電力RP(株) 中津川第一発電所[水 力][DB]       
所在地:新潟県中魚沼郡津南町穴藤
運開:1924.9[信越電力(株)]
水路式・調整池式
認可最大出力:126,000kW   常時出力:13,900kW[]
最大使用水量:36.44m3/s   最大取水量:12.90m3/s
    1〜3号機:12.90m3/s      4号機:23.54m3/s
有効落差:414.88m(1〜3号機)         409.58m(4号機)
    水車:4台 総出力131400kW(横軸ペルトン水車ラ3台、立軸フランシス水車ラ1台)
    導水路:総延長18827.7m
取水位:852.26m/860.43m/841.81m[DB]←3種類もある?!
放水位標高:不明m[DB]←記載なし?!
    流域面積:218.2km2
    取水:高野山調整池[高野山ダム]
    放水:中津川第二発電所[ 沖の原貯水池]・中津川(地 理院EL.408m)841.81m
    取水:切明発電所+雑魚川+中津川→渓流等→高野山調整池[高野山ダム]

穴藤(けっとう)ダム[便覧][水 力][地 理院]][wiki] [東 電]      
河川     信濃川水系中津川
目的/型式     P/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     55.3m/130m/96千m3
流域面積/湛水面積     317.6km2 ( 全て直接流域 ) /6ha
総貯水容量/有効貯水容量     63.0万m3/58.0万m3
ダム事業者     東京電力(株)
着手/竣工     1969/1972
給水先:中津川第二発電所(取水位430m・沖ノ原調整池は403m程度の模様。)


有効落差が5m程低い(高い所に設置されている?)4号機が穴藤ダムに放流しているとか?両者ともに1970年代に同時に追加されたされた設備なので平仄 はあう。
とは言え空 撮写真でも下流側に鉄管が3本伸びてるのが1〜3号機建屋で上流側の1本鉄幹が伸びてるのが4号機であろうからこれでも穴藤ダムよりは下流側に立 地している。

おそらく鴻野山満水位である中津川第一の取水位が841.81mで,1〜3号機の有効落差が414mなので放水位は426m以下。中津川第二の取水位が 430mとなっているが,これは穴藤ダム満水位で,中津川廃一の放水は426m程度でなされてる感じか。
それよりも5m高い中津川第一4Gはギリギリ431m程度で穴藤ダムへ流し込める?



wikiの中津川第一発電所の項には
>発電所の放水路に(高野山ダムの)逆調整池として穴藤(けっとう)ダムを建設した。
という表現があって,普通に読めば中津川第一発電所の逆調整池なんだけどどうみても下流側で,高野山ダムの逆調整池だそうだが,高野山ダムの放水先は中津 川第一の筈が余った水を流す為のものらしい。。

少なくとも1〜3号機の12.9m3/sの一部は目の前の中津川に放流されることはあるとして4号機も中 津川への放流口はあるように見える。
そしてその中津川の標高は403m程度と中津川第二の取水位430m(穴藤ダムなど)よりは随分低い。中津川第二の取水位430mは最上流の穴藤ダム時点 のもとと思われて,中津川第一4号機。同1〜3号機,沖ノ原貯水池と順次標高は下がっていくものと思われる。

この辺現地に見に行きたい所である。穂積発電所辺りでも似たような調 整池が散見される(関東に多い・中部以西では余りみない。板東は広いぜ。。)が利水標は目にしないので現地へ行っても貯水量を確認出来そうにはないんだけ ど。。
これ以上は現地へ行かねば判らないのかもと か書いたけ ど現地訪問完璧な ダムマニアさんも関係無さそうと書いていたし却って現地では判りにくいのかも。
まあそうは云っても一度行ってこの眼で確認してきたい所。公文書館での許認可関係の調査も続行したい。

正面ヶ原頭首工(牛首頭首工)[場 所EL.358m
目的:潅漑(正面ヶ原用水)

中津川発電所と正面ヶ原開田[妻 有新聞]
 中津川電源開発は、都市に送る電力以外に地元の開田にも利用されました。大正8年正面ヶ原の開田事業の水源として県が発注し、用水が不足した際には、補 給をするという目的で、穴藤の中津川第2発電所の取水口から従来の秋成の古田用に合流するよう灌漑用水路が引かれました。
 この灌漑用水路は、発電所工事の軌道と併設してつくられたため度々問題を起こし、地元に設立された水利組合は引き渡しを拒否し、維持管理は昭和26年ま で電力側が行っていました。
 津南町史や反里口の頭首口に建立された石碑によれば、取水口から中深見の合流地点までには8か所の隧道があり、管理が大変でした。また水路の開閉権は電 力会社が握っており、充分な用水は供給できませんでした。
 中津川第一発電所が完成した大正13年夏には水不足が生じ、開墾が進んだ大正15年には、正面ヶ原の5分の4の水田が枯れ死寸前になり、電力会社の利害 に振り回されました(とはコメ:電力会社の応援をしたい私ではあるが,1960年的な国際的な資源ナショナリ ズムの嵐の国内地方版はこれまで先進国では発生してないよねぇ。。使用料を激増させてもっと地域が大資本からふんだくって地域住民に配分しても良いのかも しれない・・)。また軌道脇に併設されたことから中津川の氾濫をもろに受 け、昭和23年アイオン、24年にキティと立て続きに来襲した台風で地山もろ とも決壊し水田への用水は途絶えました。
 そこで多方面に陳情し、下流の石坂から揚水設備を設けたものの水路全体の老朽化が甚だしく現在の反り口頭首工工事に取り掛かりました。

第2章 〜用水と発電計画のアンハッピーな関係〜[山行が]
昭和43年に至って取水口をB(牛首頭首工)へ移す工事を起し、同時に水色の破線で描いた水路トンネルを開鑿して、現在に至るという。

正面ヶ原頭首工の石碑が語る第一隧道の新事実?![山行が]
暴れ川である中津川の谷底を走る町道の終点には、正面ヶ原頭首工という津南郷土地改良区が管理する施設があった。頭首工とは用水路の取水口のことであり、 これは正面ヶ原用水という灌漑用水の取水施設だった。


正面ヶ原頭首工[牛首]→(二期幹線用水)→([廃止]正面ヶ原揚水機場)・沖ノ原揚水機場[反里口]→[中深見・源内山調整池EL.502m]→ (一期幹線用水)→中深見→下船渡→(信濃川)[新潟県


沖の原貯水池[地 理院](EL.404m)      
貯水量:?万m3
湛水面積:2.9ha[推計]

余った水を沖ノ原で貯めて置きたい所だが貯水量不明。基本的に1〜3号機を動かす12.90m3/sがあれば中津川2号機13.91m3/sを動かすに十 分なのである。

東京電力リRP(株) 中津川第二発電所[水 力]      
所在地:新潟県中魚沼郡津南町芦ヶ崎
運開:1922.11[信越電力(株)]
水路式・調整池式
認可最大出力:22,500kW→20,700kW[1994年]→22,500kW        常時出力: 7,420kW[33.0%]
最大使用水量:13.91m3/s
有効落差:171.25m
水車:立軸フランシス水車ラ1台、横軸カプラン水車ラ1台 総出力23200kW
導水路:総延長6970.9m
流域面積:317.6平方キロメートル=穴藤ダムと同じ
取水:中津川[穴藤ダム]430.00m+ 中津川第一発電所(Q=36.44m3/s・放水位:不明)→沖野原調整池[410m 程度??]
放水:中津川[信濃川]・下船渡発電所230.36m

以下,下船渡発電所で発電して信濃川に放水される。戦後になって中津川第二と信濃川発電所との間の未利用落差を利用して追加された発電所ということの様 だ。水量は中津川第二と完全一致である,

東京電力RP(株) 下船渡発電所[水 力]      
運開:1954.1
 水路式流込式
    認可最大出力:6,100kW     常時出力:2,800kW[45.9%]
    最大使用水量:13.91m3/s
    有効落差:52.34m
    水車: 出力6800kWラ1台
    導水路:総延長3984.3m
    流域面積:342.6km2
    取水:中津川第二発電所、中津川[こ の堰(地理院)は下船渡の取水堰か?] 232.00m
    放水:信濃川171.14m

さて,このどうも水を無駄に使ってるように見える(沖ノ原で或程度使いこなせたとしてもそれ程デカいようには見えない上に,逆調整池の為に穴藤ダムを建設 する程,水が溢れる高野山の高高度の水を使いこなせない上に,穴藤ダムの満水位と中津川第二の取水位に30m程差もあってそれも使いこなせてない気がす る。)


1−2.ネット調査
現地を視認しに行きたいところであるが,如何せん奈良住みの静岡出身者にとっては新潟は遠い。長野や富山やしんどかったけど九州北部ぐらいまでは日帰りの 実績はあるが,新潟は郷里の掛川からでもちと勿体ない感じはある(ただ檜枝岐や只見までは日帰り往復したので不可能ではない。)
まずはネット調査である。

調べが進むと穴藤ダ ムは中津川第一の放流水の逆調整池として機能している(≒中津川第一は発電後放流水を穴藤ダムに叩き込む)との記述もあるようだ。『ダム、が好き。』
どうやら戦後の発電所再 開発事業の中で地形の中に無理矢理いれこ んだっぽい。(但し水 力.comさんの記載にも中津川第一の放水先に穴藤ダムの記載は無い。)

なんか人口的で好きになれない高野山や沖ノ原だけどちゃんと機能してるらしい。
それにしてもどうやって穴藤に貯めてんだ?中津川第一のおそらく後補の4号機は1〜3号機の落差より一寸小さい=高いところに設置ということでなんとかし ているのかも?

『ダムマニア』さんは>左手は 1971年(昭和46年)に増設された4号機。
>この増設に併せ穴藤ダムが建設されるとともに高野山ダムが再開発されました。
>堤体直下に中津川第一水力発電所があるが、こちらの発電所はこのダムには関係ない模様。
としている。

『Damstyle』さ んも
>直下にある発電所。ダムとの規模がアンバランスだと思ったら関係ないらしい。
と無関係説。

『ダ ムの訪問記』さんなんかは
>ダム直下に中津川第1発電所がありますが穴藤ダムと直接的な水のやり取りはありませ ん。
と断言されている。
一方で
>左手は1971年(昭和46年)に増設された4号機。
>この増設に併せ穴藤ダムが建設されるとともに高野山ダムが再開発されました。
とも書いておられて整備は連動していることは認めている。

因みに似た様な悶絶関係に百々ダムと矢作第二発電所(無関係らしい・ 悶絶確定),川原樋発電所と猿谷ダム導水取水堰堤(林道 閉鎖で近づけず),祖谷発電所と 高野発電所若林堰堤(此処は大丈夫そう),海川第二と第三(ここも大丈夫) 等がある。

まあこれ以上は現地へ行かねば判らないのかも。とりま現状を調べてみる。(23.3末,掛川から 日帰り(朝五 時発・深夜1時帰宅)で伊南川流域と只見ダムから宮下発電所迄結構総嘗めに出来,帰りは関越道経由で帰って来た。こんな感じなら中津川探訪も十分可能で兪 (いよいよ) 実行が視野に入ってきたと云えよう。)→結論はこちら(ハッピーエンドであった♪)


1−3.国立公文書館!
新潟は遠いけど東京なら出張等を組み込んで行けるぞと,国 立公文書館で許認可の文書を調べてみた。
以下は公文書館で判った範囲を報告してみる。もう信越電力と大書きされた表紙からハート鷲掴みに来るw


申請の概要
さて上の表紙は信越電力のものであるが,時は流れて東電の拡張に関する申請書。書類の読みにくさは時代が信越電力とか日本発送電の時代とあんま変わらない ように見える。。
>野反ダムからの放流量を四季を通じて8m3/s(現在冬期4月間4m3/s)とし,更に,高野山調整池の拡張及びピーク化に伴う放流量の増大に対 処する為,逆調ダム(中津川第二PSに係る穴藤ダムとなる。)を築造 するなど所要の変更を行うものである。

しかし膨大な量の写真を撮ってきたけどあんま使える資料無いなぁ。。写真取るのが下手すぎる(汗)

2.結論   

2−1.【大団円】    
冒頭の疑問ネット調査では深まったが,さすが公文書館,決定的な記述は見つ かって,中津川穴藤問題はハッピーエンドを相成ったのである。穴藤ダムという単語こそ無いが,「上流側に設ける」とか「高42.3m」は穴藤ダムの堤高43mや位置関係に完全一致する。


ピーク化に伴う新設後補の中津川第一4号機の放流水を逆調ダムとして一旦穴藤ダムに貯めて中津川第二発電所で使うと云う事で決着である。
4号機:23.54m3/sで穴藤ダム有効貯水量:58.0万m3であるから6.8hで一杯になって後はゆったり流すだけということになる。
中津川第二と下船渡の水量は13.91m3/sであるから11.6hかけて使い切る必要がある。
使い切るのかって感じもあるけど,そもそも水源の高野山調整池への導水路も12.90m3/sしかないので水を56.0万m3も貯められるのかって方が重要なのかも。貯めるのに12h程掛かるようだ。
実際は尖頭需要は6時間より短い感じだからもうちと余裕はありそうな感じはある。


結論が前向きなのが得られて大団円迎えられたからといって中津川まで遙々出かけていく旅費が節約できた訳ではないのが趣味の趣味たる所w
遠いけといつかいくんやろなぁ。。

2−2.おさらい    

まあ後は判明したことを記述して全体の諸元を再掲していく。
上流篇:野反ダム(2,675万m3)→渋沢ダム(7.5万m3)→切明 (20MW/11m3/s)中流篇:高野 山ダム(56万m3)→中津川第一 (12.6MW・36.44m3/s)→穴藤(けっとう)ダム(58万m3)下流篇:中津川第二(22.5MW/13.91m3/s)→下船渡 (6.1MW/13.91m3/s)→(信濃川)

〜沿川風景〜
<上流篇>

野反ダム
堤高:44m (EL.1,517m) 堤長:152.5m
野反貯水池
常時満水位:EL.1514m 最低水位:EL.1489.0m
総貯水容量:28,700m3 有効貯水量:28,400m3→単位が千m3の間違い?(現在は便覧に拠れば 27,050千m3/26,750千m3である。)

渋沢ダム

[中一]魚野川取水堰堤

〜雑魚川〜

[切明]雑魚川取水堰堤

[切明]外川沢取水堰堤


[中一]雑魚川取水堰堤

切明発電所



魚ノ川(中津川)堰堤・雑魚川堰堤・切明発電所・沈砂池の位置関係図:
出典:東 電
<栄村> =長野県(信濃国)
───・・───・・───・・───・・───
<津南町> =新潟県(越後国)

[中一]沈砂池(切明発電所放水口)

切明発電所から沈砂池へ雑魚川を渡っているがこれが県境でもある。
雑魚川が県境を構成しているので中津川第一と切明の両発電所の雑魚川の取水堰堤は正式には両県に属している。

<中流篇>
以下,渓流取水口を連ねて高野山調整池に至る。

[中一]清水沢
渓流取水口

[中一]白沢横坑
渓流取水口

[中一]不動滝
渓流取水口

[中一]愛ノ沢or滝ノ沢?
渓流取水口

[中一]〇上沢or第七沢?
渓流取水口

[中一] 日暮沢横坑
渓流取水口

[中一]夫婦沢or東○沢
渓流取水口


上結東砂防堰堤 (砂防ダム)[jumbo-news
高さ:33m
流域:299.0km2(とは調べ)


(株)関電工 上結東水力発電所(かみけっとう)[kiss.f5][関電工] [場 所][jumbo-news
運開:2020.5
砂防ダム活用式・流込式
出力(kW):990
発電量:約6,500MWh/年
有効落差約21m
水量:5.5m3/s程度?(とは推定)
流域:約300km2(とは計測)
水車:立軸チューブラ水車(設置面積狭可)
取水:中津川[上結東砂防堰堤]523m
放水:中津川495m?

いわんこっちゃない,,どでかい開発構想してるうちにしょぼいの乱立して開発しにくくなっとる。。とはいえさすが中津川,小水力も規模がデカ目♪

上結東水力発電所の運転開始  〜既存の砂防ダムを活用した水力発電所〜
https://www.kandenko.co.jp/news/2020/20200713.html
2020年07月13日

株式会社関電工(本社 東京都港区、取締役社長 仲摩俊男)が、新潟県中魚沼郡に建設していた上結東水力発電所が完成し、運転を開始いたしました。当社が 開発する水力発電事業としては、2例目となります。

同発電所は、信濃川水系中津川に既存の上結東砂防堰堤 (砂防ダム)の落差を有効活用した、流れ込み式水力発電所です。昭和36年に作られた砂防ダムの脇に発電所を新設し、発電用の 立坑に加えて、土砂対策の排砂立坑を設置した点、砂防ダム建設時の排水路トンネルを、放水路として利用するため(減水区間が短く)河川環境への影響が少な い点が特徴です。

一般家庭約1,200世帯分の年間消費電力量に相当する、約6,500MWh/年の電力を発電し、長期(固定価格買取制度期間は20年)にわたり売電を行 う計画です。

【(株)関電工】 上結東水力発電所の運転を開始
https://jumbo-news.com/19808/
2020/8/4 ・ ニュース 電設業界ニュース

同社はダムの33 mの堤高に着目し、ダムの脇に発電用の立坑(40 m、写真2)を掘削し、発電所を新設(写真3)。
そして、流れ込み式水力発電所(有効落差約21 m)としてダムを有効活用した。同発電所の特徴は以下の2点である。

@ 排砂立坑の設置
水量が増し濁流となると、発電所に砂や土砂が入りやすくなり、故障の原因となる。そこで、電力中央研究所で水利模型実験を実施し、それをもとに土砂対策の 排砂立坑を設置した。

A 環境への配慮
砂防ダム建 設時の仮排水路を発電所放水路として再利用したことで、減水区間が120 mと短く、河川環境への影響が少ない。

B 立軸チューブラ水車の採用
国内では実績の少ない立軸チューブラ水車(写真4)を採用し、発電所開発面積を最小限にした。

オーム社「電気と工事」2020年9月号掲載




高野山(こうのやま)ダム[水 力][地 理院][wiki] [公文書館][東 電
目的:発電 
堤高:33m、堤頂長:380m、
総貯水容量:57.8万m3 /  有効貯水容量:56.0万m3
集水面積:218.8 平方キロメートル     湛水面積: 0.07平方キロメートル
取水:中 津川(切明P/S余水吐付近)雑 魚川切 明発電所・途中の沢(清水沢・白沢・不動滝・滝ノ沢?・第七沢?・日暮沢・東○沢)[公文書館]←コピーが撮れず写真のみだが恐ろしく不鮮明な写真しか撮れてなかったw再訪したい。
放水:中 津川第一発電所穴 藤ダム中 津川
着工/竣工:1968/1971

遥かEL.830m程の高い場所から一気に中津川の深い河岸段丘の底に水を落として発電する。放水位が不明のようであるが。
56.0万m3は最大使用水量36.44m3/sで動かすと4.2h持つ量(余り多くはない)。内径2.9mの主導水管でどれだけ供給できるのであろう か?




使用水量(m3/s)
最大出力
発電所
最大
常時
(kW)
中津川第一
(11.94)
36.44
(4.84)
5.11
(31,500)
127,000
中津川第二

13.91
(5.96)
6.44

18,000
( )は現況
 
東京電力RP(株) 中津川第一発電所[水 力][DB] [公文書館][東 電]      
所在地:新潟県中魚沼郡津南町穴藤
運開:1924.9[信越電力(株)]
水路式・調整池式
認可最大出力:126,000kW   常時出力:13,900kW[11.0%]<水車容量と使用水量
最大使用水量:36.44m3/s 最大取水量:12.90m3/s[]
    1〜3号機:12.90m3/s      4号機:23.54m3/s
有効落差:414.88m(1〜3号機)         409.58m(4号機)
導水路:総延長18827.7m トンネル内径:2.9m
流域面積:218.2km2<取水量と取水域
取水:切明発電所雑魚川中津川(魚野川)→渓流等→高野山調整池[高野山ダム]<取水位と放水位
放水:中津川第二発電所[ 沖の原貯水池]・中津川(地 理院EL.408m)・穴藤ダム(4号機のみ?)841.81m

<取水量と取水域>   
中津川第一発電所主水源(222.3km2)

巨大なシステム過ぎてよく判ってなかったけど結局こういうことらしい。まともなダムがある訳ではなく規模に反して水が足りなかったので野反湖を建設したと云うことらしい。
4号機の整備で 最大使用水量:36.44m3/sとなったが,最大取水量:12.90m3/sは4号機増設前のままで取水量としては昔のままとなっているらしい。
詰まり4号機の大量の23.54m3/sの水は高野山調整池に貯めた分で行うということのようだ。

また流域面積:218.2km2となっているけど雑魚川上流では樽川方面へ

<水車容量と使用水量>   
最大使用水量:36.44m3/s( 1〜3号機合計:12.90m3/s 4号機:23.54m3/s) 最大取水量:12.90m3/s
水車:4台 総出力131400kW(横軸ペルトン水車×3台、立軸フランシス水車×1台)
(1号機:13,300kW,2号機:13,400kW,3号機:13,300kW[1〜3号機計:40,000kW],4号機:86,000kW 合計 126,000kW)

※1:3x+y=131,400kW 12.9m3/s:23.54m3/s=3x::y (1〜3号機)x=15,500kW×3(=46.5MW)  (4号 機)y=84,900kW程度か?
→謎の多い中津川第一であるが資料発見![東 電
1〜3号機で12.90m3/sで40MW(η=76.3%)であった。使用水量は各機4.3m3/sか?
で,4号機はη=91.0%?!高野取水位から穴藤までの総落差が409mで有効落差はもっと小さいのでは??

<取水位と放水位>   
取水位:
DBに記された3つの取水位はそれぞれ以下の由来だと思われる:
 852.26m(切明発電所放水位:851.38m[DB]か?)
 860.43m(中津川取水堰堤[地 理院EL.863m]か?)
 841.81m(高野山ダム満水位[地 理院EL.842m]か?)[DB]
放水位:
DBには放水位は明記されていない。以下が推定値となる:
 1・2・3号機:430m(中津川第二発電所取水位=穴藤ダム満 水位となっているが実際は沖の原貯水池の404mが基準と思われる)
 4号機:435m?(1・2号機よりも 5m程有効落差が小さい)

穴藤(けっとう)ダム[便覧][水 力][地 理院]][wiki] [東 電][公文書館]    
河川     信濃川水系中津川
目的/型式     P/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     55.3m/130m/96千m3
流域面積/湛水面積     317.6km2 ( 全て直接流域 ) /6ha
総貯水容量/有効貯水容量     630千m3/580千m3
ダム事業者     東京電力(株)
着手/竣工     1969/1972
給水先:中津川第二発電所(取水位430m・沖ノ原調整池は403m程度の模様。)
満水位:430m[地図だと424m程]

wikiの中津川第一発電所の項には
>発電所の放水路に(高野山ダムの)逆調整池として穴藤(けっとう)ダムを建設した。
という表現があって,普通に読めば中津川第一発電所の逆調整池なんだけどどうみても下流側で,高野山ダムの逆調整池だそうだが,高野山ダムから穴藤ダムへ 余水吐っぽいものがあるが,これだけでは流石に無駄である,

少なくとも1〜3号機の12.9m3/sの一部は目の前の中津川に放流されることはあるとしても(放流水が写ってる写真も見た),4号機も中 津川への放流口はあるように見える,そしてその中津川の標高は403m程度と中津川第二の取水位430m(穴藤ダムなど)よりは随分低いと云う事 で,放水面近くで発電した方が有利だとするとこんな高いのはどうも水は使われてないと云う結論に達せざるを得ない(DBの放水位が不明なのが話をややこしくしている)。

所が,どうも新設4号機 の排水は穴藤ダムへ放流 されてるようであった。。
確かに,4号機の有効落差は 1〜3号機と比べて 小さく数m高い場所で発電,従って放水しているようである。そして新設4号機と穴藤ダムは1972年の再開発事業での設置とすれば辻褄はあう。有効落差と高野山調整池の満水位とおぼしき数値(これも三つ説明無しで載ってて)

この辺現地に見に行きたい所である。穂積発電所辺りでも似たような調 整池が散見される(関東に多い・中部以西では余りみない。板東は広いぜ。。)が利水標は目にしないので現地へ行っても貯水量を確認出来そうにはないんだけ ど。。
これ以上は現地へ行かねば判らないのかもと か書いたけ ど現地訪問完璧な ダムマニアさんも関係無さそうと書いていたし却って現地では判りにくいのかも。
まあそうは云っても一度行ってこの眼で確認してきたい所。公文書館での許認可関係の調査も続行したい。

中津川第一直下に沈 砂池っぽいものもある様だ。地理院計測でEL417mとのこと。

沖の原貯水池[地 理院](EL.404m)      
貯水量:?万m3
湛水面積:2.9ha[推計]

余った水を沖ノ原で貯めて置きたい所だが貯水量不明。基本的に1〜3号機を動かす12.90m3/sがあれば中津川2号機13.91m3/sを動かすに十 分なのである。

東京電力リRP(株) 中津川第二発電所[水 力]      
所在地:新潟県中魚沼郡津南町芦ヶ崎
運開:1922.11[信越電力(株)]
水路式・調整池式
    認可最大出力:22,500kW→20,700kW[1994年]→22,500kW        常時出力: 7420kW
    最大使用水量:13.91m3/s
    有効落差:171.25m(基準は沖ノ原調整池(405m 程度?)っぽい)
    水車:立軸フランシス水車×1台、横軸カプラン水車×1台 総出力23200kW
    導水路:総延長6970.9m
    流域面積:317.6km2=穴藤ダムと同じ
    取水:中津川[穴藤ダム430.00m+ 中津川第一発電所(放水位:不明)→沖野原調整池[405m 程度??]
    放水:中津川[信濃川]・下船渡発電所230.36m

以下,下船渡発電所で発電して信濃川に放水される。戦後になって中津川第二と信濃川発電所との間の未利用落差を利用して追加された発電所ということの様 だ。水量は中津川第二と完全一致である,
穴藤ダムから沖ノ原迄7km程導水する間に430mから405mと25m程下がる様子である。水路勾配は3.5‰といった所か?
有効落差は171m程度なので放水位230mとすると損失落差は405mなら5m程度とよく見るやつとなる。

東京電力RP(株) 下船渡発電所[水 力]      
運開:1954.1
 水路式流込式
    認可最大出力:6,100kW     常時出力:2,800kW[45.9%]
    最大使用水量:13.91m3/s
    有効落差:52.34m
    水車: 出力6800kWラ1台
    導水路:総延長3984.3m
    流域面積:342.6km2
    取水:中津川第二発電 所、中津川[こ の堰(地理院)は下船渡の取水堰か?元々中津川第三の取水堰だった?] 232.00m     
    放水:信濃川171.14m

詰まり,現状でも穴藤は 中津川第一と第二の間で調整池の役割を果たしているという事である。

また中津川第一から第二迄結構長いので高低差がそこそこ失われている様だ。その辺も何とかしたい気もする。



〜大門川〜

東北電力株式会社 灰雨発電所[場 所][水力
 昭和 4(1929)年11月  :運用開始
水路式・調整池式
    認可最大出力:850kW      常時出力:177kW
    最大使用水量:1.59m3/s
    有効落差:73.64m
    水車:横軸フランシス水車 出力784kW×1台
    導水路:総延長497.4m
    流域面積:10.8km2
    取水:大門川[→調 整池]302.09m
    放水:信濃川224.40m




(中津川[→別頁])[EL.212m]

(中津川)下船渡発電所放水口171.14m[EL.178.3m]

(清津川[→別頁)[EL.172,1m (信濃川発電所放水口至近)]

東京電力RP(株) 信濃川発電所[wiki] [水 力][場 所
水利権取得・会社設立:1918[信越電力(株)…東京電灯と鈴木商店の合弁(→昭和恐慌を期に東京電灯に吸収される)] 着手:1936 運開: 1939.11(第一期・発電所計画5台中3台)・1940.11(第二期・残る2台)
出力:認可最大出力:177,000kW 常時出力:112,000kW 平均発電電力量:約1,300,000MWh/年(13億キロワット時)
最大使用水量:171.133m3/s(水利使用標識、実使用量)  最大使用水量:179.50 立方メートル毎秒(試験量)
有効落差:109.97m  (▲19m)
水車:水車×5台 総出力195000kW
導水路:総延長41,291.9m(2条 分)
流域面積:7,020.0km2
取水:信濃川[西大滝ダム]295.76m
放水:信濃川[宮中ダム]168.79m


宮中取水ダム[水 力][場 所
旧称:宮中(みやなか)ダム
JR東日本(東日本旅客鉄道(株))
着手/竣工:1919/1939
堤高:16.8m、堤頂長:330.8m
容量
 総貯水容量:97.0万m3
 有効貯水容量:71.0万m3
面積
 流域面積:7841.0km2 (以下3発電所いずれもこの数値で途中での取水は無し)
 湛水面積:  0.21平方キロメートル
取水:信濃川[信濃川発電所・下船渡発電所]166
放水:第一導水路(川岸側)・第二導水路(山端側) (いずれも仮称)