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とはずがたりな掲示板 ( 電 力スレ 利 水スレ )
20.10.20運開
中津川(信濃川水系・新潟県)【現況篇】

調査篇
現況篇
野反ダム(2,675万m3)→渋沢ダム(7.5万m3)→切明 (20MW/11m3/s)→高野 山ダム(56万m3)→中津川第一 (12.6MW・36.44m3/s)→穴藤(けっとう)ダム(58万m3)→中津川第二(22.5MW/13.91m3/s)→下船渡 (6.1MW/13.91m3/s)→(信濃川)
開発篇=未

現状
https://japonyol.net/editor/article/nozori-dam.html
https://dammania.net/gunma/nozori.html
http://yosuzumex.daa.jp/dam/nozori/nozori_03.html
http://www.suiryoku.com/gallery/nagano/kiriake/kiriake.html
http://damnet.or.jp/cgi-bin/binranA/All.cgi?db4=0603
http://maps.gsi.go.jp/#15/36.718470/138.641732/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1

https://www.lakes-japan.net/lake/lakeNozori/lakenozori.html
https://www.tepco.co.jp/rp/business/hydroelectric_power/mechanism/dam/list/nozori.html
野反(のぞり)ダム      
東京電力RP(株)
目的:発電
群馬県吾妻郡中之条町←なんと長野県を通り越して水源地は長野県にあった。すげえなあ。奥深い本州山岳地帯。標高日本一らしい
着工/竣工:1953(S28)/1956.6
堤高:44.00m、堤頂長:152.50m
     総貯水容量:2,705.0万m3    有効貯水容量:2,675.0万m3
    集水面積:16.56km2  ( 直接集水面積:9.29km2    間接集水面積:7.27km2(北沢・ハンノ木沢) )
    湛水面積: 1.80平方キロメートル
     天端標高:1517m
    満水位標高:1513m
    低水位標高:1489m
     基礎標高:1473m
導水:北 沢[1.9m3/s]→ハ ンノ木沢(攀の木沢)[2.83m3/s]→[野反ダム][野反貯水池放流量6.00m3/s]1505m→千沢(自然(河川)流下)→[渋沢ダ ム]→


国 立公文書館で中津川第一PSを調べたら野反ダムに関しても見つかって中津川第一のピーク化に伴い,野反ダムの増強も図られた様だ。以下画像は公文 書より。

野反ダム
堤高:44m (EL.1,517m) 堤長:153m
常時満水位:EL.1514m 最低水位:EL.1489.0m
総貯水容量:28,700m3 有効貯水量:28,400m3→単位が千m3の間違い?(現在は便覧に拠れば 27,050千m3/26,750千m3である。)

使用水量(m3/s)
最大出力
発電所
最大
常時
(kW)
中津川第一
(11.94)
36.44
(4.84)
5.11
(31,500)
127,000
中津川第二

13.91
(5.96)
6.44

18,000
( )は現況

この増強に伴い,野反ダムの最大取水量が4.00m3/sから最大8.00m3/sに引き上げられることになった様である。(現在の最大取水量は 6.0m3/s??)



まず最初の謎は,何故野反ダムから渋沢ダム迄 500mも下げるのに発電をしないんだって事である。集水面積が 16.56km2しかないからまあ精々1.6m3/s程度だから?と思ったけど雀さんによると最大 6.00m3/sも取水してるようだ!(中津川第一のピーク化に伴う措置らしい)
上信越高原国立公園内で開発許可が下りなかったのか?地下に造るとか色 々あるだろうに。普段からそんなに持続的に貯めてる訳でもなくピーク時に使うと云う運用だからってのもあるのであろう。

また大高沢・中高沢からも取水出来そう。

まあ面積は極小で3.4km2しかない。0.3m3/sが精々である。

しかし併せて20km2となると云う事で2.0m3/s程度を設定するだけで6.9MWにもなる。

[妄想]渋沢発電所or奥中津川発電所      
出力:13,800kW[+13.8MW]
水量:2.0m3/s
落差:417m

ピーク用に水量を2倍にすれば13.8MW位にはなりそう♪


渋沢(しぶさわ)ダム[水力] [便覧][wiki]       
河川     信濃川水系中津川
目的/型式     P(切明発電所)/重力式コンクリート
堤高:20.7m、堤頂長:33.8m
流域面積/湛水面積     77.3km2 ( 全て直接流域 ) /1ha(0.03km2)
総貯水容量:22.0万m3  有効貯水容量: 7.5万m3
ダム事業者     東京電力(株)
本体施工者     前田建設工業
着工/竣工: 1953(S28)/1955
導水:[野反ダム]1505m→(千沢経由)→[渋 沢ダム]1082m→切明発電所

地 図ではそんなダムがある様には見えない程度の小さいダム。

>中津川を流れる水を利用した水力発電所の建設が大正時代に行われており、戦後間もなく水利権を継承した東京電力によって再開発されることになっ た。中津川の水源はダムでせき止められ、広大な人造湖・野反湖が誕生した。
>切明発電所ならびに渋沢ダムの新設は、これと同時期に行われている。1953年(昭和28年)に着工、1955年(昭和30年)に完成した。渋沢 ダムは野反湖の下流に位置し、平常流れる水のほか、水不足の際には野反湖の水が放流され、これを補給水として取り入れることもできる。[wiki

中津川第一発電所中津川堰堤


中津川第一発電所 雑魚川堰堤


東京電力RP(株) 切明発電所[水力] [DB       
運開:1955.11
水路式調整池式
認可最大出力:20,000kW   常時出力:4,800kW[24.0%]
最大使用水量:11.00m3/s[0.63]
    有効落差:213.00m
    水車: 出力22000kW×1台
    導水路:総延長11340.2m(2条分)、
    取水位標高:1076.0 m(渋沢ダム)
    取水位標高:1074.0 m
    取水位標高:1073.8 m
    流域面積:174.9km2
    取水:中 津川[渋沢ダム]1083m、雑 魚川取入口外 川沢?
    放水:中津川第一発電所、雑魚川 851.38m


切明発電所放水口


<栄村> =長野県(信濃国)
───・・───・・───・・───・・───
<津南町> =新潟県(越後国)


高野山(こうのやま)ダム[水 力][地 理院][wiki] [公文書館]      
目的:発電 
堤高:33m、堤頂長:380m、
     総貯水容量:560,000立方メートル
    有効貯水容量:560,000立方メートル
    集水面積:218.8 平方キロメートル     湛水面積: 0.07平方キロメートル
取水:中 津川(切明P/S余水吐付近)雑 魚川切 明発電所・途中の沢(清水沢・白沢・不動滝・滝ノ沢?・第七沢?・日暮沢・東○沢)[公文書館]←コピーが撮れず写真のみだが恐ろしく不鮮明な写真しか撮れてなかったw再訪したい。またよっき8号B渓流取水口という看板を発見している。
放水:中 津川第一発電所穴 藤ダム中 津川
着工/竣工:1968/1971

遥かEL.830m程の高い場所から一気に中津川の深い河岸段丘の底に水を落として発電する。放水位が不明のようであるが。

東京電力RP(株) 中津川第一発電所[水 力][DB] [公文書館]      
所在地:新潟県中魚沼郡津南町穴藤
運開:1924.9[信越電力(株)]
水路式・調整池式
認可最大出力:126,000kW   常時出力:13,900kW[]
最大使用水量:36.44m3/s
    1~3号機:12.90m3/s      4号機:23.54m3/s
有効落差:414.88m(1~3号機)         409.58m(4号機)
    水車:4台 総出力131400kW(横軸ペルトン水車×3台、立軸フランシス水車×1台) 3x+y=131,400kW 12.9m3/s:23.54m3/s=3x::y (1~3号機)x=15,500kW×3(=46.5MW) (4号 機)y=84,900kW程度か?
    導水路:総延長18827.7m
取水位:852.26m(切明発電所放水位:851.38m[DB]か?)/860.43m(中津川取水堰堤[地 理院EL.863m]か?)/841.81m(高野山ダム満水位[地 理院EL.842m]か?)[DB]
放水位標高:不明m[DB]→1・2・3号機:430m(中津川第二発電所取水位=穴藤ダム満水位)・4号機435m?(1・2号機よりも 5m程有効落差が小さい)
    流域面積:218.2km2
    取水:高野山調整池[高野山ダム]
    放水:中津川第二発電所[ 沖の原貯水池]・中津川(地 理院EL.408m)841.81m
    水車:横軸ペルトン水車×3台、立軸フランシス水車×1台 総出力131400kW
    取水:切明発電所+雑魚川+中津川→渓流等→高野山調整池[高野山ダム]

有効落差が5m程低い(高い所に設置されている?)4号機が穴藤ダムに放流しているとか?両者ともに1970年代に同時に追加されたされた設備なので平仄 はあう。
とは言え空 撮写真でも下流側に鉄管が3本伸びてるのが1~3号機建屋で上流側の1本鉄幹が伸びてるのが4号機であろうからこれでも穴藤ダムよりは下流側に立 地している。

おそらく鴻野山満水位である中津川第一の取水位が841.81mで,1~3号機の有効落差が414mなので放水位は426m以下。中津川第二の取水位が 430mとなっているが,これは穴藤ダム満水位で,中津川廃一の放水は426m程度でなされてる感じか。
それよりも5m高い中津川第一4Gはギリギリ431m程度で穴藤ダムへ流し込める?

穴藤(けっとう)ダム[便覧][水 力][地 理院]][wiki] [東 電][公文書館]      
河川     信濃川水系中津川
目的/型式     P/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     55.3m/130m/96千m3
流域面積/湛水面積     317.6km2 ( 全て直接流域 ) /6ha
総貯水容量/有効貯水容量     630千m3/580千m3
ダム事業者     東京電力(株)
着手/竣工     1969/1972
給水先:中津川第二発電所(取水位430m・沖ノ原調整池は403m程度の模様。)
満水位:430m[地図だと424m程]

wikiの中津川第一発電所の項には
>発電所の放水路に(高野山ダムの)逆調整池として穴藤(けっとう)ダムを建設した。
という表現があって,普通に読めば中津川第一発電所の逆調整池なんだけどどうみても下流側で,高野山ダムの逆調整池だそうだが,高野山ダムの放水先は中津 川第一の筈が余った水を流す為のものらしい。。

少なくとも1~3号機の12.9m3/sの一部は目の前の中津川に放流されることはあるとしても(放流水が写ってる写真も見た),4号機も中 津川への放流口はあるように見える,そしてその中津川の標高は403m程度と中津川第二の取水位430m(穴藤ダムなど)よりは随分低いと云う事 で,放水面近くで発電した方が有利だとするとどうも水は使われてないと云う結論に達せざるを得ない。

所,どうも新設4号機の 排水は穴藤ダムへ放流 されてるようであった。。
確かに,4号機の有効落差は 1~3号機と比べて 小さく高い場所で発電,従って放水しているようである。そして新設4号機と穴藤ダムは1972年の再開発事業での設置とすれば辻褄はあう。

この辺現地に見に行きたい所である。穂積発電所辺りでも似たような調 整池が散見される(関東に多い・中部以西では余りみない。板東は広いぜ。。)が利水標は目にしないので現地へ行っても貯水量を確認出来そうにはないんだけ ど。。
これ以上は現地へ行かねば判らないのかもと か書いたけ ど現地訪問完璧な ダムマニアさんも関係無さそうと書いていたし却って現地では判りにくいのかも。
まあそうは云っても一度行ってこの眼で確認してきたい所。公文書館での許認可関係の調査も続行したい。

中津川第一直下に沈 砂池っぽいものもある様だ。地理院計測でEL417mとのこと。

沖の原貯水池[地 理院](EL.404m)      
貯水量:?万m3
湛水面積:2.9ha[推計]

余った水を沖ノ原で貯めて置きたい所だが貯水量不明。基本的に1~3号機を動かす12.90m3/sがあれば中津川2号機13.91m3/sを動かすに十 分なのである。

東京電力リRP(株) 中津川第二発電所[水 力][wiki]       
所在地:新潟県中魚沼郡津南町芦ヶ崎
運開:1922.11[信越電力(株)]18.0MW/
水路式・調整池式
    認可最大出力:18,000kW→20,700kW[1994年]→22,500kW※        常時出力: 7420kW
    最大使用水量:13.91m3/s
    有効落差:171.25m
    水車:立軸フランシス水車×1台、横軸カプラン水車×1台 総出力23200kW
    導水路:総延長6970.9m
    流域面積:317.6km2=穴藤ダムと同じ
    取水:中津川[穴藤ダム430.00m+ 中津川第一発電所(放水位:不明)→沖野原調整池[405m 程度??]
    放水:中津川[信濃川]・下船渡発電所230.36m

※:穴藤ダムから発電所直上の調整池までに存在するわずかな落差を利用した水車発電機が増設され、2万2,500キロワットとなっている。 [wiki

以下,下船渡発電所で発電して信濃川に放水される。戦後になって中津川第二と信濃川発電所との間の未利用落差を利用して追加された発電所ということの様 だ。水量は中津川第二と完全一致である,
穴藤ダムから沖ノ原迄7km程導水する間に430mから405mと25m程下がる様子である。水路勾配は3.5‰といった所か?
有効落差は171m程度なので放水位230mとすると損失落差は405mなら5m程度とよく見るやつとなる。

[廃止]中津川第三発電所[wiki
着手:1919.6(中津川水電) 運開:1921(信越電力)
出力:860kW
中津川水系での発電事業は、明治末に設立された地元資本による魚沼水電が最も古かったが、同社が大正2年(1913年)に獲得した中津川の水利権は、神戸の資本を中心に 設立された中津川水電によって大正5年(1916年)に買収され、この会社が中津川水系での発電計画を大幅に拡大し、第一・第二発電所からなる後の計画の骨子を作った。 だがそれから間もない大正8年(1919年)7月28日に、東京電燈の子会社である信越電力が、中津川水電を吸収合併するのである。

…(信越電力による中津川水電の)吸収合併直前の大正8年(1919年)6月に中 津川水電が第一・第二発電所の工事に使用する電動力供給を目的とした補助発電所(第三発電所)の建設に着手した…。…信越電力…は、中津川水電が途中まで 進めていた補助発電所工事を引き継いで大正10年(1921年)5月18日にこれを完成させ、同社としては最初の電力供給事業を地元に対して小規模に開始している。
山行が『中津川発電所工事用電気軌道机上調査編』

>母に聞いたら「私が嫁に来た頃にはあった気がする」と言っていました。
>調べてみると、その中津川第3発電所はなんと、私が生まれた年に廃止され、代わりに現在の下船渡発電所が出来たのだそうです。
大好き!津南

東京電力RP(株) 下船渡発電所[水 力]      
運開:1954.1
 水路式流込式
    認可最大出力:6,100kW     常時出力:2,800kW[45.9%]
    最大使用水量:13.91m3/s
    有効落差:52.34m
    水車: 出力6800kW×1台
    導水路:総延長3984.3m
    流域面積:342.6km2
    取水:中津川第二発電 所、中津川[こ の堰(地理院)は下船渡の取水堰か?] 232.00m
    放水:信濃川宮中ダム]171.14m