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新宮川[天ノ川・十津川・熊野川] 吉野川・吉野川分水紀ノ川用水・吉野分水
20.9.27運開

紀の川・吉野川開発(現況篇)

概要[→概要篇
水利用の 現状 
概要図

沿川風景
紀の川大堰 新六ヶ頭首工(2.64m3/s) 岩出頭首工(15.76m3/s) [貴志川: 諸井堰 山田ダム(1.7m3/s・337.0万m3)] 藤崎頭首工(7.55m3/s) 小田頭首工(7.21m3/s) [大和壬生川: 西吉野頭 首工(5.81m3/s) 西吉野第二発電所 西吉野第一発電所(←十津川:猿谷ダム(16.7m3/s・1,730.0万m3))]  

~紀の川沿川風景~

紀の川大堰[便覧][wiki]     
目的/型式     F/堰
堤高/堤頂長/堤体積     7.1m/542m/千m3
流域面積/湛水面積     1620km2 ( 全て直接流域 ) /240ha
総貯水容量/有効貯水容量     2900千m3/1700千m3
ダム事業者     近畿地方整備局
本体施工者     大林組・飛島建設・村本建設
着手/竣工     1978/2009


wiki] に拠ると
(高度成長期を通じて)和歌山市とその周辺は大阪市のベッドタウンとして急速に人口が増加し、さらに海南市や和歌山市沿岸部には住友金属工業の和歌山製鉄 所を始め重工業が進出。これらの要因で上水道や工業用水道の需要が増大していった。更には大阪府泉南地域で関西国際空港の建設が決定。これに伴う鉄道路線 の整備や阪和自動車道の開通によって人口増加に拍車が掛かり、水需要は逼迫していった。…
一方で1959年(昭和34年)の伊勢湾台風による紀の川大水害を教訓に『紀の川修正総体計画』が1960年(昭和35年)に策定され、根本的な治水を図 るため奈良県吉野郡川上村の紀の川本川に大滝ダムを建設する事となった。更に紀の川下流域における治水、特に紀の川の河水が支流に逆流することで起こる 「内水氾濫」を防止する為に河口部の洪水調節も必要となった。この為紀の川河口部、新六ヶ井堰直下流に堰を設けて紀の川の洪水調節と上水道供給を図ろうと 考えた。
こうして1965年(昭和40年)に建設省近畿地方建設局(現・国土交通省近畿地方整備局)によって『紀の川水系工事実施基本計画』が策定され、紀の川下 流部の河川総合開発事業として計画されたのが紀の川大堰である。なお、堰ではある が、特定多目的ダム法に基づいた多目的ダムである。
2009年度末の完成が見込まれているが、直前の2009年8月31日、大阪府は水 利用権を放棄すると発表した。水を利用するにはさらに若干の出費が必要だが、水需要の減少で水が必要なくなったので、少額の追加出費を避け るため。このため、事業費のうち大阪府の負担分の380億円はすべて無駄となった格好になっている。 しかし2011年4月現在、紀の川大堰事業の完了に関する告知は行われておらず、また、大阪府の水利 権放棄も棚上げとなったままである。
紀の川大堰事業における利水者は、水利権を放棄すると明言した大阪府のみであるため(和歌山市水道等は既得水利であり、堰の容量は使用していない)、水利権が放棄された後においても特定多目的ダム法の適用施設となるかどうかは公式に発表されて いない。

とのこと。この記事10年程前の記事になってるけどその後どないなったんや??
近畿地方整備局によると
2008(H20)年6月
:本体・周辺設備及び管理設備完成
2009(H21)年3月:試験湛水実施・暫定運用開始(継続中)
2011(H23)年3月:紀の川大堰事業完了
とのことで,事業は終わったけど運用は暫定で今も継続中らしい。大阪の棚上げや多目的ダムの問題が解決してないからということかな。

新六ヶ頭首工

六ヶ村を六ヶとかいうのは時折見るのでここもそういうのか。

岩出頭首工


~貴志川~[→開発篇

25.10時点で,有田川を見に行った時にちらっと見たのみ。

上流には山田ダムが,下流には諸井堰がある。

出典:和 歌山県

諸井堰



~野田原川~

山田ダム[便覧][川 の防災情報][遍路
河川     紀の川水系野田原川
目的/型式     A/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     34m/139.4m/45千m3
流域面積/湛水面積     16.4km2 ( 全て直接流域 ) /35ha
総貯水容量/有効貯水容量     3400千m3/3370千m3
平常時最高貯水位:93.60m
ダム事業者     近畿農政局
着手/竣工     1950/1957

諸元からお解りの様に全て直接流域の様である。
しかし,綜合開発事業概要図に寄ると貴志川本流上流(真国川と呼ばれて いる様だ)50km2を流域とする導水計画があったようである。開発篇で言々 開発と合わせて検討した。





藤崎頭首工




~紀伊丹生川~[→紀伊丹生川篇] 

[中止]丹生川ダム





小田頭首工[場 所





~大和丹生川~



~古田川~

一の木ダム[便覧][五 條市
河川     紀の川水系古田川
目的/型式     A/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     38.4m/150m/65千m3
流域面積/湛水面積     6.9km2 ( 全て直接流域 ) /14ha
総貯水容量/有効貯水容量     157.0万m3/140.0万m3
ダム事業者     近畿農政局
着手/竣工     1974/1995
常時満水位:EL.178.30m/最低水位:EL.162.9m/潅漑利水:178.30m~162.90mの容量(140万m3)で行う
潅漑期間:通年
取水量
(1) 7月1日から9月15日 0.69m3/s
(2) 9月16日から翌年の6月30日 0.24m3/s
(3) 総取水量 1,712千m3

>一ノ木ダムは、五條吉野国営農地開発事業の一環として建設されたもので、1081ヘクタールの既成畑を含めて、合計1674ヘクタールもの畑にか んがい用水や防除用水を供給しています。[市観光協会

僅か7km2程の流域を水源に140万トンの水を貯めている。
どの程度の利用があってどんな運用してるんだろうか?→調べてみたら五條市の一の木ダム管理規則が見付かったので追記して置いた。
主に夏場の潅漑用の様である。夏場は約6万トン/日利用でこれが75日続いて450万トン使う。夏場にダムが3回転する感じ。それ以外の季節は一日約2万 トン。290日で約580万トン。総取水量はこれよりおおいようだ



西吉野頭首工



西吉野第二発電所



黒渕堰堤・黒渕調整池


西吉野第一発電所







5.大和丹生川上流開発

丹生川・長谷川・宗川340m付近で取水→桧川迫川330m付近で貯留→城戸200mで発電で6.8MW。取水位を390mに上げると9.2MWに。詳し くはこちら参照

[妄想!]城 戸(じょうど)発電所
最大認可出力:9,200kW[+9.2MW]
最大使用水量:6.0m3/s
有効落差:185m
流域面積:63.2km2
取水:桧 川迫川[ダム](390m)宗 川[堰 堤](396m)笠 木川(392m)黒 滝川(大 和丹生川)(388m)[堰堤が欲しいが一 寸建て込んでるか・・]・粟 飯谷川(392.8m)長 谷川(390.2mm)
放水:大 和丹生川(城戸・黒淵ダム)200m





奈良県下では紀の川改め吉野川となる。以下こちら【吉野川中下流篇・上流篇】へ



7.まとめ

ダム名(便覧リンク)
河川 流域面積/湛水面積     総貯水容量/有効貯水容量 その他
北股ダム 449m/ 北股川

北股発電所
大 迫ダム 400m/ 吉野川 114.8km2 ( 全て直接流域 ) /107ha 27,750千m3/26,700千m3
大 滝ダム 326m/ 吉野川 258km2 ( 全て直接流域 ) /251ha 84,000千 m3/76,000千m3
津 風呂ダム 237m/ 津風呂川 38.8km2(直)+○○km2 (間) /150ha 25,650千m3/24,600千m3 高見川導水・上市発電 所
桧川迫川ダム 380m/340m 大和丹生川支流桧川迫川 6.6km2(直)+ 68.0 km2(間)/15.2ha 未計算 /2,525 千m3 城戸発電所
一 の木ダム 179.6m/ 大和丹生川支流古田川 6.9km2 ( 全て直接流域 ) /14ha 1,570千m3/1,400千m3
紀伊丹生川ダム 350m/330m 紀伊丹生川 計算中 / 11.15ha 未計算 /未計算 玉川峡発電所・学文路 発電所
山 田ダム 96.1m/ 貴志川支流野田原川 16.4km2 ( 全て直接流域 ) /35ha 3,400千m3/3,370千m3