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22.2.15分離加筆

高瀬川の発電所東電系統篇

~流域概念図~
1.東電系統:高瀬川第五発電所→新高瀬川発電所→大町発電所→高瀬 川第一発電所→(高瀬川)→(犀川)
2.昭電系統:青木発電所→(青木湖)→大出取水所→常盤発電所→広津発電所→ (犀川)
3.その他
 高瀬川潅漑系[→別頁] 篭川・和田川





最上流から見て行く。

1.東電系統(高瀬川第五発電所→高瀬川第一→高瀬川→犀川)

東京電力(株) 高瀬川第五発電所[DB]       
  運開 1925.01 / 更新 1978.12
水路式・調整池式
  最大出力:   6,600kW    常時出力: 1,600kW[24.2%]←常時なんかデカい。
  最大使用水量:   6.80m3/s[0.89]
  有効落差     (m)       122.27
水車:横軸フランシス×2 合計7000kW
取水: 高瀬川(水俣川・湯俣川←面白い。上流で温泉が出て水温が熱い方が湯俣で冷たい方が水俣か?)、東沢川、川久里、古路沢 4箇所 1413.04m
放水: 高瀬川[高瀬ダ ム]1278.00m
流域面積:   75.9km2

新高瀬川発電所に伴い元からあった高瀬川第二~第四は廃止,第五は約23mの嵩上げが行われたと のこと[経産省 北陸地方整備局

曳家でもあるまいに,そんな簡単にできんの!?
簡単に出来るなら豊岡発電所とかやりたいねんけど。
【高瀬川最奥部開発私案】

さて,運開時期が古い高瀬川第五であるからか使用水量が今日的では無い。現代では75.9km2もあれば12m3/s程取れる筈である。お陰で現行ではそ こそこ常時出力が高めとなっている。
逆に6.8m3/sを前提とすると42km2程度あれば良い。ということで上流30km2以上を使って発電を試みる。
1750mで取水すると39.4km2程取れる。(高瀬川第五の残余流域は36.5km2となる。一寸取り過ぎか。)
でもしゅごいのでけた♪

[私案]高瀬川第六発電所
出力:27,700kW[+27.7MW]
水量:7.5m3/s[]
落差:465m
面積:48.8km2
導水:本導水路12.4km・西沢支水路975m
取水:水俣川[天 上沢千 丈沢(ガレ沢出合)]・湯俣川[湯 俣川赤 沢ワ リモ沢]・五 郎沢西 沢1750m
放水:高瀬川[高瀬ダム]1278m

さて,高瀬川第六(案)が取り過ぎだとすると第五には新たに水源を宛がってやれれば良い。
東沢から4.3kmで今は七倉ダム直下で大町ダムに流れ込む滝ノ沢がある。2.1kmとれる。
更に遠くなるので面積を犠牲にして標高を上げて乳川の最奥部からも4.2kmで3.9km2とれる。

まあ実際にするかどうかとなると微妙かな。

ということでもう一寸高い所から第六を再検討してみると,こっちのほうが出力たけえ!こっちにする。こっちなら高瀬川第五の水量も十分確保できる。落差 565mって日本最高落差になるんちゃうか!?

[比較対象私案]高瀬川第六発電所
出力:29,300kW[+29.3MW]
水量:6.1m3/s[1.7]
落差:565m
面積:35.9km2
導水:
取水:水俣川[千 丈沢]・湯俣川[硫 黄沢湯 俣川赤 沢ワ リモ沢]・唐沢[西 谷東 谷]・五 郎沢西 沢1850m
放水:高瀬川[高瀬ダム]1278m




高瀬ダム[水力][便 覧][水力]    
河川     信濃川水系高瀬川
目的/型式     P/ロックフィル
堤高/堤頂長/堤体積     176m/362m/11590千m3
流域面積/湛水面積     131km2 ( 全て直接流域 ) /178ha
総貯水容量/有効貯水容量     7,620.0万m3/1,620.0万m3
ダム事業者     東京電力(株)
着手/竣工     1970/1979
    常時満水位標高:1278m
     最低水位標高:1268m
      取水口標高:1215m

堤高高すぎて下の方の水が使い切れへんねんな。。

東京電力RP(株)  新高瀬川発電所[水力] [経 産省]   
運開:1971.11
    ダム水路式・混合揚水式
認可最大出力:1,280,000kW
最大使用水量:644.00m3/s /最大揚水量:540.00m3/s
年間計画発電量: 自流分 2.36億kWh (236,000MHh) 揚水分 9.65億kWh(965,000MWh)
有効落差:229.0m
流域面積:131.0平方キロメートル
上部貯水池:高瀬川[高瀬ダム]1275.30m
下部貯水池:高瀬川[七倉ダム]1030.00m

七倉ダム[水力][便 覧][水力
河川     信濃川水系高瀬川
目的/型式     P/ロックフィル
堤高/堤頂長     125m/340m
流域面積/湛水面積     150km2 ( 全て直接流域 ) /72ha
総貯水容量/有効貯水容量     3,250.0万m3/1,620.0万m3
ダム事業者     東京電力(株)
着手/竣工     1970/1979
    常時満水位標高:1049m     最低水位標高:1020m      取水口標高:1002m

北葛沢から3.15km延ばすと11.5km2の流域を七倉ダムに導水出来 る。
発電を絡めると4.3km2程の導水が可能に。


東京電力RP(株) 中の沢発電所[水力
    昭和55(1980)年5月  :運用開始
ダム水路式・調整池式
    認可最大出力:42,000kW
    最大使用水量:35.00m3/s
    有効落差:140.8m
    水車:立軸フランシス水車 出力43500kW×1台
    導水路:総延長2303.2m
    流域面積:150.0km2
    取水:高瀬川[七倉ダム]1030.0m
    放水:高瀬川[大町ダム]885.0m


北葛沢
流域は狭い(11.5km2,1.15m3/s相当)だが3.15km程の導水で大町ダムに流れ込むのを七倉ダムに入れる事が出来,中の沢発電所で発電し てから 大町ダムへ送ることが出来る。


篭川で電源開発して大町ダムへ流し込む序でに北葛沢で取水してみた。また上流で取水して七倉ダムに導水して発電出来るかも。
1420mで取水して見る。七倉寄りの七倉沢を含めて7.7km2。1.2m3/s程度とれるかな。
1030mの七倉ダムへ導水して有効落差385m。3,900kW。一寸ちいさいかな。。
1205mで取水。14.4km2。2.3m3/s。落差は170m。3,300kW。更に小さくなったw
1350mで取水。10.8km2(北葛沢6.5km2・七倉4.3km2)。1.7m3/s(北葛沢1.0m3/s・七倉0.7m3/s)。落差は 310m。4,500kW。一寸小さいけどこの辺かな~。


[私案]七倉発電所
出力:4,500kW[+4.5MW]
落差:310m
水量:1.7m3/s
流域:10.8km2
取水:七 倉沢同 支流北 葛沢二 ノ沢 1350m
放水:高瀬川[七倉ダム] 1030m



大町ダム[水力][便覧(再)][便覧(元)]     ▲
河川     信濃川水系高瀬川
目的/型式     FNWP/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     107m/338m/765千m3
流域面積/湛水面積     km2 ( 直接:193km2 ) /110ha
総貯水容量/有効貯水容量     3,390.0万m3/2,890.0万m3
ダム事業者     北陸地方整備局
着手/竣工     2015/(再開発中?)

篭川(42.2km2)鹿島川(25.6km2)尾入沢(2.2km2)から880mレベルで取水(更に篭川上流からも発電経由で取水して),これらを導水して大町ダムに流し 込み発電量を増やしたい。合計 70km2。7m3/s程増やせるのでは無いか。
勿論,農業用水との衝突は要検討であるが,猫鼻頭首工とはほぼ同位置,寄沢頭首工はもっと上流である。ここでは猫鼻との衝突を考慮しなくてはならないが, 取水した分は昭和電工の青木湖からの導水で立て替えれば良い。青木湖からの水はより下流の常盤発電所迄発電に使われないので勿体ないのである。
ここで取水して大町ダムへ導水した水で大町発電所・高瀬川第一発電所の設 備稼働率を引き上げていきたい。
猫鼻頭首工・篭川から取 水はこんな感じになりそう。猫鼻頭首工からの取水は青木湖からの導水の途中放流で対応できる。(この水路に発電所を新設するよりは効率的に 行けるだろう。大町ダムの有効貯水量V=2,890万m3を活用して行きたい。)


尾入沢
大町ダムの下流で高瀬川に合流。
大町ダムへ流し込める880m以上は2.3km2 程度



東京電力RP(株) 大町発電所[水力
運開:1985.4
ダム式・貯水池式
認可最大出力:13,000kW      常時出力:1,100kW[8.5%]
最大使用水量:25.0m3/s
有効落差:63.40m
水車:出力13500kW×1台
    流域面積:193.0km2
    取水:高瀬川[大町ダム]879.00m
    放水:高瀬川814.00m

大町ダムの貯留量は2,890.0万m3。中の沢P/Sの放水 量は最大35m3/sで大町発電所は 25m3/sなのでフル稼働すると10m3/sで貯まって行く。更に3河川からの引水で7m3/sあるので17.3m3/sで貯まって行く。この程度なら 莫大な貯蓄量を使ってピーク対応も十分可能である。
また3河川からの引水でトータルの出力はそこそこ(3.64MW相当)増強出来そうである♪導水距離4.64kmに対する効率は0.78と結構高め。

(篭川合流)

東京電力RP(株) 高瀬川第一発電所[水力] [地域づくり工房][DB
運開:1922.12.6[東信電気(株)・3000kW] 出力増:1991.4(3300kW)
水路式・流込式
認可最大出力:3,300kW  常時出力:1,000kW(以前[リプレース前?]は1,500kW)
最大使用水量:13.63m3/s
有効落差:35.0m
水車:横軸フランシス水車 出力3440kW×1台
流域面積:201.6km2
取水:高瀬川[大町発電所]、篭川 2箇所 808.86m
放水:高瀬川[大出頭首工]776.07m

流域概念図でも 明らかな様に,大町から放流される25m3/sの内,最大でも13.63m3/sし か使っていな い。大町発電所放流水の他に更に篭 川からも取水し ているのにも係わらず,である。
また最大出力3000kW時代に1500kWの常時出力だとすると7m3/s程度しか使っていて,現在では出力増で3.3MWになってるけど,どうも常時 出力は1,000kWに低下していて5m3/s位しか使えてないことになる。
一体どうなって居るのか?(ダムの運用が変わった?降水量の経年変化?)

また大町発電所放 水位が814mとダム直下と見られるのに対して高瀬川第一の取 水位は808mと漫然と6mもロスしている。
河道貯留で大町発電所の逆調整をしている??
大町発電所の放流口はG空撮から判断するにこ こ(EL828mとなってるが直ぐ下が815mと なってるのでそのくらいであろう)。堰堤を作れるかどうかはイマイチ不明ではあるが(現地へいってみたい(23.8記)←やべえ,遠いのに変なフラグたて たw)。

以下,昭電系統はこちら潅 漑系統はこちらで纏めた。東電の発電所高瀬川第一の放水位776.07mを最後に,生坂(取水位497.00m)迄約280m一旦休憩である。(575mで 取水する開発私案は提起♪)