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21.7.8運開
長沢ダム・大森川・上八川川(かみやかわがわ)・分水第一~第 四発電所

上八川川は東川川・高川川・穴川川立 川川(遂に河ノ川川迄発見!)と居並ぶ四国らしいネーミングの川の中でも西四国最大の大河,仁淀川最大 の支流という事で一番著名な川川ではないか?支流には更に枝川川もある。
最大の支流なのに"上"が付いて下も別にあって併せて一人前みたいな半人前の格下感を無駄に出してしまってる辺りは物部川の上韮生川南小川・南大王川とも被る。

さて,最上流の吉野川から取水しているので吉野川水系から始める。これが起点となっている。しばしば渇水に見舞われる早明浦ダムの上流に位置している。こちらも参照[→吉野川上流部]

~吉野川~

長沢ダム[便覧] [wiki
河川     吉野川水系吉野川
目的/型式     P/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     71.5m/216.6m/235千m3
流域面積/湛水面積     91km2 ( 直接:70km2 間接:21km2 [大森川ダム]) /140ha
総貯水容量/有効貯水容量     3,190.0万m3/2,843.0万m3
ダム事業者     四国電力(株)[立案:四国中央電力(株)・完成:日本発送電(株)]
着手/竣工     1941/1949


四国電力(株) 長沢発電所[水力
所在地:高知県吾川郡いの町長沢
運開:1949.4[日本発送電(株)]
ダム式・貯水池式
    認可最大出力:5,200kW  常時出力:2,300kW
    最大使用水量:9.50m3/s
    有効落差:64.94m
    水車:立軸フランシス水車 出力5410kW×1台
    流域面積:91.5km2
    取水:吉野川[長沢ダム]663.7m
    放水:吉野川598.0m


分水第一発電所吉野川取水堰
取水位:EL586m→ 地図上の値。実際は592m程度はありそう。
取水量:


~大森川~

四国電力(株) 大森川発電所[水力
所在地:高知県吾川郡いの町長沢
    昭和34(1959)年8月:運用開始
ダム水路式・混合揚水式
    認可最大出力:12200kW      常時出力:    0kW
    最大使用水量:12.00立方メートル毎秒
    有効落差:118.00m
    水車:立軸フランシスポンプ水車 出力12600kW×1台
   導水路:圧力トンネル延長2472.6m
    取水位標高:780.00m
    放水位標高:652.86m
    流域面積:21.5平方キロメートル
上部貯水池:大森川[大森川ダム]
下部貯水池:吉野川[長沢ダム]

大森川ダム
http://damnet.or.jp/cgi-bin/binranA/All.cgi?db4=2311

河川     吉野川水系大森川
目的/型式     P/中空重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     73.2m/191m/146千m3
流域面積/湛水面積     21.5km2 ( 全て直接流域 ) /92ha
総貯水容量/有効貯水容量     19120千m3/17320千m3
ダム事業者     四国電力(株)
着手/竣工     1957/1959


分水第一発電所大森川取水堰[DB
取水位:EL593m
取水量:
(主要取水設備) 高さ     (m)       9.50
  (主要取水設備) 堤頂長     (m)       48.76


~枝川川~

水源上流の長沢発電所は流域面積:91.5km2から9.50m3/s 取水している。比率は103.8%である。
この分水第一発電所は流域面積:118.8km2から11.13m3/s取水している。比率は93.7%である。
これより長沢ダム以下の27.3km2から1.63m3/s取っているという解釈も出来るかも知れない。この部分の比率は59.7%となる。以下こちらに纏めた。

四国電力(株) 分水第一発電所[水力] [DB
所在地:高知県吾川郡いの町清水上分
運開:1940.3[日本発送電(株)]
水路式・貯水池式
    認可最大出力:26,600kW 常時出力:10,000kW
    最大使用水量:11.13m3/s
    有効落差:298.50m
    水車:横軸二連単輪二射ペルトン水車×3台(単輪水車両掛×3組) 総出力27460kW
        最大使用水量1.85立方メートル毎秒×6
    導水路:総延長9588.6m
    流域面積:118.8km2
    取水:吉野川水系(吉野川→大森川)2箇所 592.5m
    放水:分水第二発電所・(枝川川)279.19m


四国電力(株) 分水第二発電所[水力]
所在地:高知県吾川郡いの町清水下分
運開:1941.4[日本発送電(株)]
水路式・貯水池式
    認可最大出力:7,800kW  常時出力:2,500kW
 最大使用水量:12.52m3/s(枝川1.39m3/s・分水11.13m3/s)
    有効落差:74.37m
    水車:立軸フランシス水車×2台 総出力8160kW
    導水路:総延長3243.9m
    流域面積:132.4km2(直接:13.6km2[枝川] 間接:118.8km2[分水第一発電所])
    取水:分水第一発電所、枝川川279.19m
    放水:分水第三発電所、枝川川198.32m

例えば槙 川川・(払 川川[名称推定])・大 野川西 川川成 川川("川川"現象爆発やんww)から取水すると22.0km2程になる。2.2m3/s程度取水出来そう。導水管は上部水道迄引っ張ってく必要 があるだろう。槙川方面からはサイフォンで渡河も必要。
水車がこのままだとまあ増強は8,100kW[+0.3MW]迄 だけど潜在的には+1.5MW程度出来る(更新時の課題)。常時水力の増強の他,稼働率向上にも資すであろう。



四国電力(株) 分水第三発電所[水力]
所在地:高知県吾川郡いの町上八川下分
 運開:1941.7[日本発送電(株)]
水路式・貯水池式
    認可最大出力:10,900kW  常時出力:3,500kW
    最大使用水量:14.75m3/s (3.62m3/s枝川・11.13m3/s分水)
    有効落差:90.00m
    水車:立軸フランシス水車×2台 総出力11680kW
    導水路:総延長2460.0m
    流域面積:168.3km2(直接:49.5km2[枝川] 間接:118.8km2[分水第一発電所])
    取水:枝川川[分水第二発電所]198.32m
    放水:上八川川[分水第四発電所]103.54m

枝川上流に49.5km2, [5.0m3/s]程取れる水源なのに3.62m3/sしか取ってない。[+1.38m3/s]は増やせる。
上八川川の上流に水源有り。 EL200m程から取水。20.3km2あるので[2.0m3/s]は取れそう。
上八川の[+2.0m3/s]で12,300kW[+1.4MW]まで増やせそうだが,水車 をそのままにする前提だと11,600kW[+0.7MW]なので1.0m3/s程度迄という感じである。導水は不要で今の堰の取水力を増やせば足りる。

水車の新設を考える。新設に足る水が確保出来るかが焦点。
上八川の水は導水路で分三取水堰迄持って行ってそこから発電所迄のメイン導水路2.4kmを14.75(現行)+1.38(枝川増分)+2.0(上八川導 水分)=18.13m3/s流せるように増強すれば良い。

更に高樽川にも 22.3km2の水源。[+2.2m3/s]は 取れそう。
併せて20.33m3/s[+5.58m3/s]の 使用水量増加可能量となる。この位になれば水車をもう一台増設できる量を確保出来たことになる♪[+4.1MW]程度かな。更に下流の分4の為にもう一寸 延ばすと小川川10.57km2。[1.0m3/s]程度増やせそう。水 量は合計21.33m3/s[+6.58m3/s]・ 総出力は15.8MW[+4.9MW]になりそう。

[増強私案]分水第三発電所
出力:15,800kW[+4.9MW]
水量:21.33m3/s[+6.58m3/s]
取水:枝川川[分2]・上八川・高樽川


分四発電所 上八川川取水堰[加 藤][DB
堤高:13.00m
取水量:?
取水位:104.00m


四国電力(株) 分水第四発電所[DB] [水 力
所在地:高知県吾川郡いの町柳瀬上分
運開:1950.1[日本発送電(株)]
水路式・貯水池式
認可最大出力:8,100kW   常時出力:1,800kW
    最大使用水量:16.00m3/s (4.87m3/s上八川・11.13m3/s分水)
    有効落差:58.20m
    水車:立軸フランシス水車 出力8490kW×1台
    導水路:総延長6507.2m
    流域面積:218.3km2 (直接:99.5km2[上八川] 間接:118.8km2[分水第一発電所])
    取水:上八川川[分水第三発電所]、柿奈路谷川、父候谷川、他1[計4箇所]104.00m
    放水:上八川川36.23m

因みに調べてみても柿奈路谷 川、父候谷川なんて名前の川は無い。あるのは名称不明,打木川,名称不明だ。この内,打木川が柿奈路谷川っぽい(地 名より)

平野部に出て降水量は減ってるのであろうけどそれにしても分水第四の新規取水量が少なめだなぁ。。要検討。

分三増強案で取水を提案した高樽川2.2m3/sと小川川1.0m3/sは分四にとってもこれまで使えて無かった 水で純増。
上流部に比べ降水量はやや減ると思われるので上八川全流量99.5km2ではなく分三以降の直接流域の差分だけ抽出したい。すると50.0km2となる。
此処から分三増強案で取水を提案した上八川川上流2.0m3/s・ 20.3km2を抜くと残りは29.7km2となる。詰まり分三の放水量21.33m3/sに加えて29.7km2から取れる2.3m3/s(係数は 0.8とした)を加えた23.63m3/sが増強後の水量となる。現状16m3/sなので7.63m3/sの増強となる。3.6MW程増やせそ う。導水路6.5kmの増強でこの出力だと0.55位。OKだ。

[増設私案]分水第四発電所
出力:11,700kW[+3.6MW]
水量:23.63m3/s[+7.63m3/s]

諸元一覧(再掲)
分水
出力
常時
水量
落差
流域
取水
放水
新規取水直接流域
新規取水量
第一
26.6MW
10.0MW[37.6%]
11.13m3/s[0.93]
298.5m
118.8km2
吉野川他1592.5m 枝川川279.19m 27.3km2[吉野川]
1.63m3/s[0.60]
第二
7.8MW
2.5MW[32.0%]
12.52m3/s[0.95]
74.37m
132.4km2 枝川川279.19m 枝川川198.32m 13.6km2[枝川] 1.39m3/s[1.02]
第三
10.9MW
3.5MW[32.1%]
14.75m3/s[0.88]
90.0m
168.3km2
枝川川198.32m
上八川103.54m
35.9km2[枝川]
2.23m3/s[0.62]
第四
8.1MW
1.8MW[22.2%]
16.00m3/s[0.73]
58.20m
218.3km2
上八川他104.00m 上八川川36.23m
50.0km2[上八川他]
1.25m3/s[0.25]

仁淀川の降水量は以下の如し。基本2800mm以上である。第三と第四の新規取水量はもう一寸増やせそうな気がす る。
出典:国 交省

仁淀川本流はこちら参照