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20.10.07運開

仁淀川水系の電源開発

1-1.流域水系図 1-2.多雨地帯 2.大渡ダムと大渡発電所(仁淀川第一?) 3.加枝発電所(同第二?)土居川(+20.1MW)中津川(+5.8MW) 4.仁淀川第三発電所 5. 増強(+5.2MW)長者川(+5.4MW) 6.仁淀川第四発電所(!)(+12.4MW) 7.面河川 8.上八川川

1-1.流域水系図



1-2.多雨地帯  
四国は多雨地帯が存在している。
出典:四 国電力

主に三箇所3,000mm以上の多雨地帯があって,それぞれ那賀川・物部川奈半利川を擁す東部(阿佐地区),早明浦ダムを擁す中部,そして四万十(渡 川)源流を含む西部であ る。

この仁淀川も盛んに開発されてはいるが3000mmからは一寸外れるような気がする。南側からの湿った雲は先ずは南側の新荘川に降らせるようである。
新荘川の電源開発に関しては色々検討したが,高度が低くて余り効果的な施策は見つからな かった。。

此処では仁淀川の高知県側を上流から見ていく。

2.大渡ダムと大渡発電所

この上流に面河川第三発電所(50.00m3/s・放水位標高: 191.00m)がある。

大渡(おおど)ダム[水力][便覧
国土交通省四国地方整備局
目的:洪水・不特定利水・上水道・発電
堤高/堤頂長:96m/325m
  天端標高:216.0 m
  洪水時満水位標高:214.000m(サーチャージ)
  常時満水位標高:204.000m
  洪水期制限水位標高:188.500m
  予備放流水位標高:177.500m
  最低水位標高・堆砂標高:174.000m
  基礎標高:120.0 m
流域面積/湛水面積     688.9km2 ( 全て直接流域 ) /201ha
    湛水延長:9.7キロm
総貯水容量/有効貯水容量:6,600万m3/5,200万m3
  洪水調節容量:49,000,000立方メートル(有効貯水容量の内)
  利水容量:13,000,000立方メートル(有効貯水容量の内)
  予備放流容量:10,000,000立方メートル(有効貯水容量の内)
着手/竣工     1966/1986

四国電力(株)  大渡発電所[水力
運開:1981.8
ダム水路式・調整池式
認可最大出力:33,000kW     常時出力: 1,500kW
最大使用水量:45.0m3/s
有効落差:84.90m
流域面積:668.9km2
取水:仁淀川[大渡ダム]204m
放水:仁淀川116.50m

<長者川>

加枝ダムと大渡ダムの間で仁淀川に合流する川。上流で新規開発出来そう(→開発案)

   
3.加枝発電所[水力

<中津川>

四国電力(株) 名野川発電所[中 四国産業保安監督部四国支部][DB] [場 所
水路式・流込式→調 整池っぽい何かがあるけど。。
出力:1,200kW 常時:580kW[48.3%]→増強余地在りそう
最大使用水量:0.89m3/s
有効落差:184.57m
流域面積:32.20km2
運開:1924(T13).1
導水:4,020.9m・サイフォン
取水:中 津川北 山川 他1(どれ?調整池っぽい何かも取水先?[G 空撮]) 計3箇所 312.32m
放水:仁淀川[加枝ダム導水路] 122.9m

これは増強出来るやろ。最初は名野川に並行して作ってみた(→名残)が既存施設を無視して上流から取り更に発電も大渡ダム上ですることにしてみた。
出力も増やせるし大渡ダムに貯水して大渡発電所の発電量も増やせる。


[新設私案]中津川発電所
出力:6,200kW[+6.2MW]
水量:3.2m3/s
有効落差:230m
流域:23.0km2=16.3km2(中津川)+6.9km2(北川川) (計測上の非突合あり,,)
導水:6.2km=3.05km(大渡D~中津川)+3.15km(中津川~北川川)
取水:中 津川(槙ノ谷出合)長 坂 444m
放水:仁淀川[大渡ダム](204m)

現行の名野川発電所は取水量僅少の名野川なので上流でがっつり取水して大渡ダム湖畔で発電。 その残りが現行の取水量に適合的となる。必要なら下名野川の支流に取水路を伸ばして多少なりとも水量確保の足しにしても良い。

[増強私案]名野川発電所
水路式・流込式
出力:1,200kW 常時:580kW[48.3%]
最大使用水量:0.89m3/s
有効落差:184.57m
流域面積:32.2km2-23.2km2(新設中津川PS取水分)=10.0km2+1.7km2(下名野川)
導水:4,020.9m
取水:中 津川北 川川(下名野川(仮称・此 処ら迄取水路延伸)= optional) 他1 計4箇所 312.32m
放水:仁淀川[加枝ダム導水路] 122.9m

   
加枝取水堰堤
目的/種類 発電/コンクリート
高さ/堤頂長 12.00m/117.32m
制水門         スルース・ゲート  4門

<土居川>
現況,小さいな発電所(放水は仁淀川)とその取水堰堤が一つあるだけ。

土居川取水堰堤[DB] [す とびゅう
高さ /堤頂長      5.95m/ 71.80m
制水門:   スルース・ゲート 2門

四国電力(株)  土居川発電所[中 四国産業保安監督部四国支部][水力] [DB
出力:1,400kW 常時:310kW
最大使用水量:3.61m3/s
有効落差:48.80m
流域面積:143.00km2
運開:1921(T10).10
水車:横軸フランシス水車 出力1500kW×1台
導水路:総延長3920.2m
取水:土居川130.78m
放水:仁淀川75.5m

大増強可能である。
 

[私案]奥土居川発電所
出力:4,900kW[+4.9MW]
水量:2.5m3/s
落差:230m
流域:19.2km2
導水:4.5km
取水:土 居川支 流1支 流2 370m
放水:土居川[土居川堰堤]130m

[私案]安居川発電所
出力:10,600kW[+10.6MW]
水量:4.9m3/s
落差:255m
流域:34.9km2
導水:
取水:安 居川404m大 野椿山川400m
放水:土居川[土居川堰堤]138m


[私案]新土居川発電所
出力:4,600kW[+4.6MW]
水量:10m3/s
落差:55m
流域:143.00km2
導水:
取水:土居川[土居川堰堤]130m
放水:仁淀川71.00m




四国電力(株) 加枝発電所[水力
運開:1941.11[日本発送電]
水路式・調整池式
認可最大出力:9700kW      常時出力:2600kW
最大使用水量:29.25立方メートル毎秒
有効落差:39.50m
水車:立軸フランシス水車×2台 総出力10300kW
発電機:立軸三相交流同期発電機×2台
導水路:総延長6123.8m
流域面積:773.5平方キロメートル
取水:中 津川[名野川発電所](121.9m)→仁淀川[加枝ダム(取水堰)](116.50m)
放水:仁淀川(71.00m)


4.仁淀川第三発電所

筏津ダム[便覧
四国電力(株)
目的:発電
堤高/堤頂長:25.5m/141.7m
流域面積/湛水面積: 961.1km2 ( 全て直接流域 ) /37ha
総貯水容量/有効貯水容量: 183.7万m3/67.8万m3
竣工:1958

仁淀川第三発電所[水力
四国電力(株)
運開:1958.8
ダム式・調整池式
認可最大出力:10,000kw   常時出力:1,800kW
最大使用水量:44.00m3/s  (常時:7.92m3/s)
有効落差:26.45m
水車:出力10600kW×1台
放水路:
取水:仁淀川[筏 津ダム](73.00m)
放水:仁 淀川(43.65m)


<大桐川>

桐見ダム[便覧] [高 知県
河川     仁淀川水系坂折川(←大 桐川[地理院]ではないのか?)
目的/型式     FN/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     69m/156m/182千m3
流域面積/湛水面積     49.1km2 ( 全て直接流域 ) /40ha
総貯水容量/有効貯水容量     8160千m3/6460千m3
ダム事業者     高知県
本体施工者     西松建設・竹中土木
着手/竣工     1969/1988
サーチャージ水位EL=132.8m
制限水位EL=114.0m
発電 600kW
水量 2.0m3/s
年間発電量 約4.1GWh(2016年)


>桐見ダムでは、流水の機能の維持の放流を利用して最大600KWの水力発電を行っています。(クロスフロー水車(最大使用水量2.0m3/s)  平成28年度 発生電力量約410万KWh
出典:高 知県

上流で開発してみる。惜しい,あともう一息と云った所。大雨に期待して水量増やすかねぇ。。


[私案]坂折川発電所
出力:3,500kW
水量:1.9m3/s
落差:220m
流域: 13.7km2
導水:7.9km
取水:坂 折川坂 折川支流南 ノ川支流南 ノ川(小日浦) 350m
放水:桐見川[桐見ダム]120m

南側の尾根の南側は新荘川である。雨量は多いけど高度が足りずに如何ともし難かった川で ある。雨量を考慮すると3,500kWでも行けるか?
それとも2.2m3/s程度にして+4.0MWとするか,一旦保留とする。



5.増強

問題は,この中間の加枝発電所である。
改修(仁淀川発電所10.5MWが廃止されて大渡ダム・大渡発電所33.0MWが 建設,1981に運開[wiki]) されて増強される一方で,1958年には仁淀第三が建設されており,このダムを挟む両側が既に最大使用水量44~45m3/sとなっているのに対してこの ダムが29.25m3/sと,決して小さくは無いが,取り残されて水の効率的な運用の隘路と成ってゐるのである。
逆に常時使用水量は大渡発電所の少なさが目立つが中津川と長者川から流れてくる分が5m3/sも貢献しているという事なのか?

有効落差
最大出力
最大使用水量
常時出力
常時使用水量
その他
大渡発電所
84.90m
33.0MW
45m3/s
1.5MW→5.6MW
2.05m3/s→7.70m3/s

加枝発電所
39.50m
9.7MW→14.9MW[+5.2MW]
29.25m3/s→45m3/s
2.6MW
7.84m3/s

仁淀川第三発電所
26.45m
10.0MW
44m3/s
1.8MW
7.92m3/s


と云う事でここの施策はシンプル。加枝の最大使用水量の増加となる。また大渡の常時使用量を増やす為に左右の川から大渡ダムへ導水路を建設したい。

北 川川(221.3m)中 津川(207m)長 者川(202m)→大渡ダム(202m)
こんな感じか?北川と中津川は個別に取水を増強する計画を上で提示したので二重投資は無駄かな。。導 水は長者川(とその途中の谷,西谷地先,とする。)

~長者川~
EL.202mで51.3km2  5.1m3/sは行けそう。但し上流で発電も出来そう。西側には石灰石鉱山の鳥形山があった。こんな所だったんだな~♪
上流も未だ行けて,23.2km2ある。


[私案]長者川発電所
出力:5,400kW[+5.4MW]
水量:3.2m3/s
落差:200m
流域:23.2km2
導水:5.2km
取水:大 植長 者川420m
放水:長者川[大渡ダム引水取水堰堤]210m



これと中津川で大渡ダムから7.70m3/s位は行けそう。常時水量で発電している時間帯がどんなもんか不明であるけど年間それなりに増強出来そうであ る。

6.第四仁淀発電所  

元々は新荘川の開発妄想をきっかけに検討したやつ。再掲。当然,最後の発電所仁淀川第三の下に第四を構想したい。

場所は此 処らとする。

[構想]鎌井田取水堰
標高37mとなってるけど,ダムで標高を46mに上げて取水。
ダムの満水位は50mとしておけば膨大な水量が貯められそう。まあ流込式でも全然OK。

147.4万m3なので3m貯めるだけで420万m3となる。
仁淀川第三の放水標高47.7mより水位が高くなる場合は松尾川第二でやってるように強制的に(電力使って?)水を排出する仕組みが必要となろう。

で,12km程の導水管使ってこの辺(12.8m)で放水。
https://maps.gsi.go.jp/#17/33.547600/133.392949/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1


有効落差はこれで30m程取れる。
新荘川で検討した奴も載っけて置く。費用対効果に一寸疑問もある。

仁淀
第四
桐見発電
新荘
導水
仁淀第四(30m)
仁 淀第三(26.45m)
野老山(33m)
総出
力増
導 水路
大桐
柳瀬
最大水量 最大出力 最大水量 最大出力[増分] 水量 発電力 延長
効率
①第一案



50m3/s
12,400kW 48.9ms/s
10,000kW

0.0kW
+12.4MW
12.0km
1.03
⑥第六案




52.6m3/s
13,100kW
53.8m3/s
12,200kW[+2.2MW]
9.8m3/s
2,650kW
+17.95MW
35.4km
0.50


仁淀川第四三発電所
ダム水路式・調整池式
認可最大出力:12,400kw[+12.4MW]   常時出力:2,000kW
最大使用水量:50.00m3/s  (常時:8.01m3/s)
有効落差:30.00m
取水:仁淀川[鎌井田ダム](46.0m)
放水:仁 淀川(12.8m)

結局,仁淀川本流上の発電所群は以下の様になりそう。

てこのダムが29.25m3/sを決して小さくは無いが取り残されて水の効率的な運用の隘路と成ってゐるのである。
逆に常時使用水量は大渡発電所の少なさが目立つが中津川と長者川から流れてくる分か。

有効落差
最大出力
最大使用水量
常時出力
常時使用水量
その他
大渡発電所
84.90m
33.0MW
45m3/s
1.5MW→5.6MW
2.05m3/s→7.70m3/s

加枝発電所
39.50m
9.7MW→14.9MW[+5.2MW]
29.25m3/s→45m3/s
2.6MW
7.84m3/s

仁淀川第三発電所
26.45m
10.0MW
44m3/s
1.8MW
7.92m3/s

仁淀川第四発電所
30.00m
12.4MW[+12.4MW]
50m3/s
2.0MW
8.01m3/s(ad hoc)

合計

65.1MW[+17.7MW]

12.0MW




愛媛県側の面河(おもご)川も手を着けなくては。。