電 力 総研 水 力あれこれ(関東) 荒川(概況)中下流増強篇] 多摩川 利根川
とはずがたりな掲示板(利 水スレ電 力スレ)
22.5.15運開
荒川の利水・発電[その1・上流篇](20.12通過)

(中下流[その) 大滝発電所 同増設(+5.2MW) 大洞第二発電所 大洞第一発電所 大洞ダム 大滝発電所取水堰 宮平発電所 同増設(+6.4MW) 滝沢発電所 滝沢ダム 栃本発電所 二瀬発電所 二瀬ダム 川又発電所 同増設(+3.2MW) (荒川源流)

荒川上流

昭和電工(株) 秩父発電所[→下流篇
運開:1942.11[昭和電工(株)?]
水路式・流込式
    認可最大出力:7,400kW    常時出力:2,400kW
    最大使用水量:10.90m3/s
    有効落差:79.38m
    流域面積:330.0km2
    取水:荒川[大滝発電所(6.10m3/s)・大洞第二発電所(5.10m3/s)] EL.290.20m
    放水:荒川 EL.195.37m

三峰口駅[赤50系(この 絵が判りやすい)][G渋沢][気ままに鉱山] [と は掲(鉱山スレ)][と は掲(貨物スレ)

日窒鉱業(株)・鉄鉱石:三峰口→浜川崎 24輌/日
日窒工業?→矢作製鉄!?・鉱石(鉄鉱石??):三峰口→名電築港

日窒鉱業秩父鉱山:産出は金、銀、銅、鉄、鉛、亜鉛、アンチモン、マンガン、など

一番奥に日窒鉱業の積み出し設備の専用線があった様だが,白川橋から三峯口駅方面を眺める。
この背中側が日窒鉱業の専用線跡地
20.12

肝心の積み出し基地跡の方は木々に遮られてよく見えなかった。Google の空撮だとこんな感じ




東京発電(株) 大滝発電所[水力
運開:1921.4[武蔵水電(株)→帝国電灯・東京電灯などを経て今に至る]
水路式・流込式
認可最大出力:4,000kW    常時出力:2,000kW
最大使用水量:6.10m3/s
    有効落差:1号 90.36m   2号 90.52m
    水車:立軸単輪単流フランシス水車 最大出力2300kW×2台
    導水路:総延長2050.9m
    流域面積:290.24km2
取水:荒川[宮平発電所(4.20m3/s)] 381.75m
放水:荒川[秩父発電所取水口(10.90m3/s)] 287.85m

タイムスタンプに依ると,三峰口駅の最奥部,昔は日窒鉱山の積み出し施設でもあったのだろうか,白川橋を出て4分で到着した箇所にある水圧鉄管。大滝発電 所だったようである。
20.12
この下側に建屋があったようだがスルーしてしまった。時間は午后3時であり,今から掛川まで帰る必要があるなか,当時は中部縦貫道も未だ出来てない箇所も あったので多少急いだある。

宮平発電所の 放水を取水堰堤で 受けて発電する訳だが宮 平発電所の増強で見る様に可能性としては15m3/s程有りそうである。大滝発電所では現在6.1m3/sしか水を利用していない。残る 9m3/s程を使えるし増設すべきである。[→増強を此処で検討した
但し,大滝発電所の下の昭電・秩父発電所の最大使用水量は10.90m3/sし かないので余り大 量に吐き出しても使い切れない。昭電秩父の増強も必要である[→増強を此処で検討した



東京発電(株) 大洞第二発電所[水力
着工/運開/移管:1961.12[埼玉県企業局]/1963/2/2008.3末
水路式・流込式
    認可最大出力:1,600kW   常時出力: 0kW
    年間可能発電量:6854MWH(685万4千キロワット時)
    最大使用水量:5.00m3/s
    有効落差:37.28m
    水車:横軸フランシス水車 出力1600kW×1台
    導水路:総延長1161.2m
    流域面積:78.5平方キロメートル
    取水:荒川[大洞第一発電所(4.05m3/s)・大血川] 330.20m
    放水:荒川[秩父発電所取水口] 290.94m

大洞川・大皿川上流から水を引っ張って来て荒川端で発電する大洞第一発電所に対して,その放流口から下流の秩父発電所の間の未利用分を積極的に利用しよう とした発電所が大洞第二発電所である。併せて13.5MWを出力する。なかなかだ。
詰まりは荒川の本流は大滝発電所で一気にEL380m付近から落とされるがその途中は大皿川・大洞川の系統の為に使われるのである。(大洞第一PSは大皿 川の上流に位置するが大洞第二PSの取水口は大皿川の荒川合流点より下流にあって上流で取り損ねた水をちゃんと確保出来る様になってはいる。因みに大洞川 の下流には二瀬ダムがあって大洞ダムからの大洞第一PSの取水は二瀬ダムの利用水量を減らしているとも云える。)

~大洞川・大皿川~

東京発電(株) 大洞第一発電所[水力
着工/運開/移管:1958.3[埼玉県企業局]/1960.5/2008.3末
ダム水路式・調整池式
    認可最大出力:11,900kW  常時出力: 550kW
    年間可能発電量:47096MWH(4709万6千キロワット時)
    最大使用水量:4.05m3/s (69.9%)
    有効落差:343.06m
    水車:立軸フランシス水車 出力11900kW×1台
    導水路:総延長8478.4m
    流域面積:57.9km2
    取水:大 血川(西沢・鉄砲沢)東 沢(大皿川支流)・大洞川[大洞ダム]687.00m
    放水:荒川[大洞第二発電所] 334.00m

国道から山の対岸に鉄管が見えた。
20.12


大洞(おおぼら)ダム[便覧][水力] [場 所
河川     荒川水系大洞川
目的/型式     P/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     24.7m/45m/7千m3
流域面積/湛水面積     72.9km2 ( 直接:57.9km2 間接:15km2 ) /ha
総貯水容量/有効貯水容量     110千m3/55千m3
ダム事業者     埼玉県
着手/竣工     1958/1960



大滝発電所荒川取水堰堤(仮称)[G 空撮][地 理院
場所:落合地先
最大取水量:6.10m3/s
流域面積:290.24km2
取水位:381.75m

落合の聚落を抜けるとR140が二瀬ダムの旧道と滝沢ダムの新道に分岐する場所があり,其処にある聚落が宮平である。川も荒川と中津川に分岐をする。
旧道側にある宮平のバス停と宮平発電所の水圧鉄管。
20.12

バスは1日4本しかない…と云いたいところだがどうやら年末年始ダイヤだったらしい。

この荒川と中津川合流の直前の荒川側にあるのが宮平発電所である。

この宮平発電所,栃本発電所3.5m3/s二瀬発電所7.5m3/sな んなら滝沢発電所4.25m3/sから計15.25m3/sも集められそうなのに4.2m3/sし か使ってない。
そうだ,大増強しよう♪
余りの11.0m3/sを使って3号機を建設すれば良い。こちらで検討[→ 主要部増強篇

この後川は二手に岐れる。付近は錯綜しているのでまずは地図を掲げる。こちらの妄想ラインが赤系統の色 で加筆されているのはご愛嬌である。



~荒川~

東京発電(株) 宮平発電所[水力
運開:1923.1[武蔵水電(株)]
水路式・流込式
認可最大出力:2,300kW 常時出力:1,500kW
最大使用水量:4.20m3/s
有効落差:70.32m
水車:立軸単輪単流フランシス水車 最大出力1350kW×2台
導水路:総延長2511.7m
流域面積:260.0平方キロメートル
取水:荒川[栃本発電所(3.5m3/s)・二瀬発電所(7.5m3/s)]455.77m
放水:荒川[大滝発電所(6.10m3/s)]381.07m

建屋…雑草越しで訳判らん写真になってしまっているがw


東京発電(株) 栃本発電所[水 力
運開:1927.9[関東水電(株)]
水路式・流込式
認可最大出力:4,500kW 常時出力:1,200kW
最大使用水量:3.50m3/s
有効落差:163.92m
水車:横軸単輪単流フランシス水車 最大出力4783kW×1台
導水路:総延長6674.2m
流域面積:94.08km2
取水:入川(滝川合流部)[川又発電所(1.8m3/s)] 634.53m
放水:荒川[宮平発電所] 457.26m

場所としては川 面の標高がEL.425m付近に見えるんだけど,発電所は急 斜面の途中EL457m付近にある様だ。
此処から宮平PSへ送ってるのか。G空撮写真でもそ んな感じの水路が見える様な。。

東京発電株(株) 二瀬発電所[水力] [DB
着工/運開:1958.11/1961.2[埼玉県企業局]
移管:2008.3末
ダム式・貯水池式
認可最大出力:5200kW  常時出力: 200kW
最大使用水量:7.50m3/s
有効落差:82.63m
水車:横軸フランシス水車×2台 総出力4200kW
流域面積:260km2
取水:荒川[二瀬ダム]542.00m
放水:荒川[宮平発電所]457.98m

DBが間違ってる様だが,最大出力5.2MWに対して水車の総出力が4.2kWしかない。。
また唯一の水源の二瀬ダムの流域面積が170km2となってるのに本発電所の面積が260km2ともなっている。
恐らく二瀬ダムの流域面積には栃本発電所の使用流域が差し引かれているのであろう。

またなかなかの変態隧道があるようだ[山行が

二瀬ダム[便覧][国交省
河川     荒川水系荒川
目的/型式     FNP/重力式アーチ
堤高/堤頂長/堤体積     95m/288.5m/356千m3
流域面積/湛水面積     260km2(直接流域:170km2・間接流域94.1km2 ) /76ha
総貯水容量/有効貯水容量     2,690.0万m3/2,180.0万m3
ダム事業者     関東地方建設局
本体施工者     熊谷組
着手/竣工     1952/1961
ダム湖名     秩父湖 (ちちぶこ)


出典:国交省

~入川(荒川源流)~

東京発電(株) 川又発電所[水 力
運開:1953.6
水路式・流込式
認可最大出力:3,200kW 常時出力: 400kW
最大使用水量:1.80m3/s (0.50)
有効落差:1号 220.00m      2号 220.20m
水車:横軸単輪2射ペルトン水車 最大出力1830kW×1台
   横軸単輪2射ペルトン水車 最大出力1480kW×1台
導水路:総延長3871.6m
流域面積:36.4km2
取水:入川 871.42m
放水:入川[栃本発電所(3.5m3/s)] 637.10m

落合(大滝発電所の取水ダムあった場所)が荒川と中津川の,二瀬が荒川(入川)と大洞川の合流部を指す地名であった。
同様に,此処,川又は入川と滝川の合流部を指す地名の様である。
上の地図に書き込んだように今は入川方面でしか取水してない。
滝川方面からも取水すると取水量を倍増する事が出来そうである。[→増強案

 
~中津川 ~

新道を暫く行くとダム建設前の旧道っぽい道が現れる。
R140の新道が中津川の奥へ行く道路沿いに新設されたのであろう。
その旧道へ入るとR140BPの巨大な橋脚とダムが正面に現れる。
20.12

12月末の越冬を前になかなかの貯水ぶりであった。


東京発電(株) 滝沢発電所[水 力
着工/運開:2000.11/2007.7[埼玉県企業局]
ダム式・貯水池式
認可最大出力:3400kW
最大使用水量:4.25m3/s
有効落差:106.90m
取水:中津川[滝沢ダム]565.0m?→ダムの常時満水位に相当すると思われる平常時最高貯水位から判断
放水:中津川460m程?→推定取水位と有効落差から判断

滝沢ダム[便覧] [水機 構
河川    荒川水系中津川
目的/型式    FNW(上水道→参 照)P/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積    132m/424m/1670千m3
流域面積/湛水面積    108.6km2 ( 全て直接流域 ) /145ha
総貯水容量/有効貯水容量    6,300.0万m3/5,800.0万m3
ダム事業者    関東地建→水機構ダム事業部
本体施工者    鹿島建設・熊谷組・錢高組
着手/竣工    1969/2007
ダム湖名    奥秩父もみじ湖 (おくちちぶもみじこ)→名称醜悪・奥秩父湖ぐらいで良かった
平常時最高貯水位    EL.565.0m
洪水貯留準備水位    EL.537.0m
最低水位    EL.495.0m




水道用水…滝沢ダムによって東京都・埼玉県の水道用水として新たに4.6m3/sの取水を可能としている。(現地看板[→参照]より)
一方で二瀬ダムには水道の容量はないようだ。



中津峡




何故か(降水量はこっちの方が少なめ)中津川方面の開発は遅れて滝沢ダムが出来たのが2007年になってからである。
滝沢ダムの奥地方面も手つかずである。
川又発電所は1958運開なのに。半世紀上遅れている。健闘が必要[→増強案



開かずの国道峠であった雁坂越えであるが現在では長大な雁坂トンネル(1998.4.23開通)で結ばれている。その向こう側の甲府盆地は西関東道として 地域高規格道路が建設されている。
花園ICから延びる埼玉県側の寄居皆野道路その他がその対応物という事になるであろう。圏央道と北関東道の間の道路として古河かなんなら土浦辺り迄高規格 道路で結びたいところである♪
僅かな謎(計画の微変更?)もあってヨッキもレポしてた様な気がしたが今探しても見つからなかった。。


この先は笛吹川圏域となる。