水力いろいろ  姫川(上流) 黒部川電力 (越後)早川 海川 青海川
と はずがたりな掲示板(利 水スレ電 力スレ)
23.8.16大増強
22.1.27運開

姫川下流の水力発電

 姫川上流に引き続き下流にも多くの水発が稼働しており,なんならその近辺の川 (早川海川青海川)にも水力発電所が多数立地している。
また東電系東京発電・電化(デンカ)・東北電力・北陸×電化の黒部川電力,更に上流は中電も入り交じっての立地である。水系一貫開発それ美味しいの状態の 戦国状態である。
この頁ではデンカの勢力圏範囲の姫川を扱う。
出典:デ ンカ

上流側はこちら

黒部川電力(株) 北小谷発電所[→上流]      
運開:1982.1
水路式・流込式
認可最大出力:10,500kW 常時出力: 1,900kW[18.1%]
(理論最大出力:12177kW 理論常時出力: 2939kW)←水力さんに記述のこれなんだ?水車をデカいのにすれば本来発電出来る容量?
最大使用水量:35m3/s[0.99]   常時使用水量: 8.24m3/s
最大出力時有効落差:35.50m    常時出力時有効落差:36.40m
水車:出力10900kW×1台
導水路:総延長2638.8m
    流域面積:354.00km2
    取水:姫川[取水堰(空 撮地 図)・姫川第三発電所(地 図)]397.16m
    放水:姫川[大網発電所取水堰(こ れ)]357.15m

この辺迄は面積水量比指数がほぼ1で均衡している。常時出力も十分低い。


~横川・中谷川~       

姫川下流のまとめには1年以上掛かったが,横川第一の余りに複雑な取水関係に纏めるのが面倒になって放置に這入ったからである。。

横川と中谷川の様子は地理院図に落とし込むと こんな感じ。中谷川と土谷川の増強案はこちら

模式図
出典:国 交省



~中谷川~
押立沢
取水堰堤


松尾川
取 水堰堤

浅海川
取 水堰堤

大 海川
取水堰堤



~横川~
大 渚沢
取水堰堤

目 黒沢
取水堰堤

前 沢
取水堰堤

デンカ(株)(…痛い名前に変わっちまって。。) 横川第一発電所[水力
運開:1965.8[電気化学工業(株)]
水路式・流込式
認可最大出力:10,000kW    常時出力:1,300kW[13.0%]
最大使用水量:3.80m3/s[1.13]
有効落差:319.00m
水車:出力10300kW×1台
導水路:総延長9158.6m
流域面積:33.7km2
取水:押立沢、松尾川、浅海川、大海川、大渚沢、目黒沢、前沢、他(如何しても見つからなかったが模式 図によるとなんと仙翁沢とのこと。お前,川の記載もないやん。。こ の辺か?G 空撮・・なんかあるが余水吐の溝にしか見えんw)981.0m
放水:横 川横川第二発電所取水口]637.0m

山奥に張り巡らされた水路から取水する水路式・流込式発電所。住友共電の五王堂発電所辺り を彷彿とさせる発電所だ♪
33.7km2に3.8m3/sだから雪国らしく雪解け水を取れるしやや強気の設定となっている。
とはいえ近年の高落差・大最大水量と比較すると第二含めてやや少量とも云える。転換期前と云った 所か。いうても50年以上前の運開である。


デンカ(株) 横川第二発電所[水力
運開:1964.1[電気化学工業(株)]
水路式・流込式
認可最大出力:16,000kW      常時出力:1,900kW[11.8%]
最大使用水量:5.50m3/s[1.20]
有効落差:351.00m
水車:出力16500kW×1台
導水路:総延長5752.9m
流域面積:45.8km2
取水:横川第一発電所、横川、仙翁沢、大栃沢、他637.0m
放水:姫 川[姫川第六堰堤]267.45m ←30m程未利用落差があることはある…。

~大所川~      
利水模式図…廃止された大所川第三も線が消されつつ載っている    
出典:国 交省

東北電力(株) 大所川第一発電所発電所[水 力][DB]        
運開:1962.8
水路式・流込式
認可最大出力:13,500kW   常時出力: 1,450kW[10.7%]
最大使用水量:6.60m3/s[1.74]
有効落差:247.90m
水車:立軸ペルトン水車 出力14100kW×1台
導水路:総延長2484.5m    放水路:総延長695.9m
流域面積:38.4km2
取水:弥 兵衛川瀬 戸川白 高地沢ヒ ル平沢 計4箇所 1095.00m
放水:大所川[大所川第二発電所]832.48m

東北電力(株) 大所川第二発電所発電所[DB]      
運開:1959.11 更新:1988.11
水路式・流込式
最大出力:26,500kW  常時出力:4,400kW[16.6%]
最大水量:10.0m3/s[1.63]
有効落差:318.70m
流域面積:61.1km2
導水:
取水:ツ リコシ沢・1号沢・2号沢・大所川(取 水堰(高さ7.30m・堤頂長40.0m)・[大所川第一発電所])・欅平沢(こ の辺?)・ウ ド川 6箇所 823.80m
放水:大所川[(大所川第三発電所)]482.16m

[廃止]東北電力(株) 大所川第三発電所[さ まよって][国 交省][土木学 会]    
運開:1962年 廃止:2004(廃止決定)
最大出力:9,000kW
最大使用水量:13.0m3/s
有効落差:83.1m
水車効率:85%
取水:大所川[大所川第二発電所]・ヨシナ沢も?
放水:大所川[大所川発電所

>東北電力の大所川第三発電所は、発電所周辺に分布する地すべりの影響により、発電運転を継続することが困難であるとの判断がなされ、平成16年に 発電所廃止の決定がなされた。
>この地すべりは規模が大きく、確実に抑止・抑制する有効な対策を実施するには、発電運転を継続するより多額の費用を要するとの判断がなされ[国交 省]
地滑りで廃止されてしまった。。同じ様に地滑りで廃止された発電所に最上川の月ヶ沢発電所や吉野川の白川谷発電所がある。

大所第一と第二で合計40MW。大所川迄入れたら49.8MW。第三が健在なら58.8MWだった訳でつくづく残念である。

崖崩れの部分だけなら地中深く迂回出来ないのかなとも思ったけどどうやら発電所建屋・上部水槽を含む箇所で地滑りが起こってた様だ。。
出典:日本 地すべり学会新潟支部

これを避けるのは全面的に移転しかないよねえ。。今地図に落とすとこんな感じ。マウスオーバーで現れる橙線が復活私案。川のこっち側は高圧電線も通ってて 比較的安全なのでは無いか。
大所川発電所大所川堰堤の脇の地下に発電所を建設すれば地すべりが起きても直撃は避けられそうである。
 

[復活私案!]大所川第三発電所
最大出力:9,400kW[+9.4MW]→ 水車効率を87%に上げて,全部地下化して逸失落差も減らせるんちゃうか。
最大使用水量:13.0m3/s
有効落差:85m
導水:2.4km
取水:大所川[大所川第二発電所・取水堰堤]482.16m
放水:大所川[大所川発電所取水堰堤]393.03m



デンカ株式会社 大所川発電所[水 力
    大正12(1923)年12月  :運用開始
水路式・流込式
   認可最大出力:9,800kW(以前は8,400kW)      常時出力:3,300kW
    最大使用水量:7.37m3/s(8400kW時点)
    有効落差:146.36m
    水車:立軸フランシス水車×2台 総出力10444kW
    導水路:総延長2300.3m
    流域面積:93.2km2
    取水:大所川[(大所川第三発電所)] 393.03m、木 地屋川[こ れ(G空撮)か?]405.38m
    放水:姫川242.81m

デンカ株式会社 大網発電所[水力][DB
運開:1938.2
水路式・流込式
    認可最大出力:24,500kW      常時出力: 8,900kW
    最大使用水量:25.04m3/s
    有効落差:115.89m
    水車:立軸フランシス水車×2台 総出力25850kW
     導水路:総延長4359.5m/2170.0m
    流域面積:382.7km2
    取水:姫川[北小谷発電所35m3/s]、横川、鳴沢、 他2 計5箇所 357.00m ←DBには5箇所との記述があるが,模式図には支取水口のよ うなものは記載されていない。。地図にもそれらしいのはなさそうな感じがする。。
    放水:姫川[姫川第六(新姫川第六)取水堰堤]234.00m

姫川第五発電所格の大網発電所である。第四格の北小谷発電所が 運開したのは1984年で,これで姫川連檐の最後のピースが埋め込まれた事になったが,新しいだけに 最大使用水量:35m3/s[0.99] と面積に釣り合った最大使用水量となっている。
一方で1938運開と戦中派の大網は流域面積382.7km2なのに25.04m3/sと物足りない水量である
此処では40m3/s程欲しい所である。15m3/s程増強出来る。

[私案]新大網発電所(姫川第五発電所)
出力:14,900kW[+14.9MW]
水量:15m3/s
落差:117m
取水:姫川[北小谷発電所35m3/s]357.00m
放水:姫川[姫川第六(新姫川第六)取水堰堤]234.00m

姫川第六発電所取水堰堤
送水:姫川[大網25.04m3/s横川第二 5.5m3/s(267.45m)・大所川7.37m3/s
取水:姫川第六発電所27.82m3/s新姫川第六発電所 30m3/s 233.48m


(横川[<→横川・中谷川>]合流・EL.212m)

(中部地方)
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(東北地方)

~小滝川(左)~      

小滝川利水模式図
出典:国 交省

黒部川電力(株) 長栂発電所[DB
運開:1962.11
水路式・流込式
出力:5,000kW  常時:200kW[4.0%]
使用水量:2.03m3/s[2.07]
有効落差:307m
流域:9.8km2
導水:2,109.1m
水車:ペルトン横軸5190kW×1台
取水:東俣沢(取水堰・高さ6.21m・堤頂長20.50m)924.20m
放水:東俣沢[滝上発電所]607.75m

まあはっきり云って可成り水量を分厚く取っている(常時出力が最大比4%しかない)。 出力を増強・安定させるには直ぐ西側の西俣川上流2沢から取水出来そう。
はっきりいって効率は宜しくないかもだが。。

[拡張私案]長栂発電所
水路式・流込式
出力:5,150kW[+0.15MW]
使用水量:2.1m3/s[+0.07m3/s][1.81]
有効落差:307m
流域:9.8km2+1.8km2=11.6km2
導水:2,109.1m+1,010m=3.1km
水車:ペルトン横軸5190kW×1台
取水:東俣川(取水堰・高さ6.21m・堤頂長20.50m)・西 俣沢A西 俣沢B924.20m
放水:東俣川[滝上発電所]607.75m


黒部川電力株式会社 滝上発電所[水 力
    昭和36(1961)年1月:運用開始
水路式・流込式
認可最大出力:15,00kW    常時出力: 2,100kW
    最大使用水量:5.57m3/s
    有効落差:314.00m
    水車:立軸ペルトン水車 出力15390kW×1台
    導水路:総延長7132.9m
    取水位標高:604.00m
    放水位標高:276.00m
    流域面積:29.9平方キロメートル
    取水:西俣沢・東俣沢[長栂発電所]・シックイ沢・ホドソ沢・^マツオ沢
    放水:小滝川[小滝川発電所

デンカ株式会社 小滝川発電所[水力] [DB
    大正10(1921)年11月  :運用開始
水路式・流込式
 認可最大出力:4200kW      常時出力:1100kW
    最大使用水量:5.98m3/s
    有効落差:100.91m
    水車:横軸フランシス水車×2台 総出力4476kW
    導水路:総延長2945.0m
    流域面積:55.2平方キロメートル
    取水:小滝川[滝上発電所]256.7m(420.0 [DB])、唐園沢(こ の辺?)(425.49m[DB])
    放水:小滝川152m [地理院](313.35m[DB])

DBの小滝川のデータには2点程謎があって標高が全く合っていない。尺貫法とかでもなさそう。一体何の数字が誤入力されてしまったのか?
もう一つは珍しく明記されてる本流以外の取水河川である唐園沢である。模式図から右岸(南側) と思われるがそれらしい(=わざわざ小滝川を越えて運んでくる程の)川は無さそうに見える。
取水するならこのサ カサ沢とかが良さそう。

東京発電(株) 新小滝川発電所[水 力
運開:1981.11
水路式・流込式
    認可最大出力:3,300kW      常時出力: 330kW
    最大使用水量:12.50m3/s[1.98]
    有効落差:31.60m
    水車:立軸フランシス水車 出力3350kW×1台
    導水路:総延長1222.2m、主要導水路 幅2.80m×高2.80m、延長694.4m
    流域面積:62.9km2
    取水:小滝川151.00m
    放水:姫川[姫川第七発電所]116.90m

可成り分厚く水量を積んでいる。
元々1921運開の電化の小滝川PS(放水位152m[推計]・DBの標高情報が可怪しいけど・・)と 1955運開の東京発電(姫川電力)の姫川第七PS(取水位123m)の間の未利用落差約40mを 1980年代に東京発電が開発したものである。
大した落差がないけどこういう開発でも指数1.98もの水量で発電所組んでも行けるんだな~♪



黒部川電力(株)  姫川第六発電所[水力]        
運開:1934.12[電気化学工業(株)]
水路式・流込式
認可最大出力:26,000kW(理論最大出力:29649kW)   常時出力:12,100kW[46.5%](理論常時出力:13940kW)
    最大使用水量:27.82m3/s[0.51]     常時使用水量:12.59m3/s[45%]
    最大出力時有効落差:108.75m    常時出力時有効落差:112.98m
    水車:立軸フランシス水車 出力14000kW×2台
    導水路:総延長4861.8m
    流域面積:546.26km2
    取水:姫川[大網発電所25.04m3/s大所川発電所7.37m3/s横川第二発電所 5.5m3/s堰 堤(70.36km2)]233.48m
    放水:姫川[姫川第七発電所]116.72m

常時出力も高いし流域面積に対して使用水量も少ないと思ってたが並行して新姫川 第六を建設していた!庄川辺りの新○○発電所並である♪
両発電所併せた使用水量は57.82m3/sとなり,面積比指数は[1.06]となり基準の1を超えて来る☆良い感じだ♪

[新設!]黒部川電力(株) 新姫川第 六発電所[日経] [黒部川電力]    
 新潟県糸魚川市大字山之坊字宮沢尻、大 字小滝字尾巻地内
着工/運開:2018.8/2022.4.5
最大出力:27,900kW (元々28,000kWだったけど想定の出力出なかった!?)
有効落差    102.30m
使用水量    30.00㎥/s
発電電力量 約8,770万kWh/年(こちらも元々  約8,840万kWh/年となってて一寸だけ減ってる。。) →このうち半分が北陸電力の新規発電分となる。
集水面積    546.26k㎡
ダム水路    取水堰(えん)堤    既設
導水路    延長 約 4,619m
水圧管路    延長 約 225m
放水路    延長 約 136m
方式:水路式・流込式
送電線    亘(こう)長 約 12km(66kV)
竣工年月    2022年7月(予定)
取水:姫川233.48m
放水:姫川[姫川第七発電所]122.40m

既設姫川第六発電所の取 水堰堤、取水口、沈砂池を共用しつつ、連絡トンネル、既設開渠部を拡幅した第二沈砂池、導水路、水槽、余水路、水圧管路、発電所、 放水路、放水口を新設するもの
出典:陸電

最下流はなんと東京発電である。その名も姫川第七 発電所(諸元)
しかしこれが放水が終わった時点で標高は7.6m。長い旅はこれで終わりである。50m3/sとチューブラ水車でも使ってもう一度佐久間第二みたいなの やってもいいかもしれないけどw
模式図によると途中の沢でも補水しているようだ。
出典:国 交省

~根知川~     

新姫川第六PS新設を受けて,新姫川第七PSも構想できる訳だが,水量をここから補給できそう。

上流未だ44km2もあるけど開発出来る程では無いか?


[私案]根知川第一発電所
出力:6,300kW[+6.3MW]
水量:2.5m3/s[1.29]
落差:300m
流域:19.4km2
導水:7.0km
取水:根 知川中 股沢大 久保 432m
放水:姫川[姫川第七発電所堰堤]123m

[私案]根知川第二発電所
出力:3,500kW[+3.5MW]
水量:1.3m3/s
落差:315m
流域:8.0km2
導水:
取水:根知川・中俣沢755m
放水:大 久保 432m

一寸出力がアンバランスに。もうちといい配分が内か要検討。

こ の姫川第七の分水・渡河設備は。。上の模式図によると大野用水というらしい。

東京発電(株) 姫川第七発電所[水力] [地 理院][DB]     
運開:1955.1[姫川電力(株)]
水路式・流込式
認可最大出力:43,200kW  常時出力:12,400kW[28.7%]
最大使用水量:49.00m3/s[0.77]
有効落差:99.425m
水車:立軸フランシス水車×2台 総出力23300kW
導水路:総延長10660.0m 放水路
流域面積:635.5km2
取水:姫川[取 水堰姫川第六発電所(30m3/s)新姫川第六発 電所(30m3/s)]・小 滝川(取水堰)新小滝発電所(12.5m3/s)・字切沢・虫 川 6箇所 123.00m
放水:姫 川7.68m

新姫川第六新設を受けて当然新第七も欲しい所である♪30m3/sだと増え過ぎな気もする(元々第七の方が規模は大き め)ので20m3/sに抑えておく♪
ここも取水堰堤、取水 口、沈砂池を共用しつつ、連絡トンネル、既設開渠部を拡幅した第二沈砂池、導水路、水槽、余水路、水圧管路、発電所、 放水路、放水口を新設と行きたい♪

[私案]新姫川第七発電所    
水路式・流込式
認可最大出力:16,800kW[+16.8MW]
最大使用水量:20.00m3/s (49.0m3/s[])
有効落差:99.0m
流域面積:635.5km2
取水:姫川[取 水堰姫川第六発電所(30m3/s)新姫川第六発電所(30m3/s)]、小滝川[取 水堰新小滝発電所(12.5m3/s)]123.00m
放水:姫 川7.68m