電力総研 水力あれこれ(紀伊半島)
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天ノ川・十津川電源開発と逍遙 十津川第一発電所 十津川第二発電所 北山 川 熊野川
20.09.12運開
奥吉野発 電所

吉野の山奥にある揚水発電所。巨大な蓄電池である。

奥吉野発電所[水 力.com][nef (関電)
所有:関西電力(株)
運開:1978.6
揚水式水力(ダム式・純揚水式)
認可最大出力:1206.0MW
最大使用水量:288.00m3/s 最大揚水量:229.20m3/s
有効落差:505.00m
ポンプ水車:6台*207MW 総出力1242000kW
上部貯水池(河川)・下部貯水池(河川)/瀬戸ダム(瀬戸谷川)960m/旭ダム(旭川)430m

瀬戸ダム…奥吉野発電所上部貯水池[nef (関電)
所有者:関西電力(株)
堤高:110.5m
着工/竣工:1971/1978
総貯水容量:1,479万立米(建設時)    有効貯水容量:1,128万立米(建設時)
流域面積:2.9 平方キロメートル/ 湛水面積: 0.52平方キロメートル
利用水深:34m

 旭ダム…奥吉野発電所上部貯水池[ダ ム便覧(旭ダム)][nef (関電)
所有者:関西電力(株)
着工/竣工:1971/1978
総貯水容量:1,547万立米(建設時)    有効貯水容量:1,263万立米(建設時)
満水位標高:462m/ 低水位標高:430m (利用水深:32m)
流域面積:39.2km2    湛水面積: 0.56km2
水門設備等
    洪水吐(クレストゲート):最大放流量1200立方メートル毎秒
    放流管(表面取水設備付):最大放流量約10立方メートル毎秒
    放流管:最大放流量約100立方メートル毎秒

その下池の旭貯水池であるが,旭川を堰き止めて作られている。が,旭川の本流をトンネルで切り回してる様だ。
出 典:国土地理院

何か可能性を感じたがこのトンネルは排砂バイパスらしい。
ダム建設後、流域の崩壊地の拡大で何ヶ月にも及ぶ濁 水長期化現象や、当初の予想を上 回るダム堆砂が進行。このため、出水時にダム湖上流からの砂をバイパスによりダム下 流に排砂。1998年から実施。[ダ ム便覧]


で,更に別の話になるが,過放流事案が起きたらしい。

奥吉野発電所下部ダム(旭ダム)における過放流について
https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2015/0724_1j.html


 当社の奥吉野発電所(揚水式発電所:出力120万6千kW、奈良県吉野郡)の下部ダムである旭ダムにおいて、平成27年7月17日、法令で定められた水 量を上回って放流していたことが、この度判明しました。

  放流水量の調節などダムの操作については、河川法で作成を義務付けられた操作規程に基づいて行う必要があり、旭ダムの操作規程では、発電に使う水量を除い たダムへの流入水量(以下、流入水量)が、規定流量(110m3/s)を上回る状態(以下、洪水状態)においては、流入水量とダムからの放流水量を等しく する必要があります。
 今回、台風11号に伴う降雨の影響により、7月16日午後3時2分から翌17日午前11時54分まで旭ダムは洪水状態と なっていましたが、当社のダム勤務員が操作規程を誤って認識していたため、発電に伴い旭ダムに流した水量も流入水量に含めることができると判断し、17日 の午前9時2分から午後1時0分までに、約70万m3の水を過放流しました。(とは註:4hで70万m3なので平均48.6m3/sである。最大使用水量 に比べれば僅かではある。)
 
旭ダムの概要と過放流について(別紙)
https://www.kepco.co.jp/corporate/pr/2015/__icsFiles/afieldfile/2015/07/24/0724_1j_01.pdf
●旭ダムの概要 奥吉野発電所(揚水式発電所)の下部ダム。発電時は、上部ダムである瀬戸ダムの貯留水を受入れ、揚水時は貯留水を瀬戸ダムへ送る役割を果たす。当ダムに は、土砂や流木がダムに溜まらないようにするための「排砂バイパス」が設置されている。



排砂バイパスの排水能力は140m3/sだそうな。[関電

詰まりは水を捨ててる訳では無く,旭ダムに土砂や材木が流れ込むのを防いでいた訳だ。とはいえ,発電して水が余ったら下流に棄てざるを得ない運用なのは雨 で流入すれば仕方がない。

旭ダムの水門設備情報によればこの規定の110m3/sと云う のはこの放流管での合計の様で(クレストゲートの能力はいざとなったら(=ダムが崩壊しそうになったら!?)1200m3/sで吐水は出来るということか な?),大雨時に発電しつつ旭ダムの,从(したが)って瀬戸ダムの水量を減らせないと云う事になる。流れ込む量を計算して前以て排水しとけってことか?揚 水発電所なので使用水量は多くまた機能も重要である。
排砂トンネルへ水を誘導するような仕掛けが必要なのかも。

とはいえ,折角ダムあるんだし(降雨時と晴天時の流量が桁違いの川なのでダムの機能は非常に重要なのである。流込で作れば良いと云うものでもない。まあ調 整は天然ガ ス火力に任せるのも勿論ありだが…),旭川本流や今も流入している槁谷に加えて上池を構成する瀬 戸谷(527.5m)は殆ど水量集められないとしても,近辺から追加で導水して旭川の余分な水量等と併せその範囲で発電出来ひんやろか??
因みに近くの風屋ダム・十津川第一P/Sでの取水量は沢一箇所 辺り3.0m3/sである。

また和 歌山県の資料に拠るとこのまさに旭川の上流,宇無ノ川上流辺りの大峰山脈あたりに3,000mm/年の島がある。この島の西側から流れ出るのは (一筋南側の滝川や栗平川ではなく)旭川と思われる。
水は豊富であろう。
自然破潰にはくれぐれも気を付けたいけど,恐らくこの辺の雨は亜熱帯風にスコールみたいにざっと降って直ぐに山を駆け下ってしまうのではなかろうか?
この豊富な水を一旦貯める事が出来る旭ダムは魅力的だが,此処に限らず太田ダム黒田ダム等純揚水の流入水嫌いはどこも強烈である。。






基本,目的地は風屋ダム295mである。

最奥部,EL.650mで取水して,旭ダムの土砂ダムEL.460mに向けて発電してみる。

[私案]宇無ノ川発電所
出力:7,600kW[+7.6MW]
水量:4.6m3/s[1.67]
落差:195m
流域:26.9km2
導水:4.1km+1.5km
取水:宇 無ノ川[堰堤654m]中 ノ川不 動小屋谷660m
放水:旭川[旭ダム土砂ダム]460m


[私案]風屋発電所
出力:9,700kW[+9.7MW]
水量:7.4m3/s
落差:155m
流域:49.3km2
導水:9.36+1.78km
取水:旭川[旭ダム土砂ダム]・460m
放水;十津川[風屋ダム]295m


更に滝川流域迄導水2.98km追加で流域面積:21.6km2取れる[要 堰堤・455m


あと滝川迄伸ばしたりしたけど逆にこちら(栗平)からもこちら(大峰)からも狙われているw
大峰の計画と接続する。デカくなったので十津川第三の名告りをあげる資格ありだろう,もうこれは ♪
池郷川から9.8km2お迎えする。下図のEL.741mより上流側。


[私案]十津川第三発電所
出力:13,200kW[+13.2MW]
水量:10.0m3/s[1.25]
落差:155m
流域:49.3+21.6[滝川]+9.8[池郷]=80.7km2
導水:9.36+1.78km
取水:旭川[旭ダム土砂ダム]・460m
放水;十津川[風屋ダム]295m