九頭竜川 水力あれこ れ 陸電水発抄
と はずがたりな掲示板 (利 水スレ電 力スレ)
2020.12.03運開
九頭竜川水系真名川中下流篇(21.10訪問)(23.7訪問)
九頭竜川(流域概要 水 系発電所一覧) 奥越綜合開発 石徹白電源開発(+8.9MW) 上打波・下打波・東勝原発電所(+3.2MW) 足羽川 日野川
真名川[(南:根尾谷・西:足羽川)・ 笹生川D・雲川D・中島PS・真名川D真名川PS五条方PS真名川頭首工]・奥 地開発雲川PS中島第三PS五条方PS (改造)

~沿川風景~(上流篇より続く)

北陸電力(株) 五条方発電所[水力]      
運開:1953.1.15(17500kW?)/改修(増加):2013.5.10(17800kW)
水路式・流込式
認可最大出力:17,800kW(出力増加前17,500kw)  常時出力: 8,100kW(46.3%・出力増加前)←割と高め。
最大使用水量:16.00m3/s
有効落差:129.95m
水車:2台 総出力18200kW(出力増加前?)
導水路:総延長8841.1m
流域面積:141.8km2
取水:中島発電所(16m3/s)[雲川ダム・笹生川ダム] 373.22m
放水:真名川[真奈川頭首工→真名川用水・富田発電所]230.33m

北陸電力(株) 真名川発電所[水力]        
運開:1977.4or1978.1[福井県企業局]・2010.3:北陸電力へ譲渡・2014.3:出力増加(14200kW)
ダム水路式・貯水池式
認可最大出力:14,200kW(出力増加前14,000kW)  常時出力: 680kW[4.85%](出力増加前データ)←常時ちいせえ。。尖頭用 電源として機能してるの??
年間発電電力量:約70200MWH(7020万キロワット時)
年間発電電力量:約68900MWH(6890万キロワット時、出力増加前データ)
最大使用水量:15.00m3/s
有効落差:109.80m
水車:出力14800kW×1台
導水路:総延長2186.710m
流域面積:223.7km2
取水:真名川[真名川ダム]348.0m
放水:真名川[真奈川頭首工→真名川用水・富田発電所]230.2m(230.4m)

真名川頭首工[場 所
送水:発電(富田発電所)16.00m3/s・潅漑(真名川用水)12.30m3/s・その他用水(大野市)0.1m3/s(8,640m3/日)
取水:発電(五条方発電所)16.00m3/s・発電(真名川発電所)15.00m3/s・真名川[堰堤]

五条方発電所と真奈川発電所の放流を受け,富田発電所と周辺の農業用水へ送水する真奈川・笹生川等の結節点である。九頭竜川・打波川等の結節点の富田堰堤に対応する。
資料に拠ると富田堰堤からの2004年の平均取水量38.8m3/sに対し て真奈川頭首工からのそれは16.0m3/sだそうな。概ね5:2である。真名川・富田が送水する富田発電所(とそれより下流の壁倉発電所と市荒川発電所 迄)の最大使用水量は80m3/sである。
概ね50m3/sと20m3/sの比率で送ってる感じである。(九頭竜ダムからの管理された水で発電する湯上P西勝原第三はそれぞれ53.0m3/s, 56m3/s。)流込式の初期開発の九頭竜川・打波川等から10m3/s(東勝原が 8.6m3/s,西勝原第一Pが11.13m3/s,両者併せて発電する西勝原第二Pが26.41m3/s)程度という感じか。
単純計算で真名川+五条方+西勝原第二+第三=113.41m3/sとなる。ここから農業用水など差っ引く訳だが富田P以下の使用水量80m3/sよりは 多めに確保出来そうな感じがしなくもない。まあ一年を通じてそんな大量に得られる訳でも無いからそれ以下になってしまうのも已む無しで新規投資する程の事 も無い感じか。

真名川堰堤他
真 名川が大野盆地に出た所[地理院]に一寸した堰堤があって,五条方発電所・真名川発電所の放流口と農業用水(真名川用水)の頭首工,富田発電所の 取水口などが集まっている。

堰堤と取水施設と五条方発電所の水管と上部水槽。

取水部近接写。コンクリートが白い。後で見た五条方発電所の放水施設なんかより新しい感じ?

勢いよく水を噴きだしてるが,地図上では真名川発電所の放流水の様である。真名川PSの水を富田発電所で使ってな いのかと心配になる。


真名川用水の取水口は真名川頭首工というようだ。

6.6 奥越地方の発電および農業水利(発電のみはこちら)
出典:国 交省

 真名川の五条方には、堀兼用水大 井用水のための取水口があり、森政領家地区には明後用水の 取水口があった。これらの取水口は、洪水のたびに破損し、修理を行っていた。
 昭和24年(1949)頃に3用水を合併し合同の堰堤を造る案が出 てきて、各用水組合で協議を重ねた。当初はなかなか決まらなかったが、ようやく組合を存続するという形で工事を行うことで決着した。
  取水口は堀兼用水の取水口とし、ここに3用水の合同頭首工を築造して、北陸電力五条方発電所(とは註:1953年運開)の落水をも合わせて取水することと なった。
昭和29年(1954)に着工され、昭和33年(1958)に竣工し た。この工事の完成によって、日照りが続いても2ヵ月は大丈夫といわれ水不足や水争いも解消され、…
昭和31年(1956)には木の本原野196haの開拓のため、真名川用水を利用することとなった。
出典:国 交省

頭首工など主要施設のある向こう側へ渡る為に一寸下流の佐開橋を渡る。そこからの眺め。雨天だったせいか水量たっぷりな感じではある。

ここに逆調整池を設ければその分だけ上流からの発電を尖頭用に出来る。

地図上の五条方発電所の"方"の字付近にあったコン クリートの函。多分逆サイホンの出口と思われる。此処を介して五条方発電所(と真名川発電所)が富田発電所と連檐しているのである。


真名川発電所は奥まった場所にある。放水先は地下を通るようでよく解らなかった。合流部は解らないが流石に真名川への放水路のみならず富田発電所にも真名 川用水にも送れるようになってるはずである。


真名川用水中央管理所棟(金文字には”真名川用水中央管理所”とある)


真名川分水工(潅漑)


分水工(真名川発電所)…真ん中の水門から水が流れ込んできてる点とG 空撮等も参考にするとどうやらこう(マウスオーバー)らしい。

これなら真名川・真名川発電所・五条方発電所→富田発電所・真名川用水が全部行ける。真ん中の水門から真名川に放水も出来れるなら五条方発電所→真名川も 行ける。
現地では訳解らずとりま写真だけとっていたけどこれで決まりだと思う。

分水工(富田発電所)と利水標(拡大)…ここから川をくぐって先程のコンクリートの箱の所へ出てくると思われる。


謎の小屋と利水標(拡大)


謎の小屋の上流側に潅漑の利水標(拡大)


真名川取水口(五条方発電所放水口)


五条方発電所


以下,概要及び上流篇開発篇に 続く