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22.2.3運開
小矢部川の利水と水力発電

さて小矢部川である。
近隣の庄川・神通川に比して随分開発が劣っているように見える。まあ手取川と庄川の上流が3000mm以上なのに比してそれ以下で且つ流域面積も庄川や神 通川に比べてだいぶ狭いとなると已む無しか。。
下流部で先ず能登半島の付け根付近から流れ出てくる子撫川が合流してその後,本流が庄川と石川県の間の谷筋 から流れ出て来るのを利用して刀利ダム小矢部川第一発電所太美ダム小矢部川第二発電所が設置されている。

『小矢部川水系の流域及び河川の概要(案)』 2007年 国交省河川局
 


5-1-1 農業用水
小矢部川水系の農業用水は豊富な流量をもとに古くから開発されてきた。しかし、砺波平野においては庄川扇状地の発達が著しく、小矢部川はこの扇状地の扇端 を流れるため、この地域の農業用水の多くは庄川に依存している。

小矢部川もかつては多くの農業用水取水口が分布していたが、平野部上流は小矢部川農業水利事業が昭和35 年に着手され、洪水調節と発電を含む多目的の刀利ダムが昭和42 年度に完成し、農業用水の整備が図られ、現在では小矢部川第1~3 頭首工から取水されている。中流部については昭和14~18 年に中部合口用水事業が行われ、6 ヶ所の用水取入口が合口された。その潅漑面積は約700ha、最大取水量は約5.3m3/s である。なお、小矢部川改修事業に伴って小矢部川大堰を建設、これによって約550m 下流の中部合口堰より取水されていた中部合口用水は小矢部大堰から取水する。また、平成5 年には臼中ダム、五位ダムが完成している。

このほか下流部では五位庄用水(かんがい面積626ha、最大取水量5.81m3/s)、五ヶ村揚水機(同109ha、同0.34m3/s)、西条畑地潅 漑用水(同150ha、同0.3m3/s)、下八ヶ佐加野用水(同461ha、同5.58m3/s)などが取水している。



出典:いずれも国 交省



>流域の気候は日本海型気候に属し、 年平均降水量については平野部で約2,400mm、山地部では3,100mm と多雨多雪地帯である。[国 交省
なかなか♪
資料に拠っては3000mm以上のものもあるということか!

>小矢部川はもともと水を集める流域 も小さく、水を蓄える森林が少ないため、上流部では水が不足し、たびたび干ばつが起こっていました。その一方で、小矢部川上流部の地形は急峻で、大雨が降 れば一気に氾濫し、農地や取水設備に大きな被害をもたらしました。
>そこで、小矢部市、南砺市の農地約 4,000haのかんがいと洪水被害の防止を目的に昭和42年に刀利ダム、平成5年に臼中ダムが造成されました。[富 山県

~沿川風景~
(河口)


~子撫(こなで)川~    

[廃止]石動電 気(株) 高坂発電所(→宮島発電所)[] [wiki
石動電気開業:1911.9.10(恐らく開業とともに高坂発電所が運開)
出力:82.5kW→規模が小さく直ぐに下島発電所建設に着手。


子撫川ダム[便覧] [aika]
河川     小矢部川水系子撫川
目的/型式     FNW/ロックフィル
堤高/堤頂長/堤体積     45m/224m/546千m3
流域面積/湛水面積     31.8km2 ( 全て直接流域 ) /70ha
総貯水容量/有効貯水容量     6600千m3/6000千m3
ダム事業者     富山県
着手/竣工     1969/1978
発電所名:子撫川ダム発電所(こなでがわだむ)
事業者名:富山県企業局
出力(kW):80
開始年月:昭和60年12月

>五位ダムは、子撫川ダムの約4.1km上流である矢瀬尾川と三合谷川との合流点付近(天端標高 192.0m)に位置し、集水面積が13.8k平方メートルです。[富 山県

五位ダム[便覧][富 山県][aika]
目的/型式     A/ロックフィル →氷見市及び高岡市の一部の田畑で不足する分の農業用水を補給
堤高/堤頂長/堤体積     57m/230m/1130千m3
流域面積/湛水面積     13.8km2 ( 全て直接流域 ) /57ha
総貯水容量/有効貯水容量     880.0万m3/810.0万m3 (内訳: 氷見導水分     660.0万m3 子撫川補給分     150.0万m3)
ダム事業者     北陸農政局
着手/竣工     1974/1992
発電所名:五位ダム発電所(ごいだむ)
事業者名:氷見市土地改良区
出力(kW):199
開始年月:2021年5月

常時満水位標高     EL.187.60     m
最低水位標高     EL.161.00     m

潅漑期間(4月26日から9月5日)
最大取水量
4月26日~5月10日 Q=1.354m3/s
5月11日~9月5日 Q=3.243m3/s










~旅川~

高瀬発電所(たかせ)[aika
事業者名:庄川沿岸用水土地改良区連合
出力(kW):199
開始年月:2015年1月
取水:庄川合口ダム[→庄川]







~山田川~

桜ヶ池[富 山県
場所:こ こ
給水:城端ダムより
水位:237m程度

城端ダム(旧名:砺波山田川ダム)[便覧][富 山県
河川     小矢部川水系山田川
目的/型式     FNS/重力式コンクリート 消流雪用水
堤高/堤頂長/堤体積     59m/216.5m/143千m3
流域面積/湛水面積     10.8km2 ( 全て直接流域 ) /16ha
総貯水容量/有効貯水容量     300.0万m3/240.0万m3
ダム事業者     富山県
着手/竣工     1972/1992
発電・認可出力:
発電・年間発電量:約900MWh (2009年)


小矢部川第三頭首工
>南砺市岩木地先で約2m3/s(年 間最大)を取水する起伏式可動堰です。旧来の下流地域の水不足を解消するため、農業用水路と併せて整備されました。ここで取り入れられた農 業用水 は左岸側の砺中用水を 流下し小矢部市千羽山麓沿いの農地をかんがいしています。[富 山県

小矢部川第二頭首工
>南砺市殿地先で約3m3/s(年間 最大)を取水する可動堰で、小矢部川総合開発の一環として、旧来の下流地域の水不足を解消するため、刀利ダム等と併せて整備されました。こ こで 取り入れられた農業用水は、右岸側の吉江東石黒用水と左岸側の 上江石黒用水により農地をかんがい しています。[富 山県


~山田新田用水~

山田新田用水発電所[aika
事業者名:小矢部川上流用水土地改良区
出力(kW):520
開始年月:2013年3月






~赤祖父川~

赤祖父溜池[便覧
河川     小矢部川水系赤祖父川
目的/型式     A/アース
堤高/堤頂長/堤体積     31.9m/200.2m/198千m3
流域面積/湛水面積     4.77km2 ( 全て直接流域 ) /7ha
総貯水容量/有効貯水容量     760千m3/760千m3
ダム事業者     庄川上流用水土地改良区
本体施工者     ダム事業者直営
着手/竣工     1932/1945






~池川~

[廃止]砺波電 灯(株) 蓑谷発電所[wiki] [
南砺市蓑谷
運開:1913.6
出力:104kW

>1913年6月開業の砺波電気(井波)…を1923年(大正12年)8月21日付で石動電気は合併した。同社は開業時から東礪波郡蓑谷村(現・南 砺市)に出力104キロワットの小水力発電所を持っていた。
 





小矢部川第一頭首工[富 山県
放水:小矢部川[小矢部川第二発電所12.0m3/s?]
取水:明神用水(左岸)・山田新田用水(右岸) 4.91m3/s
>南砺市嫁兼地先で約5m3/s(年 間最大)を取水するコンクリート固定堰です。小矢部川総合開発の一環として、旧来の下流域の水不足を解消するため、刀利ダム等と併せて整備 されま した。ここで取り入れられた農業用水は、右岸側の山田新田用水と左岸側の明 神用水により農地をかんがいしています[富 山県

富山県企業局 小矢部川第二発電所[水力
富山県南砺市太美
運開:1965.7 or 1968.12
ダム水路式・調整池式
認可最大出力:11,400kW  常時出力:  0kW[0%]
最大使用水量:12.00m3/s[1.71]
有効落差:113.13m
水車:立軸フランシス水車 出力12100kW×1台
導水路:総延長3575.1m
    流域面積:70.4km2
    取水:小矢部川[太美ダム](48.2km2)、打 尾川(22.2km2) 260.0m
    放水:小矢部川 139.06m[こ こか?山 田新田用水に直結?]・


~打尾川~

小矢部川第二発電所取水堰[場所]


富山県 臼中(うすなか)ダム[水力] [富 山県][便 覧
富山県南砺市樋瀬戸
発電所    認可最大出力:740kW
河川     小矢部川水系打尾川
目的/型式     FA/ロックフィル
堤高/堤頂長/堤体積     68.9m/238m/1212千m3
流域面積/湛水面積     13.5km2 ( 全て直接流域 ) /30ha
総貯水容量/有効貯水容量     6950千m3/6070千m3
     灌漑容量:4,770,000立方メートル(有効貯水容量の内)
     洪水調節容量:1,300,000立方メートル(有効貯水容量の内)
      堆砂容量: 880,000立方メートル
ダム事業者     富山県
着手/竣工     1975/1993
標高       天端標高:344.9m
     非越流部標高:344.4m
    計画洪水位標高:339.0m(サーチャージ)
      越流頂標高:339.0m
    常時満水位標高:335.4m
     最低水位標高:309.5m
     基礎岩盤標高:276.0m
流量
    計画洪水流量:249立方メートル毎秒
    計画調節流量:112立方メートル毎秒
    計画流下流量:137立方メートル毎秒
利水
    灌漑面積:4354ヘクタール
    最大使用水量:2.0立方メートル毎秒
    その他放水:9.8立方メートル毎秒(最大)



~蛇谷川~

蛇谷池 [富山県](じゃたにいけ) [便覧][場 所
河川     小矢部川水系蛇谷川
目的/型式     A/アース
堤高/堤頂長/堤体積     19m/87m/164千m3
流域面積/湛水面積     km2 /3ha
総貯水容量/有効貯水容量     360千m3/360千m3
ダム事業者     小矢部川筋土地改良区
本体施工者     ダム事業者直営
着手/竣工     /1949


[廃止]石動電気(株) 下 島発電所(小矢部川発電所)[] [wiki] [石崎
南砺市小院瀬見
運開:1914.2
廃止:1965.7(北陸電力(株)小矢部川第一発電所・太美ダム建設に伴う)
出力:400kW

>(石動電気は)小矢部川上流にあたる西太美村大字小院瀬見(現・南砺市小院瀬見)に下島発電所(後の小矢部第一発電所)を建設。同発電所は出力 400キロワットにて1914年(大正3年)2月より運転を開始した。[wiki

太美(ふとみ)ダム[便 覧][水力] [マニア
河川     小矢部川水系小矢部川
目的/型式     P/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     30.5m/59m/16千m3
流域面積/湛水面積     48.2km2 ( 全て直接流域 ) /5ha
総貯水容量/有効貯水容量     35.2万m3/23.8万m3
ダム事業者     富山県
着手/竣工     1963/1965
取水量:11.00m3/s (発電・小矢部川第二発電所)[ダムマ ニア

刀利ダム逆調整池か?

富山県企業局 小矢部川第一発電所[水力]    
富山県南砺市刀利
運開:1966.4(12,000kW)
ダム水路式・貯水池式
    認可最大出力:12,500kW      常時出力:  0kW
    最大使用水量:16.00m3/s
    有効落差:94.20m
    水車:立軸フランシス水車 出力13900kW×1台
    流域面積:45.9km2
    取水:小矢部川[刀利ダム]354.50m
    放水:小矢部川258.50m


小矢部川の有利な点は上流部(満水位EL354,5m・流域面積45.9km2)に刀利ダム(V=2,340万 m3)があって流域の流れが安定化して要ると云うことである。

刀利(とうり)ダム[富 山県][便 覧][水力]     
河川     小矢部川水系小矢部川
目的/型式     FAP/アーチ
堤高/堤頂長/堤体積     101m/219.4m/148千m3
流域面積/湛水面積     45.9km2 ( 全て直接流域 ) /103ha(1.03km2)
総貯水容量/有効貯水容量     3,140.0万m3/2,340.0万m3
ダム事業者     北陸農政局
着手/竣工     1958/1967
    堤高:101.0m、堤頂長:229.434m(左岸61.500m+アーチ部164.934m+右岸3.000m)
     総貯水容量:31,400,000立方メートル
    有効貯水容量:2,340.0万m3(洪水調節容量: 900.0万m3)
      死水容量: 540.0万m3(内堆砂容量: 260.0万m3)
堤頂標高:358.00m
満水位標高:354.50m
洪水吐越流頂標高:352.00m
灌漑開始期貯水位標高:347.65m→347.0m
洪水期制限水位標高:345.00m(6月26日~9月30日)
低水位標高:321.50m
低水位放流管中心標高:305.00m
堆砂位標高:305.00m
河床標高:261.50m(→堤頂が358mで堤高が101mなので河床から堤頂まで97m・岩盤から河床まで4mということか?)
基礎岩盤標高:257.00m
  平水量(流況s20~34・ 1945~59の事?) 3.45m3/s
  低水量(流況s20~34)  2.07m3/s
  渇水量(流況s20~34)  1.00m3/s
洪水吐:435  立方メートル毎秒    低水位放流管: 30.0立方メートル毎秒
灌漑面積:4354ヘクタール
発電最大使用水量16.0m3/s
潅漑最大使用水量8.33m3/s

上流で200m程高度取って発電試みてみる。EL560mから取水すると矢張り流域面積の狭さが足を引っ張り14.2km2程。1.9m3/s取るとする と3,200kWか。。やや厳しいな。。
この辺は流域面積の狭さが出てしまう。。東隣は庄川,西隣は犀川である。


この先,r54でブナオ峠を越えて庄川の方へ県道は繋がっているのだけどまあ荒れ放題の県道で,昨今は通行止めが多いそうで,まあ抛棄しても已む無しな感 じかも。もっと平地の方におカネ使いたい。

引っ掛かった記事。長 瀞峡の奥に下小屋という廃村があり,多分そこから更に進むと大崩落地があって開かずの県道化しているようである。

元祖・山神のブログ(前篇後篇)
林道へ行こう 滋賀発
峠と旅(前 篇後篇)
とりあえず気になったので逝って みたレポート【富山県内】
2017年 富山県道54号線(険道 ブナオ峠への道 ノーカット版)中河内から行ける所まで

ブナオ峠→庄川流域境川方面

(源流・大門山)