電 力総研 水 力あれこれ(天竜川[信濃区間]) 天竜川中上流域 天竜 川中下流域
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運開:20.11.26
阿知川・阿智川開発篇(下流部)

1.概況 2.現況と増強(上流篇[清内路発電所・黒川堰堤・本谷堰堤・横川堰堤・園原堰 堤・昼神発電所駒場ダム]・下流篇[駒 場発電所(諸元)・三穂堰堤湯 川沢堰 堤三穂発 電所(諸元)・阿 知川堰堤阿知川発電所(諸元)])
3.開発(3-1:上流部開発(別頁):清内路発電所[+5.7MW] 昼神発電所周辺増強案[+15.7MW]3-2:三穂・阿知川発電所リブレース[+22.29MW・駒場発電所増強)

3-1 奥地・上流部開発(別頁)

3-2 下流開発篇  
新阿知川発電所(阿知川第一発電所)(案) (阿知川発電所(廃止)(案)) 三穂発電所増強 駒場発電所増強(→阿知川第二発電所(案))

現況
発電所名
運開
出力
常時出力
取水位
放水位
落差
水量
流域面積
昼 神
1944
8,700kW
2,700kW[31.0%]
753.10m
607.84m
137.88m
7.40m3/s[0.585]
126.4km2
駒場
1937
5,600kW
2,700kW[48.2%]
606.71m
507.16m
92.00m
7.235m3/s[0.517]
140.4km2
三穂
1930
6,000kW
3,100kW[51.7%]
515.20m
414.88m
94.55m
8.06m3/s[0.44]
184.5km2
阿知 川
1923
810kW
720kW[88.9%] 393.31m
372.57m
18.52m
5.57m3/s[0.26] 213.0km2
泰阜
1936
52,500kW
12,900kW[24.5%]
355.00m
316.51m
36.86m
200.0m3/s


下流篇で既に指摘しているように阿知発電所の諸元から得られる情報として

①流域面積に対して使用水量が少なく,最大出力に対して常時出力の比率が高く,詰まりは豊富な水を全く使いこなせていない状 況である。
②また直ぐの 泰阜ダムの満水位に対して17m 程の未利用落差がある。
③また直ぐ三穂発電所の放水位414mに対して21m程の未利用落差が ある。

がある。まあ一番古い発電所なので已む無しであろう。名前も代表的な名前つかっちゃってるし,,阿知川発電所の僅か7年後には6.0MWの三穗発電所が運 開しているし先ずは実験的に作って行けるとなったのであろう。

三穂発電所放水位414mで取水位して泰阜ダム取水位の355mで放水すれば有効落差50m程は取れて,流域面積も200km2程あるので20m3/s程 取ると水車効率87%で8,500kW程の発電所を建設可能である。水路延長3.1km


[私 案]新阿知川発電所(阿知川第一発電所)   
出力:9,300kW[+8.49MW(現阿知川PS廃止)]
水量:20.00m3/s
落差:55m→導水距離短いし有効落差このくらい取れそう
流域:210km2→阿知川堰堤~三穂発電所間の流域は約2.8km2
導水:3.1km
取水:阿知川[三穂発電所8.06m3/s[既設]・新三穂発電所(案)12m3/s or 阿知川第二発電所(案)9m3/s]414.0m
放水:天竜川[泰阜ダム]355.0m

阿知川発電所の後処理    

大部分の水量を奪われる哀れな阿知川PS(残る流域は2.8km2とほぼ無しw)には代替水源としてここを上げたい。合計3.9km2
。これで現行施設を動かすのは大雨時など可成り水量が豊富な時だなぁ。。最近はなるべく既設廃止なしでやってきたけどここは廃止已む無しか。

500m程の導水が必要になるけど弟川からも引っ張ると計6km2で1m3/s程度は確保出来る?


まあ,こんなんしてまで残しても水量足りないなら廃止もありだな~。それでも+8.49MWいけるし。

三穂発電所増強[→唐笠発電所(案)立石発電所(案)久米川導水や調整池設置]   
さて,三穂発電所の使用水量も大したことない(→一覧)ので纏めてリプレースした方が良いかも知れない。 その場合阿知川の三穂取水口から泰阜ダム湖畔迄7.8km2 程。湯 川からの取水は出来なくなるが,南岸(右岸)の相沢川・河内川・鴬巣川等から取水は出来て一気に発電出来る。
この場合,新阿知川と被るのでするならどっちか一方である。計画で新阿知川発電所[+9.3MW]を凌駕出来る魅力 的な発電所を提案出来るかが鍵である。また三穂迄廃止するのは余り現実的では無いので三穂・阿 知川を残すことになる。

兎に角三穂堰堤(流域面積:174.7km2)から取水して湯川(直接流域面積9.8km2)の代わりに相 沢川河 内川鴬 巣川のEL.515m程から取水すると17.4km2。流域面積は合計174.7※+9.8+17.4=201.9km2(※には木槌川を含んで いる可能性もある)。凡そ20m3/s取れるとして三穂が8.06m3/s持ってくので残りは12.0m3/s程度。

河内はまあ東海では一般名詞だとしても,鴬巣も飯田線に鶯巣駅があったがそことは別の場所で割りと一般的な地名なのかな??

以上を纏めて以下の2案を得る。

[私案](大)新三穂発電所(唐笠発電所)…上図橙線   
出力:15,300kW[+15.3MW]~25,500kW[+19.5MW]
水量:12.00m3/s~20.0m3/s
落差:150m
流域:192.1km2(=174.7[阿知]+17.4[相沢・河内・鴬巣])
導水:7.64km[2.00]
取水:阿知川[三穂堰堤]・相 沢川河 内川鴬 巣川 515.0m
放水:天竜川[泰阜ダム]355.0m

[比較検討私案](小)新三穂発電所(立石発電所)…上図赤線    
出力:9,200kW[+9.2MW]→ この(案)は新阿知川(案)と併せるので結局9.2+9.3-0.81=+17.69MWとなる。
水量:12.00m3/s
落差:90m
流域:192.1km2(=174.7[阿知]+17.4[相沢・河内・鴬巣])
導水:5.7km(サイホン一カ所)→導水距離は新阿知川(案)と併せるので結局3.1+ 5.7=8.8kmとなる。導水・発電効率は2.01。
取水:阿知川[三穂堰堤(駒場発電所)]・相 沢川河 内川鴬 巣川 515.0m
放水:阿知川[新阿知堰堤(三穂発電所)]414.0m

発電所を二カ所より一カ所のほうが絶対に資本効率は良いと思うのだけど,未だ使える三穂を廃止して大容量の発電所建設のコストが下の計算には入れれてな い。意外に二カ所も良さそう。。そっちを差し当たっての成案とする。

No.
設置
廃止
出力
導水建設
発電量増
効率
摘要

新阿知
阿知川
+8.49MW
3.1km
1,051.8
339.3


新阿知・立石
阿知川
+17.69MW
8.8km
2,055.3
233.6


唐笠(12m3/s)
なし
+15.3MW
7.64km
1,672.5
220.1


唐笠(20m3/s)
三穂
+19.5MW
7.64km
2,119.4
278.9





おまけ1 (久米川導水)    

湯川の北にある久米川から導水しても良い。三穂の水量が更に確保出来てその分新三穂の水量を12→13m3/s位には出来そう。

現在,雨天時にも取水出来てるので良いんだけど三穂堰堤に調整池欲しい気もする。

おまけ2 (調整池欲しい)

7ha。使用水深1mで7万m3・14m3/sで1時間24分程の貯留は出来そう。

 現地は現状ただっぴろくて何かを感じさせる(笑)。
23.7



駒場発電所増強   

駒場発電所は140.4km2の流域面積を持ち,降水量も概ね2400mm以上であるから11.2m3/s程度は使えそうである。昨今の最大 使用水量を多めに積む傾向(この辺参照・もう全然昨今では無いけどおじさんに 取っては1995年ぐらいは昨今w)を考えると14.0m3/sでも良い。
現行で7.235m3/sなので4~7m3/s程度は増強出来そう。
取水位の水源として右岸側には大沢川がある。


大沢川[→現況]   

14.8km2とれる。


と思ってたらこいつには嘗て本当に取水口があったらしい。[→レポ
老朽化で昭和30年代に廃止になってしまったようだ。また取水量も少し(0.4m3/s[0.27])だったらしい。
現代的には1.4m3/s程度はとって行きたい。


その後,発電・放水を探すに,三穂堰堤(現駒場発電所付近)に向けて発電するよりは一気に三穂発電所放水位に向けて,詰まり上の立石発電所構想諸元(案) ]を併呑する形でやった方が良さそうである。
その場合,河内川から取水出来る。河内川の北側を流れる相沢川(gsi)は流域狭そうなのでパス。

河内川

その下(大沢川の東南側)にある河内川からも取水出来そう。
ちょい狭くて7km2程
 


新阿知を温存して駒場と三穗を併せたような発電所を建設しても良いと思ったが水路の関係で接続点を三穂発電所地点では無く鴬巣川出合にすると良さそう。
何とか伸ばしてこの辺(EL.417m) ぐらいがギリギリかな。水圧鉄管で川を渡る(こ の辺(gsi)を渡る)のは三 ツ又第一発電所の低落差側にある[写真

駒場・三穂を廃止すれば14m3/s,そんな勿体ないことができないとなると7m3/sという感じ。

[新設]阿知川第二発電所   
出力:24,500kW~13,800kW[+13.8MW]
水量:16.0m3/s~9.0m3/s
落差:180m
流域:140.4km2+14.8km2(大沢川 ]) +7.1km2(河内川 ])
導水:8.4km
取水:阿知川[駒場堰堤]・大沢川 605m
放水:阿知川(立石)[三穂発電所放水口・新阿知川発電所(案)取水口近く]418m


No.
設置
廃止
出力
導水建設
発電量増
効率
摘要

阿知第二

+13.8MW
8.4km
2,800.5
333.4


新阿知・立石
阿知川
+17.69MW
8.8km
2,055.3
233.6


阿知第一(新阿知)・第二
阿知川
+22.29MW
11.5km
3,852.3
335.0


暫定採用の2案より圧倒である。立石案は鴬巣川から取水仕様としたりして距離が伸びるのもマイナスか。

何はともあれ阿知川の開発完了♪こんな陣容となった。

3.3 現時点での開発私案の成案    

清内路発電所(+5.63MW)──新昼神発電所(案)(+7.1MW)本谷発電所(案)(+8.6MW)昼神発電所駒場堰堤大沢川河内川阿知川第二発電所(案)(+13.8MW)─立石(三穂発電所)──阿知川第一発電所(案)(+8.49MW)─天竜川[泰阜ダム