20.10.20運開
中津川(信濃川水系・新潟県)
野反ダム(2,675万m3)→渋沢ダム(7.5万m3)→切明
(20MW/11m3/s)→高野
山ダム(56万m3)→中津川第一
(12.6MW・36.44m3/s)→穴藤(けっとう)ダム(58万m3)→中津川第二(22.5MW/13.91m3/s)→下船渡
(6.1MW/13.91m3/s)→(信濃川)
ぱっと見36.44m3/sで流した中津川第一の水がその後13.91と激減するので使い切れるか心配になるが穴藤ダムがそこそこの大きさなので受け止め
きれるのであろう。
穴藤ダムは中津川第二に寄って11時間30分ちょいで空に出来て,中津川第一に寄って4時間半弱で満杯に出来る。
ピークが4時間半も続かなければ大丈夫ということである。なーんだ折角調べたけど俺の介入する余地無いな,,
こんな風に思って地
図を見たら吃驚仰天。
なんと中津川第一が穴藤ダムの下に有るでは無いか!
これでは中津川第一の大量使用水は中津川第一でも下船渡でも使われずに捨てられてしまうということ!?
解決策としては余水吐と思われる水管の湖面の□部
分に中津川第三でも作って貯めと
くことだな,,と思ったが,更に(小)
ど
んでん返しが!!
中津川第二の手前にはちゃんと沖
の原貯水池という調整池が存在していた!
しかもよく見ると中津川第一の有効落差は400m程あってその出力は12.6MWではなく驚異の126MWであった。すげえ~。
とはいえ,中津川第一36.4m3/sの水が可成り溢損するのは避けられないのでは
ないか。
野反ダム(V=2,675万m3)→渋沢ダム(V=7.5万m3・取水位:1076.0m)→切明(20MW・11m3/s・放水位:851.4m)→高
野山ダム
(V=56万m3・取水位:841m?)→中津川第一
(126.0MW・36.44m3/s・
放水位230.36m)→穴藤ダム(V=58万m3)・沖ノ原貯水池(V=?万m3)→中津川第二(22.5MW/13.91m3/s)→下船渡
(6.1MW/13.91m3/s)→(信濃川・放水位:171.14m)
更に調べが進むと穴藤ダ
ムは中津川第一の放流水の逆調整池として機能している(≒中津川第一は発電後放流水を穴藤ダムに叩き込む)との記述もあるようだ。『ダム、が好き。』
どうやら戦後の発電所再
開発事業の中で地形の中に無理矢理いれこ
んだっぽい。(但し水
力.comさんの記載にも中津川第一の放水先に穴藤ダムの記載は無い。)
なんか人口的で好きになれない高野山や沖ノ原だけどちゃんと機能してるらしい。
それにしてもどうやって穴藤に貯めてんだ?中津川第一の1~3号機の落差は一寸小さい=高いところに設置ということでなんとかしているのかも?
『ダムマニア』さんは
>堤体直下に中津川第一水力発電所があるが、こちらの発電所はこのダムには関係ない模様。
としている。
『Damstyle』さんも
>直下にある発電所。ダムとの規模がアンバランスだと思ったら関係ないらしい。
と無関係説。
まあこれ以上は現地へ行かねば判らないのかも。とりま現状を調べてみる。(23.3末,掛川から日帰り(朝五
時発・深夜1時帰宅)で伊南川流域と只見ダムから宮下発電所迄結構総嘗めに出来,帰りは関越道経由で帰って来た。こんな感じなら中津川探訪も十分可能で兪
(いよいよ)
実行が視野に入ってきたと云えよう。)
因みに似た様な悶絶関係に百々ダムと矢作第二発電所(無関係らしい・
悶絶確定),川原樋発電所と猿谷ダム導水取水堰堤(林道
閉鎖で近づけず),祖谷発電所と
高野発電所若林堰堤(此処は大丈夫そう),海川第二と第三(ここも大丈夫)
等がある。
1.下流域
結節点は高野山ダムである。
日本に於ける初めての本格的なバットレスダムであった。耐震性に不安があり,日本では余り拡がらなかった。
ここも1972年の中津川第一発電所増強に併せて旧ダムは撤去されロックフィル式のダムに更新されていまではバットレスダムでは無い。
地図でも解るようにはっきりとした川
が
無い谷に造られた様であり,削られた狭窄部と違って広めの谷を全面的に埋める為に使用混凝土が少なくて済み低コストなバットレスが採用されたもの
と思われる。
高野山(こうのやま)ダム[水
力][地
理院][wiki]
昭和43(1968)年:着工
昭和46(1971)年:竣工
堤高:33m、堤頂長:380m、
総貯水容量:560,000立方メートル
有効貯水容量:560,000立方メートル
集水面積:218.8 平方キロメートル
湛水面積: 0.07平方キロメートル
取水:中
津川(切明P/S余水吐付近)・雑
魚川・切
明発電所・途中の沢
放水:中
津川第一発電所・穴
藤ダム・中
津川?
遥かEL.830m程の高い場所から一気に中津川の深い河岸段丘の底に水を落として発電する。放水位が不明のようである。
東京電力RP(株) 中津川第一発電所[水
力][DB]
所在地:新潟県中魚沼郡津南町穴藤
運開:1924.9[信越電力(株)]
水路式・調整池式
認可最大出力:126,000kW 常時出力:13,900kW
最大使用水量:36.44m3/s
1~3号機:12.90m3/s
4号機:23.54m3/s
有効落差:414.88m(1~3号機) 409.58m(4号機)
水車:4台 総出力131400kW(横軸ペルトン水車×3台、立軸フランシス水車×1台)
3x+y=131,400kW 12.9m3/s:23.54m3/s=3x::y (1~3号機)x=15,500kW×3(=46.5MW) (4号
機)y=84,900kW程度か?
導水路:総延長18827.7m
取水位標高:852.26m
取水位標高:860.43m
取水位標高:841.81m
放水位標高:不明m[DB]→1・2・3号機:430m(中津川第二発電所取水位より・沖ノ原調整池満水位か?)・4号機435m?(1・2号機よりも
5m程有効落差が小さい)
流域面積:218.2km2
取水:高野山調整池[高野山ダム]
放水:中津川第二発電所[
沖の原貯水池]・中津川841.81m
水車:横軸ペルトン水車×3台、立軸フランシス水車×1台 総出力131400kW
取水:切明発電所+雑魚川+中津川→渓流等→高野山調整池[高野山ダム]
その脇にあるのが本件の問題点,穴藤ダムである。高野山ダムの改築と同じく、中津川第一発電所の増設工事に
伴い築
堤とのこと。
>堤体直下に中津川第一水力発電所があるが、こちらの発電所はこのダムには関係ない模様。[マニア]
穴藤(けっとう)ダム[便覧][水
力][地
理院]][wiki]
[東
電]
河川 信濃川水系中津川
目的/型式 P/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積 55.3m/130m/96千m3
流域面積/湛水面積 317.6km2 ( 全て直接流域 ) /6ha
総貯水容量/有効貯水容量 630千m3/580千m3
ダム事業者 東京電力(株)
着手/竣工 1969/1972
給水先:中津川第二発電所(取水位430m・沖ノ原調整池は403m程度の模様。)
満水位:?[地図だと424m程]
wikiの中津川第一発電所の項には
>発電所の放水路に(高野山ダムの)逆調整池として穴藤(けっとう)ダムを建設した。
という表現があって,普通に読めば中津川第一発電所の逆調整池なんだけどどうみても下流側で,高野山ダムの逆調整池だそうだが,高野山ダムの放水先は中津
川第一の筈が余った水を流す為のものらしい。。
有効落差が5m程低い(高い所に設置されている?)4号機が穴藤ダムに放流しているとか?
とは言え空
撮写真でも下流側に鉄管が3本伸びてるのが1~3号機建屋で上流側の1本鉄幹が伸びてるのが4号機であろうからこれでも穴藤ダムよりは下流側に立
地している。
少なくとも1~3号機の12.9m3/sの一部は目の前の中津川に放流されることはあるとして4号機も中
津川への放流口はあるように見える,そしてその中津川の標高は403m程度と中津川第二の取水位430m(穴藤ダムなど)よりは随分低いと云う事
で,放水面近くで発電した方が有利だとするとどうも水は使われてないと云う結論に達せざるを得ない。
此処迄色々計画しておいて何だけど,国
立公文書館で許認可の文書を調べた所,どうも新設4号機の排水は穴藤ダムへ放流
されてるようであった。。
確かに,4号機の有効落差は1~3号機と比べて
小さく高い場所で発電,従って放水しているようである。そして新設4号機と穴藤ダムは1972年の再開発事業での設置とすれば辻褄はあう。
この辺現地に見に行きたい所である。穂積発電所辺りでも似たような調
整池が散見される(関東に多い・中部以西では余りみない。板東は広いぜ。。)が利水標は目にしないので現地へ行っても貯水量を確認出来そうにはないんだけ
ど。。
これ以上は現地へ行かねば判らないのかもとか書いたけ
ど現地訪問完璧な
ダムマニアさんも関係無さそうと書いていたし却って現地では判りにくいのかも。
まあそうは云っても一度行ってこの眼で確認してきたい所。公文書館での許認可関係の調査も続行したい。
沖の原貯水池[地
理院]
貯水量:?万m3
湛水面積:2.9ha[推計]
余った水を沖ノ原で貯めて置きたい所だが貯水量不明。基本的に1~3号機を動かす12.90m3/sがあれば中津川2号機13.91m3/sを動かすに十
分なのである。
東京電力リRP(株) 中津川第二発電所[水
力]
所在地:新潟県中魚沼郡津南町芦ヶ崎
運開:1922.11[信越電力(株)]
水路式・調整池式
認可最大出力:22,500kW→20,700kW[1994年]→22,500kW
常時出力: 7420kW
最大使用水量:13.91m3/s
有効落差:171.25m
水車:立軸フランシス水車×1台、横軸カプラン水車×1台 総出力23200kW
導水路:総延長6970.9m
流域面積:317.6平方キロメートル=穴藤ダムと同じ
取水:中津川[穴藤ダム]430.00m+
中津川第一発電所(放水位:不明)→沖野原調整池[410m
程度??]
放水:下船渡発電所230.36m
以下,下船渡発電所で発電して信濃川に放水される。
東京電力RP(株) 下船渡発電所[水
力]
運開:1954.1
水路式流込式
認可最大出力:6100kW 常時出力:2800kW
最大使用水量:13.91立方メートル毎秒
有効落差:52.34m
水車: 出力6800kW×1台
導水路:総延長3984.3m
流域面積:342.6km2
取水:中津川第二発電所、中津川232.00m
放水:信濃川171.14m
さて,このどうも水を無駄に使ってるように見える(沖ノ原で或程度使いこなせたとしてもそれ程デカいようには見えない上に,逆調整池の為に穴藤ダムを建設
する程,水が溢れる高野山の高高度の水を使いこなせない上に,穴藤ダムの満水位と中津川第二の取水位に30m程差もあってそれも使いこなせてない気がす
る。)
と云う事で,穴藤ダムを治水込みでリプレースしたい。先ずは穴藤ダムの取水域を調べて見る。82.5km2もある。
上流の空白は切明発電所や中津川第一発電所の直接の取水域である。
穴藤ダムの手前に新穴藤ダムを満水位450mで建設してみると180万m3程度。500mで建設してみ
ると一気にV=2,200万m3位にはなりそう。82km2の水を受け止めるには十分となるが穴藤ダムで貯めた水がその下で使い切れるのかと云う点は変わ
らない。
寧ろ穴藤ダムを水源に新中津川第二を建設すべきであるかも。
併せると中津川下流の問題点は以下の通り:
①従来ルートの高野山ダム─12.9m3/s─中津川第一発電所(1~3号機)─沖ノ原貯水池──13.91m3/s─中津川第二発電所
─13.91m3/s─下船渡発電所→信濃川に対して新ルートの高野山ダム─23.54m3/s─中津川第一発電所(4号機)─23.54m3/s─穴藤
ダム─沖ノ原貯水池──13.91m3/s─中津川第二発電所─13.91m3/s─下船渡発電所→信濃川に於いて,穴藤ダム以下が重複していてしかも
13.91m3/sと殆ど増えないので穴藤ダムに貯まった水が貯まってしまう。この貯水を使用するには中津川第一1~4号機が停まってる時間帯に中津川第
二・下船渡を動かす必要がある。
②中津川第一は驚異の有効落差400m級であるが,その分,上流の取水点と放水点の穴藤ダムの間に宏大な(82.5km2)の流域が未使用で残っている。
①と②を併せて穴藤以下に新ルートを形成したい
③水害が発生する信濃川であり,治水面からも貯水池が欲しい。
まず穴藤上流部の貯水と発電を考える。硫黄川と中津川の合流点より上流で流域面積が広がっているのでその辺で取水・貯水して穴藤で発電してみる。ここら
(結東(ここもけつとう?!))で満水位600mでダム建設。
堤高を十分取るとこんな下流から合流点を含むダムを建設出来る。
流域面積は75.6km2と上図の82.5km2の大半を使える。
ダムを建設するので最大12m3/s程度で穴藤ダム430mに落とす。その後は併走ルートを整備する。穴藤の形状がイマイチ不明瞭なので略式で。
[私案]結東ダム
満水位:EL.600m
利用水深:40m
[私案]結東発電所
出力:16,000kW[+16.0MW]
水量:12m3/s
落差:160m
流域:75.6km2
導水
取水:中津川[結東ダム(案)]EL.600m
放水:中津川[穴藤ダム]EL.430m
[私案]穴藤発電所
出力:18,700kW[+18.7MW]
水量:40m3/s
落差:55m
導水:
取水:中津川[穴藤ダム]EL.430m
放水:中津川[反里(そり)口ダム(案)]EL.370m
[私案]反里口ダム
満水位:EL.370m
利用水深:20m
湛水面積:
有効貯水量:
[私案]中津川第二発電所3号機(増設)
出力:25,500kW[+25.5MW]
水量:25m3/s
落差:120m
導水:
取水:中津川[反里(そり)口ダム(案)]EL.370m→1・2号機と比べて取水位低い
放水:下船渡発電所230.36m
[私案]下船渡発電所2号機(増設)
出力:11,000kW[+11.1MW]
水量:25m3/s
落差:52.34m
導水路:総延長3984.3m程度
取水:中津川第二発電所、中津川232.00m→現行機と全く同じ(水の相互融通可能)
放水:信濃川171.14m