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とはずがたりな掲示板 ( 電 力スレ 利 水スレ )
25.11.10訂補
22.7.20完成
22.1.29運開
(相模)早川の水力発電所

早川と云えばまあまああちこにあ る[G](cf.→越後)のでこ こは相模早川(もしくは箱根早川)である。そんな言い方は聞いた事がないが。東海道本線の駅も早川だし早川と云えば此処だと地元民は思ってるかも知れないが,水利マニアとして は早川と云えば勿論あっち[→富士川水系早川]である。
勾配がキツくて流れが速い川を早川と呼ぶのであろう。あっちは勿論,こちらも天下の険の急勾配ではある。早月川も名前に早が付いてるがかなりの急勾配である。

さて,一番下流の発電所でも50km2弱の狭めの流域面積で水量では無く箱根の険を利用する発電所群である。とはいえそれ程の標高でもないのでいずれも規模は大きいとは云えない。
芦ノ湖から流れ出る早川に沿って水力発電所が早川川久保塔ノ沢の3箇所,須雲川に宿畑三枚橋の2箇所,連檐している。そ して最下流に孤立して一箇所山崎発電所がある。最近 須雲川の上流に小水力(須雲川発電所)が復活した。
結構あるとはいえ都市周辺部だから生き残った感じもあって一つ 一つの発電所の規模は余りデカくは無い。

wikiに拠ると芦ノ湖の利水の権利は全部静岡県が持っているそうな。反撥を喰らわないように慎重な 対応が要るなあ。。

~沿川風景~


芦ノ湖[wiki]     
自然湖(カルデラ湖)
貯水量:
面積    7.03[1] km2
周囲長    21.1 km
最大水深    43.5 m
平均水深    15.0 m
水面の標高    723 m

>水源の大部分が湖底からの湧き水である。本来は北部(箱根町仙石原)から流れ出る早川の水源 であるが、水 利権が神奈川県側に無い為に、非常時(近年は主に増水)を除いて芦ノ湖から早川への放水は一切行われていない(湖尻水門には常時放水路も設備されていな い)。
>歴史的経緯から、芦ノ湖の水利権は神奈川県には無く、裾野市・長泉町・清水町・御殿場市で構成される静岡県芦湖水利組合にある(深良用水も参 照)。この為、神奈川県側では湖水利用が出来ない。ただし、渇水や増水などの非常時は、芦ノ湖の水を利用(緊急放水[注釈 1])できる。土木工事許認可権については神奈川県に有るため、水門・水道管施設の維持管理は神奈川県が担っている。また、湖岸の集落である箱根、元箱 根、湖尻(および仙石原)の下水は、全て仙石原浄水センターに集めて浄化した後に早川に放流しており、水質の汚濁防止策も神奈川県側が担っている。


深良水門    
取水:潅漑(深良用水[→こちら])


湖尻水門[地 理院][


 品ノ木(しなのき)取水ダム[地 理院]     
 取水堰:早川・637.00m・2.00m3/s
目的:P(早川発電所)


神奈川県企業庁 早川発電所[水 力]    
所在地:神奈川県足柄下郡箱根町宮城野
運開:1956.3
水路式・流込式
    認可最大出力:2,900kW    常時出力: 290kW[10%]
    最大使用水量:2.00m3/s[1.16]
    有効落差:173.12m
    水車:立軸ランシス水車 出力2900kW×1台
    導水路:総延長2624.6m
    流域面積:17.2km2
    取水:早川[品ノ木取水ダム]637.00m
    放水:早川[川久保発電所]454.14m


東京電力RP(株) 川久保発電所[水 力]    
所在地:神奈川県足柄下郡箱根町宮城野
運開:1953.7
水路式・流込式
認可最大出力:1,800kW   常時出力:1,000kW
最大使用水量:2.20m3/s
有効落差:97.65m
水車:横軸フランシス水車 出力1840kW×1台
    導水路:総延長837.3m
流域面積:30.0km2
    取水:早川[早川発電所]451.30m
    放水:早川[塔之沢発電所]351.65m


東京電力RP(株) 塔之沢発電所[水 力][DB]    
所在地:神奈川県足柄下郡箱根町塔之澤
運開:1909.7[横濱電氣(株)3,300kW]
水路式・流込式
    認可最大出力:3,800kW  常時出力:2,800kW[73.7%]
    最大使用水量:2.23m3/s[0.53]
    有効落差:214.29m
    水車:横軸ペルトン水車×2台 総出力4880kW[現行施設運転開始年月 1988.05]
    導水路:総延長3224.8m
    流域面積:42.0km2
    取水:早川[川久保発電所]355.03m
    放水:早川132.12m

箱根で最も古い事業用水力発電所とのこと。

【増強私案】運 開時より容量が強化されたようだが,常時出力が非常に高い。最大使用水量が高めに取れる目安の落差200m超であり,流域面積からの目安でも 4.2m3/s程度は取れそうということでここはもっと増強しても良いだろう。温泉街の水道需要等で水が足りない可能性もあるかも知れないけど。またこの下は山崎発電所の取水口迄ちょいと間がある。一気に持ってくとこんな感じ。

[私案]箱根湯本発電所
出力:7,200kW
落差:243m
水量:3.5m3/s
導水:4.5km
取水:早川[川久保発電所]355.03m
放水:早川[山崎発電所取水堰]108m

なかなかの規模感♪で更に増強を試みる。

山崎発電所取水口[場所
取水:早川(EL.107.14m 3.06m3/s)
(主要取水設備) 型式/高さ/堤頂長        取水堰(ゴムゲート可動堰)/ 5.95m /   21.30m
制水門:スライドゲート3門
流域:49.9km2

~須雲川~


[復活]東京発電(株) 須雲川(すくもがわ)発電所[JW] [環境金融機構][IT]     
運開:?[電力会社]-廃止?
再開:1954[箱 根町内の旅館・自家用120kW]-廃止1984(町が買い取って所有・水道水供給に利用)
再開:2013.2着工/2013.7運開(工費:約2億円)
出力:190kW[予定]
発電量:約1.1GWh/年
水量:0.58m3/s
落差:41.84m
水車:横軸フランシス水車


東京電力RP(株) 畑宿発電所[水 力][足柄縣]     
神奈川県足柄下郡箱根町畑宿
運開:1941.9[小田原電気鉄道]
水路式・流込式
    認可最大出力:1,300kW    常時出力: 550kW
    最大使用水量:0.89m3/s ←私の10km辺り1m3/sの法則に良く合致してるな~♪
    有効落差:181.92m
    水車:横軸ペルトン水車 出力1500kW×1台
    導水路:総延長1749.6m
    流域面積:9.0km2
    取水:須雲川、大沢川485.19m
    放水:須雲川[三枚橋発電所]293.84m

三枚橋発電所取水堰堤[DB
目的/ P(三枚橋発電所・1.39m3/s・EL.290.07m)
取水河川     須雲川[畑宿発電所0.89m3/s・EL.293.84m]
(主要取水設備) 高さ/堤頂長     3.64m/  26.12m
(制水門) 型式             スライド・ゲート×1門
(制水門)径間(口径)/高さ     2.36m / 3.38m

三枚橋発電所 旗の平調整池[][地理院



東京電力RP(株) 三枚橋発電所[水 力][足柄縣][DB]     
神奈川県足柄下郡箱根町湯本
運開:1918.7[小田原電気鉄道→震災後日本電力(株)が復旧]
水路式・調整池式
    認可最大出力:2,200kW      常時出力: 990kW[45%][日本電力時代:常時1,054kW・特殊:1,033kW]←常時も結 構高め。
    最大使用水量:1.39m3/s(50箇)[日本電力時代:最大1.39m3/s・内常時0.695m3/s・特殊0.695m3/s]←私の10km辺 り1m3/sの法則に良く合致してるな~♪
    有効落差:207.91m
    水車:横軸ペルトン水車×2台 総出力3360kW/発電機:同期式・2台
    導水路:総延長4710.6m
    流域面積:13.2km2
    取水:須雲川[取水堰堤(畑宿発電所直下)]290.07m
    放水:早川69.89m

なんと調整式?発見(→こちら)

東京電力RP(株) 山崎発電所 [水 力]    
神奈川県足柄下郡箱根町湯本
運開:1936.10[日本電力(株)]
水路式・ 流込式
認可最大出力:1,500kW   常時出力:1,080kW[72.0%]
最大使用水量:3.06m3/s[0.61]
有効落差:59.05m
水車:立軸フランシス水車 出力1520kW×1台
導水路:総延長1993.5m
流域面積:49.9km2
取水:早川[塔ノ沢発電所下流(放水位132.12m)]107.14m
放水:早川41.48m[場 所

【拡張案】山崎発電所の取水口は須雲川の合流点より上にある。400m弱水路を延伸して須雲川のこの辺からも取水すると三枚橋発電所取水域より下流の7.35km2程新規に取水出来る。

ただ面積は小さいし

(小田原市街)

(相模湾)

【開発(案)検討】    

三枚橋PS(1.39m3/s)・山崎PS(3.06m3/s)やその他全流量を合わせて取水して海へ投下して発電したらどうだろう??
EL42m以上で芦ノ湖を抜いて石橋に流れ込む玉川を入れると78.8km2あるから8.0m3/s程期待持てる。落差40mとして出力計算してみると 2,600kW。ちいせえ。。

三枚橋発電所放水口付近で取水するとすると集水域は3.8km2程(橙線で囲われた面積)減るので75.0km2。7.8m3/s程取れるとすると今回は 山崎発電所の放水分は取水出来ないので5.0m3/s程とする。計算すると2,900kWとなる(赤線のライン)。相変わらずちいせえ。。
山崎発電所 は廃止して全 量を新発電所で利用,更に山崎PSも三枚橋PSも常時出力比 高めと云う事でもっと水量確保出来て75km2で10.0m3/s程[133%]という形で行くと5,800kWとなる(同じく赤線ライ ン)。山崎発電所の廃止分を考慮すると+4.3MWとなる。この位だと形になるけど態々廃止はなぁ。。

ということで仕切り直し。

【増強私案】

塔ノ沢発電所の増強案(箱根湯本発電所(案))と併せてみるとどうか?
塔ノ沢発電所取水地点(現行取水量)での未利用水量(3.5m3/s)を使って三枚橋地点で発電,その放水と三枚橋発電所の放水(1.39m3/s)とその地点での取水を使って相模湾で発電である。
これによって山崎発電所(49.9km2・3.02m3/s)の水量確保にやや不安が発生するがその場合は拡張案を採用すると流域面積がやや拡がる(0.7m3/s分程)。塔ノ沢発電所の2.23m3/sと塔ノ沢取水域以下の山崎取水域(49.9-42.0=7.9km2で0.8m3/s程)と思えばまあ稼働率は許容範囲内に収まるのではないか?

更に三枚橋も増強したい。現行で13.2km2であって1.39km2はまあまあであるが,有効落差が200mちょいあるので落差補正を掛けてもう一寸現代的には水量増やせそう。
1m3/s増強しても1.8M程度でパッとしないので,水車の出力範囲内で水を増やしてみる+.71m3/s。この位なら季節導水路で対応可能と見切り発車である,,

[私案]箱根湯本発電所
出力:8,300kW[+8.3MW]
落差:280m
水量:3.5m3/s
導水:5.5km
取水:早川[川久保発電所]355.03m
放水:早川[三枚橋発電所放水口]70m

[早強私案]三枚橋発電所
最大出力:3,300kW[+1.1MW]
使用水量:2.1m3/s[+0.71m3/s]
有効落差:207.91m
水車:横軸ペルトン水車×2台 総出力3360kW
導水路:総延長4710.6m
流域面積:13.2km2
取水:須雲川[畑宿発電所]290.07m
放水:早川69.89m

[私案]
石橋山発電所
出力:2,600~3,500~4,300kW[+2.6~3.5~2.8[山崎廃止]MW]
水量:4.5~6.0~7.5m3/s[133%]
落差:68m
流域:75.0km2
導水:2.6km
取水:早川[三枚橋発電所(1.39m3/s)・箱根湯本発電所(案)(3.5m3/s)] ・玉川
放水:相模湾(石橋)

合計で+12.9MWの新規開発となった♪
三枚橋発電所には小さな調整池もあるので多少の調整力も期待出来る。