水力いろ いろ 電 力総研TOP
とはずがたりな掲示板 ( 電 力スレ 利 水スレ )
25.11.9改修
23.10.30完成
21.6.25運開
酒匂(さかわ)川の水力発電所

調べると最下流の福沢第二発電所の放水位25.89m迄徹底的に使い果たされてるやん!って感動した けどどうも水力DBの(恐らく)誤記で最下流の福沢第二発電所の放水位は地 図計測で約62mである。 開成町辺り迄もう一箇所引っ張るともう30m程行けるけど都市化しちゃってるしまあ難しいかな。。
一方の上流方面は,谷 峨駅付近(山 北発電所の取水堰・嵐発電所放水口・峰発電所放 水口付近)で河内(かわち)川鮎沢川に岐れる。
14箇所3事業者(東京電力・神奈川県・東京発電)の発電所が絡み合っている。全部連動させてLNGのやってる調整力電源の一端を担いたい。今はどの程度 機動的に動かしているんやろか?
また酒匂川での使用水量が少ない。既設の発電所をスルーする形で巨大な開発が出来そうである。

目次
鮎沢川(源流)──阿多野貯水池(V=?m3・EL.412m・CA=29.2km2)──須川発電所(6.0MW・7.8m3/s)─天神原貯水池(V=?m3・CA=162.1km2)─菅沼発電所(6.2MW・ 16.70m3/s)──生土発電所(6.2MW・20.0m3/s)──峰発電所(8.9MW・16.50m3/s)─河内川: [玄倉川:(源流)─玄倉第二発電所──玄倉第一発電所─]落合発電所(7.0MW・4.6m3/s)─三保ダム(V=4,450 万m3・EL.316m・CA=74.6km2)─田野入発電所(7.4MW・12.0m3/s)─嵐発電所(5.7MW・8.35m3/s)]山北発電所(7.0MW・20.9m3/s)─内山発電 所(3.9MW・20.9m3/s)──福沢第一発電所(1.5MW・20.3m3/s)─福沢第二発電所(1.0MW・18.1m3/s・EL.61.9m [推定])──(河口)


~沿川風景~

(河口)


(中津川分流EL43.5m)
~中津川~
扼部でEL93.5m,47.5mある。市街地巾が狭いこ の辺53.5mに落とし込むと落差36mで1,500kWになる。まあ一寸小さいか。。
一寸上,EL171m付近だと3箇所の取水6.3kmの導水でこ の辺53.5mに落とし込む事が出来る。落差114m。3.5m3/s取れて2,600kW
まあ小さいかな。。


東京電力RP(株) 福沢第二発電所[水 力]       
所在地:神 奈川県南足柄市班目
運開:1931.3
   水路式・流込式
 認可最大出力:1,030kW   常時出力:396kw
    最大使用水量:18.09m3/s
    有効落差:6.97m
    水車:横軸フランシス水車 出力1160kW×1台
    導水路:延長860.6m
    流域面積:381.6平方キロメートル
    取水:福沢第一発電所33.47m[DB]→70.3m 位
    放水:酒匂川25.89m[DB]→61.9m 位

東京電力RP(株) 福沢第一発電所[水 力]       
所在地:神 奈川県南足柄市怒田
運開:1931.3
水路式・流込式
    認可最大出力:1,460kW    常時出力: 860kW (58.9%)
    最大使用水量:20.31m3/s
    有効落差:8.79m ←ちいせえ。。
    水車:横軸フランシス水車 出力1570kW×1台
    導水路:延長784.7m
    流域面積:381.6平方キロメートル
    取水:内山発電所43.00m[DB]→79m 位?
    放水:福沢第二発電所33.47m[DB]→70m 位?


東京電力RP(株) 内山発電所[水 力]       
所在地:神 奈川県南足柄市内山
運開:1918.1
水路式・流込式
    認可最大出力:3,900kW  常時出力:2,200kW (56.4%)
    最大使用水量:20.90m3/s → 山北発電所と同量で山北PS放水後直下での酒匂川との交叉での新規取水は零ということになる。14km2程広くは成ってるのでその分の 取水は出来そうなんだけど。
    有効落差:24.36m
    水車:横軸フランシス水車×3台 総出力4340kW
    導水路:主要導水路 幅3.85m×高4.30m、延長1424.9m
    流域面積:381.6km2
    取水:酒匂川[山北発電所役野(やくの)の水門]99.90m
    放水:福沢第一発電所73.48m→81m 程度?(有効落差との整合性的にはもう一寸大きく欲しい所)

東京電力RP(株) 山北発電所[水 力]       
所在地:神 奈川県足柄上郡山北町山北
  運開:1914.12[富士瓦斯紡績(株)?]
水路式・流込式
    認可最大出力:7,000kW(運開当時7,500kW) ←規模縮小!?     常時出力:3,600kW
    最大使用水量:20.90m3/s
    有効落差:39.87m
    水車:横軸フランシス水車×2台 総出力7300kW
    導水路:延長2764.3m
   流域面積:367.0平方キロメートル
    取水:酒 匂川[取水堰嵐発電所154.92m・峰発電所161.70m] 153.40m
    放水:酒匂川[内山発電所]107.03m

脇の皆瀬川のEL153m以上で13.1km2程の面積ある。1.6km程で導水出来るし水の補給にやっても良さそう。
下で見るような山北発電所取水堰の調整池化でも効果を発揮しそう。


~河内(かわち)川~         

一応子会社ではあるが別会社の東京電力RP(株)と東京発電(株)の間で連系が巧く行ってないのでは無い だろうか?
嵐発電所を12m3/s利用出来るようにする(今2台の水車を3台にすれば恰度良い)と,同じ電力を確保するに田野入で放流する12m3/s時間を短く出 来る。
今迄は12m3/sで13,100kWだったのが15,600kWも発電出来るので必要な電力に対して水量を83%で済む事になる。詰まり同じ水量で発電 時間を1.2倍近くに倍増出来ることに成る。
勿論これは8.35m3/s以上で動かしている場合の話しなので資産効率はそれ程良くないのかも知れないけど水力の調整力は魅力である。
また河内川系統の12m3/sと峰以上の鮎沢川系統の16m3/sが合わさって山北以下の酒匂川系統20m3/sを構成する。
多少嵐発電 所の出力を犠牲にしても良いから此処の合流点で川の水位を上げて調整池を設けてバッファー(谷峨堰堤!?)を形成したい。
両系統の調整も出来るというか流込の鮎沢系統の水量を酒匂川以下の発電所が調整出来る様になる。特に連続する山北・内山が10,900kWの調整力を持つ 事になるなど効果はでかい筈。
勿論,嵐・田ノ入の常時出力が0kWと云う事で水は絞りに絞ってゐる様である。水量を確保していきたい。

東京電力RP(株) 嵐発電所[水力]        
神奈川県足柄上郡山北町湯触
運開:1920.8[富士瓦斯紡績(株)?]
水路式・流込式
   認可最大出力:5,700kW→  8,200kW[+2.5MW]    常時出力:   0kW
    最大使用水量:8.35m3/s→12m3/s
    有効落差:83.83m
   水車:横軸フランシス水車×2台 総出力6000kW
    導水路:延長4393.9m
    流域面積:158.5平方キロメートル
    取水:河内川[田ノ入発電所(12.0m3/s・ 241.25m)]240.21m
    放水:酒匂川[山北発電所(20.9m3/s・ 153.40m)]154.92m


東京発電(株) 田ノ入発電所[水 力]       
所在地:神 奈川県足柄上郡山北町神尾田
運開: 1978.4
ダム式・貯水池式
認可最大出力:7,400kW     常時出力:   0kW
最大使用水量:12.00m3/s
有効落差:71.871m
    水車:立軸フランシス水車 出力7400kW×1台
    水圧鉄管:延長133.14m×1条
    放水路:総延長101.3m
    流域面積:158.5平方キロメートル
    取水:河内川[三保ダム(落 合発電所)]316.80m(三保ダム洪水期制限水位)
    放水:河内川[峰発電所]241.25m

三保(みほ)ダム[ 旧名:酒匂(さかわ)ダム][便覧][神奈川 県]       
河川     酒匂川水系河内川
目的/型式     FWP/ロックフィル
堤高/堤頂長/堤体積     95m/587.7m/5816千m3
流域面積/湛水面積     158.5km2 ( 全て直接流域 ) /218ha
総貯水容量/有効貯水容量     64900千m3/54500千m3
常時満水位     標高321.5メートル(→容量図参照)/利 用水深     39.2メートル/洪水流量:800m3/s
ダム事業者     神奈川県企業庁
着手/竣工     1969/1978

容量図    
出典:神奈川 県

常用放流設備[神奈川 県]     
丹沢湖の水を、水力発電所に通 して下流へ流すため設けられたトンネルや鉄管路等の設備です。三保ダムでは、田ノ入発電所と嵐発電所へ水が送られます。
大雨などがなく、上流からの流 入量が少ない場合は、この設備のみを使用して下流に水を流しています。

東京電力RP(株) 落合発電所[水力]        
神 奈川県足柄上郡山北町中川
運開:1917.3[所有:東京湾埋立(株)(現、東亜建設工業(株))?]
水路式・調 整池式(大又沢のこれ?)
    認可最大出力:7000kW      常時出力:5300kW
    最大使用水量:4.56m3/s
    有効落差:185.38m
    水車:立軸フランシス水車 出力7250kW×1台
    導水路:延長3068.9m
    流域面積:74.6平方キロメートル
    取水:世附(よつぐ)川(本谷)→大又(大股)沢[大又沢ダム]+河内川[]→大滝沢?507.08m
    放水:世附川[三保ダム(常用放流設備田ノ入発電所)]315.70m

~玄(く ろ)倉川~       

神奈川県企業庁 玄倉第一発電所[水 力
所在地:神奈川県足柄上郡山北町玄倉
運開:1958.4
水路式・調整池式
    認可最大出力:4,200kW  常時出力: 880kW
    最大使用水量:2.00m3/s
    有効落差:258.20m
    水車:立軸フランシス水車 出力4200kW×1台
    導水路:主要導水路 延長3281.4m
    流域面積:23.5km2(DBには24.0km2と記載)
    取水:玄倉川[玄倉ダム(玄倉第二発電 所)]584.40m
    放水:玄倉川[三保ダム]322.56m

玄倉川水難事故現場[デ イリー新潮

玄倉ダム[神 奈川県
河川 酒匂川水系玄倉川
目的     P(玄倉第一発電所)
堤高/堤頂長/水門     14.5m/30.5m/ローラーゲート 
流域面積/湛水面積    23.5km2 ( 全て直接 ) /1.0ha
総貯水容量/有効貯水容量     52,097m3/42,690m3
常時満水位:EL.593.0m /利用水深 6.0m
洪水流量:50m3/s
ダム事業者     神奈川県
着手/竣工    /1958

神奈川県企業庁 玄倉第二発電所[DB
所在地:神 奈川県足柄上郡山北町
運開:1960.1
水路式・調整池式
認可最大出力:2,900kW 常時出力:400kW
    最大使用水量:2.00m3/s
    有効落差:175.55m
    水車:立軸フランシス水車 出力2900kW×1台
    導水路:主要導水路 総延長3,035.0m
流域面積:17.8km2
    取水:玄倉川769.50m
    放水:玄倉川[玄倉ダム]592.05m

~河内川~


~大滝沢~
大滝沢取水堰?[場 所


落合発電所取水堰[場 所
~大又沢 ~

大又沢ダム[便覧] [場 所
河川     酒匂川水系大又沢川
目的     P
堤高     18.7m
流域面積/湛水面積     16km2 ( 全て直接 ) /2ha
総貯水容量/有効貯水容量     90千m3/13千m3
ダム事業者     東京電力(株)
着手/竣工     1914/1917


~世附川~


落合発電所取水堰[場所]

さて,三保ダムへの水量確保であるが,静岡県の方迄ちょっかいを出して確保してみた。う~ん,ちょっと無理があるかな。。

取水:不 老山中 島柳 島(東)柳 島(西)湯 船


~鮎沢川~   
酒匂川本流は河内川と分流後鮎沢川と呼ばれるらしい。

東京電力RP(株) 峰発電所[水力]        
神奈川県足柄上郡山北町川西
運開:1910.3[富士瓦斯紡績(株)]
水路式・流込式
  認可最大出力:8,900kW (運開当時6,700kW )      常時出力: 2,900kW[32.6%]
    最大使用水量:16.50m3/s
    有効落差:63.65m
    水車:立軸フランシス水車 出力9100kW×1台
    導水路:延長2436.8m
    流域面積:185.8平方キロメートル
    取水:鮎沢川[生土発電所]228.94m
    放水:鮎沢川(酒匂川)[山北発電所]161.70m

峰取水ダム[景図
堤高:3m程
取水量: 最大16.50m3/s

東京電力RP(株) 生土(いきど)発電所[水力] [景図]        
静岡県駿東郡小山町生土
運開:1930,2[富士電力]
水路式・流込式
    認可最大出力:6,200kW   常時出力:2,700kW[43.5%]
    最大使用水量:20.04m3/s[1.15]
    有効落差:36.70m
    水車:立軸フランシス水車×2台 総出力6720kW
    導水路:総延長2682.0m
    流域面積:175.0km2
    取水:菅沼発電所須 川鮎 沢川野 沢川 269.21m
    放水:峰発電所、鮎沢川 228.06m


東京電力RP(株) 菅沼発電所[水 力][景図]        
静岡県駿東郡小山町菅沼
運開:1925.5[富士紡績(株)]
水路式・調 整池式
    認可最大出力:6,200kW    常時出力:1,900kW[30.6%]
    最大使用水量:16.70m3/s[1.03]
    有効落差:46.17m
    水車:横軸フランシス水車×2台 総出力6520kW←運開時3台・戦争末期の1944に栃木県の日光所野第二発電所に1台移設して以降2台で運用。
    導水路:総延長2619.4m
    流域面積:162.1km2
    取水:須川発電所須 川鮎 沢川] +馬 伏川] +調整池(天神原貯水池)317.62m
    放水:生土発電所、須川267.93m

天神原貯水池[] [地 理院]       
目的:P(菅沼発電所・16.70m3/s)
河川:須 川(須川発電所7.79m3/s)+鮎 沢川馬 伏川
流域:162.1km2

東京電力RP(株) 須川発電所[水力]        
静岡県駿東郡小山町菅沼
運開:1912.12
水路式・調整池式
    認可最大出力:6,000kW      常時出力: 630kW
    最大使用水量:7.79m3/s[2.67]
    有効落差:92.60m
    水車:横軸フランシス水車×2台 総出力6200kW
    導水路:総延長2844.7m
    流域面積:29.2km2
    取水:上 野川須 川阿 多野貯水池411.30m
    放水:菅沼発電所、鮎沢川315.37m

阿多野貯水池(調整池)[] [地 理院]       
目的:P(須川発電所7.79m3/s)
河川:上 野川須 川
流域:29.2km2


稼働率:3発電所合計なので詳細は不明だが32.4%と1/3程度の設備稼働率でちと低い。一応,取れそうな水源からはこまめに集水してるんだけどね え。。
一番上流の菅沼発電所(須川発電所は一寸支流の須川で曲がってる)で鮎沢川・馬伏川辺りに調整池欲しい所→調整池式なので調べて見ると阿多野貯水池があっ た。
29.2km2で7.79m3/sは頑張ってるが,この調整池のお陰かもしれない。寧ろその下の菅沼発電所から一気に流域面積が120km2超と広がり使 用水量も跳ね上がるのでここに調整池が欲しい。
調整池式と成ってゐるが現時点で調整池らしきものはこ こ。一寸小さそうなのが残念。三保ダムは年周期で行けそうだがこちらは精々週周期と云った所。


2008年度の数値であるが内訳の分かる資料を発見した。
発電施設 事業者 所在市町 認可出力
(kW)
常時出力
(kW)
水量
(m3/s)
設備利用率 年間発電量
(万kWh)
須川発電所 東京電力㈱ 小山町 6,000
630
7.79
18.1% 949
菅沼発電所

6,200
1,900
16.70
32.2% 1,747
生土発電所

6,200
2,700
20.04
39.1% 2,126



18,400



4,822
出典:「伊 豆半島地域のエネルギー事情」[静岡県]

各発電所は中小水力発電としては6MW級のそこそこの大きさであるが一番上流の須川発電所の発電量が,少なくとも2008年度は,小さい事が判るが,常時 出力や流域面積の関係でこの傾向が例年ありそうだと予想できる。

今は菅沼発電所に直送されている小山佐野川等の上流から取水して阿多野貯水池を経由して須川PSの発電量を増やすと良いかも知れない。



【開発】

今,鮎沢川で20m3/s程度の水を利用しつつ,河内川で最大12m3/sの水を利用しつつ両者が合流した酒匂川では20m3/s程しか使っていない。
流域面積を見ても両者180km2以上有って酒匂川ではもっと大量の開発が出来そうである。



[私案]酒匂川発電所
出力:11,200kW[+11.2MW]
水量:15m3/s
落差:88m
導水:8.8km
取水:酒匂川[山北発電所取水堰堤(峰発電所・嵐発電所)]153.40m
放水:酒匂川57m