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とはずがたりな掲示板 ( 電 力スレ 利 水スレ )
22.1.29運開
深良(箱根)用水と水力発電所

神奈川県内を流れる二級河川早川
にある芦ノ湖を水源とする深良用水である。江戸時代に開発された。江戸期の日本すげえ。醜悪な帝国主義を恥じて江 戸時代を誇るべきである。まあ国学とか明治期の奇態な思想を生んだのも江戸時代ではあるんだけど。

さてwikiに拠ると芦ノ湖の利水の権利は全部静岡県が持っているそうな。また最大5.0m3/sに設定してあ るけどそんなに取水は出来無い模様。ガシガシ開発は無理そう。
現状,芦ノ湖EL.723mから1.67m3/sを取水して第一(3.1MW)・第二(1.4M)・第三(1.0MW)発電所を経由して合計5.5MWを発電, El.245.5mで放水している。
総落差は477m。総効率は73%程。

 
芦ノ湖[wiki] [→早川]       
自然湖(カルデラ湖)
貯水量:
面積    7.03[1] km2
周囲長    21.1 km
最大水深    43.5 m
平均水深    15.0 m
水面の標高    723 m

>水源の大部分が湖底からの湧き水である。本来は北部(箱根町仙石原)から流れ出る早川の水源 であるが、水利権が神奈川県側に無い為に、非常時(近年は主に増水)を除いて芦ノ湖から早川への放水は一切行われていない(湖尻水門には常時放水路も設備 されていない)。
>歴史的経緯から、芦ノ湖の水利権は神奈川県には無く、裾野市・長泉町・清水町・御殿場市で構成される静岡県芦湖水利組合にある(深良用水も参 照)。この為、神奈川県側では湖水利用が出来ない。ただし、渇水や増水などの非常時は、芦ノ湖の水を利用(緊急放水)できる。


深良水門[地 理院]       
(主要取水設備) 高さ /堤頂長       3.02m / 9.48m
(制水門) 型式           スライド・ゲート×2
取水量:5.0m3/s以下(googleに依ると裾野市や静岡県の資料から判明するが,豪雨でも無い限り5.0m3/s取水するのは困難とのこと)
流域面積:21.4km2

深良用水の取水用水門である。


深良用水[wiki]        
延長    1.28km
灌漑面積    527.153ha
取水元    芦ノ湖深良水門] (神奈川県箱根町)
合流先    深良川(静岡県裾野市)
流域    静岡県裾野市
着工:1666年(寛文6年・徳川家綱) / 完成 1670年(寛文10年・徳川家綱)

>この用水は、深良村の名主・大庭源之丞が幕府と小田原藩の許可の下、箱根権現※の別当快長の理解と江戸浅草の商人・友野与右衛門の協力を得て完 成。旱魃に苦しむ農民を救ったと言われている。[裾野 市

>神の水である芦ノ湖からの導水は、箱根権現の許可が必要であったが、完成後は年200石を献上するという約束のもとに、許可を得て工事に着手する のである。[水土

>江戸浅草に住んで商売をしていた「友野与右衛門」は、駿府の出身で、新田開発の経験もあり、いわゆる「甲州流の水利法」を会得し、資力もあり企業 心も旺盛な人物であったといわれています。
>「芦ノ湖」は、古くから「権現御手洗の池(ごんげんみたらしのいけ)」と神聖視され、湖上で神事が執り行われてきました。そのため、芦ノ湖から導 水するには箱根神社の許可が必要でした。
>寛文3年(1663)2月、友野与右衛門・宮崎市兵衛・松村浄真ら3人の元締は、もし目的が達成されたら、新田のうち200石を御神領として献上 するという約束のもとに、「箱根神社」に立願状(りつがんじょう)を奉納しました。 [戸谷八

※箱根権現(はこねごんげん)は、箱根山の山岳信仰と修験道が融合した神仏習合の神であり、文殊菩薩・弥勒菩薩・観世音菩薩を本地仏とする。神仏分離・廃 仏毀釈が行われる以前は、箱根権現社(現・箱根神社)・箱根山金剛王院東福寺で祀られた。 明治維新の神仏分離令による廃仏毀釈によって、修験道に基づく箱根権現社は箱根神社へと改称された。別当寺である箱根山金剛王院東福寺は廃寺に追い込まれ た(箱根神社境内の駐車場付近にあったと推定される)。[wiki]

~深良川~       

深良隧道[水土][RENi]       
着工/竣工: 寛文6(1666)年/寛文10(1670)年
延長:1,280m/標高差:9.8m




深良用水吐け口[地 理院


東京発電(株) 深良川第一発電所水 力DB]        
静岡県裾野市深良
運開:1922.11[東京電燈(株)?※]
水路式・流込式
    認可最大出力:3,100kW   常時出力: 1,511kW[48.7%]
    最大使用水量:1.67m3/s
    有効落差:256.91m
    水車:横軸ペルトン水車 出力3100kW×1台
    導水路:総延長1005.5m
    流域面積:21.4km2
    取水:深良用水(芦ノ湖)713.61m
    放水:深良川第二発電所、深良川441.91m

※:3つの発電所を所有する会社は、6回その管理が変わり、最終的には1982(昭和57)年に東京電力から姫川電力(その後、東京発電へ社名変更)へ移 管された。[国 会図書館

流込式とのことで潅漑用水从属型発電ということであろう。

東京発電(株) 深良川第二発電所水 力RENi][FB]        
静岡県裾野市深良
運開:1922.11/2015.3水車改良(+200kW)※
水路式・流込式
認可最大出力:1,400kW  常時出力: 650kW[46.4%]
    最大使用水量:1.67m3/s
    有効落差:109.33m
    水車:横軸フランシス水車 出力1400kW×1台
    導水路:総延長691.9m
    流域面積:24.3km2
    取水:深良川第一発電所、深良川442.61m
    放水:深良川第三発電所、深良川326.43m

※発電機の制御方法が、これまでの油圧式からモーター式に変更され、油漏れリスクも低減との事

東京発電(株) 深良川第三発電所水 力RENi]        
静岡県裾野市深良
運開:1923.4/1988.3水車改良
水路式・流込式
    認可最大出力:1,000kW      常時出力: 400kW[40.0%]
    最大使用水量:1.67m3/s
    有効落差:77.59m
    水車:横軸フランシス水車 出力1000kW×1台
    導水路:総延長761.0m
    流域面積:25.5km2
    取水:深良川第二発電所、深良川327.15m
    放水:深良川245.45m

※ほぼ御殿場線の岩波駅(放水口から700m付近にある)の標高である。この辺から水田も広がり此処以下での発電は難しそう)

下流へ行くに釣れ常時出力の最大出力に対する比が落ちている。


(黄瀬川229m)



(狩野川)