電 力総研 水 力あれこれ
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22.6.24運開

木曽川上流の発電所と開発

大規模開発で開発し尽くされてる感があって手薄であったがよく見ると可能性がちょくちょくある様に見える。

(源流)──味噌川ダム水源開発奥木曽発電所電源開発(+6.7MW)】──日義発電所新開発電所電源開発(木曽福島)─[黒川【電源開発】黒川ダム]・城山発電所福島堰堤(仮称)→[→木曽川

~木曽川源流域~

味噌川ダム[便覧
場所:長野県木曽郡木祖村小木曽
事業者:水資源機構
目的:洪水・不特定・水道・工業用水・発電
天端標高:1,130m
流域面積/湛水面積    55.1km2 ( 全て直接流域 ) /135ha
総貯水容量/有効貯水容量    6,100.0万m3/5,500.0万m3 →なかなかの貯水量である。
着手/竣工    1973/1996
21.5
野麦峠を越えようとr26奈川木祖線を走ってるとちらっとそのロックフィルの威容が目に入った。

ダム便覧に 載っていた建設当時の逸話がなかなか興味深い:
人家の無い所に建設するから大丈夫という訳には行かぬのが人情か。
これは、「月刊ダム日本」に掲載された記事を一部修正して 転載したものです。著者は、古賀邦雄氏(水・河川・湖沼関係文献研究会)です。

(ダム建設)当時の木祖村の村長であった日野文平著『源流村長』(銀河書房・平成元年)に、味噌川ダム建設に係わる村の真摯な対応が綴られている。それは 昭和55年4月21日の中日新聞記事「古文書生き返る、あるダム補償尾張藩方式で援助」が転載されており、この日野村長の発想が味噌川ダム建設の原動力に なったといえる。

     五十三年二月のことである。木曽最上流部の味噌川ダム=長野県木曽郡木祖村の実地調査をしていた水資源開発公団に、地元・木祖村の日野文平村長が、たま りたまったうっぷんをぶちまけた。
    「水をもらう愛知県は、地主にあい さつもせんで大工を送り込むのか」
     怒りを伝え聞いて愛知県の幹部が、初めて現場にすっ飛んできた。体育館の落成の日でもあったが、村長はモーニングに威儀を正して(?)愛知県との初交渉 に臨んだ。
    「名古屋の衆は、木曽の水を持ってって水洗便所を使う。しかし、木曽に水洗便所はほとんどないんですぞ」
    「昔、尾張藩は、木曽のヒノキを守る私らに年間一万石の米をくれていたことを知ってなさるか」
     ダム建設に伴う上流部と下流部の宿命的な利害の対立は、数え切れない。が、きわめて複雑な状況といわれた味噌川ダムの場合は、この村長の一言から劇的な 展開を繰り広げていった。
     木祖村の中心・薮原から山道をジープで三十分。村の名前の通り「木曽の祖」ともいえる木曽川の源流点近くがダム現場である。周辺の民有林、村有林約百五 十haが湖底に沈む計画を知らされた当初、村人たちの心には複雑なキ裂が走った。
     まず、補償の実態を調べていた関係者は、現行法規をみてガク然とした。水源地域対策特別措置法では「水没 農家三十戸以上または水没農地三十ha以上」が補償の基準で、家屋も農地もない味噌川ダムは適用外だったのである。
     法の基準に達しない地域を救う「水源基金制度」(東海三県と名古屋市で設置)でも、長野県が加盟していないため、木祖村への補償・援助はダメ。「そんな バカな」「先祖代々守り育ててきた森林を、むざむざ沈められてたまるか」
     が、どんなに調べても、公団からの直接補償以外、木祖村へ の見返りは制度的に何もないのが実情だった。愛知県が「地主にあいさつもせんで大工を送り込んだ」のはまさにこの理由からだったが、村の人 たちからは当然のように不満がわき上がった。

郷土史を調べる。信州・木曽地方は江戸時代、ずーっと尾張藩に属した。明治になって一時、名古屋県の所管になっている。なぜか。理由は木である。御岳のす そ野に広がる広大なヒノキの天然材は、木曽川を下って熱田・白鳥(名古屋市)貯水場に集められ、江戸城、名古屋城とその城下町、伊勢神宮など中世・近世日 本の重要な拠点を造り続けてきたのだ。

「三百年も昔に、上流と下流はギブ・アンド・テークの関係を持っていたんですぞ」「木が水に代わっただけ。法や制度を乗り越えてこそ、真の交流が出来るん じゃないか」
 村長が提出した木と水の膨大な古文書は、愛知県の仲谷知事の手元に届き、難航していたダム問題は一気に解決の糸口を見出した。昨年五月、同県は木祖村へ の制度外援助を歴史的事実に基づいて了承、仲谷知事と西沢長野県知事とのトップ会談で最終的合意に達した。

奈良井川の項で,木曽川から分水して水を松本盆地に持ってきたい希望を農民は持っていたが松 本藩が御三家筆頭の尾張藩に憚って実現しなかったとあった(既に江戸時代は芦ノ湖の導水な ど巨大な開発が可能になっていた)が,上の逸話でも判る様に尾張から大事されていたようである。

奥木曽発電所[水力
事業者:長野県企業局
所在地:長野県木曽郡木祖村小木曽
運開:1990.4(一部),1995.6(全面)
ダム式・貯水池式
認可最大出力:4,800kW    常時出力: 290kW    年間発生電力量:18.026MWh(1802万6千キロワット時)
最大使用水量:4.70m3/s    常時使用水量:0.80m3/s
最大有効落差:125.12m      最大総落差:133.20m    常時有効落差: 98.12m     常時総落差: 98.40m
    水車:出力5010kW×1台
    流域面積:55.1km2
    取水:木曽川[味噌川ダム](1122.50m)
    放水:木曽川(989.25m)

出典:水資源 機構

【味噌川ダム水源開発=導水建設】
早速開発余地がっ!!!
奥木曽発電所を出た標高1000mの潜在的な落差と4.7m3/sの大量の水を抱えて私はその可能性に呆然と立ち尽くしてるのである!(笑)(但し常時出 力は290kWなのでまあそんなものではある。。)

先ずは恒例の導水可能性探し。
5.6km程伸ばせば東 隣(塩沢:1118.5m)と更にその東 隣の沢(橋戸沢:1119m)から取水出来る。但し橋戸沢は高くて導水管を延ばす必要もあるし,奈良井川の流域に入っているので注意(止めといた 方が良いかな?)。

西側は笹 川(1112m)で14km2程有る(計り直すと13.7km2。概ねそんなもんだ)。2.9km程で導水出来る。


味噌川ダム[改・私案
目的:洪水・不特定・水道・工業用水・発電(奥木曽発電所4.7m3/s)
天端標高:1,130m
流域面積/湛水面積    73.4km2 ( 直接流域:55.1km2 間接流域:18.3km2[笹 川・塩沢]) /135ha
総貯水容量/有効貯水容量    6,100.0万m3/5,500.0万m3 →なかなかの貯水量である。
着手/竣工    1973/1996


【木曽川最上流部電源開発】

さて送水開始。先ず再び笹 川(995m)で取水。その後ぐるっと旋回して奥 峰沢(993m)で取水。一山を超えて菅 川(992m),一寸離れて熊 沢川(991.2m),また川筋に戻って発電後,日義発電所の取水池(838m)に放水。



[私案]原野発電所
出力:6,700km[+6.7MW]
水量:5.0m3/s(増加分は適当)
落差:154m
流域:笹川・奥峰沢・菅川・熊沢川(途中取水):38.7km2 味噌川(ダム直接流域):55.1km2 塩沢・笹川(ダム間接流域)
導水:
取水:味噌川[奥木曽発電所]・笹川・奥峰沢・菅川・熊沢川 1,000m
放水:木曽川[日義発電所](熊沢川分は増強出来る)837.56m



まあまあ♪
以下5m3/s程度が暫く続くが,味噌川ダムで安定化された水量で,と思うとそれ程増強する気にはなれないがせめて倍増ぐらいあっても良さそうな気もす る。
但し倍増程度では態々投資する程の事でも無い,となってしまう。
そういう意味でもっと抜本的な新規投資が必要になるかも。

中部電力(株) 日義発電所[水力]    
長野県木曽郡木曽町日義
運開:1937.6[木曽電力(株)]
水路式・流込式
認可最大出力:1,300kW   常時出力:550kW[32.5%]
最大使用水量:5.57m3/s[0.33]
有効落差:27.45m
水車:出力1300kW×1台
導水路:総延長2146.6m
流域面積:168.1km2
取水:木曽川(837.56m)
放水:木曽川[新開発電所取水堰](807.20m)

中部電力(株) 新開発電所[水力]  
運開:1919・4[不明]
水路式・流込式
 認可最大出力:1,300kW     常時出力: 690kW[40.8%]
最大使用水量:5.96m3/s[0.284]
有効落差:26.72m
    水車:出力1400kW×1台
    導水路:総延長1570.09m
    流域面積:209.7平方キロメートル
    取水:木曽川[日義発電所]、正沢川、洞の沢、他807.20m
    放水:木曽川[城山発電所取水口)]778.71


日義発電所の流域面積168.1km2を起点に,日義新開城山PSの既存発電所群とは別建てで発電所を建設 できそう。場合に拠っては中沢川(7.4km2)からも追加で取水して補給出来そう(マウスオーバーで表示)
木曽ダム導水黒川発電所導水や 本件等人気の中沢川である。本件が一番合理的かなぁ?貯水は出来ないけど。


[私案]木曽福島発電所(1号機)
出力:6,100kW[+6.1MW]
水量:8m3/s
落差:90m
流域面積:日義取水地点木曽川168.1km・日義取水レベル下流域:77.73km2・黒川発電所使用流域:▲37.96km2 合計: 207.87km2
取水:木曽川・熊沢川・幸沢・黒川 837m
放水:木曽川[福島堰堤]740m


~黒川~

[私案=optional]幸沢川堰堤[場 所EL1062m
流域面積:3.6km2
取水量:1.0m3/s

[私案=optional]]幸沢発電所
小水力・落差82m・水量:1m3/s・出力:700kW[+0.7MW]
→導水落差を利用して発電

[私案]上小川沢堰堤[場 所EL976m

[私案]黒川堰堤

西洞川
[私案]西洞川ダム[場 所EL941m
満水位970mなら一 の萱の聚落の立ち退き不要
堤高40m 程のダム建設

更に(マウスオーバーで表示)木曽ダムへの導水や上の木曽福島発電所構 想で検討した中沢川からも導水出来そうである。

ということでダムを建設してみる。湛水面積が5.5haしかとれなかった。。(狭い伊奈川ダ ムよりも狭い。。)
利用水深30mでも50万程度??35時間弱しか持たない。まあ伊奈川的な尖頭需要対策にはなりそう。

一 の萱の様子。殆ど無人な感じ。立ち退いて貰うかねぇ。。もう一寸満水位を高くするとこんな感じ。

EL.990m:12,2ha
EL.970m:4.5ha
EL.960m:2.6ha
それぞれを円柱と錐に分けて計算すると210万m3程のダムになる。まあそこそこではないか。


[私案]黒川発電所or木曽福島発電所(2号機)
出力:7,500kW[+7.5MW]
水量:4.0m3/s
落差:220m
流域:37.96km2
取水:上 小川沢黒 川・西洞川[西洞ダム(新設案)]970m
放水:木曽川[福島堰堤]740m


黒川ダム[水力] [便覧]     
取水堰
堤高:13.484m 堤頂長:14.6m
流域面積:木曽川(間接) 黒川(直接)
取水:104.6m(逆サイホン[伏越]・日義発電所~本導水路)・1236.9m(木曽川~黒川ダム)
送水:586.5m(圧力トンネル・黒川ダム~発電所)

黒川ダム。小さいダムで木曽福島市街に馴染んで溶け込んでいる。
22.7
背面と取水口

溜め池的なダム湖

ダム直上を渡る橋の袂からは未舗装の林道っぽいのが分岐していて看板には木曽山林高校の演習林なので駐車禁止の看板が立っていた。





中部電力(株)  城山発電所[水力]    
運開:1938.10[木曽川電力(株)]
水路式・流込式
認可最大出力:1,300kW     常時出力: 690kW
最大使用水量:8.61m3/s
有効落差:19.90m
水車:出力1600kW×1台
流域面積:299.2km2
取水:木曽川+新開発電所→黒川[黒川ダム]776.66m
放水:木曽川755.86m

単体で見た場合,最大使用水量は8.61m3/sとそこそこあるが,流域面積の300km2弱に対する比率と思うと可成り低いし,有効落差も20m弱と可 成り低くて,結果1,300kWの弱小発電所の地位に甘んじているとは云える。
上流40km2弱を黒川発電所構想に取られても使用水量的になんの問題もないであろう。

福島堰堤    
ここで取水して木曽ダム・小川の水と併せて寝覚木曽(恐らく)両発電所に送られる。以下こちらでレポ[→ 木曽川



~王滝川~(こちらに移転)

~西野川~ (こちらに移転)

牧尾ダム(→こちらに移転)