電 力総研 水 力あれこれ
と はずがたりな掲示板 ( 利 水スレ電 力スレ )
23.8.20独立

阿賀野川支流早出川の水力発電

阿賀野川(中下流) 阿賀野川(中流支流開発)早出(はやで)川 阿賀野川(上流・大川) 磐 梯周辺 只見川(下流) 只見川(上流) 只見 川(支流)[野尻川] 伊南川 (只見川支流)
沿川風景(既存施設)早出川ダム(V=1,150万m3)・田川内発電所(7.1MW)・[杉川杉川発電所(440kW)]・早出発電所(1.0MW)・早出川頭首工(maxQ=5.68m3/s)
開発検討早出川ダム導水仙見・杉川導水田川内P連檐発電所新設(+9.2MW)早出上流部開発(+8.5MW)杉川・仙見川流域開発(+7.3MW)早出川頭首工以下開発検討(+3.2MW)

阿賀野川最下流部の支流早出川である。上流に1979竣工の潅漑・治水・発電用の早出川ダムがあり,そ れを水源とする田川内発電所(7.1MW)こそ それなりに頼もしいものの,後は小さい発電所が2件という陣容である。

~沿川風景~   
   
早出川ダム[便覧] [新 潟県]  
河川     阿賀野川水系早出川
目的/型式     F A P/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     82.5m/240m/357千m3
流域面積/湛水面積     83.2km2 ( 全て直接流域 ) /54ha
総貯水容量/有効貯水容量     14900千m3/11500千m3
ダム事業者     新潟県
着手/竣工     1969/1979
洪水時満水位:190.50m
計画高水流量     毎秒 910立方メートル
計画放流量    300m3/2 (毎秒260~344立方メートル)
調節流量     610m3/s

毎秒610m3/s調節して970万m3迄貯められると云う事は最初から最後までその量で降ったとして4.4時間(4時間24分)程の流入に耐えられると いう感じか。
冬期は全部発電に使えるのも良い感じである(どこもそうだけどw)。冬期ピークが課題であるし,冬の間は秋の内にフルで貯めて底上げするのが需要に適合 的っぽい。
 

さて,このタムの水は田川内発電所で利用されて7.1MWの電力を叩き出す。
ところが他の弱小発電所や頭首工の配置の関係がちぐはぐでこれ以上の増強がしづらかった。連檐もしておらず,ちと物足り ぬ。。
久婦須と野積的なやりにくさだけどこちらは出力が少ない分厄介 だ。まあ荒っぽく廃止して更新とかでもいいんだけど。。
上流を追うかねぇ。。取り合えず発電所の諸元を掲示すると以下の様になる。

新潟県企業局 田川内(たこうじ)発電所[新 潟県][水力]    
運開:1978.12
ダム式・貯水池式
    認可最大出力:7,100kW    常時出力:470kW[6.6%]
    年間発生可能電力量:29,292MWh(2929万2千キロワット時)
最大使用水量: 12m3/s
最大有効落差:   70.8m
水車     縦軸カプラン水車(出力7,400キロワット、1台)
    流域面積:83.2km2
    取水:早出川[早出川ダム]190.50m
    放水:早出川117.00m(早出発電所取水口より30m弱上 流)
放水路     開渠(幅7.75メートル×延長21.0メートル)



~杉川(支流)~     

東北電力株式会社 杉川発電所[水 力]    
新潟県五泉市上杉川
運開:1912.5[新潟水力電氣(株)]
水路式・流込式
    認可最大出力:440kW     常時出力:440kW[100%]←うおっ,100%
    最大使用水量:0.87m3/s
    有効落差:66.67m
    水車:横軸フランシス水車 出力475kW×1台
    導水路:総延長4469.2m
    流域面積:31.2km2
    取水:杉 川143.44m
    放水:杉 川74.18m




東北電力(株) 早出発電所[水力]     
新潟県五泉市松野
運開:1921.11[新潟水力電氣(株)]
水路式・流込式
認可最大出力:1,000kW      常時出力: 580kW[58%]
最大使用水量:3.90m3/s
有効落差:31.21m
水車:横軸フランシス水車 出力1040kW×1台
導水路:総延長4092.2m
流域面積:106.7km2
取水:早 出川89.23m (田川内発電所放流口より30m弱下・高石川合流部付近)
放水:早 出川52.43m早出川頭首工


早出川頭首工[水 土里][地 図EL51m][水 土礎]    
新津郷土地改良区
早出川土地改良区
・早出川頭首工 (受益 1176.0ha)
取水量:5.68m3/s
取水:早出川[早出川発電所](杉川合流部下流)

下の図だと早出川頭首工での取水量が5.68m3/sで,その配分先が県営右岸幹線1.25m3/s・荘之江幹線2.21m3/s・末端部(?) 3.47m3/sとなってて合計6.93m3/sとなっている。(県営右岸幹線を無視すればぴったり。)


(仙 見川合流EL.36m)

(五泉市街東郊)

(阿賀野川合流EL.5,.0m)




【開発検討】          
①早出川ダム導水②仙見・杉川導水・③田川内P連檐発電所新設(+9.2MW)④早出上流部開発(+8.5MW)⑤杉川・仙見川流域開発(+7.3MW)⑥早出川頭首工以下開発検討(+3.2MW)

3箇所の各発電所がバラバラで立地してて連携が取れてないのが問題だ。。

ただ今更繋げるのもねえ。。

杉川発電所は常時=最大なので余裕がある。
一方で早出川ダムの水量はもっと増やしても良さそう。仙見川も未開発である。

①差し当たって早出ダムに近場から導水してみる。ちいせえ,,


次にもう一寸遠くから積極的に導水してみる。

②仙見・杉川導水   
取水:仙 見川杉 川逢 塞川ヌ ケマノ川(仮称)
放水:早出川ダム
流域:57.2km2
この間接流域の嵩上げで早出川ダムの流域が140km2程度になり12m3/sの最大使用水量を活かせる時間帯も伸びる。

二つを併せると早出川ダムと田川内発電所の83km2の流域が145.2km2になる。
田川内の12m3/sの水量を使いこなせそうな感じである。

【③田川内発電所下部発電所新設検討】    
一方で田川内発電所の多めの放流水を有効 活用する為には即座に取水して早出川頭首工で放水して発電する(…※)のがベストであろう。
その場合,もろに並行して水を奪い合う関係にある,取水量3m3/sの早出発電所にどれだけ配慮するかが問題となる。

(※)の建設をする場合(早出川発電所と仮称することにする),田川内・早出川Dの流域83.2km2と早出Pの流域106.7km2の差, 23.5km2が早出の専業流域となる(上のような導水はしないとする)
3m3/s中2m3/sはこの専業流域から取水して残る1m3/sを田川内から給水するとすると早出川発電所((※)のことである)の利用水量は 11m3/sとなる。これで6.4kW
かなかそれっぽい形になってきた♪
これだけでは杉川や仙見川の活用が出来ないのでさらに欲張って検討してみる。(これと仙見・杉川導水と組み合わせて も良さそうではあるが。)

杉川と隣の仙見川を漁るとそれなりに広い72.5km2取れた。流石新潟大陸である♪

早出川第一(案)よりも上流で取水するのでこの発電所が杉川発電所の邪魔をすることはない。逆に杉 川PSの取水量は僅少(0.87m3/s)なのでこちらの邪魔にもならないとは思われる。

[拡張私案]早出川第一発電所      
出力:9,200kW[+9.2MW]
水量:18.0m3/s=11.0m3/s(早出川)+7.0m3/s(杉川・仙見川)
落差:60m
導水:本導水路(サイフォン(早出川)×1)6.4km 杉川支水路6.1km 総延長12.5km
流域:杉川・仙見川流域72.5km・早出川83.2km2
取水:早出川[田川内PS放水部]・杉川支水路[尾 長谷仙 見川杉 川]117m
放水:早出川[早出川頭首工]51m

【④早出川上流部開発】      

先ずはオーソドックスに早出川の上流を追う。


[私案]早出川第二発電所     
出力:8,500kW[+8.5MW]
水量:5.0m3/s
落差:200m
面積:36.1km2
導水:(本導水路)9.26km・(中杉川支水路)2.91km2 計:12.17km
取水:中杉川[支 流本 流]・広 倉沢・割岩沢(ユウ沢)[支 流本 流]・早 出川400m
放水:早出川[早出川ダム]190m谷→こ の辺に発電所を想定しているが道が全くない。。

杉川流域は標高が低くて組み込めなかった。

【⑤杉川・仙見川流域開発】      
上で検討した早出川上流部開発では杉川は標高が低くて組み込めなかった,ということで杉川流域の奥地開発は取水位が 早出川第二PS(案)(早出川ダム満水位より上)より低い早出川第一PS(案)(早出川ダムより下)の杉川導水 路に接続してみる。

やっぱ杉川発電所が邪魔すぎるかな~!?w
場合に拠っては廃止しても良い気がするけど小水力的な位置づけて残しても良い様な気はしている。

[私案]早出川第三発電所    
出力:7,300kW[+7.3MW]
水量:4.3m3/s[1.61]
落差:200m
流域:26.7km2
導水:
取水:仙見川[西 俣東 俣]・赤 倉川杉 川325m
放水:杉川[早出川第一P杉川取水堰堤]117m

【⑥早出頭首工以下開発検討】   
最後,早出川頭首工以下を検討。
EL.50mで26.1+31.2+106.7=164.0km2 ある。
いま,早出頭首工での取水量は5.68m3/s。
流域面積から16.4m3/s見込めるとして11m3/s程使えそう。
1.96kmの導水で仙見川からも取水可能。勿論仙見川から潅漑用水の取水もあるであろうが,200km2程になって,14m3/s程使える?

4km導水して27m。落差20m。3,200kW。一寸規模が足りないかな~。