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23.03.16分離・更新
物部川の電源開発(上韮生篇)

概要篇上流篇上韮生篇中流篇下流篇

上流篇目次:発電所一覧川口発電所岡の内堰堤則友川(仙頭発電 所堰堤)仙頭発電所上韮生川(五王堂発電所[私案]上韮生発電所)・発電量 増強案検討

水量豊かな物部(ものべ)川流域である。今上流篇から上韮生篇を独立させる。
出典:四 国電力

水量(一部)
惜しむらくは3000mmは別府渓谷辺り迄の様だがそれでも2500mm/年にはすっぽりと入ってはいる地域の様である。
出典:四 国電力


22.6,別府渓谷で敢えなく敗退し た我々は暫く四国から遠ざかっていたが,リベンジを果たすべく23.3に四国,別府渓谷を再訪した。が,この日は災害通行止めということで通り抜けできま せん,となった。

こいつのリベンジに先日別府渓谷に再チャレンジしてきたが今回も敢えなく敗退。この日は大雨でもあっ て新鮮な?尖った落石が正木ダム等あちこちでゴロゴロしてたので,まあ行けなくて正解だったのかも知れない。奥地の西熊は諦め根本の五王堂発電所だけみて 帰ってきたが転回の空き地がなく往生したw https://t.co/Q7oQCuTIRQ pic.twitter.com/NqdUKBBROw

— とはずがたり (@tohazugatali1) March 25, 2023

斯くして別府から西熊へ抜けて五王堂の取水堰を総嘗めは無理にしても最上流から片っ端から確認するという作業は断念となった。次の機会を窺いたい。ただこ の日,五王堂発電所へは到達出来た。
笹川は見れそうな時間ではあったが,既に暗くなりかけており,この先の谷道林道は未舗装っぽく,谷道川側へ抜けて祖谷発電所の取水堰達を見る時間も十分に 無さそうで,何よりこの日は大雨であちこちで崩れたての土砂崩れ箇所に何度も遭遇という悪コンディションだったので引き返して大人しく南国ICから帰って きた,と云いたい所だが,えらい時間掛けて南国まで出たのにキリで50km/h規制が掛かっていた。なんか面白くないのでR32で大豊IC迄下道を使って みた。なかなか新鮮であった。次回はこの辺から早明浦を攻めたい。別府・西熊はまた暫く先になりそうである。


四国地区水力発電所一覧表(上韮生川抜粋・いずれも高知県)
2015 (H27).3.3日現在
https://www.safety-shikoku.meti.go.jp/skh_d8/08_toukei/27_toukei/suiryokuichiran.pdf

[水]…水力.comさん当該発電所頁[経 産省
設置者名 発電所名 取水河川名 堰数
流域面積
(k㎡)
使用水量
(㎥/s) 
有効落差
(m)
最大出力
(kW)
常時出力
(kW)
ダム高
(m)
使用開始
年 月
その他・備考
住友共電
五王堂 上菲生川(西 熊渓谷)東 熊川安 野尾川
笹 川、冬谷川など
11
48.29 3.80 349.45  11,100 2,300 1960(S35).7 水路式・流込式
現在,松尾川や坂州木頭川,祖谷川を想起させる四国らしい堰数11でこまめに集水していくタイプの住友共電の五王堂発電所が一箇所ある。この辺に有効な形 なのであろうか?

~上韮生(かみにろ う)川~

(源流白髪山)

住友共電(株) 五王堂発電所[水力] [DB
    昭和35(1960)年7月:運用開始
水路式・流込式
    認可最大出力:11,100kW    常時出力:2,300kW
    最大使用水量:3.80m3/s
    有効落差:349.45m
    水車:立軸ペルトン水車 出力12720kW×1台
    発電機:立軸三相交流同期発電機×1台
    導水路:総延長13586.5m、
    流域面積:48.3km2
    取水:上菲生川(西 熊渓谷)],東 熊川G: これ?],こ こ?G: これ?]、安 野尾川渡 河部G],こ こ?薬 師川?沼 井(ぬるい)川?冬 谷川猪 の谷川笹 川笹 川と猪谷川(Gではこちらが笹川):G]、笹 川支流G; これ?] 計11箇所 618.20m
    放水:上 菲生川246.20m

五王堂発電所は上韮生川と笹川の合流点付近の上韮生側にある[地 理院]。地図だとまあ未だ山の入口かなぐらいの印象だったけど偉い山の奥だった。。

入口には簡素な看板がある。
23.3

地図からも判明するけど一寸手前に放水口がある。
大雨の日だったが勢いよく水を放水していた。洪水時に取水を停めるようなやわな発電所では無いと安心すべきか,もしくは山の中に張り巡らせた集水罔(も う)はズレて出水して巧い具合に取水・発電を続行できるようになってたりするのであろうか?


建屋が見えてくる。展開ポイントは無く,狭い未舗装のガードレール無しの道路で必死で転回して帰ってきたw


銘板


この日は勝浦川や那賀川を見て回ってから別府西熊林道不通のショックもあり少々疲れていたので脇の笹川にも五王堂の取水口があるのも半ば失念して,


五王堂から永瀬ダム迄あと50mある。発電だ。
五王堂の取水域の下流に45.8km2である。五王堂の流域は48.3km2で併せて94km2程。10m3/s程度期待出来るのでは無いか。


[私案]上韮生川発電所
出力:4,200kW[+4.2MW](87%)
水量:8.3m3/s[1.06]
落差:51m
導水:4km程度[105%]
取水:上 菲生川[五王堂発電所]・笹川246.20m
放水:物部川[永瀬ダム]191.23m

これで全部の物部川系統がシリーズ化出来る☆

 
次に五王堂上流部の開発検討である。
上流篇で見た様に,名頃へ導水したいっ てのは一寸あるが,影響では物部川上流より五王堂の西熊での取水の方が影響がでかそ うである。慎重に検討したい。
落差的にこちらの水量を安定させたいけど取水堰が11箇所もあって集水域も広くてばらけそうだし一箇所当たりの規模が小さい からそれぞれに取水堰的な規模感で十分なの かも知れない。

寧ろ取水域を増やして分散を抑えた方が良策な気もする。
楮 佐古川楮 佐古川支流オ モ谷 導水:6.83km[笹 川サイフォン]

[増強案]五王堂発電所[現行諸元]
    認可最大出力:11,100(現行)+8,900(新規)→20,000MW[+8.9MW]
    最大使用水量:3.80(現行)→6.80m3/s(+3,0m3/s)
    有効落差:349.45m
    水車:立軸ペルトン水車 出力12720kW×1台+もう1台
    導水路:総延長13586.5m+???m
    流域面積:48.3(現行)+11.2(新規追加)→59.5km2
    取水:上菲生川流域計11箇所(既存)+3箇所 618.20m
    放水:上 菲生川246.20m


西熊渓谷
取水点が617.4mである。さて,今現時点で西熊取水口の取水量は不明である。推計してみる。
全体の流域面積が48.29km2で3.80m3/sである。今,西熊の流域面積は概算となるが16.38km2である(まあそれ程広くは無い)。今,流域面積に取水量が比例すると仮定 すると 1.29m3/s 程と推定される。

推定最大水量1.29m3/sは平年の平均流量で抑えめに決められているのかも。此処なら1.6m3/sどころか2.0m3/sがめる事も出来そうであ る。
堰を大きくすることで使用量を増やせる可能性がある。出口をきゅっと締められるといいんだけど錐みたいな地形でダムには一寸向かなさそうな地形である。
とは云え常時出力と最大出力との差を考えるに雨降って出力上がる時を既に計算に入れてる感じもある。

両熊渓谷の合流点直下辺りにダムを建設してやると劇的に安定しそうではある。微妙に高度と堤長の関係で西熊渓谷にダムは建設して東熊川からは導水が良さそ う。流域面積23.4km2程取れる。

笹川
訪問が大雨の日だったのそれなりに壮絶な雰囲気であった。随分分け入った様な気がしたが地図で見ると入っ て直ぐの此処らで引き返してきた。地名は物 部町笹字土居番って感じかな。雨の中,夕暮れも迫り撮った写真は悉く不明瞭であった。再訪を期したい。

此処はr49大豊物部線が川に沿って上がっていく。道路はどのまま未舗装の祖谷山林道笹谷線で徳島県三好市に出て,地理院だとこ の道で谷道川に沿って下ってR439を通じて祖谷発電所のある若林付近に出る…のだが,レポをし てる皆は基本,京柱峠へでてるようだ。。車輌は基本こ ちらの林道京柱線の走行を余儀なくされるのかこちらが林道マニアどもに好かれているのかはよく解らない。。谷道川の取水堰と一緒に解明してくる必 要がある。。→こういうことらしい:祖谷山林道はゲートがあり通行禁止でしたが、こちらは普通に通れました。[TRIPoo!

さて,五王堂の取水点が604mである。
さて,今現時点でここ笹川取水口の取水量も不明である。推計してみる。
全体の流域面積が48.29km2で3.80m3/sである。今,笹川の流域面積は概算となるが12.8km2である(まあ狭い)。流域面積に比例すると すると 1.00m3/s程と推定される。
1.2m3/sぐらいはって感じであろうか。ここも堰でもあれば良いかも知れないと云う程度。


西熊上流の名頃取水点付近にダム建設して,名頃はEL950m程度で取水し,それ以下の水位の水は西熊の取水安定化に使う(満水時のみ名頃に導水などの運 用)も考えたが,名頃への投資がそれ(増水時のみ取水出来る)でペイするのかは不明。