電力総研 水力あれこれ(四国) 四国 水力
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20.09.08完成
物部川の電源開発(概要篇)

概要篇上流篇中流篇下流篇

水量豊かな物部(ものべ)川流域である。
物部守屋とかの「もののべ」かと思ってたが此処は「ものべ」と呼ぶらしい。弥 山を「ややま」としてしまったに引き続いての失態であるけどファイル名がmononobeになってしまってたのはフォルダの移動の際に変更して証 拠は隠滅済なのは内緒だw

以下で水の利用形態の概況を踏まえ便宜的に永瀬ダムと合同堰を境に上流・中流・下流に分けて見たが行政も同じ区分 であった♪

流域図 出典:国 交省
   

概要図
出典:国 交省(四国地方整備局)

発電所立地
出典:四 国電力

水量(一部)
出典:四 国電力

四国地区水力発電所一覧表(物部川水系抜粋・いずれも高知県)
2015 (H27).3.3日現在
https://www.safety-shikoku.meti.go.jp/skh_d8/08_toukei/27_toukei/suiryokuichiran.pdf

[水]…水力.comさん当該発電所頁
設置者名 発電所名 取水河川名 流域面積
(k㎡)
使用水量
(㎥/s) 
有効落差
(m)
最大出力(kW)
[水効率※]
常時出力
(kW)
ダム高
(m)
使用開始
年 月
その他・備考
住 友共同電力(株) 五王堂[] 上菲生川(西 熊渓谷)東 熊川安 野尾川
笹 川、冬谷川、他
48.29 3.80 349.45  11,100[2.92]
2,300 1960(S35).7 取水位:498.50m
放水位:283.90m
川口[] 物 部川杉 熊川、成山谷川、他 55.10 4.20 200.00 7,000[1.66]
1,400 1957(S32).11 取水位:
放水位:
仙頭[] 物部川[岡の内堰堤]、則友川 119.60 10.00 83.38  7,000[0.70]
1,100 1957(S32).7 取水位:282.00m
放水位:191.23m
住友共電計




25,100 4,800



高知県公営企業局 永瀬[] 物部川[永瀬ダム] 295.20 30.00 89.63 22,800[0.76]
5,900 87.00 1955(S30).8 年間発電量:106,400MWh
設備稼働率:53.27%
吉野[] 物部川[吉野ダム] 343.40 37.00 16.12 4,900[0.13]
980 26.90 1973(S28).4 年間発生電力量:23,700MWh
設備稼働率:55.21%
杉田[] 物部川[杉田ダム] 440.00  40.00 35.02 11,500[0.28]
2,700 44.00 1959(S34).9 取水位標高:78.00m
放水位標高:42.50m
県企業局計




39,200[1.17] 9,780



物部水系計




64,300
[五4.09][川3.53]
14,580



流域面積(km2)の1/10ぐらいの使用水量(m3/s)になってる!?
※:水効率…使用水量1m3/s辺りの発電出力MW 杉田の下流の構想が実現して+ 0.165,五王堂と永瀬の間の構想が実現して+0.875。五王堂経由でトータルの水 効率というか発電寄与度5.13となる。松尾川の7.16には及ばない(川口方面も川口の上流の 構想が出来ても同様)。名頃へ一部導水も考え てるけど発電量はそちらの方が稼げそうである。これは五王堂の取水位が高々500mなのに対して,松尾川第一で882.0m,名頃だと950mにも及ぶと いう標高のせいである。

水力発電利水ダム一覧
[ダ]…ダム便覧さん当該頁
ダム名 管理者名 着工 / 竣工 貯水量 流域面積/湛水面積
( km2 / ha)
その他
岡の内堰堤 住友共電



永瀬(ながせ)ダム[] 国土交通省
四国地方建設局
1950 / 1956 総量:49,090千立米
有効量:41,470千立米
295.2 / 2.08
吉野(よしの)ダム[] 高知県 1952 / 1953  総量:2,091千立米
有効量:474千立米
343.4 / 0.32
杉田(すいた)ダム[] 高知県 1952 / 1959 総量:10,532千立米
有効量:5,732千立米
440 / 0.94
吉野と杉田は調整池式程度の規模である。特に吉野ダムは大井川や寸又川ダムに似ている。 50万トン級。永瀬は一寸大きめで4,000万トン級。

以上から物部川の水力発電は二つに分割出来,特徴も大きく変わることが解る。

1.上流・住友共電・(四国的多取水口型)水路式流込式2.中流・高知県企業局・ダム調整池式である。更に水力発電から潅漑に利水が代わる3.下流・潅漑にそれぞれ項を分けて検討していく。