電力総研 水力あれこれ(四国) 四国 水力
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20.09.08完成
21.07.04分離・更新
物部川の電源開発(上流篇)(21.6逍遙)

概要篇上流篇中流篇下流篇

上流篇目次:発電所一覧川口発電所岡の内堰堤則友川(仙頭発電 所堰堤)仙頭発電所上韮生川(五王堂発電所)・発電量増強案検討

水量豊かな物部(ものべ)川流域である。

出典:四 国電力

水量(一部)
出典:四 国電力

四国地区水力発電所一覧表(物部川水系抜粋・いずれも高知県)
2015 (H27).3.3日現在
https://www.safety-shikoku.meti.go.jp/skh_d8/08_toukei/27_toukei/suiryokuichiran.pdf

[水]…水力.comさん当該発電所頁[経 産省
設置者名 発電所名 取水河川名 堰数
流域面積
(k㎡)
使用水量
(㎥/s) 
有効落差
(m)
最大出力
(kW)
常時出力
(kW)
ダム高
(m)
使用開始
年 月
その他・備考

[私案]別府
物部川









住 友共同電力(株) 川口 物 部川杉 熊川、成山谷川、他2 5
55.10 4.20 200.00 7,000 1,400 1957(S32).11 水路式・流込式
仙頭 物部川[岡の内堰堤]、則友川 2
119.60 10.00 83.38  7,000 1,100 1957(S32).7 水路式・調整池式
取水位標高:282.00m
放水位標高:191.23m
五王堂 上菲生川(西 熊渓谷)東 熊川安 野尾川
笹 川、冬谷川など
11
48.29 3.80 349.45  11,100 2,300 1960(S35).7 水路式・流込式

[私案]上韮生川
上菲生川








住友共電計





25,100 4,800



流域面積(km2)の1/10ぐらいの使用水量(m3/s)になってる!?


~物部川~

(源流白髪山)

割りと高い場所から水を引っ張って来てる印象の五王堂でも620m 程。それに対して川口はそれ程高くない印象だがそれでも500m弱である。
逆に川口側には上にもう一発発電所を入れるポテンシャルがあるとも云えるであろう。
検討してみる。



[私案]別府(べふ)発電所
出力:3,100kW
水量:1.7m3/s (1.82)
落差:219m
流域:14.5km2
導水:4.3km (0.72)
取水:物 部川(別府渓谷)EL721.2m 他途中の沢2箇所
放水:物部川[川口発電所取水口]497.9m

これは名頃導水ともろにかち合う。保留としておく。

川口発電所物部川取水堰[場 所]
取水量:4.20m3/s

水利標識をいきなりゲット。此処での取水量=発電所の使用水量なので此処がメインで此処で取れない分を他の4箇所の取水施設で補完しているのであろう。
21.6(以下同じ)
国道脇にコンパクトに纏まる取水設備


杉熊川堰堤
前回も行ったのに何故か写真が残ってない。。
今回もまともな写真を取り損ねた。
未舗装の山道を暫く行くと直ぐにある。
23.3

成山谷
こ の辺か?

沖ノ谷?
こ の辺か?


??
こ の辺か?G 空撮だとこの辺



住友共電(株) 川口発電所[水力
所在地:高知県香美市物部町岡ノ内
 運開:1957.11
水路式・流込式
    認可最大出力:7,000kW  常時出力:1,400kW (20.0%)
    最大使用水量:4.20m3/s
    有効落差:200.00m
    水車:立軸ペルトン水車 出力7500kW×1台
    導水路:総延長8796.4m
    流域面積:55.1平方キロメートル
    取水:物部川杉 熊川成 山谷川沖 ノ谷?(名称不明)崎 岩谷?(名称不明) 計5箇所 498.50m
    放水:物部川283.90m

良く機能が分からない橋が国道側から発電所へ入って行く途中にあって,其処からの鉄管の勇姿


発電所の上から国道側の眺め

こんな標識もあった。
冷却水は大桑発電所の導水から木曽発電所に取ってたのに気付いた以来かな。

この川,発電所の目の前を流れていて,上流で取水出来そうなものだけど一寸標高が足りない。。

この桑の川との合流点に川口発電所があって直ぐ下流に仙頭発電所の取水堰の岡の内堰堤がある。

岡の内堰堤
取水量:8.20m3/s
取水(位):物部川(282.00m)

谷の下,とおおお~くに取水堰が見える。木が邪魔。。

と,こんな遠くにも関わらず万人が衆目出来る国道195上に利水標識が!!!住友共電でかしてるぞ☆


~則友川~

仙頭発電所そのものも則友川沿いに立地しているのだが,そこから奥へ入っていくと廃村同然の則友地先にひっそりと佇んでいる。
今回,利水標ががんがん見つかって結構うはうはの逍遙であったが此処は見つからなかった。
行く途中にい ざなぎ流とかいう謎の施設があったが民間信仰の陰陽道だそうな。

仙頭発電所則友川取水堰
取水量:1.8m3/s?




この先安芸市の方迄本来抜けられそうだけどなんかの都合(災害?)で通行止めとなってる風であった。
取水堰までと思って確認してなかったけどこの先に隧道とかあり安芸市の奥,畑山に 抜けてるようだ。電力総研的にはこちらで扱ってる。

此 処から此 処軽 車道を通じて繋がっている様だ。凄そうな道ではある。



住友共電(株) 仙頭(せんどう)発電所[水力
所在地:高知県香美市物 部町押谷
    昭和32(1957)年7月:運用開始
水路式・調整池式
    認可最大出力:7000kW      常時出力:1100kW
    最大使用水量:10.00立方メートル毎秒
    有効落差:83.38m
    水車:立軸フランシス水車 出力7500kW×1台
    導水路:総延長5780.9m
    流域面積:119.6平方キロメートル
    取水:物部川[岡の内堰堤]、則友川282.00m
    放水:物部川[永瀬ダム]191.23m


地 図で見ると判るが水車や水圧鉄管まで地下にあるらしく地上はなんだか物足りない感じ。

放流先はそのまま永瀬ダムである。

~上韮生(かみにろ う)川~[→こちらで]

(源流白髪山)

住友共電(株) 五王堂発電所[水力] [DB
    昭和35(1960)年7月:運用開始
水路式・流込式
    認可最大出力:11,100kW    常時出力:2,300kW
    最大使用水量:3.80m3/s
    有効落差:349.45m
    水車:立軸ペルトン水車 出力12720kW×1台
    発電機:立軸三相交流同期発電機×1台
    導水路:総延長13586.5m、
    流域面積:48.3km2
    取水:上菲生川(西 熊渓谷)],東 熊川G: これ?],こ こ?G: これ?]、安 野尾川渡 河部G],こ こ?薬 師川?沼 井(ぬるい)川?冬 谷川猪 の谷川笹 川笹 川と猪谷川(Gではこちらが笹川):G]、笹 川支流G; これ?] 計11箇所 618.20m
    放水:上 菲生川246.20m



発電量増強
さてここでやりたいのは最上流の取水口へのダム建設である。
具体的には五王堂発電所の西熊堰堤(上韮生川)と笹川堰堤,川口発電所の別府(べふ)堰堤(物部川)である。
どちらかと言えば下流に仙頭発電所があって効果が倍増する川口…かと思ってたけど有効落差を考えると五王堂を安定化させた方が良さそうなのかもしれない。 まあここでは物部川の方を考える。

さて,川口PS上流,別府渓谷手前の調整池である。
現 取水箇所EL496m地点に満水位520mのダムを建設すると15.6ha程になる。ささやかな感じである。
より下流EL484m 地点に満水位520mで建設すると支流も巻き込んでの25.6haのダムになる。一寸拡がる。別府峡温泉は移転開業して貰えば良いとして後数軒水 面下に。。(G 空撮地 理院)

満水時にはEL520mで取水出来る。今より水位が上がって支流の沢からの取水が出来なくなりそうだが,今でも補助的に入れてるので取水するのは渇水時だ けにすればそんなに運用は変わらないだろう。杉熊川の取水口と統合も出来て維持コスト削減も期待出来る。
現在,定格出力7500kWの水車を7,000kWの認可最大出力で運用している。取水位があがることで定格目一杯の7,500kW,水車が優秀なら 7,600kW程度で,運用出来るであろう。また現在常時出力1,400kWと対最大比20%で運用しているがそれなりに改善出来るのでは無いか?
この2取水堰を継承する新ダムの流域は49km2程になる。4.2m3/sってのは割りとまあ順当な感じではあるけど増やす余地もあるのかも知れない。
寧ろダムの機能は多雨地帯のこの地で一時的に貯留出来る点である。ということで重要なのは貯留量だけど今のところ保留である。貯留量はこの辺で検討。300万m3程貯めれたら良いんだけどどうだっ たかな?
4.2m3/sで取水すると198h=8.3日程持つ事になる。多雨地帯の南紀も冬は可成り渇水に悩む様だがこの辺はどうなのであろう。春~秋に関しては 1週間以内に雨は降りそうだから結構,常時フル稼働出来そうである。場合によっては1.5倍増しの6.3m3/s程度に最大使用水量増やしても元が取れる かも知れない。その場合4.0MW程度の水車を増設となる。上流で名頃発電所に6.5km程度取られてもそ れ程痛くは無いのではないか?


こんな感じで別府警告もとい渓谷は自分の中でも秘境且つ開発可能性のある憧れの場所であった。
22.6遂に二回目のR195アタックの機会を得て(息子が社会の時間に地図を見て四ツ足峠に行きたいと云いだした。前にも通った訳だが私も峠にはそれ程 の思い入れもなく下流の発電所巡りに夢中で別府もスルーしてしまってた),早速別府を組み込み西熊別府林道経由で五王堂というか上韮生の方へ抜ける計画を 立てたが,程なくパンク。通りがかりの土佐人に助けられ東京海上とホンダサポートの手を借りて池田の小歩危自動車に車運車を出して貰 い生駒迄搬送,小歩危自動車からレンタカーを借りてこちらも生駒に深夜に帰り着くという顛末となった。なかなかハードであったが出会った人々にいろいろ良 くして貰って良い思い出にはなった。

徳島から四つ足峠を通って高知へ来た。徳島では謎のコーヒー自販機発見。更には道に琵琶や謎の柑橘類 落ちてた。高知では岩が転がる別府峡でパンク。大変なことに。通りすがりの一家に大変にお世話になってしまった。感謝しかない。 pic.twitter.com/nyCTTcbELE

— とはずがたり (@tohazugatali1) June 12, 2022