電 力総研 水 力あれこれ
有田川 日高川 日置川(下流部現況下流部開発上流部開発) 古 座川
と はずがたりな掲示板(利 水スレ電 力スレ)
22.1.15大加筆
20.9.27完成
20.9.21運開

日置川の下流部の電源開発

1.現況(踏まえるべき前提) 2.新規電源開発

1.現況
二級河川日置川水系河川整備基本方針(案)
https://www.pref.wakayama.lg.jp/prefg/080400/kasen_seibi_singikai/h25/singi2_tonda/haihusiryou_d/fil/shin2_s3-2.pdf
  河川水の利用については、許可水利が 4 件、慣行水利が68 件(白 浜 町32 件・田辺市36 件)あり、水道用水や発電用水および農業用水として利用されている。主なものとしては、水道用水は河口から 4.2km 付近右岸側の日置浄水場での取水、発電用水は 34.2km 付近の殿山ダムでの取水などがある。その他、ポンプによる取水も多数行われている。なお、日置川ではこれまで渇水による被害の報告はされていない。(←頼もしい♪)

日置川漁協
http://hikigawagyokyou.eek.jp/index.htm
漁場マップ
http://hikigawagyokyou.eek.jp/map.htm
日高川同様,川釣りの漁協があるようだ。日置川は鮎が釣れるらしい。

鮎の棲息に十分な流量が確保される事を前提として下流の開発を行いたい。

2.新規開発
三舞発電所想定地城川取水堰想定地殿山発電所現況殿山ダム現況合川ダム・殿山発電所更新私案合川ダム更新私案諸元殿山発電所増強私案諸元三舞発電所新設私案諸元

現状,殿山発電所でしか発電していないがその前後で発電をしたいと思って居る。この頁では前か後か兎も角下 流を取り扱う。殿山ダムで水流は均された後でありその貴重なEL.52m・26.0m3/sの資源を最大限に活用して行く。

その場合,殿山発電所の下部で取水して適当な場所で放水して発電する事が考えられるが,その候補地がこの辺であ る。三舞山の直ぐ下辺りである。
日置川には発電所が一箇所しか無いので普段は発電所とダムを駆けずり回ってその過程で撮れた写真で妄想計画の補足に供するのであるが,今回は予め計画に 沿って写真も撮ってきた。
その為城川も現地調査の経路に組み込み,一方で市鹿野は聚落はありそうだったが可能取水量が少なさそうだったので割愛した。

三舞山は上で述べたように今は白浜町のこの辺が2000年代の合併前は日置 川町であったが,その日置川町を1950年代に合併で形成する時の三つの自治体の内の一つ,三舞村の由来となった山である。
その三舞山の西側の麓はこんな感じ。中嶋という聚落になるようだ。

対岸の県道が結構高い所を走っており,(A)地点は改良されて橋で短絡されている。その(A)付近からこの中嶋の辺りを眺めたもの。(B)付近は(無料 の?)オートキャンプ場になっていた。
左の写真が三舞山付近に上部水槽を設けて水圧鉄管で地下発電所をいう想定地点。右がオートキャンプ場の向こう側辺りで放水する想定地点。



~城川~

宇津木橋付近で日置川に合流する城川を遡上してみる。
ここは川沿いにr36 上富田すさみ線[wiki]が周参見東部の江住迄南下している。実際には(我々の現地訪問時には)江住から北上してきた。
ここも和歌山県道三尾川紀伊富田停車場線の経路と思われる。

一寸上流にあがると小川(こがわ)の聚落。唐突に看板が現れるが撮った写真はピンぼけだったのです とびゅうで代替。
地 理院で確認して見ると小川が字名で小字としては中村平と云った感じである。

兎も角,この合 谷(地名としては小字名としては上村)の一寸上流付近の眺め。上で提起した計画ではこの辺で取 水 したい(大字名の小川,河川名の城川)と思って居る。
川はゆったり流れているように見える。



市鹿野分岐付近。
分岐を過ぎてr37とr221の重複区間となる。

殿山発電所が近づいてくる。上で見た様にこの辺りで堰止めて殿山放水位迄嵩上げして取水したいと思って居 る。
木があって見通しが利かぬが,水は殿山ダムからの放水もあって割と滔々たる流れである。


下流からそこそこ遡るとやっと殿山である。山の中の雰囲気は雰囲気であるが,とはいえ標高は未だ50mか そ こらである。

殿山発電所[水 力.com
事業者名:関西電力(株)
運開:1957
ダム水路式・調整池式
認可最大出力:15,000kW  常時出力:4,300kW
最大使用水量:26.00m3/s
有効落差:69.050m
水車:出力17000kW×1台
取水位標高:[殿山ダム]125.00m
放水位標高:日置川51.75m

全景。狭い谷底にあるので眺望は利かない


放水路を上から


2.殿山ダム(別名:合川(ごうがわ)ダム)[水 力.com][ダム便覧][和歌 山県
河川    日置川水系日置川
目的/堤高/堤頂長 発電P/ 64.5m/128.7m
流域面積/湛水面積    294km2 ( 全て直接流域 ) /137ha
総貯水容量/有効貯水容量    2,544.6万m3/1,379.5万m3
ダム事業者    関西電力(株)
着手/竣工    1955/1957
標高
 天端標高:127.500m
 満水位標高:125.000m
 低水位標高:112.000m
 基礎標高: 63.000m

下流部は殿山発電所放流水の利用が大前提となる。周参見川・曲 利付近(53.4m)[1m3/s]や 太間川(53.6m)[0.3m3/s]も視野に入るが先ず は三舞山の辺りで述べたような形態でシンプルに行く。

[新設私案]日置川発電所or三舞発電所
最大認可容量:8,800kW[+8.8MW]
最大使用水量:28m3/s
有効落差:37m
取水:日置川[殿山発電所直下](EL.44m・ 堰堤)[27m3/s]・城川・中村平付近(EL.52m)[2m3/s] 51m
放水:日置川[中嶋付近](EL.12m)

取水域


さて,殿山ダムは地元から合川ダムと呼ばれている。これは飛騨川(益田川)なんかで頻出している案件だが発電専用ダムは発電所がメインでダムは単な る付随施設なので発電所は発電所のある場所の地名から付けるのが基本(桃山とか佐久とか福沢の見識を問いたくなる)であるが,ダムは遠く離れるのに発電所 の名前をセットで付けられてしまう。詰まり地元の人にしてみればちっぽけな発電所なんかより巨大なダムに目が行くのになんであんなズレた場所の地名がダム についてんの?となる。殿山は発電所のある小さな字名であり,ダムに相応しいのは平井川と日置川の合流点由来と思われる合川なのである。

このダムは23.4末に訪問した時は放流を開始していたが,お隣の古座川の七川ダムは平然としていた。やはり防災機能付きのダムの方が貯留量はでかくて水 量の安定化には良さそうである。殿山ダムも国交省辺りが買い上げて 多目的化して数メートル嵩上げして洪水対策の貯水量を確保しつつ発電量も増量出来ないだろうか??ダムを一周してバックウォーターの様子を確認しないとな んとも云えないけど数m程の嵩上げにそれ程問題はなさそうな山奥である。併せて発電所の出力も倍増させたいところ。
夏期の尖頭需要にも対応 出来るし冬期は容量を全て発電に回せばベース的な(尖頭常時的な?)供給も可能ではなかろうか?国交省買い上げに際してダム名も正式に合川ダムに変更すれ ば良い♪

[更新私案]合川(ごうがわ)ダム(旧称:殿山ダム)
目的/堤高/堤頂長 発電・洪水/ 64.5m→75m/128.7m→140mぐらい?
流域面積/湛水面積    294km2 ( 全て直接流域 ) /137ha→?
総貯水容量/有効貯水容量    2,544.6万m3→?/1,379.5万m3→
ダム事業者    関西電力(株)→水資源機構?
 天端標高:127.500m→140m
 満水位標高:125m→135m
 低水位標高:112m
 基礎標高: 63.000m

[増強私案]殿山発電所
ダム水路式・調整池式
認可最大出力:15,000kW→26,000kW[+11.0MW]   常時出力:4,300kW
最大使用水量:26.00m3/s→40.0m3/s
有効落差:69.050m
水車:出力17000kW×1台(既設)+10000kW ×1台(新設)
取水位標高:[殿山ダム]125.0m→135.0m
放水位標高:日置川51.75m

[私案]市鹿野取水堰堤[この辺

[新設私案増強対応案]三舞発電所
水路式・流込式
最大出力:12,500kW[+12.5MW]
水量:40m3/s
有効落差:37m
取水:日置川[殿山発電所直下](EL.44m・ 堰堤)[27m3/s]・城川・中村平付近(EL.52m)[2m3/s] 51m
放水:日置川[中嶋付近](EL.12m)

三舞と殿山は連動させるので同じ発電量に対して使用水量は減らせる。その分,尖頭時に大量に発電して貰うという思想である♪
この後,上流でも電源開発を検討するが,そっちで流込式で発電する分の調整も殿山・三舞で 或程度調整も出来る事になる♪♪