電 力総研 水 力あれこれ
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と はずがたりな掲示板(利 水スレ電 力スレ)
20.9.25運開
姉川の発電所【現況篇】(22.11 逍遙)

1.現況(品又峠・奥伊吹PS 奥伊吹第二PS 姉川ダム 姉川ダムPS 曲谷ダム 足俣川小水力PS  伊吹PS 小 泉PS 姉川合同井堰 姉川エコPS
2.増強・新設(起き又川引水・奥姉川発電所新設・姉川発電所新 設)

織田と浅井・朝倉連合軍が激突し川が血で赤く染まったとか云う姉川の戦いで有名な姉川。気にはなっていたので調べてみた。大河の印象はなかったが意外に水 力発電が充実している。

特に近年のFIT整備以降の確認出来ただけで4箇所の導入が進み,大規模よりも小水力の整備で充実が図れる場所っぽい。

1.現況

~奥伊吹・奥揖斐・品又峠~

県道40号山東本巣線に沿って姉 川を遡りそのどん詰まりが奥伊吹スキー場である。どん詰まりと云ったが県道名の山東は近江長岡付近として終点は本巣であり 岐阜県なので正確にはどん詰まりでは無い。道路は品又峠を越えて揖斐川の久瀬方面へ抜けている様だ。(峠付近のみ県道指定も道路すらも切 れている様にも描 かれているが山道で繋がってるのは確実であろう。)


youtubeの動画[【品又峠】未舗 装の峠を探索ツーリング DIO110で 岐阜県揖斐川町]によると
>岐阜県側は、元揖斐高原スキー場で滋賀県側は、奥伊吹スキー場です
>峠の向こうはスキー場の私有地なので引き返しました
とあって私有地として通行止めとなっている様だ。途中(動画5:00手間付近とか)結構ガレてる箇所もあるようだ。
ストビュウは岐阜側は此 処迄行っている。上図では岐阜側のヘキサ(r40)を書き込んだ点付近か。何も変化のない場所で引き返してるが…

山道だけ県道指定されてる箇所も多い様であるが,此処はスキー場の敷地内になって県道指定も外されているのかも知れない。ブログ[セロー寄り道日記]も発 見。その2が見当たらないのは私有地進入なので削除したのかも。
標高から判断するにスキー場の地図だと日の出山付近のようだ。
上流部はこのスキー場との関係が,水力発電所も,深い。


奥伊吹発電所
奥伊吹発電所 起工のお知らせ
[KANSO テクノス]
 当社と奥伊吹観光株式会社(本社:滋賀県米原市、代表取締役:草野丈太)が出資して設立した奥伊吹水力発電合同会社(本社:滋賀県米原市)は2020年 7月29日に奥伊吹発電所の起工式を執り行いました。
 奥伊吹発電所は、滋賀県米原市甲津原において発電出力199kWの水力発電所を、2020年7月より建設し、2022年6月(予定)から発電を開始する ものです。年間予定発電量は1,350MWhで、再生可能エネルギーの固定価格買取制度を活用し、発電した全電力量を20年間、関西電力株式会社へ売電い たします。
 本事業の設計は当社が行い、土木工事および「奥伊吹発電所」の運営管理については奥伊吹観光株式会社が行います。

砂防ダムを利用した水力発電所、米原で起工 22年稼働へ
2020年7月31日 05時00分 (7月31日 05時00分更新) 会員限定
[中日新聞]
 二〇二二年六月の稼働を目指す水力発電所の起工式が二十九日、米原市甲津原のグランスノー奥伊吹敷地内で行われた。工事を行うのは発電所建設などを行う KANSOテクノス(大阪市)とグランスノーを運営する奥伊吹観光(米原市)の合同で設立した奥伊吹水力発電合同会社。
 発電所が設置されるのは同市甲津原の姉川支流の瀬戸谷川。砂防ダムを利用し、水が通る部分に取水設備を設置。下流に向け全長一・一キロ、高低差百五メー トルのパイプを埋設し、高低差を利用した水圧で発電を行う。
 発電所の工事は既存ダムを利用しているため掘削などはなく濁水の流出もない。年間可能発電量は一千三百五十メガワット時で、一般家庭四百五十軒分に相当 し、奥伊吹観光の年間消費電力一千百五十メガワット時を超える。奥伊吹観光の草野丈太社長は「環境負荷を抑えるゼロ・エミッションの取り組みとしてやりが いがある。今後も地域に眠る電源を開発したい」と話した。 (磯貝元)

【「水力発電」をスタート。滋賀県米原市でスキー場(グランスノー奥伊吹)の運営を行う奥伊吹観光と関西電力グループのKANSOテクノスと合同で「奥伊 吹発電所」の新設運営へ。】
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000071.000025847.html

滋賀県米原市でスキー場(グランスノー奥伊吹)の運営を行う奥伊吹観光株式会社と関西電力のグループの株式会社KANSOテクノスが合同で、淀川水系・姉 川支流 瀬戸谷川(滋賀県米原市甲津原瀬戸山124番地)に「奥伊吹発電所」の建設を開始。2020年2月14日設立の「奥伊吹水力発電合同会社」により、「水力 発電事業」を開始致します。



瀬戸山は地名としてはネット地図では見当たらないけどこの辺https://map.goo.ne.jp/map/latlon/E136.22.44.063N35.30.58.694/zoom/9/
地図の画像が小さくてよく見えないけど取水堰・発電所の位置はそれぞれこ の辺(堰)こ の辺か。

と云う事で22.11に現地に行ってきた。原因不明の高熱で寝込んでた息子も良くなって,岐阜に3件もあるホビーオフを見に行く序で,である。


帰宅後調べて見たら3月に無事竣工していたらしい。

観光と環境の共生を 水力発電所、完工式に50人 米原 /滋賀
https://mainichi.jp/articles/20220429/ddl/k25/020/268000c
毎日新聞 2022/4/29 地方版 有料記事 496文字

 米原市甲津原で建設が進んでいた水力発電所「奥伊吹発電所」の完工式が27日にあり、約50人が出席して完成を祝った。

 スキー場などを運営する「奥伊吹観光」(米原市)と関西電力のグループ会社が出資して設立した「奥伊吹水力発電合同会社」が、2020年7月に起工、今 年3月から営業運転を始めている。

 同発電所は1.1キロ上流にある取水設備から105メートルの水の落差を利用して発電する。最大出力は199キ…

…同時に「奥伊吹第二発電所」の起工式もあった。今回完工した発電所とほぼ同規模で、約 800メートル下流に建設される。23年4月の運転開始を目指す。


下流で取水して発電するのはまだまだ大丈夫そうな位置だ。
さて現地へ行ってみるとなんと下流で工事してた。引き続き連檐して小水力を建設しているらしい。
ツイートは 既にしておいたが,調査時とは逆に最上流から見て行く。

昨日は姉川を逍遙。姉川ダムはダ ム調査久々だったせいかでデカく感じた。直下の水発用曲谷ダムは姉川ダムで水量安定したせいでゲートを廃止してしまって調整力でなくなってしまった。水門 壁にラジアルゲートの円弧型の跡が残る。課題だった起又谷の取水堰も確認。農閑期で乾上がった小田の分水工も見学 pic.twitter.com/dqv5zlTOfu

— とはずがたり (@tohazugatali1) November 7, 2022


瀬戸谷川 (第一?)奥伊吹小水力発電所取水堰

場所は判らなかった(悪い癖が出て事前の学習面倒臭くて怠ってた)が地図に拠るとこ の辺(EL.714m)] か?惜しい,ヘアピンの手前迄行って引き返してきてしまった。。ス トビュウも同様に引き返してるww。

この日は矢鱈バイク大集団とすれ違ったがどうやらここでイベントがあったらしい。5-POINTED STAR HIGH POWER FES.和ミーティング,なるものがあった様だ。

5-POINTED STAR HIGH POWER FES.和(なごみ)ミーティングを調べて見ると"カスタムバイクや車の展示会と美味しいご飯に音楽を合わせた 様々なアートのお祭り!"だそうな。
2022.11.6(sun)
5-POINTED STARHIGH POWER FES
『和(なごみ)ミーティング』開催決定‼︎
会場:グランスノー奥伊吹
時間:OPEN8:00/CLOSE16:00
料金:¥1,000

スキー場はオフシーズンが長いのが悩みだが宏大な駐車場を利用してモーターイベント会場としても有効活用しているらしい。

奥伊吹発電所
設置者:奥伊吹水力発電(合)(=KANSOテクノス(=関電系)+奥伊吹観光(株)(=奥伊吹スキー場経営))
管理運営:奥伊吹観光(株)
流込式・水路式
出力:199kW
水量:0.25m3/s
落差:105m
年間予想発電量:1,350MWh
流域:2.4km2
着工/運開:2020.7/2022.6予(→22.3に前倒し)
取水:姉川支流(本流格っぽい)瀬戸谷川(砂防ダム)(推 定:EL.714m)
放水:瀬戸谷川(推 定EL.602m)

ストビュウには未だ影も形も無いが此 処に発電所が出来た。
一寸削られたか下がった所に建屋がある。

標識

川の方に進むと古い砂防ダムがあってその直上で放水していた。

放水口。頼もしく水が放水されて鋭意発電中の様であった。落差や発電量から推定される使用水量は0.2~0.3m3/s程度である[0.25と確認]が,もう冬で渇水期であろうがこの感じはどの程度なのだろうか??

道路上には水圧管を埋めたと思われる工事の跡が視認できた。走り屋も来るらしく路面に黒い線があるが多分そっちはタイヤ痕w

ここから上流へ遡ってみたがヘアピンの所で道路を横切り林の中に入っていく感じだったがその後は見失ってしまった。

それより何より下流である。なんと新発電所が建設中であった。
余り見つからなかったが第二発電所というようだ。素晴らしい。社長の草野氏は三代目だが,祖業の土建屋から発展したスキー場から更に駐車場をモーターパー ク(JAF公認)としたり小水力発電に参入したりやり手の様である。素晴らしい。

「グランスノー奥伊吹」を運営する
奥伊吹観光株式会社
https://www.bbc-tv.co.jp/hensei/tv_economy/2022/0702.html

びわ湖放送・滋賀経済NOW
2022年07月02日放送

米原で関西最大級のスキー場、グランスノー奥伊吹を運営する奥伊吹観光株式会社。
雪の無いシーズンも、地元に活気をもたらすリゾート企業として、事業の多角化を進めてきました。
今回、番組が取材したのはそのひとつの水力発電事業です。
奥伊吹水力発電合同会社は奥伊吹観光と関西電力グループのKANSOテクノスが出資して設立した合同会社です。
今年の3月に「奥伊吹発電所」を竣工。
すでに水力発電所の運転を開始し、電力の供給を行っています。まったく異なる分野に思えますが、スキー場を経営する奥伊吹観光にとって雪は重要な資源で す。
「自然を資源にする観光業・・・環境問題や地球温暖化、わが身に迫る課題として考えていた・・・」と草野丈太代表取締役は言います。
現在、第二 発電所を工事中、来年4月の運転開始を目指します。
多角化事業で蓄えたノウハウを活かし水力発電事業を推し進める奥伊吹観光株式会社、何年、何十年先も子どもたちがスキーを楽しめる未来を目指し前進を続け ます。


実際は麓から遡ってきたので先ず建設中の建屋を見付け,既に運開してるとは気付いてなかったのでこれが奥伊吹発電所化と思い込んでいたのだがそこから辿っ て砂防ダムに併置の取水堰の建設現場に至った。


途中,水圧鉄管では無く水圧塩ビ管?らしきものが道路脇に置かれている箇所もあった。

φ=700とあったので内径700mmなのであろう。


建屋の上側は県道の下に埋設させ,カーブひとつ曲がった所で地上に出て来ていた。


出力199kW?がぶれてて読めないが,発電所名は奥伊吹第二発電所と判る看板


[建設中]奥伊吹第二発電所[KANSO
2022年4月に着工し、2023年7月に発電開始
設置者:奥伊吹水力発電(合)(=KANSOテクノス(=関電系)+奥伊吹観光(株)(=奥伊吹スキー場経営))←恐らく
管理運営:奥伊吹観光(株)←恐らく
流込式・水路式←形態より判断
出力:199kW ←規制で200kW未満が緩いので此処もそうだろうと推定したが現場で撮った写真に写っているがブレブレで読めずであった
発電量:1,522MWh/年
水量:0.5m3/s程度?←落差と出力の推定より推定
落差:50m程度?←取水位置と建屋位置より推定
着工:22.4 運開:23.4予
取水:瀬 戸谷川(砂防ダム)EL.600m付近
放水:瀬 戸谷川EL.545m付近(発電所建屋)

建屋。川縁を覗いて見たが放水口らしき物が見当たらなかった。これから建設するのか,もっと下流に離して建設して距離を取るのかも知れない。



姉川ダム[便 覧][場 所(429m)
事業者:滋賀県
目的:洪水・不特定利水・発電
堤高:80.5m
流域面積/湛水面積    28.3km2 ( 全て直接流域 ) /33ha
総貯水容量/有効貯水容量    760万m3/650万m3
着手/竣工    1977/2002

滋賀県土木情報システム
http://shiga-bousai.jp/sp/dam/dam_table.php?id1=8&id2=0&id3=0&id4=0&day=2017-10-21&time=08%3A00



随分洪水調整用容量が多い様である。今から春にかけて貯めなくて良いのかよと思うけど雪解け水がふんだんに手に入るから大丈夫なのであろう。。もっと弾力 的に降雨時に発電用の容量を貯めておきたい。


2017年04月01日
姉川ダム水力発電所営業運転開始
http://www.yama-muro.co.jp/cat17/2017/04/post_13.html

 平成29年4月1日に、滋賀県所有の姉川ダムにて、ダムの放流水を利用した小水力発電所の「姉川ダム水力発電所」の営業運転を開始致しました。
 ヤマムログループの山室木材工業株式会社と、イビデン株式会社のグループ会社であるイビデンエンジニアリング株式会社は、滋賀県の公募事業「姉川ダム水 力発電所設置運営事業」へ共同提案を行い、2015年2月に採択されました。
 当発電所は、当2社の出資による「いぶき水力発電株式会社」により設置、及び運営を行います。発電した電力は、発電所内電力へ使用以外は電気事業者へ売 電を行います。

 発電所概要
  ①発電機容量   900kW  
  ②年間発電量 4,700MWh
  ③発電機設置場所は既設放流バルブ室を改造利用
  ④地域貢献費用として売電収入の一部を充当

姉川ダムにおける水力発電の開始
https://www.pref.shiga.lg.jp/file/attachment/1014050.pdf

表-2 姉川ダム発電所
 諸元
発電所名
所在地
営業運転開始日
水車形式
発電機形式
最大出力
最大使用水量
有効落差(最大)
発電電力量(年間)
建設費(税別) 
姉川ダム発電所
滋賀県米原市曲谷869
平成29(2017)年4月1日
横軸フランシス水車
三相誘導発電機
900kW
2.5m³/s
47.84m
4,700MWh (1,300世帯分)
916百万円
平成29年度年間予想発電量は4,850Mwhを見込んでいる。FIT制度買取り単価は29円/kwh(税別)であるため,見込み売電収入は 140,650千円/年となる。

曲谷ダム[ダ ムデータ][場 所(366m)][夜雀
事業者:関電
堤高:9.9m
流域面積:   35.0km2(直接:29km2・間接:6km2[起又谷])  [ダ ムデータ][水力]or29km [夜雀]… 直上にある姉川ダムより6.7km2も広い。地図上で施設は確認出来ないけど起 又谷の間接流域が含まれている様だ。
湛水面積: 2ha(0.02km2) 
取水量: 3.76m3/s(伊吹発電所)
取水位:368.50m
総貯水容量/有効貯水容量    ??(0m3←6.1万m3)
着手/竣工    1938年/1940年

文字通り,曲がり谷の弯曲部にある。ダムの好適地っぽい。

夜雀さん[夜雀] に拠ると姉川ダム完成前は以下のスペックで便覧にも載ってたそうな。
堤高:16.400m
堤頂長:84.200m
堤体積:6500m3
流域面積:29.00km2
設計洪水量:210m3/S
総貯水容量(建設時):61000m3(6.1万m3)

ゲートを撤去して堰に格下げになってしまったそうな。貯留量もなくなってしまったんだな・・。まあ大した量でもないし無くしても正解かな。姉川ダムで流量 は安定化してる筈だし。
此処からなんと延長9.9kmの導水路ではるばる下流迄送水される。



~起き又川~

起又谷取水堰(仮称)
地 理院空 撮
送水:曲谷ダム経由伊吹発電所




~足俣川~

現地ではすっかり失念しててスルーしてしまったが,多分こ の辺(EL.429m)] で取水してこ の辺(EL.337m)G・ 建屋と水圧管]で発電。もし取水点が合ってるとすると流域面積は約4.7km2程。0.3m3/sの取水量も(小水力にしては)なかなかの量と云 えるかな・・。
水管が埋設された林道はグーグル地図には載ってないようだ。(地理院は記載されてるようだ。)
また足俣川を遡ると国見峠を経て岐阜側に出るが,そこは粕川流域で ある。

足俣川小水力発電所[滋賀県
設置場所:米原市上板並
事業者:(株)クリハラント
設備容量:194kW
使用水量:0.30m3/s
有効落差:93.44m
年間発電量:147万kWh(約404世帯分)
稼働開始:2016年8月~


落差は100m近くある。また用水路の直上で放水。設置容量は小さいがまあ調和はしてる。




小泉発電所 姉川取水堰(仮称)[場所]



小泉発電所[水 力
事業者名:関西電力(株)
運開:1931.6(宇治川電気)   
水路式・流込式
 認可最大出力:966kW     常時出力:362kW
最大使用水量:4.45m3/s
有効落差:28.03m
水車:出力582kW×2台 総出力1,164kW
取水:姉 川(207.28m)
放水:姉川(177.47m)

今迄5m程取水と放水差から引いてたけど2mぐらいしか引いてない。2mで行けるのか!?水量も4.45m3/sとそれ程小さくはないぞ!
これは朗報である。

伊吹発電所[水 力
事業者名:関西電力(株)
運開:1940.2(宇治川電気)   
水路式・調整池式
 認可最大出力:5,400kW     常時出力:2,000kW[37.0%]
最大使用水量:3.76m3/s[1.07]
有効落差:172.90m
水車:出力2800kW、最大流量1.88立方メートル毎秒×2台
導水路:総延長9,904.6m[0.54]
流域:35.0km2
取水:姉川[曲谷ダム](368.50m)・起又谷
放水:姉川(177.44m)

出力(5.4MW)に比して導水延長が長い!(9.9km)
1940年の開発である。
蟹寺の開発時にも思ったが,戦前は重機も十分ではなく,ダムを建設するよりは長距離で落差を稼ぐ方が楽だったようだ。

現代だと標高差172.9mを活かして,5.0m3/s程度の水量で取水点も472mの姉川ダム常時満水位取水にして12,000kW程度の発電所に出来 そうなのに惜しい,,
姉川ダムにはダム発電所迄出来てしまってなかなか巨大発電所をねじ込むのは難しそうである。。


[私案]新伊吹発電所
出力:12,200kW~8,100kW
水量:6.0m3/s(1.79)~4.0m3/s[姉川ダム発電所2.5m3/s・伊吹発電所3.76m3/s]
落差:240m
流域:28.3km2(姉川ダム) +5.2km(起し又川)=33.5km2
導水:9.9(旧伊吹)+0.4(曲谷~姉川D)+0.9(起し又川~姉川D)=11.2km
取水:姉川[姉川ダム]427.4m
放水:姉川[姉川合同井堰]177.0m

姉川ダム発電所や伊吹発電所を廃止してなんとか採算に載るかなと云う出力。
こちら【→姉川開発篇】で再検討



で,姉川・小泉放水の時点でまだ177m。と云う事で琵琶湖(85m)迄開発余地あり!!
姉川177.44m地点で小泉+伊吹の放流水8.21m3/sである。

ところが,である。
伊吹・小泉両発電があの地点に立地してるのは偶然ではなく,「2  姉川の水利」という滋賀県の資料に拠るとここには姉川合同井堰があって灌漑期に最大3m3/sの 取水をしているのだそうな。姉川ダム発電所のQ=2.5m3/sはこの辺睨んでる感じはある。
此処には昔から出雲井堰という堰があって分水しているのみならず,水不足に悩む下流民が
>戦国時代から江戸時代にかけて…「…6月以降年に三度まで落としても(=潰しても?!)よい」という特例的な慣例が
あったそうで,最終的には
>昭和25年9月の「ジェーン台風」により、姉川から取水していた20ヵ所の井堰が流失しました。そのため、翌年に災害復旧事業として、か んがい期で最大 毎秒3トンもの水が取水される合同井堰の建設と、全長8,000m以上の連絡用水路が設置され
たとのこと。

全体像は以下の如し。以下滋賀県の資料[pdf] に拠る。

灌漑期には姉川の流量+発電量放流水 8.21m3/s>潅漑用水3.0m3/s+河川維持流量他+新規発電用取水量
の制約が掛かりそうである。

詰まり両発電所の放流水を下に姉川合同井堰で取水(潅漑期最大3m3/s)
「旧伊吹町、旧山東町、旧浅井町、旧長浜市にまたがる約850haを受益地とした井堰」の様である。
この水が小田(やないだ)分水で3手に岐れ,北側には井之口に円形分水があり七尾分水で右岸と左岸に岐れる様である。

小田分水工の様子。農閑期だから水が抜かれて乾涸らびていた…と思ってが2017年完成の小水力発電の資料に よると冬期も小田分水工から井之口円形分水工迄0.6m3/s流れてるとのことなので,以下の工事の為に水を止めていたのかも知れない。

> 連絡用水路が分岐する地点には、分水工が設けられます。…サイホンの原理で、一度地下に潜った水が、円形の分水工で再び地表に表れた後、決められた配分で 用水が分配されます。その他、「七尾分水」では、同じくサイホンの原理によって姉川の対岸に分水されています。こうして、旧伊吹町、旧山東町、旧浅井町、 旧長浜市にまたがる約850haを受益地とした井堰が統合されました。恒久的な分水施設が完成した結果、出雲井や郷里井(ごおりゆ)などで発生していた激 しい対立は、 解消されました。
とのことだそうな。

小田(やないだ)分水工の近くでは小水力発電が建設されている様だ・・

なんか工事をしていた。

現地では全く気付かなかったが,水路の向こう側に何かある!これが小水力発電所なのかも。


姉川エコ発電所1号機[姉 川沿岸][滋賀県
設置場所:米原市小田 小田落差工下流部
施設管理者:姉川沿岸土地改良区
水路方式・全量売電
流量:1.4m3/s
有効落差:2.4m
最大出力:16.4or5kW←ちいせえ(;´Д`)
年間販売可能電力量:87MWh
運開:2017.9~
売電単価:34円/kWh*20年間



小田を下りた時点で最大1.6m3/s。間田五分川方面は分流後だろうが西へ向かう分流水も無しでこの量かな?

この用水の水量確保に姉川ダムの水も役立っていそうである。小水力P/Sの使用水量2.5m3/sも 伊達ではないなあ~。
とはいえ壮絶な歴史を考えると新発電所による水利用のハードルは結構高い。。
取水が3m3/sなら残りはまだ5m3/sはあり,河川維持水量確保の必要ももあるけどなんとかなりそうだが。

2.増強

先ずは,水量確保の足しにする為に姉川ダムの強化を。
有効貯水650万m3の中規模ダムである。流域面積は28.3km2で姉川ダム発電所で2.5m3,伊吹発電所で3.75m3/s使われる。
一寸流域面積が足りない感じはする。(揖斐川の隣接地帯で雨量豊富なのであろう。)
今は直接流域のみだけど起き又川を併せると33.4km2となる。今が28.3km2だから小さいけど増加分は5.1km2ってとこか。まあ主眼は水量の 安定化であるしな。

[構想]起き又川導水
姉川の間接流域:5.1km2
→調べたら既に伊吹発電所曲谷経由でやってる様 だ。。二重投資になってしまうな・・

未利用の左岸290m級の板名古川・足俣川なのかを繋いでも水量が足りない様だ。

[仮称]奥姉川発電所or甲津原発電所
出力:2,000kW[+2.0MW]→小さい。。
水量:1.9m3/s
落差:130m
流域:18.7km2
導水路:3.8km (0.54)
取水:向 山谷(543m)[既設の堰有り]・中 津又谷(540m)[既設の堰有り]・瀬 戸又谷・矢谷出合(551m)
放水:姉川ダム(427m)

う~ん,まあここは小水力に任せる感じかな。名前は廃止になった発電所へのオマージュとして甲津原とかでも良いかも。

途中の強化。
足俣川には小水力が出来てしまってしかも農業用水への取水もあるようなので回避。その足俣川の南側の支 流と更にその南側の板名古川からも取水すると9.3km2。導水距離は6.6km程。


下流は色々考えて見たけど難しいなあ・・(;´Д`)

姉川合同井堰が出てくるまでイイ感じだったのにねえ。。やはりそんな簡単には増強させては呉れんw

抜本的に発想を変えてみる。頁も改めてこちら【→姉川開発篇】でやる。