電 力総研 水 力あれこれ
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25.5.19運開

手取川の水力発電手取川綜合開発篇(25.5周遊)

上流部 中流部(在来篇) 手取川綜合開発篇 下流部(潅漑) 大日川・梯川

尾添川目附谷尾添発電所─(手取川ダム導水路[瀬波谷直海谷導水(案)雄谷尾添目附荒谷[揚水発電?]] →)]手取川ダム手取川第一発電所[●尾添川→]手取川第二ダム直海谷:●手取川第二発電所手取川第三ダム開発案(+10.0MW)手取川第三発電所─白山頭首工(白山発電用取水ダム)

新旧入り交じるルートのレポは川に沿って見て行く私の流儀だと入れ替わり立ち替わり新旧の発電所・堰堤が現れるのでしっちゃかめっちゃかになりがちである。ここ手取川もそうであるが,近年,もうルート毎に分けてしまう方法を有峰辺りから確立し出してきてる。入り混じりで余り開発余地を見いだせなかった事もあって放置してたが25,5,息子の修学旅行で朝早くから送迎その後フリーの機会を得て決行することとした。
ツイッターで手取川かな〜とつぶやいたらとは掲時代からつるんでる政治談義仲間からお誘いがあって夕飯を金沢でご一緒することに。序でに北陸鉄道なんかにも乗れての金沢入りをして,リア充な週末を堪能出来た。
勿論一回目なので調査が粗いのは織り込み済みであるが,既に幾つか見落とし点や冬期(北陸の山間部は5月中旬は冬なのであるw)通行止めで阻止された箇所 もあるので何時の日か再度の決行を期したい。行けそうなのに行かなかった場所に●を付して置いた。行ったばかりなのに近日決行のフラグが立ってしまってる 不安はある(笑)

本稿では手取川綜合開発案件を上流部から下流部迄一気に纏める。

〜瀬波谷(最奥部)〜    

手取川ダム導水路瀬波谷取水堰堤(仮称)[場所478m][→手取川ダム
流域:19.1km2

下流には市原発電所がある。[→在来篇
市原発電所の取水堰堤を見て満足して帰って来た(ストビューも不甲斐なく入り口からちょろっと入った地点で引き返してる)。
飲み会もあったし,手取川ダムの取水堰堤付近はまともな道もなさそうで早めに見切りを付けた。
Gには(多分投稿者が誤って)砂防ダムとして登録されてる写真が手取ダム導水路取水堰堤だと思われる。
取水はチロル式の様だ。砂防ダムに写真に写ってるチロルも管理小屋も不要である。
また此処迄割とちゃんとした混凝土舗装路が続いているのかな??●次以降の課題である。

私は此の橋迄行って引き返してきた。まだまだ道は綺麗だったしもう一寸奥迄追っても良かったか。
25.5

【開発案】
ここ(手取川ダム導水路取水堰)から5.4km程伸ばすと最下流で出てくる直海谷の川筋に至ってそこから取水が可能である。
取水堰堤:内尾谷(オクボ谷出合)EL.477m直海谷(滝谷出合下)EL.482m
流域面積:18.7km2


この流域面積は瀬波にも雄谷にも比類するなかなかの面積である。直海谷川単独での発電も検討し,一応そっちの方が有利そうであるとはなった。





〜雄谷〜[→在来篇]    

上流には中宮発電所取水堰[場所660m]がある。[→在来篇
雄谷には中宮の聚落から入っていく林道があるようだが,その入り口から通行止めであって,更に吉野谷ダム(→在来篇)直上の中宮大橋から中宮発電所方面へ通じてた様だが行きもしなかった。
グーグルカーは工事車両に行く手を阻まれているw[ストビュウ]
●中宮発電所位迄行っとけば良かったか。

手取川ダム取水堰堤[場所490m][→手取川ダム][G(尾谷川取水ダムとある※)]
流域:約19.1km2(直接:約5.1km2・間接13.5km2[宮発電所(→在来篇)])

※:雄谷を尾谷と書く事もある?尾口は尾添(地名)の入り口ってだけではなく尾谷の入り口の可能性もある?


〜目附谷(その1)〜[→在来篇]    

尾添発電所取水堰堤@[場所1096m

〜立屋谷〜

尾添発電所取水堰堤?A[場所1095m


→その2



〜丸石谷〜[→在来篇]    


尾添発電所取水堰堤B[場所1096m]




〜尾添川〜(その1)    

蛇谷・中ノ川・丸石谷が合流して尾添川となる。白山スーパー林道の走る蛇谷が本流格か?
その合流点にあるのが三ツ又第一発電所である。水の流れ的に在来篇に載せたが三ツ又の運開は1961年とやや遅く新開発篇の諸発電所と近い。


北 陸電力株(株) 尾添発電所[水力][DB]   
石川県白山市尾添
運開:1984.7・ 出力増強:1984.6.3[+500kW・水車ランナー交換]
水路式・流込式
認可最大出力:30,900kW      常時出力:2,200kW
最大使用水量:6.20m3/s (206.7%)
有効落差:577.00m←流込式としては落差日本一だそうな
水車:立軸ペルトン水車 出力31600kW×1台
導水路:総延長8187,7m
流域面積:29.02km2
取水:目附(めっこ)谷川@立 屋谷?A丸石谷B・他1(計4箇所となってるが他1の予想が付かない。。)1095.00m
放水:手取川[手取川ダム取水堰]476.80m

水力さんも
>白山スーパー林道側からは見られないため今まで未掲載でしたが、手取川対岸の道(結構細いです)が通れるようになったので近くまで行き、更に河原を少々歩いて見られました。
と書くようになかなか見れない場所にある。

九頭流川水系の中島発電所や,手取川水系の桑島発電所,神通川の庵谷発電所の様にトンネルの向こう側にあるのである。
ということで私の場合は尾添PSの写真はこれだけw[場所


水力さんはここ(地理院)からアプローチしたのかな?

手取川ダム取水堰堤[場所466m]    
流域:104.5km2
取水:尾添川[尾添発電所]


(→在来篇[尾口発電所他]/その2)






〜目附谷(その2)〜   

→その1(上流)→在来篇

手取川ダム取水堰堤[場所485m][→手取川ダム][ひろし

ここまではクルマでこれるらしい,底を擦るらしいけどw
地理院図も此処迄細道が描かれてるし正確か。




〜荒谷〜   

取水堰堤?[場所876m
高低差あるのでここでは手取川ダムの取水はしてないか?
寧ろ高低差を活かして発電をと思ったが如何せん流域が狭い。。4.36km2程度しかとれない。
寧ろ高低差を活かして揚水発電などに適しているのかも




手取川ダム[便覧]     
河川     手取川水系手取川
目的/型式     FWIP(→手取川第一発電所・180m3/s)/ロックフィル
堤高/堤頂長/堤体積     153m/420m/10050千m3
流域面積/湛水面積     428.2km2 ( 直接:247.2km2 間接:181km2 ) /525ha
総貯水容量/有効貯水容量     231000千m3/190000千m3
ダム事業者     北陸地方建設局(電源開発(株))・石川県
着手/竣工     1970/1979
取水:瀬波川雄谷尾添川目附谷→(荒谷?)→手取川[手取川ダム]

取水塔


天端


堤体



〜尾添川〜(その2)   

(→その1[上流]/在来篇)

手取川第二ダム尾添川取水堰堤(仮称)[場所292,8m][G空撮]

25.5の時はすっかり忘れて見逃した(探しもしなかった)。



手取川第二ダム尾添川導水路放水口(仮称)[場所285m][G空撮]   

恰度尾口大橋の真下にあったらしい。
橋の上から夢中で第一発電所を撮ってたけど真下にも獲物は潜んでいたのかw


電源開発(株) 手取川第一発電所[水力]   
白山市東二口
運開:1979.8.12
ダム水路式・貯水池式
認可最大出力:250,000kW    常時出力: 30,900kW
最大使用水量:180,000m3/s
有効落差:162.40m
水車:立軸単輪単流渦巻フランシス水車 最大出力129000kW×2台
最大有効落差:188.5m、出力129000kW、流量76.6立方メートル毎秒
基準有効落差:162.5m、出力129000kW、流量89.3立方メートル毎秒
導水路:総延長1,532,8m
流域面積:428.4km2
 取水:手取川[手取川ダム]465.00m
 放水:手取川[手取川第二ダム]274.40m

混合揚水でもないのに180m3/sもの大量の水を使って250MWを叩き出す,手取川綜合開発計画の発電に於ける中核的施設である。運開は1979年と既に昭和50年代に入っておりなんなら1980年代も目前である。
資本財価格の低下や冷房電力需要の激増等思いっきり容量に振る条件は揃ってたという訳か。


手取川第二ダム[便覧
河川     手取川水系手取川
目的/型式     P[手取川第二発電所105.0m3/s](A[吉原用水])/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     37.5m/210m/64千m3
流域面積/湛水面積     460.4km2 ( 直接:254.4km2 間接:206km2 ) /18ha
総貯水容量/有効貯水容量     170.0万m3/169.5万m3
ダム事業者     北陸電力(株)
本体施工者     大豊建設
着手/竣工     1972/1979
取水:手取川[手取川第一発電所]←尾添川[取水堰堤
送水:手取川第二発電所・吉 原用水

橋の上から眺めた堤体背面遠景/近寄った近景。


管理棟?と利水票アップ。貯留量が有効貯水量ではなく総貯水量で記されてる?



〜大日川〜(→大日川篇)
尾添川と並ぶ手取川の主要な支流である。
こちらの開発は1960年代と手取川本流にやや先行する。



〜直海谷川〜   

北 陸電力(株) 手取川第二発電所[水力] [DB
所在地:石川県白山市河内町久保
運開:1979.7
ダム水路式・調整池式
認可最大出力:87,000kW    常時出力:13,600kW
最大使用水量:105.0m3/s
有効落差:96.0m
水車:立軸フランシス水車 出力89200kW×1台
導水路:総延長11456.9m
    流域面積:460.5km2
    取水:手取川[手取川第二ダム]・他1(尾添川から手取第二 Dへ導水してるらしい[国交省])  280.00m ここ[地 理院]であろう。
    放水:直海谷川[手取川第三ダム]162.30m

頼波川[ここら・導水距離1.5km]からも取水出来そうだけど,市原発電所に手取川ダムと既に二重取りしているので多重投資になってしまうということであろう。

手取川第三ダムの湖岸道路を行くと木が道を塞いでて夕方から金沢で飲み会の予定もあったので深追いせず引き返してきたが,後から地図で確認するとダム脇をトンネルで抜ける立派な道路があってそちらで直海の聚落へ繋がっていた。しまったw



手 取川第三ダム[便覧
河川     手取川水系直海谷川
目的/型式     P/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     50m/354m/117千m3
流域面積/湛水面積     527.5km2 ( 直接:67.5km2 間接:460km2 ) /33ha
総貯水容量/有効貯水容量     424.7万m3/315.6万m3
ダム事業者     北陸電力(株)
着手/竣工     1972/1978
     常時満水位標高:170.000m
      最低水位標高:156.000m
送水:手取川第三発電所70.00m3/s
取水:直海谷川[手取川第二発電所

1979年(昭和54年)、石川県を流れる手取川の上流に手取川ダムが完成した。手取川における河川総合開発事業の中核を担う、治水(洪水調節)・利水 (上水道・工業用水・発電)を目的とする多目的ダムである。高さ153メートルのロックフィルダムで、総貯水容量2億3,100万立方メートルという巨大 な人造湖・手取湖を出現させた。 手取川ダムより取水し、最大25万キロワットの電力を発生させるのが、電源開発の手取川第一発電所である。1日のうち電気の多く消費される時間帯に集中し て発電するという運用が採られている。ただし、水力発電所の間欠的な運転や、出力の増減は河川流量の変動をもたらすものである。このため、発電に使用した 水を一時的に貯え、下流には常時一定量の水を放流することで河川流量を平均化する逆調整池の設置が検討された。これが手取川第三ダムである。…手取川第三 ダムの貯水容量は、下流 の上水道・工業用水道需要を満たすために最低限必要な流量(毎秒28立方メートル)を32時間放流し続けることができうる容量として設計さ れている。 [wiki]

さて,25.5訪問時は大日川に寄ってから飲み会に向けて急ぎつつここへ向かった。途中福岡第一発電所を発見するなど,見所豊富にやきも きしながらカーナビに導かれる侭R157の河内小学校前(Gには河内支所前となってる。近年名前が変わった?)を谷側に曲がるとダムが現れた。PENTAXのデジカメがクソでここもピンボケである。。ストビュウだとこんな感じ

市街地化ぶりは全く違うけど横に広い何やら小口川ダム(有料道路の中にあって周りに人家は全くない)を思わせる雰囲 気で向こうの竣工年1981・堤頂長245mってのはこちらの竣工年1978・堤頂長354mというのとよく似ている。水量は向こうがV=147万トンで 70m3/sを堰き止めて26m3/sにして流すのに対して,こちらはV=316万トンで105m3/sを70m3/sにする。こちらの方が都市部に近い 分,供給水量も多めに積んである感じ?

【開発案】    
上流を使って新規発電所建設してみる。
内尾谷迄延ばすとペイしてくるようだ。
 

[私案]直海谷川発電所
出力:10,000kW[+10.0MW]
水量:5.7m3/s[1.68]
落差:207m
流域:23.1+10.8=33.9km2
導水:8.1km(サイフォン:板尾小谷256m)+0.9km(内尾谷)
取水:板尾谷[堰堤](・支沢)・倉谷直海谷川+内尾谷 380m
放水:直海谷川[手取川第三ダム]166m

但し,冒頭で見た様に,瀬波川経由で手取川ダムへ持って行く方が取水位が高い分発電を確り出来る可能性がある。
ここは33.9km2を落差207mだから発電力指数(流域*0.1*落差)は701.7である。
一方,導水(案)では面積が18.7km2で落差が手取第一第二分なので162+96=258m。指数は478.7となる。
一応こちらの方が板尾谷を活用出来る分発電量は多く出来そうである。必要な設備投資額は勿論こちらが大きくはなるが。。




北 陸電力(株) 手取川第三発電所[水力
所在地:石川県白山市中島町
運開:1979.3
ダム水路式・調整池式
認可最大出力:30,000kW   常時出力:12,400kW
最大使用水量:70.00m3/s
有効落差:50.00m
水車:立軸カプラン水車 出力30900kW×1台
導水路:総延長1136.8m
流域面積:528.0km2
取水:直海谷川[手取川第三ダム]167.00m
放水:手取川[白山頭首 工]112.00m

第一,第二と大水量で来て,最後迄手綱を弛めず第三もQ=70m3/sで30.0MWを叩き出す♪

サージタンクと発電所建屋と放水口をの上から眺める。
25,5


以下,下流・潅漑篇