とはずがたり倉庫  電力総研 火力発電 水力発電
バイオマス発電 地熱発電 地熱発電新規案件
とはずがたりな掲示板 電 力・原子力スレ 新 エネルギースレ

風力発電(その2)

その1 風力発電の概要と周波数対策など) その2 洋上風力と導入可能性 その3.日本に於ける風力発電導入量推移など


2.洋上風力
諸外国では盛んに導入されている洋上風力であるが日本では陸上以上に立ち後れているのが洋上風力である。海外のような遠浅の海岸はとっくに(米余りなのに 農水利権屋のごり押しで)干拓して水田にされて,貴重な干潟の自然が破壊されてしまっているからである,とも云えるかも・・。
とはいえ,徐々に進んで来てはいて2015年時点での大規模プロジェクトに以下の様な物がある。
ソース:ITMedia スマートジャパン


2-1.日本の洋上風力発電プロジェクト 2-2.世界の洋上風力発電量 2-3.日本の風力発電の可能性

■2-1.日本の洋上風力発電
事業主体など
場所
出力
運転開始
メーカー・様式
その他・備考
サミットウインドパワー酒田(=サミットエナジー・住友商事)
山形県酒田市
酒田港護岸水路内
10MW=2M*5

2004.1
商用運転開始
着床式
瀬棚町洋上風力発電所
「風海鳥」
北海道瀬棚町防波堤付近
1.2MW=0.6MW*2
2004.4
商用運転開始
着床式
戸田建設受託・環境省実証実験
長崎県五島列島
椛島(かばしま)沖1キロ
2MW目標
(2012.6時点では100kWに成功)

浮体式 環境省は平成23~25年度に計52億円を投じ、26年度予算にも13・7億円を計上した。
>>2071
電発+NEDO 北九州市若松区沖合1.4km 2MW
着床式
日本製鋼所
実証施設>>56>>414>>713
小松崎都市開発グループ:ウィンド・パワー(神栖市)→ウィンド・パワーいばらき(水戸市)
ウインド・パワーかみす
神栖市
護岸付近
2.0MW*7=14.0MW+2.0MW*8=16.0MW 計30.0MW
2010.6
商用運転開始
富士重工+日立製作所
着床式
>>196>>485
SBが出資して現在9万kW(90MW)を最大25万kW目指すとのこと。>>1002
しかしホムペだと30MWとなっているし,250MWはその後音沙汰無しの丸紅との合弁の方の最終的な目標数値だしちょと怪しい・・。
ウィンド・パワー・オーシャン(神栖市)←ウィンドパワー+丸紅 神栖市沖
5.0MW*50=250MW

>>588
東電+NEDO 銚子沖3km 2.4MW 2013.3.4本格実証実験運転開始
着床式
三菱重工製
>>414 >>546
大林組+国際航業←委託─NEDO 秋田市沖
調査段階
>>434
東芝・日立造船・JFEスチール・住友電気工業・東亜建設工業・東洋建設+日本気象協会

2015年目途に実証試験設備立上げ
22年には数十万キロワット級(数百MW級)の大型発電設備の建設を目指す。>>532
2013年度まで事業化に向けた調査を実施とあるけど続報無いから頓挫か?>>1054

福島洋上風力コンソーシアム
「福島復興・浮体式洋上ウィンドファーム実証研究事業」(国策事業)
福島県沖 2.0MW+7.0MW*2=16MW
浮上式
>>349>>414>>637>>721>>993-996
事業者公募予定(静岡県) 御前崎沖 4.5MW*9=40.5MW想定

>>790
前田建設工業
山口県下関市安岡沖
30MW→60MW


反対運動が起きている。>>1008
丸紅秋田港と能代港145MW
秋田港13基(65MW)
能代港16基(80MW)


>>1495
丸紅を中心に秋田銀行、北都銀行など計5社が出資する特別目的会社(SPC)を設立
対象水域は秋田港3・5平方キロメートル、能代港3・8平方キロメートルで、県が有償で貸し付ける。賃貸料(港湾占用料)は今後検討
日立造船を幹事会社とする10社の連合体新潟県村上市沖1~2km220MW・35%2020年4月着工
2024年度中運開
着床式>>1499
村上市が事業者を募集。この海岸は水深は10~35メートルの遠浅。
合計

398.9MB(*0.3=119.7MW)
+220+145=約765MW



まだ”実効出力”(=定格出力ラ平均稼働率)では200MWそこそこと云ったところ。

 ■2-2.世界の洋上風力発電導入量

  
■2-3.日本に於ける洋上風力の可能性
   
また久保田宏氏(東工大名誉教授)に拠ると(>>2179-2180)中 小水力や地熱についても、FIT制度による支援を受けても、国内の発電可能量は現状の電力需要量に対してかなり小さい。唯一、可能性のあるのは、風力(陸 上)発電であることが判る(1,572GW*0.3=450GW),とし,更にし かし、この風力(陸上)についても、その立地が電力の主な需要地から遠く離れた北海道や東北地方などに限られ、送電網の設置 には相当の時間と費用がかかるとしている(また下表参照)。コストは無視(と云うか市場ではなくFITで政策的に誘導)しても少なくとも量 的に風力に可能性があるようなのである。
新しいエネルギー政策における安全保障と自給率の限界
久保田宏
表1 自然エネルギーのエネルギー源種類別の発電可能量と現状(2010年)の国内総発電量に対する比率の計算値
エネル ギー源
設備導入 可能量※1
MW
設備利用 率

発電可能 量※1
百万kWh/年
同対現状 発電量比率※1

国産比率 i※2

備考・そ の他
太陽光(除家庭)
149,290
9.0
117,700(0)
10.2(0)
51
12%より低い
太陽光(家庭)
40,000
9.0
31,536
2.7

12%より低い
風力(陸上)
282,940(137,640)
28.8
713,824(347,249)
61.7(30.0)
91
20%よりかなり高い
風力(洋上)
1,572,620(3000)
35.4
4,876,758(9,303)
422(0.80)
86
30%より高い。ただし風力が強ければ40%も可能とのことである。
日本風力発電協会の試算だと2050年に陸上・洋上併せて50,000MWとのこと。
中小水力
14,440(3000)
65
82,221(17,310)
7.1(1.50)
71

地熱
14,200(4760)
70
87,074(29,188)
7.5(2.52)
85
80%より低い。ここに拠ると資源量は23,470MWとあるが。。
合計
2,073,490





(文献4に与えられた発電設備導入可能量のデータを基に発電可能量を計算した。計算根拠等の詳細については、文献5 を参照されたい)
*1;FIT 制度を導入した場合の設備導入可能量、および、それを基に式(発電可能量)=(発電設備導入可能量)ラ(設備利用率)から計算した発電可能量、同対現状発 電量比率の値をカッコ内の数値として示した。
*2;有効国産エネルギー比率iの略。
文献4 経済産業省資源エネルギー庁編;「エネルギー基本計画、経済成長・エネルギー安全保障・地球温暖化対策を同時に達成する2030年に向けたエネルギー新戦 略」、経済産業調査会、2010年
文献5 久保田 宏;「科学技術の視点から原発に依存しないエネルギー政策を創る」、日刊工業新聞社、2012年

上記の表が久保田氏の結論を導いているのであるけど結局は資源エネルギー庁編;「エネルギー基本計画」のエネルギー賦存というか発電導入可能量に依存して いると云う事になる。門外漢で定格出力ラ稼働率=実効稼働率という怪しげな数値を持って来て論じてる俺とは違ってちゃんと科学的専門的見地から発電可能量 を導出していると思われるがこれ以上は文献4・5に当たった方が良さそうである。。

更にこんな文章も。
   
海洋政策研究財団
わが国の洋上風力エネルギー開発
[KEYWORDS]洋上風力エネルギー/浮体式風車/資源量
東京大学大学院新領域創成科学研究科海洋技術環境学専攻教授◆鈴木英之
http://www.sof.or.jp/jp/news/301-350/308_1.php

資源量と想定される産業規模
■洋上風力エネルギーの取得可能資源量

洋上風力エネルギーの資源量については、過去様々な観点から推定が行われている。衛星による観測やシミュレーションなどから、広域の年平均風速データを求 め、一定風速以上の海域について、離岸距離、水深、風車間の干渉などの条件に加えて、漁業や自然公園など社会的条件を加味して、設置できる風車の基数を算 定して、発電設備容量、年間発電電力量の推定が行なわれている。
例えば、(独)新エネルギー・産業技術総合開発機構(NEDO)により実施された評価では、水深0~200m、離岸距離0~30kmで、年平均風速 7m/s以上の海域に5MW風車を2基/km2の密度で設置した場合の総発電設備容量は1,200GWとなっている。わが国の総発電設備容量240GWに 比べてその大きさがわかる。また、著者らによる資源量推定では、日本周辺海域の平均風速6m/s以上の海域について、海域面積を水深ごとに算定し、水深 200m以浅の海域について、風車設置密度を3.47MW/km2で配置した場合の発電設備容量は570GWとなっている。

詰まり,久保田氏の資源エネルギー庁由来の1572GW(及び鈴木氏のNEDO由来の1200GW) ってのは可能な日本の海域全部を風車で埋め尽くした量で,そもそも現実的な値では無く,ここ風力発電協会の言い値(?)の50GW辺りが取り敢えずの目標値ってことになりそうである。

我が国の総発電容量240GWに対してどの程度風力が可能かって所だけど風車の実効定格30%や不安定性考えるとそれ程高くは出来ないかも。
デンマークが20%だけど外国との連系がない日本だと10%が精々で(外国と連系してるけどドイツは8%で不安定化─但し計画されている南北の送電線が反対運動で未整備),実効24GWとすると定格出力 80GWで電力の10%を担うとなり,5%だと40GWの発電力量となり,風力発電協会の50GW(洋上25GW+陸上25GW)って言い値はまあ安定可能な上限ってことで結構良い線なんかもしれない。。

適地が多く,且つ人口密度が稀薄で土地が有り余っている北海道では既に系統連系に余力が無く申請を断っている状態の様である。またこの際に本州と北海道の 間の連系線容量が限られている問題も大きい様である。(この辺以下で対策に関して纏めてある。)
从(したが)って本稿では風力発電(及び太陽光発電)そのものはまあ十分設置可能であるとして敢えて深入りせず,その系統上の問題点に対する対策をここでは指摘しておこう。
電力供給に占める割合が8%で不安定化するリスクが出てくる自然エネルギーの変動がどの程度緩衝可能となるのか非常に注目である。


良く纏まっている資源エネ庁のパワポ。昔は前振りは全く同じでだから原発推進しましょうってパワポ造ってたんだろうなと思わせる造りだw

日本の再生可能エネルギーの未来と風力について
http://www.japan.ahk.de/fileadmin/ahk_japan/Dokumente/02_Murakami_METI_.pdf

2013年資源エネルギー庁

再生可能エネルギーが秘めるポテンシャル
■大規模に風力発電所が開発できれば、そのコストは実は、火力や原子力並みまでもう下がっています。課題は、大需要地までの送電線と土地利用規制緩和。
■太陽光発電も既に様々な実装例が。家の屋根の上以外にも載せる場所はたくさんあります。

とは註:北海道地区と東北(羽越地方)の送電罔が弱い事が判る

現状概観
■再生可能エネルギーの比率の高い国は、風力の比率が高い(スペイン5割、ドイツ4割、デンマーク7割)。これに対し、日本は3%。
■我が国の風力発電の特徴・課題は次のとおり。
 1. 1事業所当たりの規模が小さく、経営が不安定(503事業所のうち、403事業所(約8割)が5基以下。世界は数十~数百基)。
 2. 平地に利用可能な場所が限定。尾根上の立地に伴う乱流や雷などで故障が多く、設備利用率が上がらないケースも多い。また、立地規制が事業化の大きな障害に。
 3. 陸上で風況の良い地域が、東北以北に極端に偏在。系統の容量不足も深刻。


取組例
■我が国は、風力の導入が進んでいる国と比べ、相対的に平地が少なく、尾根の上な どに建設する事例が多い。
■ただし、尾根上など設置場所によっては、乱流被害や雷などによる設備利用率の低 下に悩まされているケースも多い。
■ 欧米では、平地か丘の上程度が多く、尾根上は日本に特徴的な立地となるため、開 発当時の風況シュミレーション技術では、乱流が予測できなかったケースも多い。

■我が国は、相対的に平地が少なく、平地展開を試みようとして、農地転用規制や、保安林規制などが障害となっているケースも、少なくない。
■他方、農地転用などに成功し、平地でも、ある程度の規模を維持しつつ展開している事例もある。