電 力総研 水 力あれこれ
と はずがたりな掲示板(利 水スレ電 力スレ)
21.6.18運開
大峰山脈の電力開発

大峰山脈の周辺は池原ダムと風屋ダムに挟まれている。まさに 3000mm地帯なのである!本頁でメインに取り扱う池郷川も概ね2800mmに入っている様 だ。
出典:和 歌山県






~池郷川~[→北山川篇]   
地図小又川発電所池 原導水発電開発(諸元[+8.7MW])・妄想案

21.6に本頁を作成してそのまま長らく放置していたが,23.3末頃よりよっきが池郷川のレポを公開[山行が]し始め た。不動の滝がなかなか良い感じ である。地理院だとこ こ。確かに落差も稼げそうである。
23.4に公開された同レポの完結部分で池郷川付近の歴史にも触れ られているがもともと池 郷(いけごう)が池川(いけがわ)の音便の池川(いけごう)から来ているそうである!これは目から鱗。支流の大又谷は嘗ては並川 (滑川・なめごう)と呼んだようだ。
こうなると池にある川が池郷(池川)だし,池にある原が池原か!?池の山の上には池 の平池 峰もあった。



~小又川~

コープエナジーなら 小又川(おまたがわ)発電所[小 水力][CEN]  
所在:奈良県吉野郡下北山村大字上池原字廻溝
運開:1993.9(自家消費・下北山村?) /設備更新:コープエナジーなら 2016より協議開始,2020.6運開
災害:21.3林道崩壊により運転中止・21.12運転再開
出力:98kW[自家消費]→179.7kW[FIT]
年間計画発電量         1030MWh(更新後)/総事業費(更新):3億4500万円(税抜)
水量:0.18m3/s→0.281m3/s[維持流量0.028m3/s(変わらず)] 常時使用水量:0.10㎥/s[35.6%](更新後)
落差:82.98m→82m
水車:横軸単輪一射ペルトン型水車179.7kW(更新後)
取水:小又川
放水:池郷川





【導水】  
さて,巨大な水甕池原ダムに対してこれ以上池原の水を増やしてどうすんのと云われそうだが池郷川315m付近から池原ダム(HWL=318m/LWH=283m)に導水できる。 23.1km2。今はそのまま流れ下っているが池原発電所(H= 120.5m)で発電出来る。
小又川発電所への配慮はあっちは支流域だから不要の様である。
EL,315m地点は不 動滝よりも上部となるこ の辺。冬小屋谷より下流なので小又谷(石堂谷)[小水力発電有り]以 外の主な支流は罔羅できる♪超莫大な池原ダムに23.1km2程度が加わる事でどの程度の効果があるかどうかはイマイチ確証が持てないけど。。(木曽川の 本線筋の発電所にしょぼい支流導水路を開発して付加しても出力あんま変わらんよねってのと似てる)
共通の尺度で測るために発電量指数(落差*流域*0.1)と効率(同指数/導水距離)を算出してみるとそれぞれ278.4(余り多くはない)と175.1 (まあまあ高い)となった。

この上流に注目すると741m地点に9.8km2の水源もあり。冬小屋谷(1.14km2)を経由して池原ダム迄4.1km。約1.2~1.5m3/sぐ らいか?発電は593.4,効率は144.7となった。
導水事業と併せるとそれぞれ739.9,130.0となる。
【謎】
ここで,今更乍らの25.12にこの辺を纏め直していると池原ダム 諸元に謎の間接流域 を発見。数字は どこかで見たことのある23km2   …。まさかお前,既に…??

小又川の池原ダムへの導水であるが,下流に小又川発電所はあり更に面積僅少(5.9km2)ではあるもの上の池郷川池原ダム導水があれば1.5km程度の 追加導水で池 原貯水池に水を持って行けはする。
ただコープならと下北山村の試みは大事にしたいのでここは出来ると云う可能性の指摘だけに止めておく。


【発電】    
導水と発電を別々にするのは不効率っぽいのでより取水位を下げて661m程度で取水後池原ダムに向かって発電・放水してみる。流域18.15km2で導水 4.7km,発電は828.2,効率は178.7であった。この辺が良さそう。

[私案]池郷川発電所   
出力:8,700kW[+8.7MW]
水量:3.0m3/s[1.65]
落差:340m
流域:18.2km2
導水:4.7km
取水:大又谷・池郷川・カワハリ谷・冬小屋谷 660m
放水:北山川[池原ダム]315m








【大峰発電所構想】  
同じ水系内ではあるが流域変更は色々影響があるので参考程度だが,それやるなら隣の風屋ダムへの導水路がある滝川からも取水出来そうである。
こんな感じになる。強気の3.2m3/s程は期待持てそう。

[A案]池郷発電所
出力:11,200kW[+11.2MW]
水量:3.2m3/s
落差:422m
導水:10.5km程度 (1.06)
取水位:741m
放水:池原ダム315m

有効落差433mの破潰力ぱねえ。

これ逆サイドへもあり得る。

[B案]奥里発電所
出力:11,700kW[+11.7MW]
水量:3.3m3/s (途中の沢で取水可能)
落差:427m
導水:13.6km程度 (0.86)
取水位:741m
放水:奥里ダム310m[風屋ダムへの導水路の増強が必要(3.0m3/sしかない)]

発電はB案が僅かに大きいがその後の導水路の増強も必要であり,投資効率はA案の方が有利っぽい。

但し下流に対しては

A案 (単位水量辺り)ルート発電力…1.0934
池原ダム・池原発電所 満水位:318.000m
最大認可出力35.0MW 最大使用水量342.0m3/s 有効貯水量:2億2,008.3万m3 (単位水量辺り)発電効率:0.1023
七色ダム・七色発電所
最大認可出力82.0MW 最大使用水量140.0m3/s 有効貯水量:1,070.0万m3 発電効率:0.5857
小森ダム・小森発電所…放水位:65.43m
認可最大出力30.0MW 最大使用水量74.0m3/s 有効貯水量:470.0万m3 発電効率:0.4054

B案 ルート発電力…2.0233
風 屋ダム・十津川第一発電所…満水位:295m
認可最大出力75.0MW 最大使用水量60.0m3/s 有効貯水量:8,900.0万m3 発電効率:1.2500
二津野ダム・十津 川第二発電所…放水位:32m
認可最大出力58.0MW 最大使用水量75.0m3/s 有効貯水量:1,100.0万m3 発電効率:0.7733

となって水を流すならB案の方が良さそう。こういうの結構どっち回りでも似た様な数値叩き出すんだけどここでは大差が付いた。
水の保蔵力はAルート(北山川ルート)の方が大きいが寧ろBルート(十津川ルート)の方が水を欲してると云える かも知れない。

但し北山川経由案は小森までしか発電所がないので元々不利である。その下の発電所を考えるとこ んな感じ[→熊野川水力開発案]になりそう。
瀞堰堤・北山川発電所
出力:12.7MW 水量75m3/s 発電効率:0.16933

これをA案に加えるとルート発電力は1.09+0.17=1.26となる。瀞峡などがああって落差をフルで使いにくいのでやはりBルートの方が有利っぽい な。

此処迄来ると奥吉野発電所・旭川方面からも取水したいところであるが,そちらは栗平川開発に任せることにする。
それによって栗平川から風屋ダムへの導水路の水量が減って奥里側から水を風屋に送りやすくなる。

ということで十津川川へ降ろす。
こちらには奥吉野開発で460m付近迄導水路を伸ばす予定なので

[私案]滝川発電所
出力:9.300kW[+9.3MW]
水量:4.0m3/s (途中の沢で取水可能)
落差:275m
流域:25.4km2
導水:
取水位:741m
放水:460m