電力総研 水力あれこ れ 紀ノ川十津川綜合開発概要
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20.09.12運開
紀伊丹生川開発(21.5訪問)

紀伊丹生川は和歌山県北部に流れる紀ノ川水系の河川である。
奈良県にも同じ名前の丹生川が流れているのでそれぞれ大和丹生川と紀伊丹生川で呼び分ける事がある。

出典:国 土交通省

今の所,この紀伊丹生川に現在ダムは無いが,計画はあったというか着手はされていた様だ。

紀伊丹生川ダム (きいにゆうがわ)[便覧]
左岸所在     和歌山県伊都郡九度山町大字北又   
右岸所在  和歌山県橋本市彦谷
河川     紀の川水系紀伊丹生川
目的/型式     FNWI/G
流域面積/湛水面積     63km2 / 110ha
総貯水容量/有効貯水容量     6,040万m3/5,670万m3
ダム事業者     近畿地方整備局
着手     1989

ダムの位置検討図
出典:国 土交通省
2000年度   現ダム位置400m上流において地質調査を実施,ダムサイトとして適さないことが判明
2001年5月
利水者に水需要計画について確認
和歌山市:0.2m3/s→撤退
大阪府営水道:2.8m3/s(日量25万m3)→1.31m3/s(日 量13万m3)

ダムの位置を上流800mに変えたり規模を小さくしたりして検討した結果,中止となったようだ。

反対運動を主導したと思われる団体のサイトなどが引っ掛かる。(玉川峡を守る会)

反対運動が盛んになって結局ダム批判が高まり中止になったということらしい。

基本的に市民運動は全て 間違う。合っていたのは基地反対運動と原発反対運動ぐらいではなかったか?(註:当方,一応左なので市民派の運動にも敬意は払って おります。)
昨今の風力反対や一時期のダム反対には憂慮せざるを得ないが,お陰で近年ダム開発に当たって軽視されて いるようにも見えた水力発電という要素を再び前面に 出して再構築するチャンスが生まれたと云うべきである(結果として反対運動で時間稼いだのが合っていたとしたい。)。

玉川峡の環境は護りつつ水力発電の要素(要するに落差が欲しい)も入 れて行くべきであろう。

その辺を考慮に入れつつ治水用のダム程デカくは無いが一応治水にも協力する位置づけの発電用の奴を建設して電源開発してみたい。

と,一応玉川峡の前後を…と思って三尾辺りの現 地の様子を見ておくと…玉川峡塩之瀬キャンプ場と。。おい,こんな入口からもう玉川峡かい・・県道はr102と云う一般地方道としては可成りの若 番である。
出典:google map
周囲はキャンプ場だの研修センターだの保養所だのに溢れている(と云う程ないけどポツポツあってなかなかむずい)
ここらはそっとして置いた方が良さそうである。河合橋辺りで貯めて一旦この辺で中継して発電出来ると都合が良さそうなんだけど。

21.5訪問。玉川峡を通過してみた。先ずは私設キャンプ場。今回は延々と代わり映えのない渓流の連発である(本川ダムなし)

まあ清流ではある。
21.5
奥迄来るとちらほらキャンプ民見かけるけど少なくはなってくる。コロナなのにねぇ。。


結構キャンパーが遊んでたりしたけどまあずっとこんな感じで代わり映えしない(素晴らしい)渓流w



北又への分岐。紀伊丹生川の上流にダムを造って下流で発電する時に取水出来そうな支流である。


~北又川~
一寸それて遡ってみる。



終点に到達。[地 理院


川は未だ続いている。川の名前地図で はこの先も一級河川指定区間となっているけど。。


支流側もこんな感じ。






先ずはダムから考える。北又彦谷の原案ですら流域面積が63km2で標高が200m程度なのでそれより上流にしてしまうと更に水量が減ってしまうが高さは 得られる。水量と落差に関して発電は単純な積の比例関係であるから水量と落差,更に流域面積と標高のトレードオフ関係は概ね反比例の関係となる。

色々考えた末,此処しか無い,と云う地点に辿り着いた。
清川と丹生川の合流点標高327mを基準に導水する事にする。●河合堰堤とでも呼んでおく。明神岩は沈んでしまう が河 合橋付近に狙いを定める
http://maps.gsi.go.jp/#16/34.242176/135.652828/&base=std&ls=std&disp=1&vs=c1j0h0k0l0u0t0z0r0s0m0f1

河合橋交叉点
r102の合流地点から紀伊丹生川沿いを走ってきたR371が此処で二又に岐れる。清川沿いがR371,丹生川沿いが町道上筒香となる。
看板が色々出ているが,この町道,県道にも指定されずに不遇をかこっているが富貴・五條と橋本・九度山を結ぶなかなか重要な道路なのである。よく見ると画 面右手の何かはトタンであり,廃屋なのかもしれない。周囲は全くの無人であった。

川の様子はこんな感じ。橋のたもとから下流を眺める。

漁業権も設定されているようではある。。これは清川・高野山方面

此処で水量を或る程度貯めて平準化出来ると発電所として使えるものとなる。
https://www.google.co.jp/maps/@34.2418619,135.653191,3a,90y,295.1h,83.2t/data=!3m6!1e1!3m4!1sp55sgvQ6VyoV9ddcm1WaiA!2e0!7i13312!8i6656?hl=ja

道路とかも付け替えて一寸大きめの調整池でも出来ると水量が安定してGoodなんじゃけど。。

紀伊丹生川ダム構想
湛水面積6.2haと小さめのダムを建設。
川底327mの場所に満水位340mだから可成り小さめである。6.2ha。

こんなものは堆砂面じゃろw

EL=320mに堤高90m程の堰堤建設して常時満水位400mの発電ダムで取水じゃ。 400mで744,589m2(=74.5ha)である。どの位貯留できるのかなぁ。。→この 辺で比較検討してみた。結構でかくて250万m3程度は期待持てるのでは無いか。
またこのレベルなら人家の立ち退きは不要っぽい。
円柱と錐で推定する方法でやってみる。

EL=340mで11.3ha。更に輪切りにする数を増やしてEL=360mも調べると36.6ha。これより有効貯水量V=2,000~2.500万 m3の巨大ダムが現れた!


とはいえ元々の近畿地方整備局の紀伊丹生川ダム構想の有効貯水量5,670万m3から比べると半減してしまう。。洪水は半分ぐらいしか支えられないとして もそこは堤防などの他の対策と組み合わせて対処したい。

一旦出来れば43.8km2程の流域が確保出来る。4.4m3/sで放水するとすると2500万m3の容量があるとすると発電1,578時間(=65日) 分の水である。 一日4時間程度の尖頭発電をすると一冬持ちそうである。
もう一寸使用水量増やして良いな~。

途中北又で5.3km2程取水出来る。その後,サイフォンで丹生川まで降りて再び400m近く迄登るか,ここで一旦発電して蓋渠で丹生川を潜るかは要検討 だけど最終的には学文路近くで地下式の発電 所で発電して放水路で丹生川の合流点近くで放水という感じであろうか。
上が二分割案,下がサイフォンで直結案である。


途中で二分割する案で提示。一つにした方が管理コストなど色々節約は出来るか。。

[私案]丹生川第一発電所
出力:10,200kW→20,400kW[+20.4MW]
水量:5.0m3/s→10.0m3/s
落差:245m
流域:49.1km2
取水:丹生川[川合ダム]400m
放水:丹生川[丹生川第二発電所]150m

[私案]丹生川第二発電所
出力:3,500kW→7,000kW[+7.0MW]
水量:5.0m3/s→10m3/s
落差:85m
取水:丹生川[丹生川第一発電所]150m
放水:紀ノ川(丹生川合流点)61m

一寸バランス悪いかな。。水量を倍増すれば第二でも十分だ。結果,[+27.4MW]と いうことにする♪

参考までに日置川の発電専用ダム及び多目的だと日高川の諸元を抜き出すと以下の如し。
原計画の丹生川ダムの有効貯水量,盛り過ぎじゃね?って感じがしなくもない。どんだけ洪水対策に積み上げて建設費急騰させて自民党や官僚どもで中抜きしよ うとしてたんや?(まあ深い谷にダムを造れば工費の節約にはなるのか。まあ適地だという訳か。)
一方で流域面積の狭さがネックになりそう。


ダ ム
発 電所

河川名
有効貯水量 湛水
面積
流域面積 堤高
堤頂長
最大使
用水量
有効
落差
最大認
可出力
合 川ダム(発電専用)・殿山発電所 日置川
1,400万m3弱 137ha 300km2弱 64.5m
128.7m 26m3/s 約70m 15.0MW
椿山ダム・美山発電所 日高川
4,000万m3弱
(内,不特定
)容量400万m3
268ha 400km2弱 56.5m
236m 30m3/s 46m
12.4MW
猿谷ダム(不特定利水・発電)
・西吉野第一発電所
熊野川(天ノ川)
1730万m3
100ha
224km2
(含間接流域)
74m 170m 16.7m3/s
231m
33.0MW
紀伊丹生川ダム(構想)[便覧
紀伊丹生川
5,600万m3
110ha
63km2
145m
370m 計 画なし?
紀伊丹生川ダム(妄想)

2,000~2,500万m3?
73ha
43.8km2
90m
250m



名頃ダム 祖谷川
121.3万m3 9ha 21.2km2 37m 119.4m


赤石ダム 赤石沢
120.0万m3 17ha 202km2
(含間接流域)
58m 120m


大迫ダム 吉野川(紀ノ川)
2,670.0万m3 107ha 114.8km2 70.5m 222.3m


川迫ダム 熊野川(天ノ川)
40.0万m3 8ha 30.6km2 36.5m 111.6m



それにしても紀伊丹生川ダムやり過ぎやろ。電気も発電せんのにこんなデカイの盛りやがって。。こんなのがダムへの不信感を募らせ改革の標的にさせてしまっ たのである。

妄想版(とは版)紀伊丹生川ダムは規模感としては大迫ダムに似ている。20m程高いけど30ha程狭い。