電 力総研 水 力あれこれ(九 州)
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23.08.03増強
20.11.27暫定運開
五箇瀬川の水力発電①五ヶ瀬川水力] [九 州地方整備局
五ヶ瀬川[概況・下流篇・中上流篇祝 子川北川

流石の水力さんも此処迄は手が回らないのか未着手である。自力で調べてみた。九電・宮崎県企業局・大分県企業局・旭化成・チッソなどが水力発電を沢山建 設・運営していて集中立地地帯である。高千穂線も赤字続きの中豪雨水害で廃止されてしまった。雨はざんざん降りそうな地帯である。
>五ヶ瀬川の水利用の歴史は古く、大正時代から電力量拡大のための発電所建 設が行われてきており、現在では、22発電所で最大約237m3/s(最大出力約138,000kw)が発電用水として利用されている。[mlit]

何処迄川扱いされているか不明だけど,延岡港の有る場所は未だ五ヶ瀬川扱いされてて北川も五ヶ瀬川の支流扱いされているのかな?海 の真ん中に五ヶ瀬川って書いてあるww
此処では最初は纏めてやってたけど北川と祝子川は独立させる事とし本頁では五ヶ瀬川本流を取り扱う。

<雨量>
2,500mm程度。
出典:日之影町
雨量については、過去5年間の平均降雨量は2,545mmで あるが、台風の常襲地帯であるため豪雨となることがしばしばあり、地形が急傾斜地であるため被害も大きい。
過去10年間の気温及び雨量の状況
気温(℃) 雨量(mm)
年平均 最高 最低 総雨量 日最高
H20 13.9 34.2(7) -7.2(2) 2,243 120(6)
H21 14.4 33.2(8) -6.2(1) 1,719 83(7)
H22 14.3 34.2(8) -6.5(2) 2,002 117.5(6)
H23 13.8 33.5(8) -6.8(1) 2,737 288(9)
H24 13.6 34.4(7) -9.6(2) 3,077 254(6)
H25 14.3 36.2(8) -7.3(1) 2,018 202.5(10)
H26 13.8 34.4(7) -7.4(12) 2,441 180.5(6)
H27 14.4 35.3(8) -4.6(1,12) 2,450 144.5(8)
H28 15.2 36.5(8) -8.4(1) 2,389 140.5(9)
H29 14.1 34.8(8) -7.7(1) 2,163 286.0(9)

( )は月 降水量・・・H20~H21は見立観測所、H22より日之影観測所
気温・・・高千穂観測所



<九州電力>
チッソ(現JNC)による開発がメインで九電は桑野内まで途中の本流上には一切無い。
http://www.kyuden.co.jp/var/rev0/0246/3887/pdf_hydroelectric-power-plant_202005.pdf

さて,最下流に主に星山発電所新菅原発電 所の放水量を受けてこれらを使用して発電してみる。上流はこちらへ
下で見る網の瀬川の合流点付近(やや上流)にあるのが巨大な(使用水量49m3/s・出力12.2MW) の星山発電所である。その取水先として日之影川・五ヶ瀬発電所辺りから見て行く。
出典:国 交省



五ヶ瀬川発電所取水堰[DB
堤高:4.22m
取水:五ヶ瀬川発電所142.49m
放水:水ヶ崎発電所 142.38m


~日之影川~

日之影土地改良区 日之影発電所[aika][DB
当初運転開始年月: 1981.02 / 現行施設運転開始年月    1982.03 ←暫定開業でもした?
出力:2,300kW 常時:600kw[]
最大使用水量:1.44m3/s
有効落差: 209.13m←これは見事
  取水:日之影川344.19m(地 理院)・(G 空撮)
  放水:日之影川114.20[場 所
 流域面積     (km2)       68.7
水路式・流込式
(導水路) 型式種別:   無圧トンネル、蓋渠
(導水路) 総延長: 1,600.0m →どうみても10km位必要な距離感なんだけど。。。
 
 
七折頭首工
日之影土地改良区:0.8451m3/s
日之影発電所:1.44m3/s
取水位:344.19m
流域:68.7km2

導水路の短さは農業用水を活用してるんだなと思って調べているとヒットした。
出典:宮 崎県

いい感じのロケーションなのに如何せん水量が少なすぎる。
6.8m3/sとかでやれば可成りの規模になるのに。。上流も追える。


その奥にもポテンシャルありそう。
日 之影川(重内谷)く わづる谷た かはた谷見 立谷590mで取って28.4km2。落差242mで8,000kW

もう一寸標高下げて面積取ってみる。


[私案]日之影第一発電所
出力:8,200kW[+8.2MW]
水量:6.2m3/s
落差:160m
流域:38.4km2(日之影川)・11.3km2(日穏谷) 全体48.3km2
導水:5.1km
取水:日之影川EL.506m・ 日穏谷EL.515m
放水:日之影川[七折頭首工]EL.343m

七折用水・日之影発電所・日之影第一発電所と七折頭首工の場所にダム欲しい。。(もっと上流でも可)

ここから下。星山ダム直送すると14.1kmもある,,網の瀬川の新菅原発電所の下流部の使用水量的狭窄 部解消の為に新発電所を建設したいと思ってるがそれと併せると導水距離を減らしつつ発電も星山ダムレベルまで連檐 (シリーズ)出来る。

[私案]日之影第二発電所
出力:10,500kW[+10.5MW]
水量:6.5m3/s
流域: 68.7km2
落差:190m
導水:8.6km
取水:日之影川[七折頭首工・日之影第一PS(地 理院)・(G 空撮)]・小 河内谷川い のそ谷奥 谷一 の瀬谷・344.19m
放水:日之影川[八戸堰堤(仮称)]145m

八戸堰堤[地 理院]
流域:39.4km2(七折堰堤以下)
取水:10m3/s(4.0+6.5m3/s位行けそう。。)
送水:日之影第三or八戸発電所



旭化成(株) 五ヶ瀬川発電所=改修工事中[旭化成NW][日経] [ITmedia] [DB
水路式・流込式
出力:145,000kW予(旧:135,000kW) 常時:5,100kW(旧)
水量:29.7m3/s
流域:600.0km2
導水路:総延長 6,443.6m
取水:五ヶ瀬川142.49m
放水:五ヶ瀬川82.00m
竣工:1925.8/更新:1970.2
更新: 2019年10月に着工し、2021年10月に稼働する予定


旭化成(株) 星山ダム[便覧
目的:発電
取水位:77.9m 付近
堤高/堤頂長:30.5m/142m
流域面積/湛水面積     770km2 ( 全て直接流域 ) /33ha
総貯水容量/有効貯水容量:   173.1万m3/91.9万m3
着手/竣工     1939/1942

旭化成(株) 星山発電所[旭化成NW][DB
出力:12,200kW  常時: 4,100kW[33.6%]
水量:49.00m3/s[0.64]
有効落差:30.24m
  取水: 五ヶ瀬川[星山ダム]78.20m
  放水: 五ヶ瀬川45.20m
  流域面積     (km2)       770.0
  発電形式             ダム水路式
  発電方式             調整池式
  当初運転開始年月     (西暦年.月)       1942.11
  現行施設運転開始年月     (西暦年.月)       1967.02
水車:立軸フランシス×2台 総出力12200kW←旧一電だと余裕持たせてるけど旭化成だし?目一杯ぶん回してるのかなw


槙峰鉱山

最下流の星山発電所で49m3/s使用で49mで ある。此処らは南紀の多雨地帯と似ていて(多雨で削られて)標高は低いが未だ山である。しかも標高はこちらの方が高め。
って事でもう一発発電出来るであろう。槙 峰大橋51m付近で網の瀬川の取水もすべきだ。槙峰はこの辺なのか。『国鉄全線各駅停車⑩九州720駅』(1983小学館)と云う中高生時代の我 がバイブルのシリーズで切り欠きホームのみの無人駅だけど昔は硫化鉱の積み出しで栄えたと云う記述が蘇る。
当鉱山は宮崎県東臼杵郡北郷村大字宇納間小字武田ノ内(ブ タノウチ)に在る。すなわち北郷村と北方村との村境に在る速日峰(868.1m)の西方約2kmに位する三 角点(877。6m)の東
南約200m附近,延岡市西方約20kmの距離にある。
 当地に至るには次の経路が便利である。
 日豊本線富高駅前─バス37km→鉱山事務所(北郷村宇納間─トラック8km→索道下貯鉱場─徒歩約1キロ→現場 事務所。[地質調査所

色々凄い。富高は今の日向市駅。細島と富高が合併して日向市みたいなきもい名前になってしまったのは残念。
調べてみると富高と細島が合併して日向市では無く,細島合併後の富高が岩脇みたいな無名の村と合併する際に僭称市名(熊野市とか出雲市とか伊那市みたいな やつら)を名告った様である。
南日向も元々岩脇村の岩脇駅だったそうな。両者元に戻して細島線も復活させようぜ。
1937年10月1日 - 細島町・富高町が対等合併し富島町になる。
1951年(昭和26年)4月1日 - 富島町・岩脇村が対等合併・市制施行し日向市になる。
1952年(昭和27年) - 細島工業港の築港。
1955年(昭和30年)1月1日 - 美々津町を編入。
1963年(昭和38年)5月25日 - 富高駅が日向市駅に、また岩脇駅が南日向駅に駅名改称する。[wiki]

で,延岡駅からでも高千穂線(当時は高千穂迄開通しておかず日之影線[1937年には槙峰迄開通;wiki]) でもなく富高ってことはその頃は今より日向市の地位が高かったという事か?
と思って調べてみたら,速日の峰の北側に槙峰はあって名前も槙峰鉱山であったも入口は山の南側の富高筋,今の美郷町の方にあって人間はそっちから現場へ至 る道筋の様だ。こちらへは貨物(鉱物)だけ索道で運び出したりしてたのかな?
槙峰鉱山
宮崎県延岡市・日之影町にまたがってあった銅鉱山。五ヶ瀬川の中流,綱ノ瀬川との合流点付近にあった。1657年の発見と伝える。稼行と休山を繰り返した が,1864年延岡藩主内藤家の経営となる。1870年鉱区が東部と西部に分割され,西部の鉱業権は1889年三菱の手に渡り,槙峰鉱山と改称された。同 鉱山は三菱合資会社から三菱鉱業に継承され,1939年日平鉱山と合併。最盛期の1943年には粗銅生産23万tに達し,日本有数の銅山となる。ほかに黄 鉄鉱,磁硫鉄鉱なども産出。第2次大戦後は,次第に出鉱量が減少し,1967年閉山。[ コ トバンク
いずれにせよ半世紀以上前に閉山となり高千穂線も最早無く夢の跡というしかないのか。。

再び[地質調査所]に戻っ て当時の出荷先と出荷量の様子。
出荷先
1949年

4月
5月
6月
7月
8月
9月
10月
11月
旭化成延岡工場
333
213
0
0
0
83
213
111
908
尼ヶ崎肥料(株)
0
0
0
92
154
120
152
299
817

333
213
0
92
154
158
365
410
1,752
(単位:トン)
当時(1949(S24)12の調査),鉱山は再開されたばかりであり9月迄は貯鉱の払出とのことである。1943年の最盛期の23万tには遠く及ばない 1,752トン程度のようである。尼ヶ崎肥料は今のどこの会社だろ??
表は9月や計の和が可怪しいがそのままにしてある。


~網の瀬川~

西畑ダムで取水して発電する新菅原PSがエースである。西畑ダムの取水位は311mであり,上流でも行けそう。

西畑ダムに向けて奥地より導水。

[私案]奥網の瀬川発電所
出力:5,600kW[+5.6MW]
水量:4.5m3/s
流域:37.74km2
落差:148m
取水:網の瀬川463m
放水:網の瀬川[西畑ダム]311.5m




西畑ダム

九州電力(株)新菅原発電所[aika][DB
出力:7,500kW
水量:5.5m3/s
開始年月:昭和33年10月
  最大出力: 7,500kW   常時出力:  600kW
  最大使用水量:    5.50m3/s
  有効落差:  164.15m
取水:網ノ瀬川[西畑ダム]、猪内谷川311.50m
放水:網ノ瀬川138.29m
 流域面積:  60.7km2
  発電形式             ダム水路式
  発電方式             調整池式
  当初運転開始年月     (西暦年.月)       1958.10

嘗て延岡電気(株)運開でその後九電に移管された菅原(1900運開・150kW・1917出力増強 600kW・1958.10廃止)片内(1907運 開・400kW・1958.10廃止)の両発電所があった様だ[wiki
名前と時期から推論するにこの二つを纏めて新菅原発電所を作ったっぽい。滝波川の新薬師パターンである♪

割りと大きめの新菅原の使用水量を下流の黒原・梁崎で使い切れてるかが注目(というか不安)だったけど調べて見ると案の定極小である。
新菅原の5.5m3/sは丸で使えてないささやかな1.67m3/sである(新菅原で発電した水をダダ漏れさせている!)。

旭化成(株)  黒原(くろばる)発電所[RPS 法
場所:宮崎県西臼杵郡日之影町大字七折字黒原55番地
運開日:1999.12.01
出力:650kW
水量:1.67m3/s
RPS認定日:2004.03.15[旭化成ケミカルズ]
取水:網 の瀬川[新菅原発電所放水口・取水堰]145.4m付近
放水:梁 崎発電所取水口92.2m付近

旭化成(株)  梁崎(りょうさき)発電所[RPS 法
場所:宮崎県西臼杵郡日之影町大字七折字梁崎104番地
運開日:1999.12.01
出力:480kW
水量:1.67m3/s
RPS認定日:2004.03.15[旭化成ケミカルズ]
取水:黒 原発電所放流水92.2m付近
放水:網 の瀬川(or五ヶ瀬川)51.7m付近
   
此処では新菅原が利用・放流して,黒原・梁崎が取水した後の残る3.83m3/sを有効活用したい。 西 畑ダムから新菅原発電所迄の間の流量も追加出来る。
星山ダムに送水して星山発電所の 発電量を増やすのはどうだろう?星山が五ヶ瀬川の南岸の聚落の名なのに対して八戸は北岸の聚落名。
西畑ダムと新菅原発電所の間の9.2km2からの降水も新規に取水出来る。錯綜しているが下図のオレンジ線の部分が導水,オレンジ色の四角が発電所想定地 である。

[私案]日之影第三発電所or八戸発電所
出力:8,000kW[+8.0MW]
水量:15m3/s(=5.5m3/s[新菅原PS]+0.9m3/s[網の瀬川]-1.67m3/s[梁崎・黒原]+日之影川10m3/s)
落差:63m
流域:+9.2km2+
導水:5.0km(日之影川~網ノ瀬川)
取水:網の瀬川[新菅原発電所放水口・黒原発電所取水口]・日 之影川[八戸堰堤]145m
放水:五ヶ瀬川[星山ダム]78.2m

日之影川は今でも星山ダムへ流れ込んでいるので新規で上げられるのは網ノ瀬川からの取水分と規模は小さいが,星山発電所の発電量を上げることは出来る。星山発電所と使用水量と 出力の関係から云うと1.17MW分。と云う事でざっくりで云うと3.57MW分の開発とは云える。
将来的には規模の小さな黒原・梁崎は廃止を視野に入れても良さそう。その場合廃止する前よりも増加分が下がってしまうがその分星山発電所の発電量を上げる ことが出来るのでトータルでは増やせる筈である。

西畑ダム[便覧] [DB
河川     五ヶ瀬川水系網の瀬川
目的/型式     P/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     23.7m/87.5m/19千m3
流域面積/湛水面積     51km2 ( 全て直接流域 ) /ha
ダム事業者     九州電力(株)
着手/竣工     2012/2016
 流域面積     (km2)       51.0
  (ダム) 型式             コンクリート・重力式
  (ダム) 堤高     (m)       17.80
  (ダム) 堤頂長     (m)       45.00
  (ダム) 堤頂幅     (m)       5.30
  (ダム) 堤体積     (m3)       7,450
取水位:311.50m






[構想]北方発電所
出力:15,400kW[+15.4MW]
水量:55m3/s
落差:33m
導水:8.4km
取水:五ヶ 瀬川[北方堰堤]・曽木川(optional)50m
放水:五ヶ 瀬川12.3m




~細見川・曽木川~
さて割りと直ぐ山である。早速開発に取り掛かる。最短で五ヶ瀬川へ流すと30m付近で7.1MW程度見込めるけど,北方発電 所を建設となるとそっちと連繋かなあ~。

[私案]北方発電所
出力:6,000kW[+6.0MW]
水量:4.5m3/s
落差:156m
流域:37.97km2
取水:曽 木川・細見川(西 谷中 谷(仮称)東 谷)220m
放水:五ヶ瀬川[北方発電所]50m



(延岡市街)

(河 口!)

(日向灘)