電力 総研 水力あれこれ とは掲(発 電スレ 利 水スレ)
21.6.3運開
市川と水力発電所【現況篇】(21.6逍遙)(→開発篇)

市川:(瀬戸内海:河口)─<姫路市街>──[神 谷川:神谷ダム]──<福崎市街>─小田原川:─南小田第二 発電所南小田第一 発電所大田川[大田ダム[→大河内発電所─(坂ノ辻峠・r6加美宍粟線)]──市川発電所──<長谷市街>[犬見川:─(犬見川発電所)─長谷ダム[←大河内発電所]─(砥峰(とのみね)高原・r39一宮生野線)]──市 川堰堤・[栃原川:─(長谷発電所栃原川堰 堤)─]長谷発電所─長谷発電所堰堤市川堰堤──<生野市街>──生野ダム[長野川:三国峠]──黒川:─黒川ダム[→奥多々良木発電所]─(青倉山)]───(青垣峠・R429)

~沿川風景~
(河口)

<姫路市街>

船津浄水場
>1979年4月、姫路市に船津浄水場が完成、稼動を始めた。この浄水場は黒川ダムの他企業庁管理の神谷ダム(神谷川。中央土質遮水壁型ロックフィ ルダム・77.0m)を水源として姫路市の他加西市、神崎郡市川町・福崎町、揖保郡太子町に上水道と工業用水を供給する。[兵庫県企業庁]

~神谷川~

神谷ダム[兵庫県
堤高:79.0m
流域面積:2.18km2
湛水面積:72ha(0.72km2)
総貯水量:1,660.0万m3
有効貯水量:1,610.0万m3
兵庫県水道用水開発量:206,000m3/日(平均2.38m3/sも!?)

  

~小田原川~            
小田原川には上流から大田ダム・南小田第一・南小田第二発電所が立地する。大田ダムは純揚水大河内発電所の上池である。
川にはr6加美宍粟線が併走す る。揖保川方面へ抜ける県道であるが,夢前川方面(雪彦から姫路)に抜けるr67姫路神河線の未通区間を挟んだ盲腸線部分も 分岐する。


関西電力(株) 南小田第二発電所[水力]            
運開:1919.5[姫路水力電氣株式会社]
流込式
認可最大出力:720kW      常時出力: 73kW
最大使用水量:1.53立方メートル毎秒
有効落差:64.46m(現在)
導水路:総延長2082.0m(0.34)
    取水位標高:342.33m
    放水位標高:不明m(277m 程度)
流域面積:17.6平方キロメートル
取水:小田原川、太田川、南小田第一発電所342.33m
放水:小田原川276m 程度?

21.6


関西電力(株) 南小田第一発電所[水力]            
運開:1909.12[姫路水力電氣株式会社]:
水路式(以前はダム水路式)・流込式(以前は貯水池式)
    認可最大出力:1450kW
      常時出力: 420kW
    最大使用水量:0.48立方メートル毎秒
    有効落差:372.00m
    導水路:総延長3340.0m (0.43)
    流域面積:8.8平方キロメートル
    取水(833.35m):小田原川、沢(名称不明)→太田ダム(第一~第五ダム・現在は貯水池としては使用せず)→太田川
    放水(不明):南小田第二発電所

嘗ては太田ダムを調整池として使っていたようだ。矢作川の黒田 ダムと黒田発電所を想起させる。



~太田川~

太田ダム[①便覧] [②便覧] [③便覧] [④便覧] [⑤便覧]            

河川     市川水系太田川
目的     P(揚水発電所[大河内発電所]下部調整池)
堤高     ①55.5m ②44.5m ③23.5m ④29.3m ⑤26.5m
流域面積/湛水面積     1.6km2 ( 全て直接流域 ) /64ha
総貯水容量/有効貯水容量     9313千m3/8660千m3
ダム事業者     関西電力(株)
着手/竣工     1980/1995 元々あった太田池を拡張






関西電力株式会社 市川発電所[水力] [→開発案]       
運開:1911.12[ 山陽中央水電株式会社]
水路式・流込式
認可最大出力:2,600kW      常時出力: 220kW[8.5%]
最大使用水量:4.30m3/s[0.40]
有効落差:74.10m
導水路:総延長5,572.8m (0.46)
流域面積:106.4km2
取水:市川[堰堤長谷発電所]246.23m
放水:市川167.80m

名前は流域を背負ったデカいものだが(運開した事業者も山陽中央水電と結構デカい名前。)こぢんまりとした発電所であった。

ごちゃっとした田舎聚落の片隅に一寸寄せて貰ってる感じ。

取水堰はそこそこ上流(大河内発電所の長谷ダムのある犬見川よ りも上流)にあって山裾を縫う5km超の導水路で70m超の有効落差を稼いでいる感じ。

~犬見川~
[廃止]犬見川発電所水力]            


長谷(はせ)ダム[水力]            
着手/竣工:1980/1995
     総貯水容量:9,604,000立方メートル
    有効貯水容量:8,260,000立方メートル
         堤頂標高:429.3m
          満水位標高:426 m
          低水位標高:376 m
           基礎標高:327.3m
    流域面積:13.48km2     湛水面積: 30ha

ダムに近づくと俄にそれっぽくなる。関電のPR館の看板に高圧鉄塔。
水力
こ のヘアピン辺りだがそもそもダム建設に伴う付け替えで出来たっぽいな。
ダムには近づけなかった。

このダムでの落差を見せつけられると流域面積13km2でも小水力発電でもやって欲しくなるね~。太田ダム1.3km2の周辺でも南小田第一・第二の発電 所飼ってるんだし。
犬見川発電所の衣鉢を継いで欲しい☆

関西電力(株) 大河内発電所[水力] [関 電]           
平成4(1992)年10月:1号 機運用開始
平成5(1993)年12月:4号機運用開始
平成6(1994)年 7月:2号機運用開始
平成7(1995)年 6月:3号機運用開始
純揚水式
認 可最大出力:1,280,000kW
最大使用水量:382.00m3/s
有効落差:394.70m
水車:ポンプ水車 出力329000kW×2台、331000kW×2台
発電機(1~2号機):容量350000kVA×2台   (3~4 号機):容量395000kVA×2台
上池:太田川[太田第一~第五ダム] 798.00m
下池:犬見川[長谷ダム]376.00m
発電時間:約6時間※

※上貯水池の貯留量866万m3を382m3/sで使うと6.29h=6時間17分50秒持つ計算にはなるようだ。

この奥は砥峰高原。その向こうは揖保川水系福知川である。福知川水系は草木発電所に送る妄想 があるから諦めるけど南小田の導水路なんか含めると面積は18km2程に。
橙線の様に犬見川発電所(仮称)でも入れ込んで(南小田第二発電所を廃止して)も良い気がする。

有効落差は最大260mで取れて水量がやや強気に2.0m3/s程度だとすると4,300kWとれる。これだけみればやっても良いのではないかという気が する。
しかし南小田第二720kwが廃止の上,水域14km2程は南小田第一の1.53m3/sの確保は難しくても半分ぐらいは確保出来るかな?まあ規模が小さ くなると廃止かな。。
となると2170kWが廃止となると結局純増は+2.13MWか。。こうなるとちょい小さい。。市川発電所に向けて送水,もしくは南小田第一取水口(詰 まり南小田第二発電所付近)に向けて放水する方がいいのかも。。

 
市川発電所市川取水ダム[DB]            
流域面積     (km2)       106.4
  (ダム) 堤高     (m)       7.80



播但道とR312は猪篠川を俎上し生野峠を越える(播但道は播但トンネルでぶち抜き),一方,播但線は県道を従えて市川を愚直に遡上する。が,市川発電所 の取水ダムの直ぐ上流の長谷から生野への狭窄部は県道も別ルートを取り,人口稀薄な場所を単独で朝来・和田山を目指して北上する。そんな途中に次の長谷発 電所と取水堰はあった。

生野(株) 長谷発電所[水力] [aika=link切れ]           
運開:1901[ 三菱合資会社鉱山部→三菱金属鉱業株式会社]
流込式
出力:不明?!
導水:市川3.3km程 栃原川1.5km程
流域:98.6km(栃原川含む・とは計測)
取水:市 川栃 原川(現在は休止)288m
放水:市川[市川発電所堰堤

三菱マテリアルを経て今はリョービ子会社の生野(株)に譲渡されてる模様
https://www.ryobi-group.co.jp/group/ikuno.html

地図



播但線の踏切を渡ると直ぐ,鉄管と遭遇。

余水が物凄い勢いで放水されていた。(場 所)

物凄い勢いで余水が放水され水圧鉄管の隣の溝を駆け下りていたので出力倍増できるやろと思ったけど出力も不明とは。。
自家発電的に使われていてFIT認定など受けてない??更には栃原川からの取水も休止中だそうで大増強が可能っぽい。。

この真下辺りに発電所はありそうだったがよく判らず。単線非電化とは言え山の中でなんか頼もしい播但線。
優等列車のルートから外れて廃止した方が良い因美南線なんかとは違って「はまかぜ」なんかのルートとしてまだまだ現役で活躍中であるしな。


途中,今では何も無いがらんとした山の狭間の僅かな平地に(多分水の)浄化センターがあって上流の鉱山(跡)の存在を感じさせる。
その隣りに水路が流れていた。結構満々と水を湛えて流れて行く。


更に上流には取水施設があった。播但線の手前に取水口がある。

相変わらずブレブレの写真でお恥ずかしいが取水部をあっぷに狙った写真だとこんな感じ。水路を跨いでるパイプはなんだ??

水門の類はないが割りと水は湛えられていた。
場所はこ の辺。よく見るとさっきから直線主体で頼もしい播但線だが線形改良されてる気配がある。廃トンネルなんかもありそうだ。


生野ダム[便覧][兵庫県]            
河川     市川水系市川
目的/型式     FNWI/重力式コンクリート
堤高/堤頂長/堤体積     56.5m/220m/150千m3
流域面積/湛水面積     49km2 ( 全て直接流域 ) /90ha
総貯水容量/有効貯水容量     1,800.0万m3/1,700.0万m3(治水容量320.0万m3・上水道容量400.0万m3・工業用水容量620.0万m3)
工業用水開発量:115,000m3/日(→約1.33m3/s相当)
ダム事業者     兵庫県
着手/竣工     1963/1972
常時満水位(平常時最高貯水位):389.1m

生野ダム小水力発電設備[aika]
出力:497kW
発電量:約2,400kWh/年
設置:2018年3月

満水位が389mで放水位が349m位 だとすると落差は40m。水量は1.5m3/s程度(係数0.3程度)かな?維持流量に毛が生えた程度か。

>生野ダム小水力発電設備を平成30年に設置し運用しています。これは普段放流する水を利用して発電する従属発電となっており、一般家庭約700世 帯分にあたる年間約2400kWhの発電を行っている。

容量配分図(ダム情報より)
出典:兵 庫県河川監視システム






生野町黒川
市川の源流,どん詰まりにして揚水発電所の上池の所在地にしてはなんか開放感のある場所であった。妙に開けた感じで厳しい自然と云うより長閑さを感じたの はそれまで散々登ってきた国道更にそこから分岐した町道と険しい渓谷が盆地になって開けていたからか?因みに国道を直進すると青垣峠でその向こうは加古川水系である。

黒川ダム[水力] [便覧][wiki]      
有効貯水容量:2,136.0万m3
    満水位標高:615.5m
    低水位標高:590.0m
河川:市川(源流)
河川     市川水系黒川
目的/型式     WIP(水道・工業用水→兵庫県企業庁・発電→奥 多々良木発電所(関電594.0m3/s))/ロックフィル
堤高/堤頂長/堤体積     98m/325m/3623千m3
流域面積/湛水面積     5.2km2 ( 全て直接流域 ) /109ha
総貯水容量/有効貯水容量     3,339.0万m3/2,136.0万m3
ダム事業者     関西電力(株)
本体施工者     鹿島建設
着手/竣工     1970/1974
兵庫県工業用水開発量:30,000m3/日(平均すると0.3472m3/s)

>(奥多々良木発電所が建設された昭和40年代)逼迫して行く水道供給に対応するため兵庫県企業庁は「兵庫県水道用水供給事業」を事業展開して水需 要の確保を図ろうとした。…そして黒川ダムを水源に利用し浄水場を整備する事で増加する水需要に対応するというものである。各関連機関との調整を経てこの 事業は実施されるが黒川ダムにおいても関西電力と兵庫県企業庁との間で調整が図られ、本来の目的である発電に支障を来たさない程度での貯水池の利水が可能 となった。 [wiki
と云う事で異例の純揚水発電用ダムでの利水である。一種の多目的ダムだが補助金は入っていないとのこと。補助金入ったら入ったで色々建設省の容喙が五月蠅 いだろうし飽く迄関電の地元対応ってところか。
奥多々良木ダムが市川水系だったら発電後に姫路に送水出来たのに残念ながら姫路に送るには市川に流さねばならない。まあ水道用水って水量は僅かだから誤差 みたいなもんだけど。

こちらの流域面積は5.2km2と長谷ダム以上に狭いので難しいだろうけど湛水面積は広そう。。
生野ダムの満水位389mに向けてダム直下の520m位で取水すると9.1km,14.67km2程。1,500kW。一寸苦しいな。

~多々良木川(円山 川水系)~           

奥多々良木発電所[水力]    
関西電力(株)・純揚水
運開:
1974.6:1号機運用開始
1974.7:2号機運用開始
1975.4:4号機運用開始
1975.6:3号機運用開始
1998.4:6号機運用開始
1998.6:5号機運用開始
認可最大出力:1,932,000kW
最大使用水量:594.00立方メートル毎秒
最大揚水量:485.00立方メートル毎秒
上部調整池:黒川ダム
下部調整池:多々良木ダム228.0-199.5m


多々良木ダム(円山川水系) [水 力][便覧
目的/型式     P/アスファルトフェイシングフィル
堤高/堤頂長/堤体積     64.5m/278m/1462千m3
流域面積/湛水面積     13.4km2 ( 全て直接流域 ) /105ha
総貯水容量/有効貯水容量     1,944.0万m3/1,738.0万m3
ダム事業者     関西電力(株)
着手/竣工     1970/1974
満水位標高:228.0m / 低水位標高:199.5m
    
>堤高64.5m。アスファルトフェイシングフィルダムとしては日本で4番目に高い。その他このタイプでは、湛水面積は第1位、総貯水容量は第2 位、堤体積は第3位。
とのこと。

最上流の黒川ダム付近も中上流の長谷ダム付近もいまいちであった。こちらに市川発電所付近での増強 案を検討した。